概要
- フルライド(全額支給)
全支出: 入学金/授業料/寮費/テキスト代/食費等 - パーシャル(部分支給)
一部
スポーツ奨学金(Athletic Scholarship)は運動部員向けの奨学金だ。スポーツ奨学金は「全額支給のフルライド(full ride)」と「一部支給のパーシャル(partial)」に大別される。そして、NCAA D1以外では全額支給は滅多に無い。
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基本情報
高い大学費用
アメリカの大学費用は高い。しかも、費用は年々増加している。入学金、授業料、寮費(room&board)が掛かるからだ。四年制大学は「州内公立大学: 約$2.5万/年」「州外大学/私立大学: 平均$4万/年」が必要となる。
奨学金と学資ローン
北米では「返済不要給付金=奨学金」「貸与型給付金=学資ローン」とされている。つまり、日本の要返済の奨学金は厳密には学資ローンである。実際、アメリカでは4470万人が学資ローンを抱えながらの暮らしを強いられている。そのため、高額な大学費用は社会問題になっている。奨学金はファイナンシャルエイド(Financial Aid)とも呼ばれる。

スポーツ奨学金
スポーツ奨学金の種類
フルライド(全額支給)
フルライドは全額支給のスポーツ奨学金だ。カバー範囲は入学金、授業料、勉強道具代、寮費、生活必需品となっている。一方、2010年代前半頃までの全額支給学生は貧乏線以下の暮らしを強いられていた。NCAAとNCAA加盟校が「学生アスリートに大学生活費用以上の金額を支払わない」で合意していたためだ。例えば、スポーツ奨学生は学業奨学金を受け取れなかった。家族以外からの誕生日プレゼントもアウトだった。そんな中、2010年代半ば、過度に厳しいルールへの批判が高まった。そのため、現在、最大$5,000程度/年の余剰金が支給されている。加えて、2022年、医療費、保険料、学業費用、トレーニング費用等の支給も可能になった。

NCAAは大学院生へのスポーツ奨学金の支給も認めている。そして、ブレイデン・アンダーソン(Braeden Anderson)は2015-16にシートン・ホール大学ロースクールの費用$5万をスポーツ奨学金でカバーした。
パーシャル(部分支給)
パーシャルは部分支給のスポーツ奨学金だ。NCAA D1のメジャー競技以外のスポーツ奨学金はほぼパーシャルとなっている。一部支給の場合、支給額や割り当て人数はコーチの判断に委ねられている。コーチ達はスポーツ奨学金予算を自身の判断で「総額$4万→スターター5名に$5千/残り$1.5万→$1500×10名」の様に分配できる。無論、奨学金の金額はリクルート時の交渉材料になっている。
ポストカレッジキャリア
NCAAはカレッジキャリア終了者向けのスポーツ奨学金の支給も許可している。つまり、学生アスリートはプロ転向後やプレー資格終了後にスポーツ奨学金で大学に通って学位取得を目指せる。ポストカレッジキャリアのスポーツ奨学金は通常のスポーツ奨学生枠にカウントされない。
スポーツ奨学金受給資格
学生アスリートはスポーツ奨学金の給付にNCAAの学力基準を満たさなければならない。ノンクオリファーはNCAAのルールでスポーツ奨学金を受け取れない。また、ほとんどのレッドシャツも奨学金を受け取っていない。例えば、学生アスリートは怪我で長期離脱になった場合に奨学金を奪われる。
保証無し
スポーツ奨学金は保証されていない。奨学金は基本的に1年更新だ。そのため、翌シーズンの奨学金は保証されていない。実際、毎年、多くの選手が翌シーズンの奨学金枠漏れによって転校を余儀なくされている。一方、2022年、NCAAはスポーツ奨学金起因の編入状況を鑑みて「編入生は編入先で卒業/選手資格終了までスポーツ奨学金を保障される」ルールを新設した。
大学体育協会の比較
支給額 | 最大奨学生数 | |
NCAA D1 | 全額 | 男子バスケ部13名→15名(2025年見込み) 女子バスケ部15名 |
NCAA D2 | 一部 | 男女バスケ部10名 |
NCAA D3 | 無し | 無し |
NAIA | 一部 | 男女バスケ部11名 |
NJCAA D1 | 一部 | 男女バスケ部15名 |
NJCAA D2 | 一部 | 男女バスケ部15名 |
NJCAA D3 | 無し | 無し |
NCAA
NCAA男女バスケのスポーツ奨学金は「NCAA D1: フルライド」「NCAA D2: フルライドorパーシャル」「NCAA D3: 無し」となっている。NCAA D1アイビー・リーグはカンファレンスルールでスポーツ奨学金を禁じている。一方、NCAA D1のスポーツ奨学金受給者は全体の60%に満たない。しかも、フルスカラシップはフットボール、男女バスケ、野球、アイスホッケー等で占められている。大半の五輪競技や非花形競技選手はパーシャルスカラシップ~無支給だ。

