概要
Bracket + ology = Bracketology
bracket: トーナメント表
-ology: 学問等の意の接尾辞
ブラケットロジーはNCAAトーナメントの出場校や勝ち上がり予想だ。ブラケットロジーは「甲子園」「有馬記念」「駅伝」の要素を持っている。
ブラケットロジー
予想1: 出場校予想
Here are his last four in, first four out and next four out ahead of Thursday’s games pic.twitter.com/4H4X7n9PRM
— FOX College Hoops (@CBBonFOX) March 12, 2020
- バブルチーム: 当落線上
- ラストフォーイン: 滑り込み組
- ファーストフォーアウト: ギリ不合格組1
- ネクストフォーアウト: ギリ不合格組2
最初の予想が出場校予想だ。特にバブルチーム議論は白熱している。往々にして「ハイメジャー勝率5割程度校」と「実力派ミッドメジャー(アトランティック・10・カンファレンス/マウンテン・ウェスト・カンファレンス/ウェスト・コースト・カンファレンス等)の2~4番手校」が当落線上校として挙げられる。
予想2: シード予想
- ティア1: 第1シード候補群
- ティア2: 第2シード候補群
レギュラーシーズン終盤、ブラケットロジスト達は各自のシード順位の持論を語り始める。
予想3: NCAAトーナメントの勝ち上がり予想
- 概要: 勝ち上がり予想
- 期間: 5日間(日~木)
ブラケット発表~1回戦開始 - ブラケットチャレンジ
無料
要Gメール or SNSアカウント
最大の肝がNCAAトーナメントの勝ち上がり予想だ。そして、毎年、ブラケットチャレンジがスポーツメディアやギャンブルサイト~スーパーマーケットや床屋~友人間で行われている。日本在住者も参加可能だ。賞金や賞品もある。猶予はブラケット発表の日曜日~1回戦第1試合開始の木曜日までの正味5日間しかない。


元米国大統領選バラク・オバマはマイブラケットを現役時代はTV放送/任期終了後はSNSで発表している。一方、投資家ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイでブラケットチャレンジを開催し、2018年度は優秀者8名が賞金$10万を分かち合った。
ブラケットチャレンジの面白さ
- 甲子園
- 有馬記念
- 駅伝
「甲子園」要素
まず、最も盛り上がる要因がワイルドさだ。NCAAトーナメントはアップセットが起こる。つまり、予想が当たらない。NCAA D1はハイレベルさと拙さが良い塩梅で混ぜられている。例えば、NBAではクロージングが見事だ。各選手やチームは時間を有効に使い、トラップを切り抜け、FTをほぼ落とさず、リードを溶かさない。一方、NCAAトーナメントの場合、トラップやファールゲームが高確率で効果を発揮する。残り1分で7点リードを溶かすのはザラだ。そして、SNSではアップセットの度にミームや煽り合戦が始まる。
「有馬記念」要素: 金とプライドをベットしろ!!
そして、ブラケットチャレンジはプライドと金(少額で良い)のベットでより盛り上がる。プライドは自身のブラケットをSNSで自信満々に公開すれば良い。実際、俺達は仲間内やTwitterで自身のブラケットを「パーフェクトブラケット」と豪語して公開している。失うものがある分、1プレー/1試合の結果への一喜一憂が可能だ。
「駅伝」要素: 見るのが当たり前に
勝ち上がりを予想することが文化となっているからというのも否めない。例えば、地元のスーパーが勝ち上がり予想の的中率に応じた値引き等を開催していたりする。
ブラケットの作成
計画的に試合を見る
概要
「ブラケットは一日にして成らず」という言葉がある。要するに「トーナメントの予想は1日ではできない」という意味だ。理由はシンプルにチームが多いからである。NCAA D1には約350校が所属していて、NCAAトーナメントにはその内68校が出場する。故に、ブラケットの発表から1回戦までの数日間で全チームの実力を把握してブラケットを埋めるのは不可能に近い。だから、シーズンを通して計画的且つ効率的に出場校の試合を見ていく必要があるのだ。
各期間にすべきこと
- ノンカンファレンス: 高評価校
- カンファレンス: 出場濃厚校
- カンファレンストーナメント: 確定校
- セレクションサンデー~本番: 微調整
ノンカンファレンスシーズン
ノンカンファレンスシーズンは前評判の良いハイメジャー校のチェックだ。現時点での勝敗や完成度は無視で良い。往々にしてチームはシーズン中に良くも悪くも変貌を遂げる。トップ校同士の試合で一気に2チームずつの消化がコツだ。ミッドメジャーは無視で問題無い。
カンファレンスシーズン
カンファレンスシーズンはNCAAトーナメント出場が濃厚なチーム同士の試合のチェックだ。言い換えれば、成績が良くないチームは”一旦”見限る。理由は強豪同士だけでも山ほどある。つまり、基本的にはハイメジャー中心にチェックすることになる。
カンファレンストーナメント
カンファレンストーナメント期間はNCAAトーナメント出場確定校の順次チェックだ。出場校+カンファレンスのリーグ戦1~2位校の試合が望ましい。勝っても負けてもどうせ出場するからだ。加えて、そもそもミッドメジャーのチェックで忙しいのでハイメジャーまで手が回らないはずだ。1回戦敗退が濃厚なローメジャー校は後回しにする。
セレクションサンデー~本番
ブラケット発表後は草案作りだ。その後、未回答や不安な部分を「試合の見返し」「スタッツのチェック」「他人の予想」等で確定させる。

