概要
- NCAA D1校: 約360校(増加中)
- カンファレンス: 32
ハイメジャー: 強豪
ミッドメジャー: 中堅
ローメジャー: 弱小 - スケジュール: 11~4月
- 選手(男子バスケ部)
総数: 約5500名
奨学生: 13名
NCAA DivisionⅠ(D1)は最上位ディビジョンだ。現在、NCAA D1には「約360校」「全32カンファレンス」「約5,500名」が存在する。
NCAA
- NCAA: 全米最大の大学体育協会
- NAIA: 小規模校が所属
- NJCAA: 全米の短大が所属
- CCCAA: カリフォルニア州の短大が所属
- NCCAA: 小規模のキリスト教系大学が所属
NCAAは全米最大の大学体育協会だ。大学体育協会は競技大会の運営や各大学運動部の管理を行っている組織である。

ディビジョン
基本情報
ディビジョン | 所属校 | カンファレンス(男女バスケ部) |
DivisionⅠ(D1) | 約360校 | 32 |
DivisionⅡ(D2) | 約300校 | 23 |
DivisionⅢ(D3) | 約300校 | 43 |
現在、NCAAは三部制を敷いている。各ディビジョンはそれぞれ別個にシーズンを送る。同じ大学の運動部は基本的には同じディビジョン&カンファレンス所属となる。
所属ディビジョンの決定
所属ディビジョンは大学の意向(運動部の予算)で決まる。各ディビジョンには所属条件がある。例えば、NCAA D1の所属には男女計14部以上の運営が必須だ。そして、概して上位ディビジョンはより大きな予算が必要になる。近年はNCAA D1校が「昇格→毎年数校/降格→数年に1校」で微増傾向にある。2021年にはSt.トーマス大学が異例のNCAA D3→D1ジャンプアップを果たした。

つまり、強さと所属は無関係だ。例えば、シカゴステイト大学は毎年5勝25敗程度にも関わらずNCAAの条件をクリアしているためD1に居続けている。無論、入れ替え戦も無い。
男子バスケ部員
ディビジョン | 選手数 | 対高校バスケ部員比 |
DivisionⅠ | 約5,500名 | 約1.0% |
DivisionⅡ | 約5,500名 | 約1.0% |
DivisionⅢ | 約7,500名 | 約1.4% |
NCAA D1~3プレーヤーはかなり少ない。全ディビジョンの選手総数はアメリカの高校バスケ部員の約3.5%程だ。
ルール
- 各チームのスポーツ奨学生数
- エリジビリティ(プレー資格)
- リクルート
各ディビジョン間ではルールが異なる。最も代表的なのはスポーツ奨学金枠数だ。NCAA D1校は最大13名、NCAA D2校は10名、NCAA D3は0名までと決まっている。

スケジュール(男女バスケ部)
ディビジョン | ノンカンファレンス期 | カンファレンス期 | ポストシーズン |
DivisionⅠ | 11試合前後 (10~12月下) | 18試合前後 (1~3月中) | 2月下~4月上 |
DivisionⅡ | 8試合前後 (11~12月中) | 18試合前後 (1~2月中) | 2月下~3月中 |
DivisionⅢ | 5試合前後 (11~12月上) | 18試合前後 (1~2月中) | 2月下~3月中 |
レギュラーシーズン: ノンカンファレンス期(11月中~12月下旬)
ノンカンファレンス期は「各校が『大学体育協会』『ディビジョン』『カンファレンス』に関係無く自由に試合を組める」期間だ。例えば、NCAA D1校 vs. NCAA D2/D3/NAIA校の試合も行われる。NCAA D1以外は冬休み期間(12月中旬~1月上旬)に試合を催行しない場合も多い。
レギュラーシーズン: カンファレンス期(12月下~3月上旬)
カンファレンス期は「カンファレンス内のリーグ戦」期間だ。カンファレンス内の戦績でカンファレンストーナメントのシード順位が決まる。
ポストシーズン: カンファレンストーナメント(2月下~3月中旬)
カンファレンストーナメントは「各カンファレンスのNCAAトーナメント出場校を決める」大会だ。各カンファレンスのカンファレンストーナメント優勝校はNCAAトーナメント出場権を獲得できる。
ポストシーズン: ポストシーズントーナメント(3月中~4月上旬)
- NCAA D1(68校)
- NCAA D2(64校)
- NCAA D3(64校)
NCAAトーナメントはディビジョンごとに開催されている。全ディビジョン共に出場校数はほとんど同じだ。NCAA D1のみ4つのプレーイン回戦分だけ出場校数が多い。最大の違いは「NCAA D1→2ラウンドごと」「D2&D3→3ラウンドごと」の会場移動位だ。


