【NCAA】カレッジバスケ解説: アメリカの大学の基礎知識

うい。現地観戦研究家のBall Otaku Bros(@b_o_bros)だ。

主なコンテンツ

※全て参考文献付き

最初に断っておくが、本来、このブログはバスケオタクが低予算で現地観戦を達成するためのガイドブックである。


ただ、カレッジバスケは何の予備知識も無しには楽しめないし、NBAと比べてプレーの質が遥かに劣る試合を観に行く気にはなれないと思う。


と言うことで、この度、NCAA基礎講座」と題してアメリカのカレッジバスケについて解説&紹介することにした。


これらの記事で基礎知識を身に着けて、自分の好奇心の赴くままに歴史、コーチのスタイル、戦術、各大学のカルチャーetcをディグり、最終的に現地を訪れてもらえれば幸いだ。

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と言うことで、今回はアメリカの大学の基礎知識についてだ。

最高学府

主な最高学府の種類

  • 四年制大学
  • 大学院
  • 短期大学

四年制大学

四年制大学の種類

総合大学(university)
単科大学(College)
専門系(institution)

四年制大学は読んで字のごとく4年間で卒業できるカリキュラムの大学だ。四年制大学には主に3種類ある。ユニバ―シティー(university)は学部が2つ以上ある総合大学だ。カレッジ(College)は学部が1つしかない大学のことである。そして、インスティテュートは教育機関のフォーマルな言い方だ。工科大学や士官学校に用いられる傾向がある。

マサチューセッツ工科大学がMITと略されるのはMassachusetts Institute of Technologyだからである。

大学システム制(University System)

  • 共通の大学名の使用
    カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)
    カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California at Los Angeles)
    ※「at キャンパス所在地」で区別
  • 個別の大学として機能
  • 各キャンパスに独自の運動部
    バークレー校⇒ベアーズ
    ロサンゼルス校⇒ブルーインズ

多くの州は複数のキャンパスが共通の大学名を冠する大学システム制を導入している。例えば、カリフォルニア大学システムでは「カリフォルニア大学バークレー校」「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)」「カリフォルニア大学デイビス校(UC Davis)」等がある。但し、各キャンパスはそれぞれが個別の大学として機能している。運動部も各キャンパスごとにある。例えば、カリフォルニア大学システムでは合計7キャンパスのチームそれぞれがNCAA D1でプレーしている。

名称や呼び名

カレッジ: 一般名称としての大学

一般名称の大学にはカレッジが用いられる。例えば、大学生はカレッジスチューデントだ。仮に自身が実際に通っている大学が○○ Universityの場合でもカレッジが用いられる。フォーマルな表現ではインスティテュート(institute)が用いられる場合も多い。

頭文字U: 大学の意

頭文字のUが大学という意味で使われる場合もある。ネットフリックスの「ラストチャンス」は、様々な事情で短期大学でプレーしている学生達が四年制大学への編入を目指すドキュメンタリーだが、原題はLast Chance “U”となっている。ESPNの大学スポーツ専門チャンネルもESPN“U”だ。

ステイト大学: 州立とは限らない

大学名に多いのが〇〇ステイト大学だ。例えば、オクラホマステイト大学、オレゴンステイト大学、オハイオステイト大学がある。但し、大学名に「ステイト」が入っている大学全てが州立大学であるとは限らない。つまり、日本語訳の「〇〇州立大学」は厳密には誤訳だ。ちなみに、単語の並びも例外がある。ニューヨークステイト大学の大学システムはState University of New York(通称SUNY)である。

通称

通称が公式に使用されている場合もある。例えば、ロングビーチステイト大学やサクラメントステイト大学の正式名称はカリフォルニアステイト大学ロングビーチ校とカリフォルニアステイト大学サクラメント校だ。バッファロー大学も正式にはニューヨークステイト大学バッファロー校である。

「Unviersity of ~」と「~ University」や「College of ~」と「~ College」の区別は無い。公立大学は「Unviersity of ~」と「~ University」のどちらも使われている。私立大学は「~ University」となっている場合が多いかもしれない。正式名称の最初にtheが付く場合もある。

大学院

四年制大学の中には大学院が付属している所も多い。大学院には2年程度で卒業できる修士課程と5年程度の博士課程が存在する。

短期大学(JUCO)

