【バスケ留学解説】富永啓生選手編(完全版)

うい。


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※全て参考文献付き

そして、「バスケ留学解説」は多くの日本人が思い込みや先入観で誤解している(原因は日本バスケットボール協会や中高の教員がしっかりと説明していないことにある)バスケ留学の解説&紹介を行っているカテゴリーである。

と言うことで、今回は富永啓生選手の留学についてだ。

概要

  • 富永啓生選手
  • NJCAA
  • レンジャーカレッジ時代
  • 今後
    ネブラスカ大学: 強豪カンファレンス内の弱小校
    コロナ救済措置: 3シーズンプレーできる可能性
    レッドシャツ: 2021-22全休の可能性

富永啓生選手は2021-22シーズンからNCAA D1のネブラスカ大学への編入予定のハイスコアラリングガードだ。


ネブラスカ大学はNCAA D1全体(約350校)で上の下に相当するものの、超強いカンファレンスに所属しているためにこれまではなかなか勝つことができないでいたが、2019年に元シカゴ・ブルズHCのフレッド・ホイバーグを採用してバスケ部強化に本腰を入れ始めたチームだ。つまり、富永選手はそのネブラスカ大学の伝説の始まりのメンバーとして見込まれた。


富永啓生選手は2019-20と2020-21の直近の2シーズンはNJCAAのレンジャーカレッジでプレーしていた。NJCAAはアメリカ国内の短期大学の運動部を統括している大学体育協会である。一般的に「アメリカの大学スポーツ=NCAA」と認識されているが、NCAAはアメリカの複数存在する大学体育協会の1つに過ぎず、NCAAよりも歴史が古いNAIA、全米の短大が所属するNJCAA、キリスト教系大学のNCCAA等、NCAA以外にも大学体育協会はいくつも存在し、各大学は自分達の判断でどこに所属するかを決めている。


しかも、アメリカの短大バスケ界はNCAA D1級の選手が学業不振や素行不良や経済的な理由でゴロゴロいるため、決してレベルが低い訳では無く、むしろNBA選手の中にも短大経験者は星の数ほど存在する位にハイレベルである。富永啓生選手は1年次から才能を遺憾なく発揮し、2020-21にはコーチの交代やコロナの影響でストレスも多い中、チームをNJCAAトーナメントのファイナル4進出に導き、自身はNJCAAのオール・アメリカ・チームに選ばれた。


そして、2021年5月、富永選手は無事にレンジャーカレッジを卒業した。今後は東京五輪の3オン3代表として一時帰国するらしい。


さらに、実は富永啓生選手はネブラスカ大学で3年間プレーできる可能性が出てきた。通常、NCAAで選手は4シーズンしかプレーできないのだが、NJCAAがコロナによるシーズン短縮の救済措置として2020-21を1シーズン分としてカウントしないことを発表したからだ。但し、もしNCAAがNJCAAの救済措置を認めなかった場合は通常通り富永啓生選手は2年間しかプレーできない。

NJCAA

基本情報

基本情報

名称: National Junior College Athletic Association
所属校: JUCO
所属校数: 約500校
ディビジョン: 三部制
本部: ノースカロライナ州シャーロット
HP: http://www.njcaa.org/landing/index

NJCAAはアメリカ国内の短期大学の運動部を統括している大学体育協会だ。


一般的に「アメリカの大学スポーツ=NCAA」と認識されているが、NCAAはアメリカの複数存在する大学体育協会の1つに過ぎず、NCAAよりも歴史が古いNAIA、全米の短大が所属するNJCAA、キリスト教系大学のNCCAA等、NCAA以外にも大学体育協会はいくつも存在し、各大学は自分達の判断でどこに所属するかを決めている。


そして、NJCAAは全米中の約500校の短期大学が所属する全米最大の短期大学の体育協会だ。

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ディビジョン-ディストリクト-リージョン-カンファレンス

ディビジョン

NJCAAもNCAAと同様に所属校をディビジョンⅠ、ディビジョンⅡ、ディビジョンⅢに分類している。

リージョン

引用: Organization of NJCAA Regions

NJCAAはNCAAとは異なって実質的にはカンファレンスの代わりにリージョンと呼ばれる地理で区分けしたリーグを採用している。


NCAAの場合、各ディビジョン内にカンファレンスと呼ばれるリーグがいくつもあり、各大学はキャンパスの立地に関わらず、自分達の希望で所属するカンファレンスを決めることができる。例えば、コネチカット大学はテキサス州に本部を構えているアメリカン・アスレティック・カンファレンスに所属していたり、シカゴステイト大学、ニューメキシコステイト大学、シアトル大学が所属するウェスタン・アスレティック・カンファレンスがある。


