カリフォルニア大学
基本情報
名称: University of California, Barkley
愛称: Golden Bears
所属: Pac-12 Conference
2021-22: 12勝20敗
2020-21: 9勝20敗
2019-20: 14勝18敗(NCAAトーナメント中止)
近年の話: 絶賛低迷中
- デビン・アスキュー編入(2022-)
近年、カリフォルニア大学バークレイ校は例年以上に低迷を続けている。同大は強豪パック-12・カンファレンスに所属していながらも学業を重視しているため「NCAAトーナメント出場」で上出来だ。一方、最近は非常に厳しい状況が続いている。前任者ワイキング・ジョーンズ(Wyking Jones)はパック12内で5勝31敗で僅か2季目にして交代となった。現HCマーク・フォックスも3シーズンでカンファレンス内15勝43敗と苦闘している。2022-23、デビン・アスキュー(Devin Askew)がケンタッキー大学とテキサス大学での失望を乗り越えてブレイクしつつある。
パック-12・カンファレンス
- 名称: Pac-12 Conference
- 設立: 1915年
- 所属校: 12校
- 放送: Pac-12 Network/ESPN/CBS
- HP: pac-12.com
所属校(大まかな所在地) |
UCLAは1967~73年の7連覇を含む合計11回のNCAAトーナメント制覇を誇る超名門だ。 |
USC(ロサンゼルス)はUCLAと双璧を成すLAの名門大学だ。最近ではUCLAよりもリクルートに強い。 |
アリゾナ大学(ツーソン)は1990年代に西海岸随一のパワーハウスとなった。現在は元ゴンザガ大学ACのがHCを務めている。 |
アリゾナステイト大学(フェニックス)はジェームス・ハーデンの母校として知られている。 |
オレゴン大学(ユージーン)は初代NCAAトーナメント王者&NIKEのお膝元だ。 |
オレゴンステイト大学(コーバリス)はゲイリー・ペイトン父子を輩出した。 |
ワシントン大学(シアトル)は地元シアトルのキッズをNBA選手に仕立て上げることで有名だ。 |
スタンフォード大学(ベイエリア)は1980年代後半~00年代前半まではNCAAトーナメント常連校だった。今でもNBA選手の輩出率は高い。 |
カリフォルニア大学バークレー校(ベイエリア)はケビン・ジョンソン、ジェイソン・キッド、アブドゥル-ラヒーム、ジェイレン・ブラウン等を輩出しているものの、近年はミッドメジャーにも満足に勝てない状態が続いている。 |
コロラド大学(デンバー)はチャウンシー・ビラップスの母校だ。 |
ユタ大学(ソルトレイクシティ)は1990年代にアンドレ・ミラーやキース・バン・ホーンらを擁して最盛を迎えた。日系人初のNBA選手ワッツ・ミサカ氏も同校出身だ。 |
ワシントンステイト大学(スポーケン)は2000年代のトニー・ベネット就任時は強かった。当時のエースがクレイ・トンプソンである。 |
パック-12・カンファレンスは西海岸唯一のパワーカンファレンスだ。近年は複数の学校がリクルートだけとの下馬評を覆してスウィート16以上に進出している。一方、UCLAとUSCのB1G移籍が決定した。両校は同カンファレンスの稼ぎ頭だ。そのため、現在はカンファレンス存続自体すら危ぶまれている。
チーム史
ニブス・プライス時代(1924-54)
- ファイナル4(1946)
- カンファレンス優勝×7(1925、26、27、29、32、44、46)
全米1位評(1926-27)
1924年、卒業生&フットボール部ACのニブス・プライス(Nibs Price)がバスケ部HCを務めることになった。同氏は就任1年目からチームをパシフィック・コースト・カンファレンス優勝に導き、就任5年目までに4度のPCC制覇を達成し、1926-27チームは後にプリモ-ポレッタ調査(Premo-Porretta Power Poll)で全米1位に評された。

