【NCAA】カレッジバスケ解説: エリジビリティ(選手資格)

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概要

エリジビリティ=プレー資格

  1. 時間的制約
    大学入学期限: 高校卒業後1年以内
    在学期間制限: 最初の大学入学5年以内
    プレーシーズン数: 最大4シーズン
  2. 学力基準
    GPA/単位etc
    テストスコア: SAT/ACT(留学生のみ)
  3. アマチュアステータス
    ペイ・フォー・プレー未経験

NCAAはディビジョン1&2に関してはエリジビリティ(eligibility)を規定している。エリジビリティは選手資格だ。NCAA D1&D2での競技希望者は中学-高校時にNCAAエリジビリティセンターにアカウントを登録し、自身の高卒程度の学力とアマチュア資格保持の証明を定期的に行い、イニシャルエリジビリティを取得しなければならない。また、学生アスリート達は大学在学中も「時間的制約」「学力基準」「アマチュアステータス」の中でエリジビリティを保持し続けなければならない。

エリジビリティの条件1: 時間的制約

  • 高校卒業後1年以内の大学入学
  • 大学生活5年目以内
  • 大学4シーズン以内

時間的制約1: 高校卒業後1年以内の大学入学

NCAA D1&D2の男女バスケ部の場合、原則的には高校卒業後12カ月以内の大学入学が求められている。年齢制限は無い。高校卒業2年後に大学に入学した場合、基本の「4シーズン/大学入学5年以内」の選手資格が「3シーズン/大学4年以内」等の減損措置がなされる。一方、北米では高校卒業時に20歳の学生もザラにいる。また、留学生はしばしば母国と米国の高校卒業時期の違いから猶予を超えてしまう。そのため、実際には大学入学遅れ(Delay Enrollment)は2年程度なら許容されている。

時間的制約2: プレーシーズン数/在学期限

タイムクロック: 最初の大学入学から5年以内
タイムクロック
  • 例: A選手
    大学生活開始(2015年)
    休学(2016~2018年)
    残り→2年間

NCAA D1&D2の男女バスケ部員は最初の大学入学(NCAA D1、D2、D3、非NCAA校、短大、日本の大学等を含む)から5年以内しかプレーできない。しかも、タイムクロックは止まらない。例えば、A選手が2019年に〇〇短期大学に入学して2019-20シーズンをプレーした後、NCAA D1の××大学に編入した場合、「5年間」から〇〇短期大学の2019-20の1年分を差し引いた「4年間」がA選手の残りのタイムクロックとなる。

プレーシーズン制限: 最大4シーズン

NCAA D1&D2の男女バスケ部員は合計4シーズンまでしかプレーできない。プレーシーズン数もあらゆるカレッジキャリアの合算数だ。当該選手は公式戦1秒の出場でも1シーズン分のエリジビリティを失う。

@b_o_bros
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タイムクロックは「完全に成熟した大人のプレー禁止」のために設けられている。上記の時間的制約が存在しない場合、大学10年目で28歳のような大人がコートで幅を利かせるようになるだろう。

レッドシャツ

レッドシャツ(redshirt)は「同シーズン中の公式戦出場無し」状態や選手だ。先述の通り、エリジビリティは「1秒の出場→1シーズン」とカウントされてしまう。言い換えれば、選手は全休によって1シーズン分のエリジビリティを保持できる。つまり、レッドシャツはプレーシーズン数の浪費防止になる。毎年、多くの選手が十分な出場時間や見込めない場合に自ら敢えてレッドシャツになってエリジビリティのキープに精進している。

【NCAA】カレッジバスケ解説: レッドシャツ
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例外事例: 5シーズン目/6年目のプレー

ウェイバー(一般事例)
主なウェイバー事例
  • バーナード・ジェームス
    空軍勤務×数年
    タラハシー短大(2008‐10)
    FSU(2010-12)
  • カイル・コリンズワース
    BYU(2010-11)
    モルモン教布教活動×2年
    BYU(2013-14)
    BYU(2014-15)
    BYU(2015-16)

NCAAは「兵役」「宗教活動」「妊娠」「インターンシップ」「海外留学」のウェイバーを認めている。例えば、元NBAバーナード・ジェームスは高校卒業後に空軍に入隊し、兵役中にバスケットボールの道を志し、25~27歳時にフロリダステイト大学でプレーしていた。元NBA&Bリーグのカイル・コリンズワースはモルモン教の布教活動でBYU在学中に2年間チームを離れていた。

