【NCAA】カレッジバスケ解説: ルールと制限-エリジビリティ(プレー資格)編

うい。


現地観戦研究家のBall Otaku Bros(@b_o_bros)だ。

主なコンテンツ

※全て参考文献付き

最初に断っておくが、本来、このブログはバスケオタクが低予算で現地観戦を達成するためのガイドブックである。


ただ、カレッジバスケは何の予備知識も無しには楽しめないし、NBAと比べてプレーの質が遥かに劣る試合を観に行く気にはなれないと思う。


と言うことで、この度、NCAA基礎講座」と題してアメリカのカレッジバスケについて解説&紹介することにした。


これらの記事で基礎知識を身に着けて、自分の好奇心の赴くままに歴史、コーチのスタイル、戦術、各大学のカルチャーetcをディグり、最終的に現地を訪れてもらえれば幸いだ。

NCAAの視聴方法
日本からカレッジバスケを視聴する方法を紹介!!

今回はエリジビリティ(プレー資格)についてだ。

  1. エリジビリティ(プレー資格)
  2. エリジビリティの条件1: 時間的制約
    1. 基本情報: 時間的制約(NCAA D1とD2のみ)
    2. 時間的制約を設けている理由
    3. 3つの時間的制約
      1. 1. 高校卒業後1年以内に入学
      2. 2. タイムクロック: 大学生活をスタートさせてから5年以内
      3. 3. プレーシーズン制限: 最高4シーズンまで
    4. コロナの救済措置: 追加1年
    5. レッドシャツ: プレーシーズンの浪費を防ぐ
    6. その他: 5シーズン目や6年目の大学生がプレーできる場合
    7. NCAA D3の時間的制約
  3. エリジビリティの条件2: 学力基準
    1. 基本情報
    2. クオリファー&ノンクオリファー
      1. クオリファー
      2. ノンクオリファー
      3. パーティアルクオリファー
    3. 学力不振の高校生の進路
      1. プレップスクール
      2. 短大(JUCO)
      3. 高校留年
  4. エリジビリティを得るための条件3: アマチュアステータス
    1. 基本情報
    2. プロと見なされる行為
      1. プロと見なされる行為1: 自身の競技力を活かして金品を受け取る
      2. プロと見なされる行為2: 代理人と契約
      3. プロと見なされる行為3: プロチームとの関わり
      4. プロと見なされる行為4: 必要以上の金品を誰かしらから受け取る
    3. 近年の話
      1. NILとペイ・フォー・プレイ
      2. 代理人との契約
      3. プロチームとの関わり
  5. その他
    1. カンファレンスのルール
    2. トランスジェンダー選手問題
    3. フレッシュマンルール
  6. まとめ
  7. 関連記事
    1. NCAA基礎講座
    2. 大学一覧
    3. バスケ留学解説
    4. NCAAの視聴方法
  8. 参考

エリジビリティ(プレー資格)

エリジビリティ=プレー資格

  1. 時間的制約
    年齢、プレーシーズン数etc
  2. 学力基準
    学力テストのスコア、GPA、単位etc
  3. アマチュアステータス
    プロ契約経験無しetc

NCAAはエリジビリティ(eligibility)と呼ばれるプレー資格を定めている。学生アスリート達はNCAAが課す条件を満たしてエリジビリティを獲得しなければ試合や大会に出場することができない。


そして、NCAAはエリジビリティの条件として「時間的制約」「学力基準」「アマチュアステータス」の3つを課している。学生達はこれら3つの条件を全てクリアしなければ、NCAA D1とD2で公式戦でプレーすることはおろか、場合によっては練習への参加や奨学金の受けることもできない。


但し、NCAAが厳密に管理しているのはD1とD2だけである。NCAAはD3のエリジビリティに関しては各大学やカンファレンスに委ねられている。つまり、D3には実質的にエリジビリティはほとんど存在しない。しかも、NAIA(NCAAとは別の大学体育協会)やNJCAA(短期大学の大学体育協会)もエリジビリティを一応は定めているのだが、NCAA D1とD2程の厳しくはないため有って無いような状態だ。

エリジビリティの条件1: 時間的制約

基本情報: 時間的制約(NCAA D1とD2のみ)