“大々的な”全米No.1決定戦開催は1930年後半からだ。ポストシーズントーナメントはNIT(1938年)/NCAAトーナメント(1939年)開催→NIT>NCAAトーナメント(1940年代)→NCAAトーナメント>NIT(1950年代)の変遷を辿っている。前ポストシーズントーナメント時代は後にPremo-Porretta Power PollとHelmes Foundationが独自に各シーズンの全米No.1を発表している。
全米4位(1945-46)
その後、NITやNCAAトーナメントといったポストシーズントーナメントが誕生した。そして、1945-46、ゴールデンベアーズは7度目のPCC制覇を成し遂げて初のNCAAトーナメント出場を果たし、1回戦でコロラド大学を破ったものの、名将ヘンリー・イバ(Moe Iba)とボブ・カーランド(Bob Kurland)率いるオクラホマA&M大学(現オクラホマステイト大学)に完敗し、3位決定戦でもオハイオステイト大学に敗れて4位に終わった。
ピート・ニューウェル時代(1954-60): オスカー・ロバートソンとジェリー・ウェストを撃破して優勝!!
- NCAAトーナメント優勝(1959)
- NCAAトーナメント準優勝(1960)
1954年、ピート・ニューウェル(Pete Newell)がHCに就任した。ニューウェルは1949年にサンフランシスコ大学をNIT優勝に導いた人物だ。1956-57、ニューウェルは噂に違わぬ手腕を発揮してゴールデンベアーズをNCAAトーナメントに導いた。
しかし、ニューウェルの就任以上に大きかったのがダーラル・イムホフの覚醒だった。イムホフはウォークオン(奨学金無し)の学生だったが、見る見るうちに頭角を現して大学4年次にはコンセンサス・オール-アメリカンにまで成長した。
1958-59、イムホフ率いるゴールデンベアーズは3年連続となるNCAAトーナメント出場を果たし、準決勝でオスカー・ロバートソン(シンシナティ大学)、決勝でジェリー・ウェスト(ウェストバージニア大学)を撃破、レジェンド”2タテ”でNCAAトーナメント制覇を成し遂げた。
1959-60、連覇を狙うゴールデンベアーズは難無くファイナル4に進み、準決勝でリベンジを目論むオスカー・ロバートソンをいなして再び決勝戦に進出したが、ジェリー・ルーカスやボブ・ナイト等タレント揃いのオハイオステイト大学に敗れ、連覇まであと一歩及ばなかった。

ダーラル・ホフマンはプロ転向後もさらに成長してアメリカ五輪代表とNBAオールスターにまでに至った。
トッド・ボーズマン時代(1993途中-96): 短期間に数多くのスタープレーヤーを輩出したが…
トッド・ボーズマン(Todd Bozeman)は若干29歳ながらHCに就任し、僅か3シーズンの間にジェイソン・キッド、レイモンド・マレー、シャリーフ・アブドゥル-ラヒームを輩出した。
クオンゾ・マーティン時代(2014-17): NBAドラフト指名者4名の超豪華スターターを結成!!
2014年、クオンゾ・マーティン(Cuonzo Martin)がHCに就任した。2014-15、タイロン・ウォーレス、ジャバリ・バード、そして後にゴンザガ大学に転校して八村塁選手とチームメイトになるジョーダン・マシューズなどタレント揃いではあったが、マーティンの初陣は18勝15敗と歯がゆい結果に終わった。
しかし、2015年、マーティンはジェイレン・ブラウンとアイバン・ラブの2人のファイブスターリクルートをリクルートする大仕事をやってのけた。2015-16、同大史上最も才能に溢れるラインナップとなったチームは、シーズン終盤にPac-12内で7連勝を飾り、最終AP23位でNCAAトーナメント出場を果たした。が、経験不足の否めないチームは1回戦で格下のハワイ大学に屈した。
2016年、ブラウン(1巡目3位指名)、ウォーレス(2巡目60位)、マシューズ(ゴンザガ大学へ転校)がチームを去った。加えて、前年度の実績によってマーティンの契約は2020-21まで延長となった。が、2016-17、アイバンとバードがシーズン中盤に戦線離脱となり、ゴールデンベアーズはシーズン終盤に失速、NCAAトーナメント出場を逃した。
その後、アイバン(2巡目35位)とバード(2巡目56位)がNBA入り、タレント不足のチームの指揮を執ることを渋ったマーティンは逃げるようにミズーリ大学へと移った。
その他
フィル・シェニエ(1969-71)
- NBAオールスター×3
- ワシントン・ブレッツ優勝(1979)
- 永久欠番#45
フィル・シェニエは1971年のNBAドラフトにてハードシップ指名でボルチモア・ブレッツに指名された選手だ。