ウェイバー(個別事例)
主なウェイバー事例
  • ウコイ・ウゴウ
    ルイビル大学(2013-14): 19試合
    ルイビル大学(2014-15): 3試合→怪我&編入模索RS
    ジョージタウン大学(2015-16): 0試合→編入&怪我RS
    ジョージタウン大学(2016-17): 32試合
    SMU(2017-18): 27試合
    ルイビル大学(2018-19): 19試合
  • ザック・ロフトン
    サンジャシント短大(2012-13)
    イリノイステイト大学(2013-14): 31試合
    ミネソタ大学(2014): 退学
    テキサスサザン大学(2015-16): 編入RS
    テキサスサザン大学(2016-17): 35試合
    ニューメキシコステイト大学(2017-18): 33試合

自身のコントロール外の理由のシーズン全休の場合、学生アスリートはNCAAに5シーズン目/6年目のプレー資格を申請できる。先述の通り、公式戦1秒の出場すらも1シーズン分にカウントされる。一方、現実的には「シーズン前半の負傷→全休」のケースは十分にあり得る。そのため、NCAAは不条理なエリジビリティ消費の救済措置としてウェイバー制度を設けている。2010年代中盤以降、姿勢は寛容だ。最大20試合弱の出場者(1/3欠場)もウェイバーを認められている。

エクストラ・イヤー・オブ・エリジビリティ・オブ(コロナ救済措置)

現在、学生アスリート(2020年秋大学入学済み)は「大学6年目」や「5シーズン目」のプレー資格を持っている。2020年10月、NCAAは「2019‐20の新型コロナウィルス起因のシーズン中止+先行き不透明」に配慮して当時の全大学生に「1シーズン/在学1年」の選手資格追加を発表した。つまり、2020年秋時点の四年制+短大の学生はNCAA D1&D2で「5シーズン/在学6年間」プレーできる。要するに、四年生は退部せずにもう1シーズンプレーできる。一方、裏を返せば、奨学金枠が空かずにニューカマーにまわりにくくなっている。つまり、奨学金枠が通常の4~5学年から5~6学年間で争われるようになったのだ。

@b_o_bros
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実際、富永啓生選手はNJCAAレンジャーカレッジ(2019-20+2020-21)+NCAA D1ネブラスカ大学(2021-22+2022-23+2023-24)と5シーズンをプレーしている。

NCAA D3の時間的制約

NCAA D3には実質的にはタイムクロックはほとんど存在しない。NCAA D3の場合、エリジビリティは各大学やカンファレンスの判断に委ねられている。そのため、ほとんどの学生にエリジビリティが認められている。実際、NCAA D3では30歳前後の学生が公式戦に出場している。その中にはオーバーエイジの選手の活躍でNCAAトーナメントの上位に食い込んだ例や当該選手が後にNBA入りしたケースも存在する。つまり、NCAA D3ではパワーバランスが崩れるような選手であってもプレーの許可が下りる。

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エリジビリティの条件2: 学力基準

主な学力基準
  • イニシャルエリジビリティ
    フルタイム学生
    高校卒業
    GPA
    必修科目単位: 16単位
  • 大学在学中
    フルタイム学生

イニシャルエリジビリティ: NCAA D1&D2校入学時の選手資格条件

高校生/PG生
イニシャルエリジビリティの条件
  • フルタイム学生
  • 高校卒業
  • 必修科目単位: 16単位(高校4年間)
    英語(母語)/数学/科学系/社会系/外国語/倫理系
  • 必須科目のGPA
    NCAA D1: 2.3以上
    NCAA D2: 2.2以上
  • SAT/ACT(留学生)

まず、NCAA D1&D2の学生アスリートは当該大学のフルタイム学生でなければならない。つまり、交換留学生や聴講生はエリジビリティを認められない。次に、高校卒業も必須だ。また、高校1~4年生(9~12年生)間に「コアコース16単位」&「一定数以上のGPA」取得も求められる。NCAA D1の場合は中間到達点として高校7学期目の開始までの10単位取得も必要だ。そして、2023年、NCAAは米国高校通学者のイニシャルエリジビリティの条件からSAT/ACTを除外した。米国外の高校通学者はSAT/ACTの提出のみ求められる。

@b_o_bros
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アメリカでは最年少16歳(州法次第)で高卒認定試験(General Educational Development)を受験できる。

