

UCLA
基本情報
名称: University of California, Los Angels
愛称: UCLA/Bruins
所属: Pac-12 Conference
2022-23: 27勝8敗スウィート16
2021-22: 22勝10敗ファイナル4
2019-20: 19勝12敗(NCAAトーナメント中止)
2018-19: 17勝16敗
近年の話: 名門復活なるか!?
- 主な選手
ハイミー・ハケス(2019-)
タイガー・キャンベル(2019-)
アマリ・ベイリー(2022-): ファイブスター
アデム・ボナ(2022-): バーガーボーイズ - ジョーダンブランド契約(2021)
近年、UCLAはNCAAトーナメント制覇に近い場所に戻ってきた。数年前は非常に厳しい状況だった。2019年、新HCにミック・クロ―ニン(Mick Cronin)が就任したものの、実績はNCAAトーナメント常連校程度だったため、本命登場までの”繋ぎ”として見られていた。しかも、2020年、ファイブスターのディショーン・ニックスのデコミットとエースのクリス・スミスの全休が重なった。そんな中、2020‐21、同大は何とかプレーイントーナメント枠でNCAAトーナメント出場にこぎ着け、その後のまさかの5連勝で奇跡のファイナル4進出を果たした。そして、昨2021-22、同大は前年度ファイナル4進出時の残留で再び優勝候補の一角に評されるまでに至った。2022-23、ロスターはハイミー・ハケスとタイガー・キャンベルの残留+ファイブスター2名で再びリッチになっている。
パック-12・カンファレンス
名称: Pac-12 Conference
愛称: パック12
設立: 1915年
所属校: 12校
放送: Pac-12 Network/ESPN/CBS
HP: pac-12.com
所属校(大まかな所在地)※太字は重要校 |
UCLAは1967~73年の7連覇を含む合計11回のNCAAトーナメント制覇を誇る超名門だ。 |
USC(ロサンゼルス)はUCLAと双璧を成すLAの名門大学だ。最近ではUCLAよりもリクルートに強い。 |
アリゾナ大学(ツーソン)は1990年代にPac-12を代表するパワーハウスとなったが、プレー資格の無い選手の起用やリクルートの不正が発覚したためNCAAからの制約を受けて近年は弱体化を余儀なくされた。 |
アリゾナステイト大学(フェニックス)はジェームス・ハーデンの母校として有名だ。 |
オレゴン大学(ユージーン)はNIKEのスポンサードによる高いブランド力で毎年リクルートに成功している。 |
オレゴンステイト大学(コーバリス)はゲイリー・ペイトン父子を輩出した。 |
ワシントン大学(シアトル)は地元シアトルのキッズをNBA選手に仕立て上げることで有名だ。 |
スタンフォード大学(ベイエリア)は1980年代後半~00年代前半まではNCAAトーナメント常連校だった。今でもNBA選手の輩出率は高い。 |
カリフォルニア大学バークレー校(ベイエリア)はケビン・ジョンソン、ジェイソン・キッド、アブドゥル-ラヒーム、ジェイレン・ブラウン等を輩出しているものの、近年はミッドメジャーにも満足に勝てない状態が続いている。 |
コロラド大学(デンバー)はコロラド州史上最高のプレーヤーと評されるチャウンシー・ビラップスの母校だ。 |
ユタ大学(ソルトレイクシティ)は1990年代にアンドレ・ミラーやキース・バン・ホーンらを擁して最盛を迎えた。日系人初のNBA選手ワッツ・ミサカ氏も同校出身だ。 |
ワシントンステイト大学(スポーケン)は2000年代にトニー・ベネット就任時は強かった。当時のエースがクレイ・トンプソンである。 |
パック12は西海岸唯一のパワーカンファレンスだ。近年は複数の学校がリクルートだけとの下馬評を覆してスウィート16以上に進出している。一方、UCLAとUSCのB1G移籍が決定した。両校は同カンファレンスの稼ぎ頭だ。そのため、現在はカンファレンス存続自体が危ぶまれている。
チーム史
ジョン・ウッデン時代(1948-75): UCLA帝国を樹立!!