短期大学(junior college)は1~3年制大学だ。短大は厳密にはジュニアカレッジ(Junior College)、コミュニティカレッジ(Community College)、ステイトカレッジ(State College)などに細分化されるのだが、一般的に短大は総じてジューコー(JUCO)と呼ばれることが多い。

学生

大学生(College Student)

一般名称として大学生はカレッジスチューデント(College Student)と呼ばれる。一般的には学部生、大学院生、短大生は全て大学生としてくくられる。

学部生(Undergraduate Student)

  • 学部生: アンダーグラデュエート(Undergraduate)
  • 学年
    1年生: フレッシュマン(Freshman)
    2年生: ソフォモア(Sophomore)
    3年生: ジュニア(Junior)
    4年生: シニア(Senior)
    5年以上在籍している学部生: スーパーシニア(Super Senior)
  • 学士号: バチェラーディグリー(Bachelor Degree)

学部生はアンダーグラデュエート(undergraduate)と呼ばれている。学年は上記の単語が用いられる。学士号はバチェラーディグリー(Bachelor Degree)だ。

大学院生(Graduate Student)

  • 大学院生(Graduate Student)
    修士課程の学生: Master Student
    博士課程の学生: Doctor Student/Ph.D.

大学院生は既に卒業しているのでグラデュエートスチューデントと呼ばれる。頭文字のGSと表記される場合もある。大学院生もプレー資格を満たしていれば試合に出場することが可能だ。

短大生(JUCO Student)

短大生はジューコースチューデント(JUCO Student)と呼ばれる。基本的にJUCOは2年制なので学年はフレッシュマン(1年生)とソフォモア(2年生)しかない。短大卒業の証の準学士はアソシエイトディグリー(Associate Degree)と呼ばれている。

大学生活

衣食住

キャンパスとカレッジタウン

アメリカの大学生の生活圏はキャンパスとキャンパス周辺の町だ。アメリカの大学は都市部にキャンパスを構えている場合もあるが、ほとんどの大学は陸の孤島にポツンと存在している。


キャンパスはかなり広い。端から端までが数キロに及ぶ場合もある。オハイオ大学は約4㎢のキャンパスは中規模程度である。キャンパス内をバスが巡回しているのもザラだ。キャンパスには授業棟や研究所、寮や食堂といった居住、各運動部のトレーニング施設、その他のアリーナやスタジアムといった大勢の人々が集まれる場所がある。


そして、キャンパスの周辺はカレッジタウンと呼ばれる町となっている場合が多い。町の規模はその大学の規模に依るが、スーパーマーケット、ドラッグストア、ガソリンスタンド、カフェ、レストラン、バー等の生活必需を手に入れる場所が最低でも各種1軒ずつはある。カレッジストア(ブックストア)では大学のデザインが施された生活必需品が売られている。

どこの大学にもレクリエーションセンターと呼ばれる一般の学生用の運動施設がある。レクリエーションセンターにはバスケ、スカッシュ、バレー、フットサルのコートとウェイトルームの複合施設だ。学期中はピックアップゲームが開催されていることが多い。近隣住民やビジターも数百円で入場可能だ。

住居: 寮 or キャンパス外

キャンパス内の寮かキャンパス付近のアパートやシェアハウス等で暮らすのが一般的だ。実家から通っている学生もいない訳では無い。下級生は強制的に寮住まいになる場合もある。

食事

食事は自炊と外食だ。外食の場合は大学の食堂とキャンパス周辺の店がある。大学の食堂は色々な店が入っているフードコート型とバイキング型がある。フードコート型はマクドナルドやパンダエクスプレス(中華料理チェーン)が入っている。バイキング型は1回1000円弱位だ。バイキング型の場合は大学がミールプラン(〇回/週)を用意している場合が多い。キャンパス内には複数の食堂がある。

勉強

学期

二期制三期制四期制
8月中旬
~11月中旬
秋学期秋学期1学期
感謝祭休暇
(約10日間)
12月上旬秋学期冬学期2学期
クリスマス休暇
(約1カ月間)
1月中旬~春学期冬学期3学期
春休み
(約2週間)
~4月下旬春学期春学期4学期
夏休み
(約3カ月半)

アメリカでは新学期の開始は秋だ。但し、学期は主に「二期制」「三期制」「四期制」の3種類が採用されている。その他に夏休み中にサマースクールを開いている大学もある。留学生達は語学の授業を取る場合もある。