主な時間的制約
  • 高校卒業後1年以内の大学入学
  • 大学生活5年目以内
  • 大学4シーズン以内

まず、最初のエリジビリティの条件が時間的制約だ。NCAAはD1とD2の選手に対しては「高校卒業後1年以内に大学に入学しなければならない」「大学生活5年以内」「大学4シーズン以内」の3つの時間的制約を求めている。NCAA D1とD2の場合、選手は上記3つ全ての時間的制約内でなければエリジビリティが原則的には認められず、プレーすることができない。

時間的制約を設けている理由

時間的制約が設けられている理由
  • 成熟した大人の出場の防止

NCAAがタイムクロックを設けている理由は「完全に成熟した大人がプレーを禁止」するためだ。もし上記の様な時間的な制約がなければ、大学10年目で28歳のような大人がコートで幅を利かせるようになり、20歳前後の若者達のプレーする場所では無くなってしまう可能性が高い。

3つの時間的制約

1. 高校卒業後1年以内に入学

まず、原則としてNCAA D1とD2でプレーできるのは高校卒業から1年以内に大学に入学した学生に限られる。

2. タイムクロック: 大学生活をスタートさせてから5年以内

次に、学生アスリートは大学生活をスタートさせてから5年以内の学生しかプレーできない。


しかも、この「5年」はNCAA D1、D2、D3、NAIA、JUCO(短大)等のあらゆる大学の経歴を合わせた年数だ。例えば、A選手が2019年に〇〇短期大学に入学して2019-20シーズンをプレーした後、NCAA D1の××大学に編入した場合、「5年間」から〇〇短期大学の2019-20の1年分を差し引いた「4年間」がA選手の残りのタイムクロックとなる。


さらに、タイムクロックは止まらない。例えば、A選手が2015年に大学生活をスタートさせて1年後の2016年から2018年まで2年間休学した場合、A選手のエリジビリティーは1年間のプレーと休学2年間を差し引いた残り2年間となる。

3. プレーシーズン制限: 最高4シーズンまで

そして、3つ目がプレーシーズン数だ。学生アスリートは原則的には合計4シーズンまでしかプレーできない。プレーシーズン数もタイムクロックと同様にあらゆる大学キャリアを合算した数である。もし公式戦に1秒でも出場した場合、その選手は1シーズン分のエリジビリティーを失うことになる。

コロナの救済措置: 追加1年

但し、今後数シーズンは例外的に学生達は自身が望めば「大学6年目」や「5シーズン目」をプレーすることが可能になる。理由はNCAAのコロナの影響で満足に競技に臨めなかった選手達への救済措置だ。2020年10月、NCAAは冬季競技(バスケットボールやアイスホッケー等)がコロナの影響で2019-20と2020-21に満足に行われなかったことを配慮して当該競技者へのエリジビリティの追加を発表した。つまり、NCAA D1とD2では選手達は原則的には「大学5年目」と「4シーズン」以内でなければならないが、2020-21に大学1年生以上だった学生は「大学6年目」や「5シーズン目」でもプレーすることが可能になる。

レッドシャツ: プレーシーズンの浪費を防ぐ

レッドシャツ(redshirt)はそのシーズン中に一切の公式戦に出場しないことを意味するのだが、プレーシーズン数の浪費を防ぐための意味もある。もし1シーズン中に一切公式戦に出場しなかった場合、その選手はプレーシーズン数の1シーズン分のエリジビリティをキープすることができるのだ。例えば、ベンチ入りこそできるもののコンスタントな出場時間が見込めない場合、その選手は自らレッドシャツになることで翌シーズンから4シーズンプレーすることが可能となる。

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その他: 5シーズン目や6年目の大学生がプレーできる場合

もし選手がコントロールできない理由(怪我や大病)でシーズンの大半を休まざるを得なくなった場合、極稀に5シーズン目や6年目の大学生にエリジビリティが与えられる場合がある。例えば、2018-19、オレゴンステイト大学4年生のトレス・ティンクルはシーズン序盤に怪我で残りのシーズンの全休を余儀なくされたが、NCAAの許可によって5シーズン目(2019-20)のプレーが認められた。一方、ザック・ローテンはミネソタ大学時代に理不尽な理由で退部させられたことで2014-15シーズンをプレーできなかったが、NCAAの特別措置によって大学6年目に4シーズン目のプレーの許可が下りた。