JUCO編入生

まず、当該大学のフルタイム学生は必須だ。そして、最も大事なのが編入先の四年制大学に持越し可の短大時代の取得単位数とGPAだ。必要数は短大時代のステータス(クオリファー/アカデミックレッドシャツ/ノンクオリファー)や通学歴(1学期/2学期以上/卒業)で異なる。

@b_o_bros
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4年制大学→短大→4年制大学の場合、アカデミックスタンダードは異なる。

クオリファー&ノンクオリファー

NCAA D1: クオリファー/アカデミックレッドシャツ/ノンクオリファー
高校生/PG生短大編入生
フルタイム学生
高校卒業
10単位@7学期前
16単位(GPA2.3)
クオリファー@短大
a.フルタイム学生
b.引継可能12単位/期
c.引継単位GPA2.5
非クオリファー@短大
短大卒業&単位取得率25%
3学期以上通学
引継可能48単位取得
引継単位GPA2.5

クオリファーは大学初年度の「公式戦出場+練習+奨学金授受」を許可されている。

高校生/PG生短大編入生
フルタイム学生
高校卒業
16単位(GPA2.0)
クオリファー@短大
a.フルタイム学生
b.引継可能12単位/期
c.引継単位GPA2.5
→1つ以上×
非クオリファー@短大
短大卒業&単位取得率25%
3学期以上通学
引継可能48単位取得
GPA2.5未満

アカデミックレッドシャツは「奨学金授受(1年目)」「キャンパス内の練習(1学期目)」のみ許可される。公式戦出場は不可だ。2学期目の練習参加の可否は学業成績次第となる。

高校生/PG生短大編入生
フルタイム学生
高校卒業
16単位(GPA2.0)
→1つ以上×
非クオリファー@短大
短大卒業&単位取得率25%
3学期以上通学
引継可能48単位取得
→1つ以上×

ノンクオリファーは大学初年度の「公式戦出場」「練習参加」「奨学金授受」を認められていない。そして、4シーズン目/大学5年目のプレー資格は在学中の成績次第となる。

NCAA D2
高校生/PG生短大編入生
フルタイム学生
高校卒業
16単位(GPA2.2)
1学期のみ学生
フルタイム学生
引継可能12単位/期
引継単位GPA2.2
2学期以上通学
フルタイム学生
引継可能12単位/期
引継単位GPA2.2
引継可能9単位/最終期
短大卒業生
フルタイム学生
単位取得率25%
引継可能9単位/最終期

クオリティーは大学初年度の「公式戦出場+練習+奨学金授受」が許可される。

高校生/PG生短大編入生
フルタイム学生
高校卒業
16単位(GPA2.2)
→1つ以上×
1学期のみ学生
フルタイム学生
引継可能12単位/期
引継単位GPA2.2
→1つ以上×
2学期以上通学
フルタイム学生
引継可能12単位/期
引継単位GPA2.2
引継可能9単位/最終期
→1つ以上×
短大卒業生
フルタイム学生
単位取得率25%
引継可能9単位/最終期
→1つ以上×

パーシャルクオリファーは「練習参加」&「奨学金授受」を認められている。近年、NCAAはパーシャルクオリファーのクオリファー格上げを行った。

@b_o_bros
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ちなみに、学生アスリートは高校7学期前までに「NCAA D1→14単位(GPA3.0以上)」「D2→14単位(GPA2.5以上)」の成績でアーリークオリファーとして認められる。

エリジビリティの更新(大学2年目~)

エリジビリティの維持(NCAA D1)
  • 大学2年目開始時
    取得単位: 24単位
    GPA: 現在籍校平均GPAの9割
  • 大学3年開始時
    卒業単位: 40%取得
    GPA: 現在籍校平均GPAの9.5割
  • 大学4年開始時
    卒業単位: 60%取得
    GPA: 現在籍校平均GPA
  • 大学5年開始時
    卒業単位: 80%取得
    GPA: 現在籍校平均GPA

学生アスリートは学期毎に自身の専攻の卒業単位と平均GPA程度を取得し続けなければならない。

学力不振の高校生の進路

ポスト-グラデュエート制度
メリット/デメリット
  • メリット
    プレップ≠大学→エリジビリティ消費無し
    春学期入学可(12月)
  • デメリット
    要テストスコア(現在不要)