- NCAAトーナメント優勝×10(1964-65、1967-73、1975)
- 88連勝(1971-74)
- シーズン無敗×4
伝説の始まり(1948-65)
ジョン・ウッデン(John Wooden)はUCLA帝国を築き上げた張本人だ。実は伝説の始まりはUCLAのHC就任から10年以上経ってからだった。1961年、同氏はゲイル・グッドリッチをリクルートし、翌1962年には超万能アスリートのキース・エリクソンを編入に成功した。そして、両者の活躍でUCLAは1964年と1965年にNCAAトーナメント初制覇と連覇を成し遂げた。
ルイス・アルシンドラー(1965-69)
1965-66、UCLAは上記2名の離脱で大きく戦力を落とし、NCAAトーナメント出場を逃した。一方、ルイス・アルシンドラーa.k.a.カリーム・アブドゥル・ジャバーが入学していた。その後、同大は、1968年1月20日のGame of the Century(vs. ヒューストン大学戦)こそ落としたものの、同選手の最優秀選手賞×3年連続の活躍であっさりと3連覇を果たした。

当時、NCAAは通称フレッシュマンルールで1年生の1軍試合の出場を禁じていた。そのため、1965-66にルー・シンドラーは1軍試合に出場していない。
NBAスター軍団(1969-71)
その後、殿堂入り選手のシドニー・ウィックス、後にデトロイト・ピストンズを優勝に導くカーティス・ロウ、マイク・ビビーの父ヘンリー・ビビーらがチームワークで1970年と1971年もNCAAトーナメント優勝を果たして後輩達に襷をつなげた。
7連覇と88連勝(1971-75)
そして、最後のの襷を受け取ったのがビル・ウォルトンとジャマール・ワイクスのオールアメリカンコンビだ。彼らの活躍で1971-72は30勝0敗でNCAAトーナメント優勝を果たし、翌1972-73も同じく30勝0敗で7連覇を達成した。その後、1973-74こそウォルトンの怪我による不調で1974年1月19日のノートルダム大学戦でUCLAの連勝は88でストップし、NCAAトーナメントでもファイナル4で惜しくもNCステイト大学に敗れたが、1974-75、ウッデンは将来のNBAプレーヤー7人を抱えるチームで再びNo.1の座を奪取して優勝の美を飾って引退した。
ジム・ハリック時代(1988-96): ウッデン勇退以降の優勝
- NCAAトーナメント優勝(1995年)
- 最優秀コーチ賞(1995年)
戦国時代(1988-94)
- ミシガン大学:ファブファイブ
- デューク大学: クリスチャン・レイトナーとグラント・ヒル
- UNLV: 超ラグジュアリーチーム
- LSU: シャキール・オニール
UCLAがウッデンの後任探しに苦戦する間、カレッジバスケ界は戦国時代へと突入していた。そして、1988年、UCLAがようやく適任者のジム・ハリックを見つけた頃には五大湖にファブファイブ(ミシガン大学)、大西洋側にクリスチャン・レイトナーとグラント・ヒル(デューク大学)、メキシコ湾にシャキール・オニール(LSU)、太平洋側にはラリー・ジョンソン等(UNLV)が群雄を割拠していた。故に、1991-92、UCLAは後にNBAで10年以上も活躍する選手が4人も在籍するチームを築いたにも関わらず勝ち上がることができなかった。
風向きの変化(1994-95)
- UCLA: 総合力
- アーカンソー大学: 前回王者
- ノースカロライナ大学: ジェリー・スタックハウス&ラシード・ウォーレス
- ケンタッキー大学: リック・ピティーノ
- マサチューセッツ大学: ジョン・カリパリ
- ウェイク・フォレスト大学: ティム・ダンカン
そんな中、1994-95、風向きが変わった。UCLAは桜木JR選手やチャールズ・オバンノン(元トヨタ・アルバルク)を筆頭に将来のNBA選手計5名を擁していたのだが、一方のライバル校達は次々と選手のNBA入りやNCAAの規定違反によって弱体化していたのだ。その結果、UCLAは相対的に優勝にかなり近い位置へと上昇した。しかも、追い風はNCAAトーナメントでも続いた。主な仮想敵が違うブロックに入ったのだ。さらに、準決勝の対戦相手がウェイク・フォレスト大学でもUMASSでも無いオクラホマステイト大学だった。そして、UCLAは難無く決勝へと勝ち進み、決勝戦では2連覇を狙うアーカンソー大学にも完勝し、見事に31年ぶりのNCAAトーナメント優勝を果たした。
喜びもつかの間(1995-96)
しかし、1996年、リクルートの不正が発覚したためハリックは解雇されてしまった。
ベン・ホウランド時代(2003-13): 名門復活
- ファイナル4×3(2005-08)