NCAA D3の時間的制約

NCAA D3には実質的にはタイムクロックはほとんど存在しない。NCAA D3の場合、エリジビリティは各大学やカンファレンスの判断に委ねられているため、余程の事が無い限りはほとんどの学生にエリジビリティが認められている。例えば、NCAA D3には30歳前後の学生が公式戦に出場した前例がいくつもあり、その中にはオーバーエイジの選手の活躍でNCAAトーナメントの上位に食い込んだ例やその選手が後にNBA入りしたケースも存在する。つまり、パワーバランスが崩れるような選手であってもプレーの許可が下りるのだ。

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エリジビリティの条件2: 学力基準

基本情報

主な学力基準
  • フルタイム学生
  • 高校卒業
  • GPA
  • 必修科目の単位
  • 高校時の学力テスト(SATやACT)のスコア

そして、もう1つが学力基準だ。D1とD2の学生アスリート達はNCAAの課す学力基準を全てクリアしなければエリジビリティを取得できない。つまり、公式戦の出場、練習、スポーツ奨学金を受け取ることができない。

クオリファー&ノンクオリファー

クオリファー

クオリファー(Qualifier)は学業成績の基準を全て満たしている学生アスリートのことだ。クオリファーは公式戦の出場、キャンパス内での練習、奨学金の授受が認められている。

ノンクオリファー

一方、ノンクオリファー(Non-qualifier)は学力基準を満たしていない学生アスリートのことだ。ノンクオリファーは公式戦の出場はおろかキャンパス内での練習や奨学金の授受すら許可されていない

パーティアルクオリファー

NCAA D2にのみパーティアルクオリファー(Partial Qualifer)が存在する。パーティアルクオリファーは練習の参加と奨学金の授受は認められている。公式戦の出場のみが禁止だ。

NCAAは2021年8月からNCAA D2の全学生アスリートをクオリファーとする発表した。

学力不振の高校生の進路

プレップスクール

・エリジビリティを消費しない
・学費が安い
・12月から大学に進学することも可

・エリジビリティに学力テストのスコアが必要

高校卒業時に学力基準が満たない学生の進路はいくつか存在するが、根本的な理由は「学力基準が緩い場所で学力とバスケットボールの向上を目指す」である。


最も理想的なルートがポスト-グラデュエート制度を利用してプレップスクールに進学することだ。ポスト-グラデュエート制度は高校卒業後に大学進学の準備をするための期間でプレップスクールはポスト-グラデュエート学生が通う学校だ。


プレップスクールの学校生活はほとんど高校と変わらない。学生達は学力テスト向上のための授業と部活がある。しかも、プレップスクールは大学では無いので、エリジビリティへの影響は無く、アメリカの大学は8月下旬から新学期(秋学期)が始まるのだが、早ければ秋学期終了後の12月中旬に大学に入学することができ、入学直後から試合に出ることも可能だ。


しかし、プレップスクール経由の場合、エリジビリティを得るには鬼門の学力テストのスコアが必要となる。故に、学力成績不足でプレップスクールへ進学する学生は往々にして学力テストで得点が見込める学生達になる。

短大(JUCO)

最も定番ルートの1つが短大(通称JUCO)に進学するルートだ。ただ、JUCOはプレップスクールよりも望ましいルートでは無い。と言うのも、JUCOは大学なので学生はエリジビリティを消費する。しかも、スポーツ奨学金は滅多に無いので、4年制大学よりも学費は安いものの、学資ローン等の融資を受けながら通わなければならない。


しかし、短大からの編入の場合はエリジビリティ獲得のための学力テストのスコアが要らない。必要なのは短大での成績だ。往々にして学力テストで得点を取るよりも大学の簡単な授業で単位やGPAを稼ぐ方が楽である。故に、理想はプレップスクールへの進学なのだが、学力テストを避けるために多くの高校生達は短大へと進学する。


