【NCAA】カレッジバスケ解説: スケジュール

うい。現地観戦研究家のB.O. BROS(@b_o_bros)だ。


最初に断っておくが、本来、このブログはバスケオタクが低予算で現地観戦を達成するためのガイドブックである。


ただ、カレッジバスケは何の予備知識も無しには楽しめないし、NBAと比べてプレーの質が遥かに劣る試合を観に行く気にはなれないと思う。


と言うことで、この度、NCAA基礎講座」と題してアメリカのカレッジバスケについて解説&紹介することにした。


これらの記事で基礎知識を身に着けて、自分の好奇心の赴くままに歴史、コーチのスタイル、戦術、各大学のカルチャーetcをディグり、最終的に現地を訪れてもらえれば幸いだ。

今回はNCAAディビジョン1の1年の流れについてだ。

アメリカの大学の1年

シーズン(D1)大学
5月上旬
~8月中旬
入寮
自主練期間
チームトリップ(4年に1回)
夏休み
(夏学期)
8月下旬
~9月中旬
自主練期間秋学期
秋学期スタート
9月下旬
~10月下旬
チーム練習解禁秋学期
11月上旬プレシーズン秋学期
11月中~下旬ノンカンファレンス期
恒例大会
感謝祭休暇
12月上旬ノンカンファレンス期秋学期
学期終了
12月中旬
~1月上旬
ノンカンファレンス期冬休み
1月中旬
~3月上旬
カンファレンス期春学期
春学期スタート
3月上~中旬ポストシーズン
カンファレンストーナメント
春学期
3月中旬セレクションサンデー春学期
3月中旬
~4月上旬
ポストシーズン
NCAAトーナメント
NIT
CBI
CIT
春学期
4月中旬
~5月上旬
春学期
春学期終了
卒業

開幕前

夏休み

5月、アメリカの大学では夏休みに突入する。高校を卒業した新1年生、他大学からの編入生、そして前シーズンから引き続きチームに残る選手が入寮する。


しかし、NCAAは学生アスリートの練習を厳しく制限していて9月下旬のチーム練習解禁日まではコーチはチームや選手を指導できない。故に、選手達は学生スタッフと共にワークアウトやドリルで個人練習に励む。


一方、大学によっては夏にも授業を行っている。夏学期の授業で取得した単位は卒業に認定されるので大学を3年で卒業したい学生が授業を取っている。留学生達はこの期間で英語の基礎クラスに参加することが多い。

チーム旅行

NCAAは各チームに4年に1度だけチームでの旅行を許可している。チームトリップの場合、コーチは選手を指導できる。多くのチームは2週間程ヨーロッパなどを訪れて観光や地元のチームと試合を行う。

ミッドナイトマッドネス(チーム練習解禁)

Look Back on the 2019 Bearcats' Midnight Madness: Men's Basketball

秋学期が始まってから約1か月後、フレッシュマンが大学生活に馴染んできた頃、バスケ部のチーム練習が解禁となる。待ちに待ったチーム練習は日付が変わった直後の深夜0時に解禁されるためミッドナイトマッドネスと呼ばれている。


が、最近では翌日の夕方や夜にファンの前で行われることが多い。ミッドナイトマッドネスは真面目な練習よりも新チームの披露会に近い。内容は盛大な部員紹介、ダンクコンテスト、紅白戦といった感じだ。

プレシーズンマッチ

その後、11月上旬にプレシーズンが始まる。各大学は無観客のスクリメージで他校と対戦したり、観客を入れたエキシビジョンゲームを1~3試合程度を行う。対戦カードは近くの大学であることが結構あるため、シーズン開幕前ランキング1位のケンタッキー大学が近所のD2校やD3校と試合をしたりすることがザラにある。

ノンカンファレンスシーズン(11月~12月末)

基本情報

ノンカンファレンスシーズン
  • 所属するカンファレンス以外のチームと対戦する期間
  • 11月中旬~12月下旬
  • 12試合前後
  • 注目は休暇中の大会

NCAAのシーズンはノンカンファレンスシーズンから始まる。ノンカンファレンスシーズンは所属しているカンファレンス以外の大学と対戦する期間である。


試合数はおよそ12試合前後だ。


ノンカンファレンスシーズン中は他のディビジョンや他の大学体育協会所属のチームとの試合を組むことができる。


つまり、NCAAのD2やD3校、NAIA校と試合をするが可能なのだ。D1所属でもローメジャー校はしばしば近所の下位ディビジョン校と対戦している。

アニュアルトーナメント&ショーケース

Duke vs. Gonzaga Basketball Highlights (2018-19)