- 将来のNBAスターを多数リクルート
その後、UCLAはベン・ホウランドをHCに迎え入れた。同氏はノーザンアリゾナ大学を大学史上初のNCAAトーナメントに導き、古豪ピッツバーグ大学を10年以上ぶりのNCAAトーナメントに引き戻した敏腕だ。その後、同大は再びカレッジバスケの中心に戻った。特筆すべきは2005-08の3年間だ。ラッセル・ウェストブルック、ケビン・ラブ、ダレン・コリソン、ルック・バームーテ、ジョーダン・ファーマーが在籍し、チームは3年連続でファイナル4に進出した。
スティーブ・アルフォード時代(2013-19途中)
スウィート16×3(2014、15、17)
置き土産(2013-15)
- ジョーダン・アダムス: 2014年1巡目指名
- カイル・アンダーソン: 2012年高卒3位
- ノーマン・パウエル: 2015年2巡目指名
- ザック・ラビーン: NBAスター
- トラビス・ウェア: NBA68試合出場
- デビット・ウェア: NBA2試合出場
- トニー・パーカー: マクドナルド・オール-アメリカン(2012年)
- アイザック・ハミルトン: マクドナルド・オール-アメリカン(2013年)
2013年、ベン・ホウランドは成績不振を理由に解雇となった。その際、将来のNBA選手6名と元マクドナルド・オール-アメリカン2名の超豪勢な置き土産が残った。その結果、2013-14、UCLAはPac-12内2位とカンファレンストーナメント優勝の好成績でNCAAトーナメント出場を決め、スウィート16進出を果たした。また、翌2014-15、同校はノーマン・パウエル以外の主力喪失で20勝13敗で情けのNCAAトーナメント招待となったものの、1回戦でSMUをアップセットし、最終的には2年連続のスウィート16でシーズンを終えた。
ロンゾ・ボール(2016-17)
- ロンゾ・ボール(2016-17)
- TJ・リーフ(2016-17)
- イケ・アノボグー(2016-17)
- アーロン・ホリデー(2015-18)
- トーマス・ウォルシュ(2014-18)
その後、2015-16は15勝16敗と負け越しでシーズンを終えたブルーインズだったが、2016年夏、UCLAは「ロンゾ・ボールとTJ・リーフのファイブスターコンビ入学」と「アーロン・ホリデー、トーマス・ウェルシュ、ブライス・アルフォード、アイザック・ハミルトンの残留」でタレントがリストックされた。そして、2016-17、同大は前シーズンの負け越しの鬱憤を晴らすかのように勝ち続け、シーズン中盤に優勝候補に挙げられる程の躍進を遂げ、惜しくも再びスウィート16で敗れたものの、最終成績31勝5敗でシーズンを終えた。
狂い始めた歯車(2017-19)
- リアンジェロ・ボール
- ジェイレン・ハンズ(2017-19)
- モーゼス・ブラウン(2018-19)
しかし、その後はドミノ倒しが起こった。2017年、3人がチーム旅行中に万引きで中国当局に身柄を拘束されてしまったのだ。その後、リアンジェロ・ボールはチームを去り、他2人は1年間の出場停止処分となったため、戦力はダウンし、NCAAトーナメント出場が精々だった。また、2018-19、同大はジェイレン・ハンズとモーゼス・ブラウンの2人をファイブスターが入学したものの、苦戦は続き、ホームアリーナですらブーイングが起きる事態となった。しかも、選手達に心無い言葉を投げかけたのはファンだけではなかった。その結果、スティーブ・アルフォードはシーズン途中に解任された。
ミック・クローニン時代(2019-)
2019-20、UCLAは序盤にホームでホフストラ大学に黒星を喫する屈辱を味わったものの、徐々に勝ち星を挙げられるようになり、最終的にはパック12内で12勝6敗と大きく勝ち越し、オレゴン大学と1ゲーム差のPac-12内最終2位でシーズンを終えた。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: Pauley Pavilion
住所: 301 Westwood Plaza, Los Angeles, CA 90095
ホームアリーナはキャンパス内のPauley Pavilionだ。UCLAはビバリーヒルズ付近にある。ダウンタウンからも距離的に近いサンタモニカからも公共交通機関(バス)では行きにくい。
チケット
同大はパワーカンファレンスに所属しているため、試合によってはチケットが売り切れる可能性もある。だから、チケットの購入は会場では無く、 Ticketmaster、StubHub、VIVIDSETAS、公式サイト等で事前に購入するのがオススメだ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
