うい。
「全米中のバスケを訪れる」が目標、乗り鉄的現地観戦愛好家のBall Otaku Bros(@b_o_bros)だ。
今回は名門デューク大学を紹介する。
デューク大学
基本情報
名称: Duke University
愛称: Blue Davils
所属: Atlantic Coast Conference
19-20: 25勝6敗(NCAAトーナメント中止)
18-19: 32勝6敗エリート8
17-18: 29勝8敗エリート8
近年の話: ワン&ダン時代の終焉とコーチKの引退
今後のデューク大学の注目すべき点は「ポストワン&ダン時代をどうするのか?」と「コーチKの後任者選び」だ。
2010年のNCAAトーナメント優勝以降、ブルーデビルズはタレント不足に陥りエリート8止まりのシーズンが続いた。故に、コーチKは苦悩の末にワン&ダンを受け入れ、2015年にジャリル・オカフォー、タイウス・ジョーンズ、ジャスティス・ウィンズローのフレッシュマントリオでNCAAトーナメントを制覇し、これに味を占め…自信を得たコーチKはワン&ダン候補生を次々と受け入れるようになった。
しかし、この2015年の優勝以降、ブルーデビルズはエリート8以上には進めていない。しかも、Gリーグセレクトチームの設立でファイブスターのリクルート自体が難しくなるかもしれない。
加えて、コーチKの引退も囁かれて久しい。直近2年は無かったが、シャセフスキーは体調不良で試合を欠席することがあり、既に73歳となっている。
後任者の筆頭候補はピッツバーグ大学HCのジェフ・キャペル(Jeff Capel)だ。キャペルは選手時代(1993-97)にコーチKの下でプレーした後、2010年代(2011-18)はACとしてコーチKを支えてきた。
アトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)
チーム史
ビック・バブス時代(1959-1969)
- NCAAトーナメント準優勝(1964)
- ファイナルフォー(1963、66)
- 主な選手
アート・ヘイマン(デューク大学最初のスタープレーヤー)
ジェフ・ムリンズ(NBAオールスター×3)
ビック・ブバス(Vic Bubas)はデューク大学のパワーハウスの基礎を築いた。ブバスは特にリクルートに秀でていた。他のコーチ達が選手が高校最終学年を迎えてからリクルートを始めていた中、ブバスは彼らが高校を卒業する1年以上も前から唾をつけていた。
ブバスの努力の結果、アート・ヘイマンとジェフ・ムリンズのデュオが完成した。両者の活躍でブルーデビルズは1963年にファイナルフォーまで進んだ。その後、ヘイマンは1巡目1位指名でNBA入りしたが、ブルーデビルズはムリンズの孤軍奮闘で決勝の舞台まで進んだ。
その後、1963年にデューク大学は黒人学生の受け入れを開始した。そして、1965年、CB・クレイボーン(C.B. Claiborne)がデューク大学初のアフリカ系アメリカ人選手となった。
ビル・フォスター時代(1974-80)
- NCAAトーナメント準優勝(1978)
- エリート8(1980)
- AP1位(1978-79)
- 主な選手
ジム・スパナーケル(スコアラー)
マイク・グミンスキー(永久欠番#43)
ビル・フォスター(Bill Foster)はコーチの交代に失敗したブルーデビルズを再び全米トップチームに押し戻した。フォスターはジム・スパナーケル(Jim Spanarkel)やマイク・グミンスキー(Mike Gminski)をリクルートして着実にチームを強化し、1978年、ブルーデビルズをNCAAトーナメント決勝の舞台に戻した。
コーチK時代(1980-現在)
Forty years ago today, Coach K was named @DukeMBB‘s head coach. Here are some of my favorite headlines from the week he was hired, found last year during my research for the documentary The Class That Saved Coach K (hint: spelling his name was quite the headache). pic.twitter.com/zO3LCGTxKe
— Derek Saul (@derek_saul) March 18, 2020
前レイトナー時代(1980-88)
- NCAAトーナメント準優勝(1986)
- ファイナルフォー(1988)
- 主な選手
ジョニー・ドウキンス(永久欠番#24)
ジェイ・ビラス(ESPNアナリスト)
ダニー・フェーリー(コーチK最初の全体2位指名バスト)
その後、フォスターはサウスカロライナ大学へ移り、空いたポジションに33歳のコーチKが就いた。最初の5シーズンは、フォスターの残した選手が自分好みで無かったり、自身がリクルートした選手達が成長過程にあったため、上手くはいかなかった。
しかし、1985-86シーズン、ジョニー・ドウキンス、マーク・アラリー、デイブ・ヘンダーソン、そして、ジェイ・ビラスが4年生になり、コーチKの哲学を実行できるメンバーが揃ったブルーデビルズは覚醒した。チームは29勝2敗でレギュラーシーズンを終え、将来のNBA選手5人を擁するジョージア工科大学をACCトーナメント決勝で破って東地区第1シードを獲得し、本戦でも決勝まで進んだ。