ポスト-グラデュエート制度は北米特有の高校卒業後の大学進学準備期間だ。学生は最大1年間プレップスクールやプレッププログラムに通って授業と部活に励める。プレップスクールは大学では無いのでエリジビリティへの影響は無い。また、PG生は春学期(12月中旬)に大学に入学し、シーズン後半から試合に出られる。一方、2023年のテストスコア撤廃以前、PG生はイニシャルエリジビリティのために鬼門の学力テストの点数が求められていた。そのため、利用者が少なかった。

短大(JUCO)
メリット/デメリット
  • メリット
    テストスコア不要
  • デメリット
    短大=大学→エリジビリティ消費有り

2021年のテストスコア撤廃以前、最も定番ルートが短大進学だった。まず、短大はイニシャルエリジビリティがほぼ存在しない。高校”未”卒業者も短大でプレーできる。また、「短大→NCAA D1/D2校」編入の場合、鬼門の学力テストの点数が不要だった。必要なのは短大での成績(+高校卒業資格)だけだ。概して大学の簡単な授業の単位取得は学力テストよりも簡単である。そのため、多くの選手はポスト-グラデュエートではなくJUCOを選んでいた。一方、短期大学は大学だ。つまり、短大生はプレーシーズンと在学年数だけエリジビリティを消費する。そして、現在はイニシャルエリジビリティにテストスコアが要らない。そのため、今後は学力不振によってのJUCO進学は減るかもしれない。

@b_o_bros
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実際、2021年のテストスコア撤廃以前、カレッジコーチも学力不足の高校生には大学2年目以降のスポーツ奨学金内定を条件に短大進学を提案していた。

高校留年

そして、高校留年(卒業保留)も選択肢として残っている。一方、多くはNFHS-州高校体育協会のプレーシーズン数から高校でプレーはできない。

エリジビリティ条件3: アマチュアステータス

プロ行為1: 自身の競技力を活用しての金品授受

ペイ・フォー・プレー(禁止)
主なペイ・フォー・プレー該当行為
  • 有給プロ契約
    契約金/出場給/ボーナス等
  • 大会入賞賞品/個人賞
    優勝賞品/景品の授受

最も代表的なプロ行為がペイ・フォー・プレー(Pay for Play)だ。NCAAは競技者が自身の競技力を活かして金品等を受け取る行為をプロ行為(=非アマチュア=選手資格無し)と定義している。

@b_o_bros
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2021年にサンノゼステイト大学のリチャード・ワシントンがオフシーズンに3on3の大会に出場して多少の金銭を受け取ったことで2021-22シーズンの出場停止を言い渡されている。

NIL(問題無し)

2021年7月、NIL(Name-Image-likeness)が解禁となった。NILは自身の知名度、ルックス、キャラクター、好感度、発信力等を活用してのマネタイズだ。例えば、選手は商品のイメージキャラクターを務めたり、自身のSNSで商品のプロモーション活動を手伝ったり、あるいはシューズディールを結んで対価を得ることができる。つまり、選手は競技力の活用以外の方法で金銭を受け取ることが可能になった。

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スポーツ奨学金/アマチュア契約(必要費以内可)
主な必要費
  • 衣食住: 食費/寮費/宿泊費
  • 医療系: 医療費/保険
  • 練習&試合: 衣料費/移動費/施設使用料/指導料金/参加費

学生アスリートは競技の必要費は受取りや肩代りが許容されている。要するに、スポーツ奨学金の授受やアマチュア契約(無給)は可能だ。

プロ行為2: 代理人

スポーツ代理人

2021年7月のNIL解禁以降、スポーツ代理人やマネジメント会社との契約は実質的に可能になっている。スポーツ代理人(会社)は選手-企業の契約交渉の代行業者だ。スポーツ代理人は「悪徳な契約の回避」と「競技と学業への専念」のためにはアスリートにとって不可欠な存在だ。そのため、2022-23、NCAAはNBAドラフト期間中のNCAA公認代理人以外の”自身の競技力宣伝”目的の代理人契約のみを禁じている。スポーツ代理人からの金品の受取は禁止されている。

@b_o_bros
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以前、学生アスリートはスポーツ代理人との契約はご法度だった。実際、2020-21、シャリーフ・クーパーは父親がスポーツ代理人だったためにNCAAの調査が入って開幕数カ月間エリジビリティを停止されている。