しかも、短大の場合は准学士号の単位、ひいては大学卒業のための単位が取得できるため上手く編入できれば高校卒業から3、4年で大学卒業となる。

高校留年

そして、敢えて高校で留年するという選択肢もある。但し、州によっては高校でも年齢やシーズン数に制限を定めているため、留年してもう1年プレーすることが不可能な場合がある。

エリジビリティを得るための条件3: アマチュアステータス

基本情報

そして、最後の条件がアマチュアステータスだ。NCAAはいくつかの行為をプロ選手の行為と位置付け、現在と過去に当該の行為を一切行ったことがない選手をアマチュア選手と定義し、そういった選手にのみエリジビリティを認めている。例えば、プロチームの契約金の受取、大会賞金の獲得、代理人との契約がプロ行為に該当する。もし選手がNCAAでのプレーを望む場合、選手はプロ行為を避けてアマチュア選手で居続けなければならない。

プロと見なされる行為

プロと見なされる行為1: 自身の競技力を活かして金品を受け取る

NCAAはペイ・フォー・プレー(Pay for Play)をプロ行為と見なしている。ペイ・フォー・プレイは競技者が自身の競技力を活かして金銭等を受け取る行為だ。例えば、選手がプロチームとプロ契約を結んで契約金、出場給、パフォーマンスに応じたボーナス等の支給を受ける、あるいは大会の優勝賞品や個人賞で商品(金銭や品物)を受け取る行為がペイ・フォー・プレイに該当する。そして、もしその選手にペイ・フォー・プレイの過去がある場合、NCAAは原則的にはその選手をプロ(=アマチュア選手ではない)と見なしてエリジビリティを認めていない。

ゴルフやテニスの場合は例外的に賞金の受け取りが許可されている。

プロと見なされる行為2: 代理人と契約

学生アスリートはスポーツ代理人(会社)と契約するだけでもアマチュアステータスを失う。代理人(代理会社)とは球団や企業との契約交渉の代行やマーケティングを生業としている個人や会社だ。特に代理人との契約の有無はNBAドラフトへのエントリー時に注目される。もし選手がエントリーの際に代理人と契約した場合、その選手は今後NCAA D1やD2でプレーすることができないが、もし代理人と契約しなかった場合はエントリーを撤回して翌シーズンに大学でプレーすることが可能になる。毎年、指名が確実視されている候補生達は代理人と契約するが、指名が微妙な選手は代理人と契約せずにエントリーして撤回期限までの間に自身の評価を確かめる。

2020-21、シャリーフ・クーパーは開幕から数カ月間エリジビリティが停止されてしまった。結局、理由は明らかにはならなかったが、一説では父親がスポーツ代理人業を営んでいるため、NCAAはクーパーのアマチュアステータスの調査をしていたらしい。

プロと見なされる行為3: プロチームとの関わり

そして、プロチームと関わりを持つこともプロ行為と見なされる。実際、帝京長岡高校を卒業したタヒロウ・ディアバテ選手がポートランド大学進学前にアルビレックス新潟の練習に参加する予定だったのだが、アマチュアステータスを失う可能性があったため、ポートランド大学側の要請で急遽中止となったことがある。

プロと見なされる行為4: 必要以上の金品を誰かしらから受け取る

その他、家族や保護者以外から必要以上の金品を受け取る行為はアマチュア規定違反に該当する。しかし、高校生達に金銭、スマートフォン、ヘッドフォン、腕時計、スニーカー、車等を渡して自分の大学に入学させようとするコーチやその大学のスポンサー企業は後を絶たず、高校バスケにフォーカスしているバスケメディアが高校生に金品を渡してドキュメンタリーを制作したり、自社製品を着用させたりしている場合もある。

近年の話

NILとペイ・フォー・プレイ

NIL

2021年7月、NIL(Name-Image-likeness)が解禁となった。NILは選手達が自身の知名度、ルックス、キャラクター、好感度、発信力等を活用してマネタイズする行為だ。例えば、選手は商品のイメージキャラクターを務めたり、自身のSNSで商品のプロモーション活動を手伝ったり、あるいはシューズディールを結んで対価を得ることができる。こういった行為はあくまでも選手の”NIL”が活用されたマネタイズだからだ。