授業

大学の授業は基本は日本と変わらない。相違点は「同じ授業が週に2~3回ある」「グループワークや課題が多い」「欠席や課題の未提出にシビア」な所だ。基本的に学期中は超多忙だ。平日は常に授業と課題に追われている。週末は金曜や土曜の夜に少し遊ぶ位だ。残りの時間は翌週の宿題と予習に充てられる。

カリキュラム

カリキュラムは日本の大学とほとんど変わらない。下級生は一般教養の授業を受けて、上級生になってからは自分のメジャー(専攻)の授業を中心に受けるといった具合である。一般教養の授業はサマーセメスターやコミュニティカレッジ等で履修することも可能だ。「大学を早く(3年程)で卒業したい」学生は夏休みや高校時代にコミュニティカレッジなどでこういった科目を履修している。

短大(JUCO)の授業はほとんどが一般教養科目である。

メジャー(専攻)

専攻はメジャー(major)と呼ばれる。メジャーは特定の授業の単位を複数取得することで半自動的にその学生のメジャーとして認定される。例えば、英語、中国語、音声学、手話の単位を取得した学生はコミュニケーションがメジャーとなる。ダブルメジャーと呼ばれる2種類の学問を専攻することも可能だ。マイナー(副専攻)といった形もある。メジャーは在学中にいつでも変更が可能だ。

インターンシップ

ほとんどがインターンシップを在学中(主に夏休み中)に経験する。卒業の条件にインターンシップが含まれる場合もある。インターンシップは有償だ。但し、一般的にイメージするインターンシップとは実像は大きく異なる。超優秀な学生はIT企業に行ってひと夏で$1万以上も稼ぐが、普通の田舎の大学生は州内の小さな企業で雑用係として過ごす感じである。

奨学金&補助

スポーツ奨学金(Athletic Scholarship)

スポーツ奨学金(Athletic Scholarship)はアスリートに支給される奨学金だ。NCAA D1のバスケ部においては基本的には学生生活の費用全てを賄うフルスカラシップが支給されるが、NCAA D2、NAIA、短大(JUCO)では一部を賄えるパーティアルカラシップが一般的だ。NCAA D3はスポーツ奨学金の支給が禁じられている。

その他の奨学金

スポーツ奨学金以外にも奨学金やファイナンシャルエイド(Financial Aid)と呼ばれる補助が存在する。最も一般的な奨学金は学業優秀者に与えられるアカデミックスカラシップだ。世帯収入が少ない家庭の学生は補助もある。学資ローンも存在する。

フルスカラシップは聞こえは良いが貧困線以下の暮らしをしているのが実情だ。と言うのも、NCAAとNCAA加盟校は学生生活の費用以上を学生に支払わないことで合意しているため、学生アスリート達はむやみやたらに金品を受け取ることができないのだ。コーヒーやランチを奢られることも違反の可能性がある。

大学進学

大学進学

  • エッセイ(自己紹介文)
  • 高校の成績(GPA)
  • テストスコア(SAT/ACT/TOEFL
  • 推薦状
  • 銀行口座の残高証明書

アメリカの大学入学にほぼ絶対必要な書類は「エッセイ」と「高校の成績」だ。エッセイは「高校生活で何を頑張ってきたか」「大学で何を学びたいか」「将来の夢」等を大体500~1000字程度でまとめたただの自己紹介文である。高校生の成績は日本の高校生の場合は10段階の評価をGPAに換算した書類を提出することになる。


テストスコアも絶対では無いが求められる場合が多い。SATはアメリカの高校生達が受験する共通テストだ。科目は「リーディング」「ライティング」「数学」がある。日本でも2カ月に1回程度受験機会がある。但し、留学生の場合は英語力を証明できるテストスコア(多くの場合はTOEFL)を求められる場合が多い。ちなみに、アメリカの高校数学は日本の高1程度までとされている。


そして、これも大学に拠りけりだが推薦状が必要になる場合もある。往々にして日本の高校教師の100%近くは推薦状を書いたことがない。俺は公立高校からアメリカの四年制大学に進学したのだが、俺は留学エージェントの持っている推薦状のサンプルを高校の先生に渡し、それを担任が書き写してもらったやつを渡した