ブラケットは全力で作る方が実際の試合観戦時の熱や結果の
参考資料
スタッツ&指標
- チームスタッツ
- NET
NCAA独自の攻守効率性と試合レベルの数値 - ケンポン
元気象学者Ken Pomeroyの算出値 - BPI(College Basketball Power Index)
ESPNの各校の攻守の平均値からの距離値
最大の特徴はスケジュールだ。NCAA校は全校が総当たりで試合を行えない。全360+校は独自の約30試合をそれぞれ行っている。同じ20勝10敗でもスケジュールの強さで意味が変わる。そのため、各所はスケジュール(「相手の強さ」「会場」「結果」)を加味して数値を算出している。
投票
- AP通信投票(Associated Press Poll)
上位25校/週
計65名のスポーツ記者+放送関係者の投票 - コーチ投票(Coaches Poll)
AP通信投票は最も有名な週間ランキングだ。同ランキングは多くのメディアで引用されている。コーチ投票はUSA TODAY誌の上位25校だ。毎週、全米コーチ協会所属のNCAA D1のHC達が1~25位のチームを選び、各校には1~25位票につき25~1点が加算され、上位25校が発表される。
予想
We polled more than 50 people for the Top college hoops follows in the media. Here’s the complete Top 100: pic.twitter.com/UhwKJ5nWzt
— The Field of 68 (@TheFieldOf68) March 14, 2023
NCAA、ESPN、CBS、FOXなどスポーツメディアはブラケットロジーというカテゴリーでブラケット、バブルチーム、勝ち上がり予想等を発表している。
米国の大学への留学方法
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米国の大学への進学は一般的に「エッセイ(自己PR文)」「高校の成績(GPA)」「テストスコア(TOEFL/SAT/ACT等)」「推薦状」「銀行口座の残高証明書」が求められる。エッセイは「高校生活で何を頑張ってきたか」「大学で何を学びたいか」「将来の夢」等の自己アピール文である。高校成績は日本の高校の10段階評価をGPAに換算する。テストスコアは英語力の証明としてよく求められる。時に推薦状も必要だ。一方、大半の日本の高校教員は米国の大学の正規入学の方法を知らないだろう。実際、俺の場合(公立高校→米国四年制大学卒業)も「提出物: 高校の担任教諭が留学エージェントのサンプルを参考に作成」「エッセイ/テスト/面接: 留学エージェントの対策講座」「奨学金獲得(合計500万円程度): 留学エージェントのコネ」でやり遂げた。詰まる所、留学は留学エージェントが必須だ。相談だけでも思いもよらない案の教示で価値はある。

実は多くの留学エージェントは東南アジアの語学学校しか取り扱っていない。そんな中、上記の通り、留学情報館は多様なパターンの留学に対応している。最近は「短大→名門大学編入」や「海外出稼ぎ」等のサポートもある。留学先も北米-オセアニア-欧州等様々だ。そして、カウンセリングは無料だ。
まとめ

ブラケットロジーはシンプルに感情が揺れ動かされて面白い。カレッジでは本当に何が起こるか分からない。だから、普段感情の起伏が少ないサイコパス傾向のある俺達ですら1プレーや1試合の結果に謎のダンスを始めたり、無神論者にも関わらずOh My Godと叫んだり、情緒が不安定なヤバい奴になる。この未熟さ故のワイルドさによって引き起こされる感情の起伏がカレッジフープスの魅力だ。固い予想が外れることもあれば、ロマンが叶うこともあり、人間が狂喜乱舞せざるを得ない。
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バスケ留学解説

NCAAの視聴方法



参考
College basketball live stream: how to watch 19-20 NCAA games online from anywhere(techradar.com)
The Bracket Project – Ranking the Bracketologists(bracketmatrix.com)
List of 2019 March Madness Bracket Challenges to Fill Out & Prizes(boydsbets.com)
Warren Buffett’s March Madness Bracket Challenge: What Are the Odds?(investpedia.com)
The NET, explained: NCAA adopts new college basketball ranking(ncaa.org)
What is March Madness: The NCAA tournament explained(ncaa.com)