しかし、NJCAAの場合、各校はNJCAAが地理で区分けした24個のリージョンにほぼ強制的に加入させられる。例えば、アリゾナ州の短大はいずれのディビジョンでもリージョン1の所属になる。但し、全てのリージョンにD1~D3がある訳ではない。例えば、ニューヨーク州北部のリージョン3にはD1はないため、否応なしにD2かD3の所属になる。


そして、NJCAAにはカリフォルニア州、アラスカ州、メイン州、バーモント州、ニューハンプシャー州の短大は所属していない。カリフォルニア州の場合は、州内だけでも非常に多くの短大が存在するため、CCCAA(California Community College Athletic Association)と呼ばれる独立した大学体育協会となっている。「ラストチャンス(バスケ編)」のELACや田渡遼選手のオローニ短大はCCCAAの所属だ。それ以外は別の地域の小さな大学体育協会に所属しているか、あるいはそもそも運動部自体が同好会のような活動をしている。

ちなみに、NJCAAにも一応はカンファレンスは存在するが機能はしていない。NJCAAは組織の構造や大会の仕組みを変更した過去がある。カンファレンスはその時の名残だ。同じリージョン内に対戦相手が少ないマイナースポーツの場合等には機能しているかもしれない。実際、現場ではリージョンがカンファレンスと呼ばれていることもある。

ディストリクト

ディストリクト(NJCAA D1 男子バスケ)
  • 13リージョン: ディストリクト
  • アトランティック・リージョン: リージョン10、19、20合同
  • ミッドウェスト・リージョン: リージョン4、16合同
  • ノースセントラル・リージョン: リージョン11、13合同
  • 欠番ディストリクト: リージョン3、12、15、21

さらに、NJCAAはNCAAとは異なってディストリクトと呼ばれる区分も設けている。


NJCAA D1の男子バスケットボールの場合、13個のリージョンはそのまま1つのディストリクトになっているのだが、いくつかの小規模のリージョンは合体して1つのディストリクトになり、さらには欠番のリージョンもあるため、結果的にディストリクトは16個となっている。


一方、NJCAA D2の男子バスケットボールの場合、ディストリクトは合計15個あるが、リージョン12は12A、12B、12Cに分かれて合計3つのディストリクトになり、16と24はそれぞれが独自のディストリクトでは無く「16Aと24A」「16Bと24B」で分離と合体で2つのディストリクトを形成している。

スケジュール

主なスケジュール
  • プレシーズン
  • レギュラーシーズン1: ノンカンファレンス
  • レギュラーシーズン2: カンファレンスシーズン
  • ポストシーズン1: ディストリクトトーナメント
  • ポストシーズン2: NJCAAトーナメント

NJCAAのシーズンはレギュラーシーズンとポストシーズンがある。


レギュラーシーズンは11月頃から本格的にスタートする。レギュラーシーズンの最初に約2カ月はノンカンファレンスシーズンとなっている。ノンカンファレンスシーズンは各チームがカンファレンス(リージョン)やディビジョンに関係無く自由に試合を組める期間だ。その後、年明け頃からカンファレンスシーズンと呼ばれるカンファレンス内のリーグ戦が始まる。


レギュラーシーズン終了後、リージョントーナメントとディストリクトトーナメントがスタートする。各ディストリクトトーナメントの優勝校はアートマティック・ビッド(Automatic Bid)と呼ばれるNJCAAトーナメントの出場権を獲得できる。


そして、最後にNJCAA校王者を決めるNJCAAトーナメントが開催される。NJCAAトーナメントは各ディストリクト王者の16校と大会組織委員会から推薦された8校の合計24校で争われる。各校には1~24位までのシード順位が振り分けられ、上位1~8位は1回戦はシードとなるが、9位以降は9位 vs 24位、8位 vs 23位といった具合に最上位と最下位が対戦するよな組み合わせになっている。