ペイ・フォー・プレー

一方、ペイ・フォー・プレーは未だに禁止のままである。例えば、選手がリバウンド数に応じてボーナスを得ることは自身の競技力を利用して支払いになのでアウトである。

ペイ・フォー・プレー解禁の可能性

しかし、ペイ・フォー・プレーの解禁の可能性は十分にある。NCAAは「学生生活がスポーツ偏重によってバランスを崩してはならない」という建前で学生アスリート達の競技のパフォーマスへの対価(Pay for Play)等は引き続き禁止する意向なのだが、一方でカリフォルニア州やフロリダ州では競技力への支払い(Pay for Play)をも保障する州法を成立させてしまっているのだ。現在、各州では学生のNILを保障する法案が作られている最中だが、各州の進捗具合と内容には差があり、NCAAは各州の内容を統一する連邦法の制定を議会に求めている。

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代理人との契約

NCAAは実はNILの解禁に際して代理人、アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、マネジメント業者との契約も解禁する意向だ。バスケットボールの場合は代理人の解禁は大きい。現在、学生アスリートは代理人と契約を結んだ時点でエリジビリティ(プレー資格)を失うため、NBAドラフトのエントリーの際、指名される望みが薄い選手は再びカレッジでプレーできる可能性を残すために代理人と契約を結ばないのだが、今後、代理人との契約がOKになった場合、選手は気軽に代理人と契約を交わすことが可能になる。

プロチームとの関わり

近年、NCAAは「プロとの関わり」は非常に寛容だ。例えば、アマチュア契約(無給)の選手は過去にプロチームで活動していたとしてもエリジビリティが認められている。現にケイン・ロバーツ選手は東京アースフレンズZ(B2)で試合にも出場していたが、2021年にNCAA D1のストニー・ブルック大学への進学を決めた。

その他

カンファレンスのルール

各カンファレンスはNCAAのルールに加えて独自のルールを設けている。


最も代表的なのがアイビー・リーグの大学院生のプレー禁止だ。NCAAは大学院生のプレーも許可している。例えば、大学を3年で卒業した場合、あるいは在学4年間の内1シーズンがレッドシャツだったために1シーズン分のエリジビリティが残っている場合、その学生は大学院に進学して残りの1シーズンをプレーすることができる。無論、大学院進学時に2年分のエリジビリティが残っている場合は大学院生として2シーズンプレー可能だ。


しかし、アイビー・リーグは学業や研究を最重要視するという理由から大学院生のプレーを禁じている。だから、プレー資格が残っているにも関わらず卒業を迎えてしまったアイビーリーガー達は、仕方なくプレーを諦めるか、あるいはアイビー校以外の大学院に進学せざるを得なかった。例えば、2020年、セス・タウンズとブライス・エイケンはそれぞれハーバード大学を卒業し、2020-21はそれぞれオハイオステイト大学とシートン・ホール大学の大学院生としてプレーした。


また、一部のカンファレンスは同じカンファレンス内の別の大学に学生が編入するのを制限している場合もある。

2021年、アイビー・リーグは2020-21のみ大学院生のプレーを許可することを決定した。理由はコロナによるシーズン中止の救済措置だ。アイビー・リーグは2019-20の終盤と2020-21全てを休止していた。但し、適用は現在アイビー・リーグ校に通う4年生に限定されている。つまり、2021年に新たに他大学からアイビー・リーグ校の大学院に編入してきた者はプレーできない。

トランスジェンダー選手問題

トランスジェンダー選手のエリジビリティも問題になっている。例えば、約半数の州ではトランスジェンダー選手が女子として競技に参加する場合、彼女たちは染色体、ホルモン、テストステロン値で女性であることを証明しなければならないとする州法が定められている。NCAAはトランスジェンダー選手に寛容な姿勢を見せてはいるが、上記のような法律の廃案に積極的に行動しているとは言えず、組織としての姿勢を問われている。

フレッシュマンルール

フレッシュマン(1年生)は試合に出場できない

1972年まではフレッシュマン(1年生)は公式戦に出場できない通称フレッシュマンルールが存在した。故に、それまでは1年生はジュニアバーシティチーム(2軍)で練習と試合に臨んでいた。