ディビジョンの歴史
ディビジョン制は1956年に各大学を総合大学と単科大学でユニバーシティーディビジョンとカレッジディビジョンとして始まった。その後、両ディビジョンは大学規模と運動部の予算が必ずしも比例しなくなったため現在のD1とD2に改められた。そして、1972年、NCAA D3がD2の予算すら厳しい所属校を集めて組織された。
ディビジョンⅠ(D1)
- 所属校: 約350校
- カンファレンス: 32
- シーズン: 11月~4月
- HP: http://www.ncaa.org/about?division=d1
所属校
The ultimate MORE with LESS story (@JonRothstein). Saint Peter’s has now improbably train rattled through Kentucky, Murray State, and Purdue.
— SBUnfurled (@SBUnfurled) March 26, 2022
A look at how they compare to those schools in a few key categories: pic.twitter.com/qMJCIYdKrC
現在、NCAA D1には約360校が所属している。一方、NCAA D1校はピンからキリまで存在する。例えば、「公立マンモス校&パワーカンファレンス所属のパデュー大学とケンタッキー大学」と「小規模校&ミッドメジャーカンファレンス所属のマリーステイト大学とSt.ピーターズ大学」では運動部の予算が段違いだ。

実際、2022年、St.ピーターズ大学は資金難でNCAAトーナメントの会場にチアリーディング部の派遣を見送っている。
カンファレンス
基本情報
- カンファレンス: 運動競技用大学連盟
- カンファレンス数: 32個
- 所属校数: 8~16校
- インディペンデント: 無所属
カンファレンスは大学間のスポーツ競技のための連盟だ。通常、同じ大学の部活は同じカンファレンスに所属してリーグ戦やポストシーズントーナメントを戦う。一方、いくつかの部活は様々な事情で別カンファレンス所属やインディペンデントとなる。例えば、ノートルダム大学は「大半の部活→ACC」「男子アイスホッケー→B1G」「アメフト→インディペンデント」で活動している。そして、NCAA D1男子バスケの場合、原則的にカンファレンスの所属が義務付けられている。
主な所属カンファレンス決定要因
- フットボール部
NCAA D1フットボール校
→Football Bowl Subdivision(FBS)
→→Power 5(ACC/B1G/BIG12/Pac-12/SEC)
→→Group of Five
→→インディペンデント校
→Football Championship Subdivision(FCS)
NCAA D1ノンフットボール校 - 実力
- 地理的距離
- 利益(TV放映権の分配等)
テキサス大学&オクラホマ大学移籍(BIG12→SEC)
UCLA&USC移籍(Pac-12→B1G)
最大の決め手はアメフト部の有無だ。例えば、ゴンザガ大学は男子バスケ部が全米トップ級の実力校にも関わらずアメフト部を持たないためにパワーカンファレンスへ移籍できていない。フットボール部の有無の振り分け後、各校は往々にして自身の「実力(運動部への注力具合)」「地理的距離」の近しい場所に収まる。そして、近年では超強豪校の収益面での不合意によっての大型移籍が目立つ。

先述の通り、NCAA D1内でも大きな格差が存在する。運動部予算の中央値は「パワー5校: $123M」「グループ・オブ・ファイブ校: $37M」「FCS校: $16.7M」だ。そのため、近年はFBSやパワー5の独立案が度々議題に上がっている。
メジャー
- ハイメジャー: 強豪
- ミッドメジャー: 中堅
- ローメジャー: 中堅未満
NCAA D1では「強豪→ハイメジャー」「中堅→ミッドメジャー」「中堅未満→ローメジャー」と表現される。