レンジャーカレッジはJV(Junior Varsity)チームを持っている。JVはいわゆる2軍だ。一般的にJVの試合はバーシティーチーム(1軍)の試合の前に行われることが多い。対戦相手は対戦相手校のJVの場合もあるが、近所の短大やプレップスクールの場合もある。JVはNCAA D1にはほとんどないが、NCAA D2やD3は結構持っている場合があり、高校では無い方が珍しい。

最大の特徴: カレッジコーチ達の狩場

短大では数多くのNCAA D1レベルの選手がプレーしている


NCAA D1級の選手が集まる主な理由は「金銭面」「学力」だ。まず、一般的に短大は4年制大学よりも授業料や諸費用がはるかに安い。故に、全額支給の奨学金を貰えなかった学生が自宅から通える(=寮費が掛からない)短大に通っている。次に、NCAAは学力テストのスコアや高校時の成績等の学力基準を設けている。NCAAの学力基準を満たせずに学力基準の緩い短大に通わざるを得ない選手が相当な数存在する。その他にも素行不良で退学になった選手やプレータイムを求めている選手もいる。


一方、カレッジコーチ達が高校生よりも短大生を評価しているのも事実だ。理由は短大生の方が高校生よりも信頼できるからだ。高校生は戦力になるまでに時間を要する上、学力不足や素行不良などで大学生活を送る力がない可能性があるが、20歳前後の成熟した短大生は即戦力になり得る。しかも、彼らは短大を学力や素行に問題無く過ごした実績がある。だから、高校生よりも短大生を好むコーチも多い。


その結果、短大はカレッジコーチ達の狩場と化している。実際、短大生のランキングや優秀な短大選手だけを集めたショーケースも存在する。毎年、100~200名がNCAA D1校へと編入し、逆に色々な事情で多くのD1生がJUCOへと編入してくる。

JUCO出身のNBAプレーヤー

主な元JUCOプレーヤー
  • ジョン・スタークス
  • スティーブ・フランシス
  • ラリー・ジョンソン
  • ショーン・マリオン
  • ジミー・バトラー

先述した通り、選手達が短大でプレーしている理由はバスケの実力不足ではない。だから、短大出身のNBAプレーヤーは星の数ほど存在する。多くは短大からNCAA D1校を経てNBA入りする。その中にはNBAでオールスターに選ばれた選手も数多く存在している。現役選手の代表格はジミー・バトラーだ。バトラーは高校卒業時にD1校からオファーが無く、地元のタイラーカレッジに進学し、そこでのプレーが評価されて強豪マーケット大学へと編入した。

レンジャーカレッジ

2019-20: レンジャーカレッジ
2020-21: レンジャーカレッジでプレー
2021年5月: レンジャーカレッジを卒業&ネブラスカ大学へ編入
2021年5~8月(夏休み中): ネブラスカ大学でトレーニング&勉強
2021-22: ネブラスカ大学でプレー

基本情報

レンジャーカレッジはNJCAAのリージョン5に所属するテキサス州北部の短期大学だ。


2015年、ビリー・ギリスピー(Billy Gillispie)が”都落ち”の形でHCに就任してチームは強豪となった。ギリスピーは2000年代にテキサスA&M大学時代にビッグ・12・カンファレンスの最優秀コーチ賞を2度も獲得し、その実績が評価されて2007年に超名門ケンタッキー大学HCに就任したが、僅か2年で失脚し、逃げるようにテキサス工科大学に移った後、2012年からはコーチングから退いていた。


しかし、ギリスピーは汚名を被せられたとは言え元々はNCAA D1で何度も実績を積んだ敏腕だ。案の定、ギリスピーの手腕でレンジャーカレッジは着実に強豪へと変貌し、2018-19にはNJCAAトーナメント準優勝を果たし、ギリスピー自身はNJCAAのコーチ・オブ・ザ・イヤーを獲得した。


そして、富永啓生選手はそんなギリスピーの眼鏡に適ったという訳である。

2019-20: アメリカでもエリートシューターぶりを証明

2019年、富永選手はテキサス州北部のレンジャーカレッジ(Ranger College)に進学した。


結論、富永啓生選手は傍から見れば順風満帆のシーズンを過ごしたと言える。富永選手はシーズンが開幕間もない11月に既にネブラスカ大学からオファーを貰い、同月中には2021-22からのネブラスカ大学へコミット(入学意思の公表)を決め、最終的には31試合出場、16.8点、FG54%、3PT47.9%、FT85.5%とエリートシューターとしての力量をあっさりと証明した。