しかし、1968年にフットボールとバスケットボール以外のスポーツでフレッシュマンルールが解かれ、その後、1971-72シーズンからはバスケットボールでも小規模大学のみフレッシュマンの起用が許可されるようになり、1972-73シーズンからはフットボールとバスケットボールでも解除となった。


それに伴って多くの大学がジュニアバーシティチームを廃止した。現在、NCAA D1でジュニアバーシティチームを持っているのはノースカロライナ大学位だ。一方、NCAA D2とD3にはジュニアバーシティチームを持っているチームも多い。通常、JVの試合はバーシティチームの試合の前に行われる。

まとめ

エリジビリティ=プレー資格

  1. 時間的制約
    年齢、プレーシーズン数etc
  2. 学力基準
    学力テストのスコア、GPA、単位etc
  3. アマチュアステータス
    プロ契約経験無しetc

NCAAはD1とD2に対してエリジビリティと呼ばれる選手のプレー資格を規定している。エリジビリティには時間制限、学力基準、アマチュア規定といった条件があり、学生アスリート達はこれらの条件を全てクリアしなければ、エリジビリティを獲得できず、公式戦への出場やスポーツ奨学金の授受ができない。

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デューク大学ACCリサーチトライアングル
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(ノースカロライナ州)
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スタンフォード大学Pac-12ベイエリア
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大学名所属所在地
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SJU
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(ロードアイランド州)
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A10ワシントンD.C.
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GMU
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アラバマ大学バーミンガム校C-USAバーミンガム
ノースカロライナ大学シャーロット校C-USAシャーロット
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ホフストラ大学CAAニューヨーク
ドレクセル大学CAAフィラデルフィア
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(ノースカロライナ州)
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クリーブランドステイト大学HORIZONクリーブランド
オークランド大学HORIZONデトロイト
デトロイト・マーシー大学HORIZONデトロイト
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ブラウン大学IVYプロビデンス
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アクロン大学MACクリーブランド
オハイオ大学MACオハイオ州南西部
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参考

College-Bound Student-Athlete(fs.ncaa.org)
http://fs.ncaa.org/Docs/AMA/compliance_forms/DI/DI%20Summary%20of%20NCAA%20Regulations.pdf(fs.ncaa.org)
NCAA Eligibility Basics(professionals.collegeboard.org)
How 2 College Basketball Players Ended Up With 6 Years of Eligibility(nytimes.com)
Texas Southern grad transfer Zach Lofton signs with NMSU(lcsun-news.com)
Report: Zach Lofton will transfer from U to Texas Southern(startribune.com)
Minnesota dismisses transfer guard Zach Lofton(si.com)
This is how a college football player gets 7 years of eligibility(sbnation.com)
DI Council extends eligibility for winter sport student-athletes(ncaa.org)
Initial-eligibility status terms(ncaa,org)
At Top Athletics Programs, Students Often Major in Eligibility(chronicle.com)
Division II Initial-Eligibility Changes(fs.ncaa.org)
全米大学体育協会(NCAA)の「学業とスポーツの両立」を可能とさせる仕組み(経営情報学論集第 24号)
Difference Between Prep School and JUCO: For Athletes(prolimitathletics.com)
Sources: Auburn Tigers’ Sharife Cooper awaits NCAA eligibility ruling(espn.com)
Pearl: Top Auburn recruit not yet declared eligible by NCAA(apnews.com)
Freshman guard Sharife Cooper practicing with Auburn again(auburnwire.usatoday.com)
[2017.01.26] ディアベイト・タヒロウ選手の練習参加について(albirex.com)
Overtime Elite League Signs First European Player In Alexandre Sarr(forbes.com)
Ivy League allowing one-time waiver for grad students to play in 2021-22 due to COVID-19 pandemic(espn.com)
Nearly 550 College Athletes Demand NCAA Pull Championships From States With Anti-Trans Sports Legislation(si.com)
FRESHMEN GIVEN VARSITY STATUS IN MAJOR SPORT(nytimes.com)

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全コンテンツは以下の見地に基づいている。

1. Bro
批判的思考
(×好き嫌いや感情論)
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俺達はこれをもってしてバスケに対するロイヤリティを示す。

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