ノンカンファレンス期の注目はアニュアルトーナメント(Annual Tournament)とショーケースだ。


アニュアルトーナメントは4~8校程度を招待した大会である。大中小様々な規模やレベルの大会が全米各地(キャンパス、ラスベガス、フロリダ、ハワイといったリゾート地)やカナダ、バハマ、ジャマイカのような隣国で開催される。例えば、2018年にゴンザガ大学がデューク大学に勝って優勝したマウイ・インビテーショナルもこのAnnual Tournamentの1つである。


一方、ショーケースは強豪校同士の試合だ。試合会場はどちらかのホームで行われることもあるが、リゾート地や近くに強豪校が無いカレッジフープス干ばつ地で行われる場合も多い。例えば、2018年に無敗だったゴンザガ大学がテネシー大学に敗退した試合はアリゾナ州フェニックスで行われたショーケースの1つだ。


これらが開催されるが11月下旬の感謝祭休暇中と12月中旬のクリスマス休暇中だ。アメリカでは11月第4木曜日をサンクスギビングデイと呼ばれるのだが、この前後1週間~10日間は大学は連休となっており、12月中旬もクリスマス休暇となっている。


ただ、これらの大会の勝敗はほとんど意味をなさない。が、あまり見ることができない異なるカンファレンスの強豪大学の試合が見られるのが専らの魅力だ。

カンファレンスシーズン(1月~3月上旬)

カンファレンスシーズン
  • カンファレンス内のリーグ戦
  • 18試合前後

カンファレンスシーズンはカンファレンス内でリーグ戦を行う期間だ。各校は各々が所属するカンファレンス内の相手と合計18試合を行う。


開催時期は12月下旬 or 1月上旬に始まり、3月上旬に終わる。


スケジュールはカンファレンスによって異なる。総当たりでホーム&アウェイで2試合ずつ行うのがスタンダードだが、所属校数の関係で「A校とはH&Mアウェイ、B校とはホーム、C校とはアウェイ」といった変則的なスケジュールのカンファレンスもある。


このカンファレンス内の戦績で後述するカンファレンストーナメント(各カンファレンスからNCAAトーナメントに出場するチームを決める大会)のシード順位が決まる。

ポストシーズン(3月上旬~4月上旬)

ポストシーズン
  • カンファレンストーナメント
  • ポストシーズントーナメント
    NCAAトーナメント
    NIT
    その他

ポストシーズントーナメントは最も有名なのはNCAAトーナメントだ。


しかし、ポストシーズントーナメントはNCAAトーナメントだけでは無い。


NCAAトーナメント出場にあと一歩届かなかったチームを招待するNIT(National Invitational Tournament)やNIT出場も逃した大学を招待するCBIやCITといったポストシーズントーナメントがある。


これらのポストシーズントーナメントはNCAAトーナメントの裏側でひっそりと催されている。

カンファレンストーナメント

カンファレンストーナメント
  • NCAAトーナメント出場校を決める
  • 3月上旬~中旬
  • 一発勝負のトーナメント

カンファレンス内のリーグ戦終了後、各カンファレンスではカンファレンストーナメント(チャンピオンシップ)が行われる。


カンファレンストーナメントはNCAAトーナメント出場校を決める一発勝負の大会だ。各カンファレンスの優勝校はNCAAトーナメント出場権を獲得できる。(カンファレンストーナメント優勝によるNCAAトーナメント出場枠はAutomatic Bidと呼ばれている。)


ブラケット(トーナメント表)はカンファレンスによって異なる。全シードが横並びになっている平等な形もあれば、下位シードは最大で5試合、上位シードは2試合といった不平等な形もある。


開催時期もどこも3月上旬~中旬だが、全カンファレンスで一斉に行われるワケでは無い。開催期間と会場もカンファレンスによってまばらである。


開催地もカンファレンスによって違う。中立の会場に全校が集まって4~5日間で一気にやってしまうカンファレンスもあれば、1、2回戦は上位シード校のキャンパスで行い、数日間の休みを挟んで準決勝と決勝を中立のアリーナで行うカンファレンスもある。


いずれにせよ、3月の第2週中には全32カンファレンスのカンファレンストーナメントが終了してNCAAトーナメントに出場する32校(全68校)が決まる

セレクションサンデー

Selection Sunday: What the players, coaches go through
セレクションサンデー
  • NCAAトーナメントのブラケットを発表する日
  • 日曜日に行われる