2019-20、レンジャーカレッジは28勝2敗の圧倒的な成績でレギュラーシーズンを終えた。その後、レンジャーカレッジはリージョナルトーナメント1回戦でまさかの敗退を喫してしまったが、レギュラーシーズン中の戦いぶりが大会組織委員会に評価されたため、結果的には先述した大会組織委員会の推薦枠でのNJCAAトーナメントへの出場を果たした。


しかし、そんな矢先、コロナの直撃でNJCAAトーナメントは結局は中止となってしまった。


その後、ギリスピーは翌2020-21からNCAA D1への昇格が決まったテキサス州のターレントンステイト大学HC就任が決まった。ギリスピーもメインストリームへの返り咲きを虎視眈々と狙っている。

富永啓生選手が「高校卒業直後にNCAA D1校に進まなかった」と「ネブラスカ大学への編入が2021-22からになった」理由はおそらくは学業が原因だと推測される。NCAAはプレー資格の条件に学力基準を設けているのだが、アメリカ人ですらも毎年多くの学生がこれによって短大進学や出場資格停止に追い込まれている。特に留学生の場合はそもそも学力を証明することすらできない場合もある。

2020年11月: NIL(契約書の”ような”手紙)に署名

2020年11月、富永啓生選手はナショナル・レター・オブ・インテント(National Letter of Intent)と呼ばれる「私は〇〇大学に入学します」という契約書の”ような”ものにサインした。


結論、これによって富永啓生選手のネブラスカ大学への編入の可能性が100%ではないが非常に確実なものとなった。


富永選手は既にネブラスカ大学へコミットはしていたのだが、コミットはあくまでもネブラスカ大学に入学する意思を公表しているだけで法的拘束力もないため、気軽に撤回することが可能だった。

NLIにサイン
選手→最低1年間はその大学に通うことを約束
大学→その選手の全費用(入学金、授業料、食費、寮費、教科書代等)を負担することを約束

しかし、ナショナル・レター・オブ・インテント(通称NLI)にサインした場合、その選手はNLIを提示した大学に最低1年間通う約束をし、大学はその選手が大学生活を送る上で必要となる費用を全額補填する約束をしたことになる。しかも、他の大学はその選手を勧誘することができなくなる。


但し、富永選手が絶対にネブラスカ大学に行かなければならない訳ではない。もし富永選手がネブラスカ大学への編入を取りやめたい場合、富永選手はNLIのサインを白紙に戻すリクエストをネブラスカ大学に送ることができるのだ。そして、ネブラスカ大学が富永選手のリクエストに応えた場合、富永選手は再び他の大学からオファーを受けられる状況に戻る。


加えて、NLIは正式な契約書では無い。NLIに法的な拘束力は無い。どちらかが約束を反故することは可能だ。


その結果、NLIのサインは口約束がより断りにくくなった程度のことだ。

2020-21: レンジャーカレッジ(短大)

2021 Ranger Basketball Highlight

2020-21はコロナの影響で2021年1月~4月までの短縮シーズンとなった。


2020-21、レンジャーカレッジは昨季程の強さはなかったもののディストリクトトーナメントを制してNJCAAトーナメントに進出し、本戦では無事に1回戦を勝利した後、2回戦でジョン・A・ローガン短大をアップセットし、3回戦にも勝利してファイナル4進出を果たした。


富永啓生選手は27試合出場、平均16.3点、FG51%、3PT48.7%、FT88.3%を残し、NJCAAトーナメントで活躍した選手12名が選ばれるオール・トーナメント・チームとNJCAAのオール-アメリカ・セカンドチームに選出された。

NJCAA
NJCAA

NJCAAトーナメントはNJCAAの公式サイトから会員登録とサブスクリプション(1日/$10 or 全部/$30)契約で視聴できたが、2021年5月以降も視聴できるかは不明だ。

2021年5月: レンジャーカレッジ卒業

そして、2021年5月、富永啓生選手は無事短大を卒業した。一般的なカレッジアスリートの編入の場合、5月中には編入先のキャンパス付近の寮やアパートに移り、新学期がスタートする8月末までキャンパス内でトレーニングやサマークラスに励むことになるのだが、富永啓生選手の場合は東京五輪のスリーオンスリーの代表の可能性があるため、今夏は一時帰国するらしい。

今後の富永選手: NCAA D1ネブラスカ大学へ

今後の予定
2021年5月: レンジャーカレッジを卒業&ネブラスカ大学へ編入
2021年5~8月(夏休み): ネブラスカ大学でトレーニング&勉強 or 五輪帰国
2021-22: ネブラスカ大学でプレー

ネブラスカ大学: 強豪カンファレンスの弱小校だが強くなる可能大!!