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ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売に携わっている企業だ。同社は自社の「Fanatics」「Fanatics International(欧州軸)」「Fanatics Big Tall(デカいサイズ)」「LIDS(子会社)」で全NCAA D1校のグッズを販売している。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

その他
バスケットボールシューズ”ブルイン”(1972年)
1972年、ナイキは同社初のバスケットボールシューズ”NIKE Bruin”を発売した。
ハード・チェック(1994)
ハード・チェック(原題BLUE CHPS)はカレッジバスケ界を舞台にした映画だ。主人公ピート・ベル(ニック・ノルティ)は全米チャンピオンに輝いた名将なのだが、近年は不振に喘いでおり、苦渋の決断を迫られることになる。ちなみに、シャキール・オニール、ペニー・ハーダウェイ、ボブ・ナイト(インディアナ大学の闘将)、ジェリー・ターケニアン(UNLVの伝説的なコーチ)、ジム・べハイム(シラキュース大学の名将)、そして、ボブ・クージー等レジェンドたちが多数出演している。
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カリフォルニアエリア

カリフォルニアエリア(西海岸)
カリフォルニアエリアはカリフォルニア州を中心にネバダ州とアリゾナ州を括ったエリアだ。
ベイエリア(カリフォルニア州)
ベイエリアとはサンフランシスコ、オークランド、サンノゼの総称だ。最近ではIT企業の本社が軒を連ねるシリコンバレーがサンノゼからベイエリア全体に拡大している。NBAゴールデン・ステイト・ウォリアーズ、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、ゴンザガ大学のライバルStメアリーズ大学、スティーブ・ナッシュの母校サンタクララ大学などがある。
サクラメント(カリフォルニア州)
サクラメントはサクラメント・キングスと渡辺飛勇選手が編入するUCデイビスがある。街全体が落ち着いて日本人に合うと思う。同市はベイエリアに近く、ベイエリアに行くのであれば是非とも一緒に寄りたい。
リノ(ネバダ州)
ネバダ州リノはラスベガスに次ぐ同州第二位のカジノの街だ。町自体は小さいのだが華やかなためThe Biggest Little Cityという愛称で呼ばれている。ニック・ファジーカスの母校ネバダ大学リノ校がある。
ロサンゼルス(カリフォルニア州)
ロサンゼルスは西海岸最大のバスケ都市だ。NBAはロサンゼルス・レイカーズとクリッパーズがある。NCAA D1は名門UCLAと南カリフォルニア大学の他、個性的なミッドメジャー8校がキャンパスを構えている。夏にはDrew LeagueやVBLも開催されている。また、イベントや大会の開催も多い。
サンディエゴ(カリフォルニア州)
軍港サンディエゴはサンディエゴ・ステイト大学、サンディエゴ大学、カリフォルニアステイト大学サンディエゴ校、カリフォルニア大学サンディエゴ校の4校がある。
ラスベガス(ネバダ州)
ラスベガスは1970年代後半~90年代に一世を風靡したネバダ大学ラスベガス校(UNLV)がある。前半夏はNBAサマーリーグ、アメリカ代表戦、AAUキャンプ、サンクスギビング期間(11月末)はカレッジのカップ戦、年末年始は高校生の大会、3月はカンファレンストーナメントと1年中何かしらのイベントが開催されている。

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NCAAの視聴方法

参考
UCLA Men’s Hoops Selected First in Preseason Poll(uclabruins.com)
CHRIS SMITH(uclabruins.com)
UCLA Bruins School History(sports-reference.com)
UCLA fires men’s basketball coach Steve Alford(latimes.com)
From Chuck Taylor to LeBron X: Year-by-Year Evolution of NBA Sneakers(blaecherreport.com)