その他の代理業者
その他の代理業者
  • リクルーティング/スカウティング業者
  • 求人
  • 法律相談

学生アスリートは「進学」「キャリア(就職)」「法律相談」でエージェントサービスを活用できる。

プロ行為3: プロチームとの関わり

主な許容行為
  • トライアウト受験(入学前&後)
  • 練習参加(入学前&後)
    48時間/チーム
  • 試合
    vs.プロチーム試合(入学前&後)
    プロ選手のチームメイトとして試合出場(入学前&後*)
    *プロアマリーグ/国代表のみ可

近年、NCAAは「プロとの関わり」は非常に寛容だ。唯一の禁止事項は必要費以上の受取りだけである。特に大学入学前に関しては緩い。中高生はアマチュア契約の場合はNCAAのエリジビリティを保持したままプロチームで活動できる。実際、ケイン・ロバーツ選手と山之内ウィリアムス選手は東京アースフレンズZからNCAA D1校に進学している。一方、学生アスリートは大学入学後も「NBA/Gリーグのドラフトコンバイン」「プロチーム/スポーツ代理会社の練習」「選手主催の公開練習」「国代表活動」等に参加できる。NCAA認可のプロアマリーグへの参加も可能だ。

@b_o_bros
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以前、学生アスリートはプロチーム/選手との関わりでエリジビリティを危ぶまれた。実際、2015年、タヒロウ・ディアバテ選手のアルビレックス新潟の練習参加予定が進学予定先のポートランド大学側の同選手のアマチュアステータス喪失の可能性を懸念しての要請によって急遽中止となっている。

その他

カンファレンスのルール

各カンファレンスは独自のルールを設けている。最も代表的な例がアイビー・リーグの大学院生プレー禁止だ。NCAAは大学院生のプレーも許可している。例えば、「大学3年卒業」or「在学4年の1シーズンがレッドシャツ」で1シーズン分のエリジビリティが残っている場合、学生は大学院に進学して残りの1シーズンをプレーすることができる。無論、大学院進学時に2年分のエリジビリティが残っている場合は大学院生として2シーズンプレー可能だ。一方、アイビー・リーグは学業や研究を最重要視するという理由から大学院生のプレーを禁じている。だから、アイビーリーガー達は「仕方なくプレーを諦める」or「アイビー校以外の大学院に進学」を迫られている。例えば、2020年、セス・タウンズとブライス・エイケンはハーバード大学を卒業した後に2020-21をそれぞれオハイオステイト大学とシートン・ホール大学の大学院生としてプレーした。

2021年、アイビー・リーグは2020-21のみ大学院生のプレーを許可することを決定した。理由はコロナによるシーズン中止の救済措置だ。アイビー・リーグは2019-20の終盤と2020-21全てを休止していた。但し、適用は現在アイビー・リーグ校に通う4年生に限定されている。つまり、2021年に新たに他大学からアイビー・リーグ校の大学院に編入してきた者はプレーできない。

トランスジェンダー選手問題

トランスジェンダー選手のエリジビリティも問題になっている。例えば、約半数の州はトランスジェンダー選手が女子として競技に参加する場合、染色体、ホルモン、テストステロン値で女性であることを証明しなければならない。NCAAはトランスジェンダー選手に寛容な姿勢を見せてはいるが、上記のような法律の廃案に積極的に行動しているとは言えず、組織としての姿勢を問われている。

フレッシュマンルール

NCAAはかつて1年生の公式戦出場を禁じていた。そのため、当時はフレッシュマン達はジュニアバーシティチーム(2軍)で練習と試合に臨んでいた。その後、フレッシュマンルールは「フットボールとバスケットボール以外で廃止(1968年)」→「小規模大学のみバスケットボールでもフレッシュマンの起用可(1971年)→「完全撤廃(1972年)」の流れで無くなった。

@b_o_bros
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NCAA D1校はフレッシュマンルール撤廃に伴ってJVチームを廃止した。現在、NCAA D1でJVチームを運営しているのはノースカロライナ大学位だ。一方、アメリカではJVチームは一般的だ。「NCAA D2/D3校」「NAIA校」「短大」「プレップ」「中高」はJVチームを持っている。

JR・スミスのエリジビリティ付与

2021年、NCAAは元NBA選手のJR・スミスのゴルフでのエリジビリティを認めた。JR・スミスは高校卒業後に直接NBA入りを果たし、以降約15年もリーグに留まり続けたプロアスリートだが、ノースカロライナ・A&T・ステイト大学に入学し、そして、見事にゴルフ部でプレーする資格を得た。

タイムライン

http://fs.ncaa.org/Docs/eligibility_center/International_Information/International_Guide.pdf

NCAAアカウントの作成

NCAAアカウント
  • 学業&アマチュア証明
    →NCAA D1&D2校
  • アマチュア証明
    →NCAA D3(留学生)
NCAA D3校(留学生)
NCAA Eligibility Center
College-bound student-athletes preparing to enroll in a Division I or Division II school need to register with the NCAA ...