  1. 超強いカンファレンスに所属
  2. カンファレンス内の残念な方
    (NCAA D1全約350校中100~150位)
  3. しかし、フレッド・ホイバーグがHCに就任
    =これから強くなる可能性大!!

そして、2021-22シーズンから富永選手はネブラスカ大学の一員としてNCAA D1の舞台でプレーすることになる。


ネブラスカ大学の強さは「上の下」だ。


まず、ネブラスカ大学は強豪校が集うビッグ・10・カンファレンスに所属している。ビッグ10はガチの中のガチのカンファレンスだ。ミシガン大学、ミシガンステイト大学、オハイオステイト大学、インディアナ大学等がNCAAトーナメント制覇を目指した大学ばかりが所属している。無論、毎年何人ものNBA選手がこのカンファレンスから誕生している。


しかし、ネブラスカ大学はビッグ・10・カンファレンスの中の残念な方と呼ばれているのが現状だ。ビッグ・10・カンファレンスは実は14校が所属しているのだが、バスケットボールでは「強いチーム10校」と「そうでもない4校」に分かれていて、ネブラスカ大学はペンシルベニアステイト大学、ノースウェスタン大学、ラトガース大学と共にそうでもない内の1校となっている。但し、NCAA D1全体(350校以上)の中では100~150位付近と決して弱い訳でも無い。


しかし、ネブラスカ大学は強くなる可能性が大いにある。と言うのも、2018年にフレッド・ホイバーグがHCに就任したからだ。ホイバーグはシカゴ・ブルズで失敗した印象が強いと思うが、実はそのホイバーグがブルズに雇われるきっかけとなったのが彼のアイオワステイト大学での実績だ。


アイオワステイト大学は現在のネブラスカ大学と同じ様にパワーカンファレンスに所属していながらあまり強くないチームだったのだが、ホイバーグはコーチングキャリア僅か2季目の2012年にチームを7年振りのNCAAトーナメント出場に復帰させ、2014年には同大史上4度目のスウィート16進出に導いたのだ。


つまり、ホイバーグの採用はネブラスカ大学がバスケットボールに本腰を入れ始めたことに他ならない。富永選手はそんなホイバーグの目に留まった訳である。

コロナ救済措置: 最大3シーズンプレー可能に


しかも、富永選手は2021-22~2023-24の計3シーズンプレーすることができるかもしれない。


NCAAでは原則的にはあらゆるカレッジキャリアを合計して4シーズン以内の選手しかプレーできない。例えば、NCAA D1の大学編入以前に短大で2シーズンプレーしたいた場合、その選手は編入先の大学で2シーズンしかプレーできないのだ。


しかし、2020年、NJCAAは2020-21の全選手のプレーシーズンをカウントしないことを発表した。つまり、富永選手は既に2019-20と2020-21の合計2シーズンをプレーしているが、その内の2020-21はカウントされないため、エリジビリティ上ではまだ1シーズンしかプレーしていないことになっている。


但し、NCAAがNJCAAの2020-21のシーズンをカウントしない決定を受け入れるかは不明だ。一応、rivals.comの人間が富永啓生選手があと3シーズンプレーできると発言しているが、NCAAがNJCAAの決定を受け入れたという報告は出されていないため、今のところは怪しい。

レッドシャツの可能性: 2021-22から試合に出場するとは限らない

  • レッドシャツ
  • 理由
    大怪我で復帰に時間を要する
    チーム内の競争に勝てない

しかし、2021-22シーズンはプレーしない可能性もゼロでは無い。


もし富永選手が色々な事情でレッドシャツと呼ばれるそのシーズン中に一切公式戦に出場しないという選択をした場合、富永選手は2021-22シーズンはネブラスカ大学バスケ部の部員ではあるものの公式戦には出場しないことになるのだ。