カンファレンスの重要性
強いカンファレンス | 弱いカンファレンス | |
カンファレンストーナメント 優勝 (Automatic Bid) 32校 | 難しい | 簡単 |
招待 (At-Large Bid) 36校 | 簡単 | 難しい |
カンファレンスはNCAAトーナメント出場に大きく関わっている。NCAAトーナメント出場の条件は「カンファレンストーナメント優勝」or「選考委員会に戦いぶりを評価されての招待」だ。端的に言えば、NCAAトーナメント出場の可能性は「弱カンファレンス→カンファレンストーナメント優勝(高)/招待(低)」「強カンファレンス→カンファレンストーナメント優勝(低)/招待(高)」となる。

NCAA D1選手(男子バスケ)
- 総数: 約5,500名
- スポーツ奨学生
人数(男子バスケ部): 13名
補償: 全額
更新: 1年 - ウォークオン(奨学金無し)
プリファードウォークオン: 将来の奨学金内定
トライアウト組 - 選手資格
時間: 高校卒業後1年以内の入学/大学入学後5年以内/合計4季等
学力: GPAや単位所得数
経験: プロ経験の有無
NCAA D1バスケ部員は米国高校バスケ部員の約1%程しかいない。NCAA D1の男子バスケ部は最大13名にしかスポーツ奨学金を渡せない。ウォークオンも往々にして将来の奨学金に内定済みだ。無論、極僅かにトライアウト組もチームに在籍している。しかも、NCAAには厳しい選手資格も存在する。そのため、コーチ達は安易に選手をリクルートしない。



日本人D1選手
現役NCAA D1選手
選手 | 経歴 |
富永啓成 | NJCAAレンジャー短大(2019-21) ネブラスカ大学(2021-) |
ケイン・ロバーツ | ストニー・ブルック大学(2021-23) 編入模索→プロ転向(2023) |
須藤タイレル拓 | ノーザンイリノイ大学(2022-23) ※編入意思表明(2023) |
山之内ウィリアムス | ラマー大学(2022-23) ポートランド大学(2023-) |
山崎イブ | ラドフォード大学(2022-) |
キショーン・マクニール | St.フランシス大学(ペンシルベニア)(2022-) |
菅野ブルース | ステッツォン大学(2023-) |
元NCAA D1経験者
選手 | 所属 |
高橋マイケル | カリフォルニアステイト大学ノースリッジ校(1994-95?) |
桜木JR | UCLA(1994-98) |
ニック・ファジーカス | ネバダ大学(2003-07) |
松井啓十郎 | コロンビア大学(2005-09) |
伊藤大司 | ポートランド大学(2006-10) |
渡邉雄太 | ジョージ・ワシントン大学(2014-18) |
シェーファー幸樹 | ジョージア工科大(2017-18&2018-19途中) ※ウォークオン |
八村塁 | ゴンザガ大学(2016~19) |
テーブス海 | ノースカロライナ大学ウィルミントン校(2017-18&2018-19途中) |
ヒュー・ホグランド(渡辺飛勇) | ポートランド大学(2017-20) ※2017-18レッドシャツ カリフォルニア大学デイビス校(2020-21) |
弓波英人 | ジョージアサザン大学(2018-21) ※ウォークオン |
2010年代
【ヒュー・ホグランド(渡辺飛勇)選手】
ヒュー・ホグランド(渡辺飛勇)選手は2017年にポートランド大学に入学し、2017-18をレッドシャツで過ごした後、2018-19にローテーション入りを果たしたものの、2019-20途中にチームを離れた。そして、2020年、同選手はカリフォルニア大学デイビス校に大学院生として編入し、2020-21をプレーした後、選手資格1シーズ分を残して日本でプロに転向した。
【弓波英人選手】
弓波英人選手は2018‐19~2020-21にジョージアサザン大学でウォークオン選手として合計21試合に出場した。同選手も3年間で大学を卒業している。
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NCAA基礎講座
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大学一覧

バスケ留学解説

NCAAの視聴方法



参考
The Fight Over the Future of College Sports Is Here: ‘It Needs to Implode’(si.com)
Look: Story About Saint Peter’s Cheerleaders Goes Viral(thespun.com)
The New Big 12 Should Be Just Fine in Men’s Basketball(si.com)
Texas, Oklahoma Regents Approve Move to SEC in 2025(si.com)
Underrated(theplayerstribune.com)
Men’s Basketball: Probability of competing beyond high school(ncaa.org)