転校

アメリカの場合、小中高大を通じて転校は当たり前だ。学期の区切りで学校を変えることも多い。故に、新学期開始時には”Welcome Back”といった表現がなされる。但し、NCAAのルール上、学生アスリートは編入先で即プレーすることができるとは限らない。多くの学生は最長1年間レッドシャツ(red shirt)と呼ばれる公式戦に出場できない状態になっている。

【NCAA】カレッジバスケ解説: トランスファー(転校/編入)
今回はトランスファー(転校/編入)について紹介する。

部活

プログラム

一般的に学校の部活動はプログラム(program)と呼ばれる。運動部はアスレティック(athletic)と表記されることもある。各学校が部活を運営することをスポンサー(sponsor)という単語が用いられる。

学生アスリート

運動部に所属している学生は学生アスリート(Student Athlete)と呼ばれている。エリジビリティ(eligibility)は学生アスリートのプレー資格のことだ。NCAA D1とD2では学生アスリートはプレー資格は主にタイムクロック(時間制限)、学力基準、アマチュアリズムの3つで定められている。一般的にアメリカの高校生達は高校3年次(日本の高校2年次)にNCAAのエリジビリティセンターに自身を登録する。

学生コーチ(Student Assistant Coach)はコーチングを許可されている学生だ。最大の特徴はアンカウンタブルコーチの中で唯一コート上での指導が許されていることである。但し、学生コーチになれるのはもうNCAAでプレーすることができない学生だけだ。グラデュエートアシスタントはチームの手伝いをしている大学院生だ。学生マネージャーは雑務(洗濯、清掃、準備等)を担う学生だ。ちなみに、学生マネージャー同士の試合もある。

アスレティックデパートメント(体育局)

学長

アスレティックデパートメント
アスレティックディレクター(部長)
運動部を管理する部署

運動部各部
バスケ部、フットボール部、水泳部etc…

各大学にはアスレティックデパートメント(Athletic Department)と呼ばれる運動部全体を管理する部署がある。


そして、アスレティックデパートメントのトップがアスレティックディレクター(通称AD)だ。ADはNBAのジェネラルマネージャーに相当する役職である。例えば、ADはバスケ部のHCの採用や解雇の権限を持っている。さらには「運動部がどこの大学体育協会に所属するか」や「どこのディビジョンに所属するか」はADの意向に拠る部分が大きい。


通常、ADの下にはアシスタントADやシニアADといった部下達がいる。彼らは各々が担当するいくつかの運動部の管理を行う。例えば、〇〇は水泳部とラクロス部、××はスキー部とゴルフ部、△△はブラスバンド部と野球部といった具合にである。つまり、本来であれば、アスレティックディレクターは部下達の仕事ぶりをチェックすることだ。


しかし、フットボール部と男子バスケ部に関してはADが直接管理している場合が多い。と言うのも、アスレティックディレクターのポジションはフットボール部とバスケ部の成績次第だからだ。もし両部活の成績が悪ければ、ADも大学から解雇されてしまう可能性は高い。つまり、ADは立場上はバスケ部HCよりも上にいるのだが、同時にADとHCは運命共同体でもある。

大学体育協会

主な大学体育協会
NCAA: 全米最大の大学体育協会
NAIA: 小規模校が所属
NJCAA: 短大が所属
NCCAA: キリスト教系の大学が所属

大学体育協会とは大学スポーツを管理する組織だ。一般的に「アメリカのカレッジスポーツ=NCAA」だと思われがちだが、実はNCAAは数ある大学体育協会中の1つに過ぎない。アメリカには大学体育協会が複数存在する。各大学のアスレティックディレクター達は大学の予算や意向と照らし合わせてどこの大学体育協会のどのディビジョンに所属するかを決定する。

【NCAA】カレッジバスケ解説: 大学体育協会
今回はアメリカの大学スポーツを運営するNCAA、NAIA、NJCAAについて解説する。

まとめ

独特の言い回しが多い。

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参考

英語で「大学院生」は「Master’s Student」?修士課程・博士課程はどう言うの?(progrit-media.jp)
http://fs.ncaa.org/Docs/AMA/compliance_forms/DI/DI%20Summary%20of%20NCAA%20Regulations.pdf(fs.ncaa.org)
Athletic Scholarships: Everything You Need to Know(ncsasports.org)
Division II partial-scholarship model(ncaa.org)
2020-21 NCAA DIVISON 1 MANUAL(web3.ncaa.org)

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