ハードシップ指名はNBAが1972年に大学卒業年に満たない選手を解禁するにあたって前年度1971年に大学3年生以下の選手を指名できる制度だ。指名権は1970-71の成績下位チームに与えられていた。
ジーン・ランソム(1975-78/1979年卒業)
- NBAドラフト指名(1978)
- 最多出場時間63.5分(1977)
- カリフォルニア大学運動部殿堂入り(2001)
ジーン・ランソムは174cmながらカリフォルニア大学のベストPGの1人と評されている。
ケビン・ジョンソン(1983-87)
- 1987年1巡目7位(CLE)
1960年の準優勝以降、カリフォルニア大学は1990年まで30年連続でNCAAトーナメントから遠ざかっていた。ケビン・ジョンソンは3年次と4年次に勝率5割りが御の字のチームをNITに導いた。
トニー・ゴンザレス(1994-97)
元NFLプレーヤーのトニー・ゴンザレス(1994-97)はバスケ部にも所属していた。ハイライトは1997年NCAAトーナメント2回戦のビラノバ大学戦だ。同選手はティム・トーマスらを相手に23得点の活躍でチームをスウィート16進出に導いた。
ジェロ―ム・ランドル(2006-10)
ジェローム・ランドルはマイク・モンゴメリー(Mike Montgomery)のHC就任を機に才能が開花し、2008-09には平均得点を7点上昇させる活躍でベアーズを久しぶりのNCAAトーナメント出場に大きく貢献し、翌2009-10にはPac-10のMVPを獲得する活躍でチームを「AP最高13位」と「NCAAトーナメント出場」に導いた。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: Haas Pavilion
住所: 115 Haas Pavilion, Berkeley, CA 94720
バークレーはサンフランシスコの対岸にある。サンフランシスコからの行き方は複数あるが、地下鉄Bartを乗り継いで行くのがオススメだ。キャンパスはOrange LineのDowntown Berkeley駅から徒歩数分の場所にある。
チケット
ハイメジャー校は試合によってはチケットが売り切れる。あるいは、会場購入の場合、列に並ぶ必要が出る。そのため、チケットは事前のオンライン購入が無難だ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
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ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売に携わっている企業だ。同社は自社の「Fanatics」「Fanatics International(欧州軸)」「Fanatics Big Tall(デカいサイズ)」「LIDS(子会社)」で全NCAA D1校のグッズを販売している。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

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カリフォルニアエリア

カリフォルニアエリア(西海岸)
カリフォルニアエリアはカリフォルニア州を中心にネバダ州とアリゾナ州を括ったエリアだ。
ベイエリア(カリフォルニア州)
ベイエリアとはサンフランシスコ、オークランド、サンノゼの総称だ。最近ではIT企業の本社が軒を連ねるシリコンバレーがサンノゼからベイエリア全体に拡大している。NBAゴールデン・ステイト・ウォリアーズ、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、ゴンザガ大学のライバルStメアリーズ大学、スティーブ・ナッシュの母校サンタクララ大学などがある。
サクラメント(カリフォルニア州)
サクラメントはサクラメント・キングスと渡辺飛勇選手が編入するUCデイビスがある。街全体が落ち着いて日本人に合うと思う。同市はベイエリアに近く、ベイエリアに行くのであれば是非とも一緒に寄りたい。
リノ(ネバダ州)
ネバダ州リノはラスベガスに次ぐ同州第二位のカジノの街だ。町自体は小さいのだが華やかなためThe Biggest Little Cityという愛称で呼ばれている。ニック・ファジーカスの母校ネバダ大学リノ校がある。
ロサンゼルス(カリフォルニア州)
ロサンゼルスは西海岸最大のバスケ都市だ。NBAはロサンゼルス・レイカーズとクリッパーズがある。NCAA D1は名門UCLAと南カリフォルニア大学の他、個性的なミッドメジャー8校がキャンパスを構えている。夏にはDrew LeagueやVBLも開催されている。また、イベントや大会の開催も多い。
サンディエゴ(カリフォルニア州)
軍港サンディエゴはサンディエゴ・ステイト大学、サンディエゴ大学、カリフォルニアステイト大学サンディエゴ校、カリフォルニア大学サンディエゴ校の4校がある。
ラスベガス(ネバダ州)
ラスベガスは1970年代後半~90年代に一世を風靡したネバダ大学ラスベガス校(UNLV)がある。前半夏はNBAサマーリーグ、アメリカ代表戦、AAUキャンプ、サンクスギビング期間(11月末)はカレッジのカップ戦、年末年始は高校生の大会、3月はカンファレンストーナメントと1年中何かしらのイベントが開催されている。

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NCAAの視聴方法



参考
University of California Golden Bears School History(sports-reference.com)
California Players In The NBA(basketball.realgm.com)
Darrall Imhoff, a Decorated Basketball Center, Dies at 78(nytimes.com)
GENE RANSOM(calbears.com)
College Hotline: After the collapse, what’s next for Cal basketball (Martin’s future, Rabb’s decision and a bleak roster)(eastbaytimes.com)