その後、1987-88シーズン、ダニー・フェーリーやクイン・スナイダーの活躍でチームはファイナルフォーに進出した。
クリスチャン・レイトナー&グラント・ヒル(1988-92)
- NCAAトーナメント優勝(1991、92)
- NCAAトーナメント準優勝(1990、94)
- ファイナルフォー(1989)
クリスチャン・レイトナー
グラント・ヒル
アントニオ・ラング
クリスチャン・レイトナーとグラント・ヒルがコーチKとデューク大学に悲願の初タイトルをもたらした。
1988年、デューク大学史上最高の選手の呼び声高いレイトナーが加入した。レイトナーは1年次にファイナルフォー、2年次に準優勝に貢献した。加えて、レイトナーは容姿端麗で学業も優秀だったため、全米中でレイトナーフィーバーが巻き起こった。
しかし、優勝まではあと一歩届かなかった。
そんな中、1990年にヒルがデューク大学の門を叩いた。1990-91シーズン、ライバル校達から計7回も黒星を喫する苦しいシーズンを送っていたが、ブルーデビルズはNCAAトーナメント本戦を順調に勝ち進み、ファイナルフォーで優勝候補のラリー・ジョンソン率いるUNLVを死闘の末に破り、勢いそのままに初優勝を果たした。
翌年、NCAAトーナメント準々決勝でGヒルからのパスを受けたレイトナーがブザービータージャンパーを決めてケンタッキー大学を撃破し、準決勝でボブ・ナイト率いるインディアナ大学、決勝でファブファイブのミシガン大学を破って2連覇を達成した。
その後、レイトナーはシャキール・オニールを押しのけて1992年にドリームチームの一員となって金メダルを獲得した。
アーリーエントリーの承認(1998-2009)
- NCAAトーナメント優勝(2001)
- NCAAトーナメント準優勝(1999)
- ファイナルフォー(2004)
- 主な選手
コーリー・マゲッティ(初のワン&ダン選手)
エルトン・ブランド
シェーン・バティーエ
ジェイ・ウィリアムス(事故でキャリアを断たれた悲劇のスター候補)
カルロス・ブーザー
ルオル・デング(2人目のワン&ダン)
JJ・レディック(歴代最高のシューター)
レイトナーとヒルの卒業後、腰の手術でコーチKが現場から離れる等もあり、数年間ブルーデビルズは優勝候補からは一歩後退していた。
しかし、最大の理由はコーチKが下級生(1,2年生)のアーリーエントリーを歓迎していなかったためにトップリクルート達がデューク大学を避けていたことだった。
故に、シャセフスキーは遂に下級生のアーリーエントリーを承認した。1999年のNBAドラフトではコーリー・マゲッティーがコーチKの教え子として初めてワン&ダンでNBA入りし、同年、2年生だったエルトン・ブランドもアーリーエントリーでチームを離れた。
ワン&ダン(2009-現在)
2009-10 | カイリー・アービング |
2011-12 | オースティン・リバース |
2013-14 | ジャバリ・パーカー |
2014-15 | ジャリル・オカフォー タイウス・ジョーンズ ジャスティス・ウィンズロー |
2015-16 | ブランドン・イングラム |
2016-17 | ジェイソン・テイタム ハリー・ジャイルズ フランク・ジャクソン |
2017-18 | マービン・バグリー三世 ウェンデル・カーターJr ゲイリー・トレントJr トレボン・デュバル |
2018-19 | ザイオン・ウィリアムソン RJ・バレット キャム・レディッシュ |
- NCAAトーナメント優勝(2010、15)
2010年代、コーチKはワン&ダンを積極的に受け入れるようになった。主な理由は高校卒業後1年の経過しなければNBAドラフトへエントリーできなくなったため、才能のある高校生達が大学を探し始めたことだが、一方でデューク大学自体もタレント不足故に優勝から遠ざかっていたことも要因の1つだ。
2013年、コーチKは渋っていたワン&ダンで1シーズンでチームを去るプロスペクトのリクルートを開始した。最初にリクルートされたのがジャバリ・パーカーだ。案の定、パーカーはワン&ダンでチームを去ったが、同年、ジャリル・オカフォー、タイウス・ジョーンズ、ジャスティス・ウィンズローの3人が一気に入学してきた。
このフレッシュマントリオが大当たりだった。上級生の多いチームの方が勝てると言われている中、高校生に毛が生えた程度の10代の選手達がNCAAトーナメントを制覇したのだ。これに味を占め…自信を得たコーチKはワン&ダン候補生を次々と受け入れるようになった。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: Cameron Indoor Stadium
住所: 115 Whitford Dr, Durham, NC 27708
ブルーデビルズのホームアリーナはキャンパス内にあるCameron Indoor Stadiumだ。デューク大学の試合は学生と言えども簡単に見ることはできない。故に、ライバルのノースカロライナ大学戦前、キャメロン・クレイジーズ(The Cameron Crazies)と呼ばれる学生達はアリーナ横のシャセフスキー広場で数週間前からテントを張っている。
チケット
デューク大学のホームゲームのチケットは1、2位を争う位高価だ。ライバルのノースカロライナ大学戦はセカンダリーマーケットにチケットが出回らない可能性もある。チケットは見つけたら即買いで良いと思う。