米国の大学への留学方法

米国の大学への進学は一般的に「エッセイ(自己PR文)」「高校の成績(GPA)」「テストスコア(TOEFL/SAT/ACT等)」「推薦状」「銀行口座の残高証明書」が求められる。エッセイは「高校生活で何を頑張ってきたか」「大学で何を学びたいか」「将来の夢」等の自己アピール文である。高校成績は日本の高校の10段階評価をGPAに換算する。テストスコアは英語力の証明としてよく求められる。時に推薦状も必要だ。一方、大半の日本の高校教員は米国の大学の正規入学の方法を知らないだろう。実際、俺の場合(公立高校→米国四年制大学卒業)も「提出物: 高校の担任教諭が留学エージェントのサンプルを参考に作成」「エッセイ/テスト/面接: 留学エージェントの対策講座」「奨学金獲得(合計500万円程度): 留学エージェントのコネ」でやり遂げた。詰まる所、留学は留学エージェントが必須だ。相談だけでも思いもよらない案の教示で価値はある。

@b_o_bros
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実は多くの留学エージェントは東南アジアの語学学校しか取り扱っていない。そんな中、上記の通り、留学情報館は多様なパターンの留学に対応している。最近は「短大→名門大学編入」や「海外出稼ぎ」等のサポートもある。留学先も北米-オセアニア-欧州等様々だ。そして、カウンセリングは無料だ。

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参考

【全体】
2022-23 NCAA Division 1 Manual(ncaapublications.com)
NCAA Guide for the College-Bound Student-Athlete 2022-23(fs.ncaa.org)
Summary of NCAA Regulations NCAA Division I 2011-12(fs.ncaa.org)
【時間制限】
Akoy Agau transfers to Georgetown(espn.com)
Official Hoya statement on Agau(sports.yahoo.com)
Akoy Agau(gocards.com)
How 2 College Basketball Players Ended Up With 6 Years of Eligibility(nytimes.com)
Texas Southern grad transfer Zach Lofton signs with NMSU(lcsun-news.com)
Report: Zach Lofton will transfer from U to Texas Southern(startribune.com)
Minnesota dismisses transfer guard Zach Lofton(si.com)
This is how a college football player gets 7 years of eligibility(sbnation.com)
DI Council extends eligibility for winter sport student-athletes(ncaa.org)
Initial-eligibility status terms(ncaa,org)
At Top Athletics Programs, Students Often Major in Eligibility(chronicle.com)
【学業基準】
Summary of Key NCAA Regulations − NCAA Division I 2022-23(ncaaorg.s3.amazonasws.com)
Summary of Key NCAA Regulations − NCAA Division I 2021-22(ncaaorg.s3.amazonasws.com)
NCAA task force backs removal of standardized test score requirement(ncaa.org)
Test Scores(ncaa.org)
Division II Initial-Eligibility Changes(fs.ncaa.org)
Want to Transfer?(ncaa.org)
Difference Between Prep School and JUCO: For Athletes(prolimitathletics.com)
【アマチュアステータス】
San Jose State basketball will be without Richard Washington after the NCAA handed down a season-long suspension(mwwire.com)
Tips for Recruiting/Scouting Services(fs.ncaa.org)
Sources: Auburn Tigers’ Sharife Cooper awaits NCAA eligibility ruling(espn.com)
Pearl: Top Auburn recruit not yet declared eligible by NCAA(apnews.com)
Freshman guard Sharife Cooper practicing with Auburn again(auburnwire.usatoday.com)
[2017.01.26] ディアベイト・タヒロウ選手の練習参加について(albirex.com)
【その他】
Ivy League allowing one-time waiver for grad students to play in 2021-22 due to COVID-19 pandemic(espn.com)
Nearly 550 College Athletes Demand NCAA Pull Championships From States With Anti-Trans Sports Legislation(si.com)
FRESHMEN GIVEN VARSITY STATUS IN MAJOR SPORT(nytimes.com)
NCAA Rules J.R. Smith Eligible to Play Golf for North Carolina A&T(si.com)

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