2025-26、男子バスケ部の奨学金枠はNCAAと元アリゾナステイト大学水泳部員のグラント・ハウスらの示談によって15名に増加予定だ。
NAIA: 別の大学体育協会
NAIAもスポーツ奨学金を設けている。支給額はほぼほぼパーシャルだ。
NJCAA: 全米短大体育協会
NJCAA(National Junior College Athletic Association)もスポーツ奨学金の支給を許可している。大半の支給はパーシャルだ。フルライドは極稀である。また、短大の授業料や入学金は四年制大学に比べて安い。総費用は州外民でも$1.5万/年程度だ。しかも、多くは自宅通学で寮費を節約できる。
CCCAA: カリフォルニア州短大学体育協会
CCCAA(California Community College Athletic Association)は学生のスポーツ奨学金の受け取りを禁止している。
その他
NIL
2021年7月1日、学生アスリート達は自身のNILのマネタイズが可能になった。NILは知名度(Name)、イメージ(Image)、肖像(Likeness)の頭文字だ。一言で言えば、選手達はインフルエンサー業等で金を稼げるようになった。そして、現在、強豪校の人気選手は$1M以上を稼いでいる。

学術奨学金
各大学は学術奨学金を用意している。実際、スポーツ奨学金と学術奨学金のダブル受給者もいる。NCAA D2-3、NAIA、短大は名目上の学術奨学金や貧困家庭援助(Need-based)をスポーツ奨学金として運用している。
低所得者向け奨学金
低所得者向けの奨学金(Need based)も存在する。最も有名なのが政府補助のペル・グラント(Pell Grant)だ。支給額は家庭の総所得等で決まる。
※電子書籍無し
Our hearts are with everyone in Los Angeles. And we’re looking to do whatever we can to help. So we’ve teamed up with the our league partners and the LA sporting world to support those impacted by the tragic wildfires.
— Fanatics (@Fanatics) January 11, 2025
Fanatics, Leagues, and the participating sports… pic.twitter.com/rlHQrTbt4a
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NCAAの視聴方法






参考
Average Cost of College & Tuition(educationdata.org)
Federal Pell Grants(studentaid.org)
教育大国アメリカはローン地獄に悩んでいる(toyokeizai.net)
Why NIL has been good for college sports … and the hurdles that remain(espn.com)
Scholarship Limits 2020-21(scholarshipstats.com)
New NCAA roster limits for football, baseball and other sports almost finalized: Sources(nytimes.com)
DI Board of Directors adopts student-athlete benefit legislation(ncaa.org)
A College Basketball Player Who Is Also a Law School Student(nytimes.com)
Division II Athletic Scholarships(therecruitingcode.com)
NAIA Athletic Scholarships(therecruitingcode.com)
Junior College Athletic Scholarships(therecruitingcode.com)
Divisional Structure(njcaa.org)
CCCAA Recruiting Rules(cccaasports.org)
5 Myths About Athletic Scholarships(usnews.com)
THE PRICE OF POVERTY IN BIG TIME COLLEGE SPORTS(ncpanow.org)
Study College Athletes Worth Six Figures Live Below Federal Poverty Line(drexel.edu)
Op-Ed: How to take the scandal out of big-time college football and basketball(latimes.com)
Division I board adopts changes to transfer rules(ncaa.org)