最大の原因はNCAAのエリジビリティ(プレー資格)の仕組みにある。


先述した通り、NCAAではあらゆるカレッジキャリアを合計して4シーズン以内の選手しかプレーできないのだが、もし公式戦に1秒でも出場した場合、その選手は1シーズン分を消費することになるため、怪我でシーズンの大半を休む、あるいは実力不足で出場時間が見込めない場合、選手は自らそのシーズンをレッドシャツで過ごして1シーズン分の消費を回避することがある。


加えて、レッドシャツは学業成績不振や素行不良によって強制的になる場合もある。


要するに、富永選手はネブラスカ大学への編入こそ決まってはいるものの試合に出場するとは限らないのだ。

まとめ

  • 富永啓生選手
  • NJCAA
  • レンジャーカレッジ時代
  • 今後
    ネブラスカ大学: 強豪カンファレンス内の弱小校
    コロナ救済措置: 3シーズンプレーできる可能性
    レッドシャツ: 2021-22全休の可能性

富永啓生選手は2021-22シーズンからNCAA D1のネブラスカ大学への編入予定のハイスコアラリングガードだ。


ネブラスカ大学はNCAA D1全体(約350校)で上の下に相当するものの、超強いカンファレンスに所属しているためにこれまではなかなか勝つことができないでいたが、2019年に元シカゴ・ブルズHCのフレッド・ホイバーグを採用してバスケ部強化に本腰を入れ始めたチームだ。つまり、富永選手はそのネブラスカ大学の伝説の始まりのメンバーとして見込まれた。


富永啓生選手は2019-20と2020-21の直近の2シーズンはNJCAAのレンジャーカレッジでプレーしていた。NJCAAはアメリカ国内の短期大学の運動部を統括している大学体育協会である。一般的に「アメリカの大学スポーツ=NCAA」と認識されているが、NCAAはアメリカの複数存在する大学体育協会の1つに過ぎず、NCAAよりも歴史が古いNAIA、全米の短大が所属するNJCAA、キリスト教系大学のNCCAA等、NCAA以外にも大学体育協会はいくつも存在し、各大学は自分達の判断でどこに所属するかを決めている。


しかも、アメリカの短大バスケ界はNCAA D1級の選手が学業不振や素行不良や経済的な理由でゴロゴロいるため、決してレベルが低い訳では無く、むしろNBA選手の中にも短大経験者は星の数ほど存在する位にハイレベルである。富永啓生選手は1年次から才能を遺憾なく発揮し、2020-21にはコーチの交代やコロナの影響でストレスも多い中、チームをNJCAAトーナメントのファイナル4進出に導き、自身はNJCAAのオール・アメリカ・チームに選ばれた。


そして、2021年5月、富永選手は無事にレンジャーカレッジを卒業した。今後は東京五輪の3オン3代表として一時帰国するらしい。


さらに、実は富永啓生選手はネブラスカ大学で3年間プレーできる可能性が出てきた。通常、NCAAで選手は4シーズンしかプレーできないのだが、NJCAAがコロナによるシーズン短縮の救済措置として2020-21を1シーズン分としてカウントしないことを発表したからだ。但し、もしNCAAがNJCAAの救済措置を認めなかった場合は通常通り富永啓生選手は2年間しかプレーできない。

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参考

Keisei Tominaga(247sports.com)
Organization of NJCAA Regions(njcaa.org)
Divisional Structure(njcaa.org)
2020-21 NJCAA Division I Men’s Basketball District Championships(njcaa.org)
2020-21 NJCAA Division II Men’s Basketball District Championships(njcaa.org)
2020-21 NJCAA Division III Men’s Basketball District Championships(njcaa.org)
BILLY GILLISPIE(tarlentonsports.com)
2019-20 NJCAA DI Men’s Basketball Rankings(njcaa.org)
2019-20 Ranger College Men’s Basketball Schedule(rangersports.net)
Keisei Tominaga(rangersports.net)
National Letter of Intent(nationalletter.org)
NJCAA COVID-19 update – spring sports season cancelled(njcaa.org)
2020-21 Ranger College Men’s Basketball Schedule(rangersports.net)
Keisei Tominaga(rangersports.net)
Tominaga, Saterfield named to all-tournament team(rangersports.net)
2020-21 NJCAA Division I Men’s Basketball All-America Teams(njcaa.org)
NJCAA blanket waiver ensures juco athletes won’t lose eligibility in 2020-21 season(espn.com)

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