一方、キャパの大きい大学のアウェイゲームは、それでもカレッジゲームとしては高いが、NBAの試合と同程度だ。手の届かないレベルでは無い。もしデューク大学を見たいだけなのであれば、アウェイゲームに足を運ぶのが良い。
カレッジギア
大学のグッズの購入はキャンパス内のブックストア(カレッジストア)がオススメだ。場所はグーグルマップで「大学名 bookstore」で検索すれば出てくる。
ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。と言うのも、アメリカの大学生は基本的に寮やキャンパス付近での生活を強いられるため彼らの生活に必要となるアイテムが置いてあるのである。
ちなみに、カレッジのアイテムはアリーナでも買える。が、品揃えは良くない。時間があれば是非ともキャンパス内or付近のブックストアに立ち寄ることを俄然オススメする。
まとめ
関連記事
アトランティックエリア

アトランティックエリア(南部)
アトランティックエリアはワシントンD.C.からアトランタまでのバージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州北部、ジョージア州東部を括ったエリアだ。北にはボスウォッシュエリア、南にはフロリダエリア、西にはディープサウスエリアがある。
リッチモンド(バージニア州)
バージニア州リッチモンドはアメリカ最古の都市の1つだ。NCAA D1のバージニアコモンウェルス大学(VCU)とリッチモンド大学の実力校2校がキャンパスを構えている。
ノーフォーク(バージニア州)
ノーフォークは大西洋に面した湾岸都市だ。オールド・ドミニオン大学、ハンプトン大学、ノーフォークステイト大学がキャンパスを構えている。近くにはアメリカで2番目に古いウィリアム&メアリー大学もある。
バージニア大学(バージニア州)
バージニア大学は内陸部のシャーロッツビルにある。
バージニア工科大学(バージニア州)
バージニア工科大学はアパラチア山脈の麓にある。
リサーチトライアングル(ノースカロライナ州)
リサーチトライアングルとはノースカロライナ州中央に位置するノースカロライナ大学、デューク大学、NCステイト大学があるエリアだ。ワシントンD.C.とシャーロットからバスや鉄道で行ける。
ピートモンドトライアド(ノースカロライナ州)
ピートモンドトライアドはグリーンズボロ、ウィンストン=セイラム、ハイポイントで形成されたノースカロライナ州第三の都市圏だ。シャーロットとリサーチトライアングルの間にある。Gリーグのグリーンズボロ・スウォーム、ティム・ダンカンとクリス・ポールの母校ウェイク・フォレスト大学、その他ミッドメジャー4校がある。
シャーロット(ノースカロライナ州)
シャーロットは南部の数少ないNBA都市の1つだ。NBAはシャーロット・ホーネッツ、NCAA D1はステフィン・カリーの母校デビッドソン大学等合計3校がキャンパスを構えている。
アップステイト(サウスカロライナ州)
アップステイトはサウスカロライナ州北西のシャーロットとアトランタの中間のエリアだ。NCAA D1はサウスカロライナ州の顔クレムソン大学とその他ミッドメジャー4校がある。
オーガスタ(ジョージア州)
ジョージア州オーガスタとサウスカロライナ州ノースオーガスタはゴルフのマスターズの開催地として有名な町だが、NIKE EYBLの決勝ラウンドのピーチジャムの開催地としても知られている。
ジョージア大学(ジョージア州)
ジョージア大学はアトランタから少し東に行ったアセンズにある。
アトランタ(ジョージア州)
南部の玄関口ジョージア州アトランタは空港と高速道路が超"busy"なことで有名だ。NBAアトランタ・ホークス、クリス・ボッシュの母校ジョージア工科大学、実力校ジョージア・ステイト大学があり、夏にはアンダーアーマー主催のAAU大会やトレイ・ヤングとジョン・コリンズが参加したPro-Amリーグが開催されている。
カレッジフープスの記事

NCAA基礎講座の使い方
ステップ1: カレッジフープス全体(大学体育協会)を学ぶ
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ステップ2: NCAA(D1、D2、D3)を学ぶ
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ステップ3: NCAA D1のスケジュールを学ぶ
↓
ステップ4: NCAA D1のカンファレンスを学ぶ
↓
ステップ5: エリジビリティを学ぶ





参考
End of an Era: What’s Next for Coach K(si.com)
Duke Blue Devils School History(sports-reference.com)
Vic Bubas’ Great Run – Part I(dukebasketballreport.com)
C.B. Claiborne on being Duke’s first black basketball player(indyweek.com)
Duke names Krzyzewski(news.google.com)
Duke Thriving In Early Entry Era(goduke.com)
Duke NBA Draft Selections(basketball.realgm.com)