全カンファレンストーナメントが終了した3月中旬の日曜日、NCAAトーナメントのトーナメント表(ブラケット)を発表するセレクションサンデーが行われる。


セレクションサンデーではカンファレンストーナメントで優勝した32校+選考委員会が選んだ36校を選考委員会が独自にトーナメント表にしてテレビで一気に放送する。


At-Large Bidで招待される可能性があるチームは各大学のホールやミーティングルームに集まって自分たちの大学名が発表されるのを見守るのが恒例となっている。


チームはAt-Large Bidで選ばれる、あるいは先述したポストシーズントーナメントに出場する場合はシーズン続行となる。


しかし、ほとんどのチームはそこでシーズンが終了する。選手であれば、NBAにアーリーエントリー、卒業、転校でチームから離脱する者が現れ、コーチであれば解任やヘッドハンティングで大学から去る者がいる。

NCAAトーナメント

【NCAA】カレッジバスケ解説: NCAAトーナメント
今回は全米No.1の座を争うNCAAトーナメントの仕組みを解説する。

その他のポストシーズントーナメント

NIT
概要

名称: National Invitation Tournament
形式: 一発勝負のトーナメント
出場: 32校
会場: キャンパス&MSG
特徴: FIBAルール

一方、NCAAトーナメント出場を逃したチームはNITに招待される。NITはNCAAトーナメント出場を逃した大学32校が招待されるポストシーズントーナメントである。特徴としてはFIBAルールに則っている点だ。試合会場は1~3回戦は対戦カードの高いシード順位のキャンパス、準決勝と決勝はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われる。ちなみに、NITはNCAAトーナメントよりも1年早く開催された。当初は招待校は10校未満だったが、全試合をMSGで行っていたため、1950年代頃まではNCAAトーナメントよりもNITの方が格式高いとみなされていた。現に日系二世で初の有色人種NBA選手となった故ワッツ・ミサカ氏が在籍していたユタ大学はNITとNCAAトーナメントの招待を受けた際、NCAAトーナメントを断ってNITに出場している。

CBI

CBIはNCAAトーナメントとNIT両方の出場を逃した16校を招待したポストシーズントーナメントだ。各対戦はシード順の高い大学で行われる。最大の特徴は準決勝の対戦カードは再度シード順位を改めてを決める点と決勝戦は2戦先勝形式となっている点だ。ただ、CBIは次に紹介するCITと同様に出場を辞退するチームも多い。

CIT

CITはカレッジバスケットボール情報サイトCollegeInsider.comがNCAAトーナメントとNIT出場を逃した32校を招待して行っているポストシーズントーナメントだ。各対戦はシード順の高い大学で行われる。特徴は招待されるチームは勝率5割以上のミッドメジャー校に限られる点だ。

まとめ

ノンカンファレンス

ブラケットロジストとしてノンカンファレンスシーズンにやるべきことはざっくりとより多くのチームの輪郭を把握することだ。


具体的にはNCAAトーナメントに出場する可能性が高いチームの試合を見て、チームはフィジカルなのか、シューティングゲームを仕掛けるのか、誰がチームの中心なのかetcを軽く頭に入れる。


見るべきは毎週メディアが発表しているトップ25校とNBAプロスペクトがいるチームの同士試合だ。一気に2チームずつ見れば効率が良い。


ただ、チームも選手もシーズン中に物凄く成長するので、序盤と終盤ではチームの姿は全然違う。だから、ノンカンファレンスシーズンはさらっとだけ見れば良い。

カンファレンスシーズン

カンファレンスシーズンにやるべきことはリーグ戦中はNCAAトーナメント出場がほぼ確実な強豪同士の試合をチェックする。ミッドメジャーとローメジャーカンファレンスはカンファレンストーナメントを結果が出た後にチェックすれば良い。NCAAトーナメントに出場するチームのライバル校との試合をチェックする。

カレッジフープスの記事

管理人

俺達B.O.Brosはアメリカかぶれの”bro”2人だ。両者共にアメリカの大学に留学経験(1人は現在留学5年目)がある。元々はバスケ好きが高じて渡米したのだが、今ではバスケを通り越してアメリカ的価値観や文化そのものの虜になり、固まった休みが取れ次第、試合観戦がてらアメリカ各地を巡っている。トレンドの話はTwitter、俺達自身についてはInstagram、ブログのコンセプト外の話はnoteで発信しているので、興味があれば、そちらもチェックしてもらえれば、と思う。

B.O. BROSをフォローする
タイトルとURLをコピーしました