

レッドシャツ
定義
レッドシャツ(redshirt)は、日本では練習生と訳されることも多いが、厳密に言えば、「そのシーズン中にまだ公式戦に出場していない選手」や「公式戦に出場しない行動自体」のことだ。
レッドシャツの意味: プレー資格を消費しない
もしレッドシャツで1シーズンを過ごした場合、その選手はエリジビリティ(プレー資格)を消費しない。
NCAA D1とD2では学生アスリートは大学生活をスタートさせてから5年間で4シーズンまでしかプレーできないというルールが採られている。5年間で4シーズンはNCAA D1、D2、D3、NAIA(NCAAとは別の大学体育協会)、JUCO(短大)を合わせた数である。つまり、1年次にJUCOでプレーした後にNCAA D1大学に編入した場合、その選手が編入先のD1大学でプレーできるのは4シーズンからJUCOでプレーした1シーズンを差し引いた3シーズン分となる。
そして、公式戦に1秒でも出場した場合、その選手は1シーズン分のエリジビリティを失うことになるのだが、レッドシャツの選手は1シーズン分のエリジビリティを失わなずに済むのだ。

レッドシャツになる理由
自主
先述した通り、公式戦に1秒でも出場した場合、その選手は1シーズン分のエリジビリティを消費することになる。故に、プレータイムが少ないことが見込まれる場合、選手は自身のエリジビリティの浪費を防ぐために自主的にレッドシャツとなる場合がある。実際、八村塁選手も、1年目はプレータイムが見込まれいことが濃厚だったため、開幕ギリギリまでレッドシャツになるか否かの状況だった。
怪我
一方、怪我でレッドシャツを余儀なくされる学生アスリートも存在する。例えば、シーズン開幕前の練習でシーズンの大半を休むことが濃厚となった場合、学生アスリートはそのシーズン中の復帰を諦めてレッドシャツとして1シーズン全てをリハビリに費やす。
学業不振
- フルタイム学生
- 高校卒業
- GPA
- 必修科目の単位
- 学力テスト(SATやACT)のスコア
NCAAが学生アスリートに課している学業基準をクリアできずに強制的にレッドシャツになる選手もいる。学業不振によるレッドシャツ選手はアカデミックレッドシャツ、あるいはシンプルに無資格者という意味のノンクオリファー(Nonqualifier)と呼ばれる。例えば、ドウェイン・ウェイドはフレッシュマン時に学業成績の基準を満たせずにアカデミックレッドシャツで1シーズンを過ごしている。
NCAAの学力基準は学年によって異なるのだが、一般的には高校時の学力テストの成績を求められる1年目が最も大変だ。2年目以降は単位やGPAが基準となるので、簡単に単位が取れる授業を選ぶことで基準を満たしやすい。故に、もし高校時の学力成績が悪い場合、そういった選手達は高校卒業直後に学力基準が緩い短大に一旦進学し、そこで簡単に単位が取れる授業で単位とGPAを満たして2年生以降にNCAA D1校への編入を狙う。しかも、このルートはNCAA D1コーチが高校生に提案することもある。コーチと選手間で「今の学力成績では君を奨学生としてリクルートできないが、もしJUCOに進学してそこで成績を満たせたら、2年目以降に奨学生としてウチに迎え入れる」といった密約が交わされている。
転校生
そして、最後の理由が転校生だ。現在、NCAA D1の大学に編入した場合、いくつかの例外を除いて、その選手は編入先での初年度をレッドシャツで過ごさなければならない。

レッドシャツの表記
1年生: フレッシュマン(Freshman)
2年生: ソフォモア(Sophomore)
3年生: ジュニア(Junior)
4年生: シニア(Senior)
レッドシャツを経験した選手は学年の前にRSを付けて表示する。レッドシャツ1年生はRS Freshman、2年生はRS Sophomore、3年生はRS Junior、4年生はRS Seniorといった感じだ。
まとめ
レッドシャツは公式戦に出場していない選手のことだ。レッドシャツの選手は5年間で4シーズンというプレー資格の1シーズン分を消費しない。故に、自主的にレッドシャツを選ぶ選手も存在する。が、一方で学業成績不振や転校生のルールで強制的にレッドシャツを余儀なくされる学生アスリートもいる。

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参考
NCAAデビューを果たした八村塁、独占インタビューvol.1「いろいろな人の支えでコートに立つことができました」(basket-count.com)
NCAA Transfer Exceptions and Waivers(athleticscholaships.net)
