【NCAA】カレッジバスケ解説: NIL(Name-Image-Likeness)稼業

うい。


現地観戦研究家のBall Otaku Bros(@b_o_bros)だ。

主なコンテンツ

※全て参考文献付き

最初に断っておくが、本来、このブログはバスケオタクが低予算で現地観戦を達成するためのガイドブックである。


ただ、カレッジバスケは何の予備知識も無しには楽しめないし、NBAと比べてプレーの質が遥かに劣る試合を観に行く気にはなれないと思う。


と言うことで、この度、NCAA基礎講座」と題してアメリカのカレッジバスケについて解説&紹介することにした。


これらの記事で基礎知識を身に着けて、自分の好奇心の赴くままに歴史、コーチのスタイル、戦術、各大学のカルチャーetcをディグり、最終的に現地を訪れてもらえれば幸いだ。

NCAAの視聴方法
日本からカレッジバスケを視聴する方法を紹介!!

と言うことで、今回はNIL(Name, Image, Likeness)についてだ。

概要

  • NIL=インフルエンサー稼業
  • 背景: NCAAの利益独占への批判
  • 争点: どこまで解禁するべきか?
    NCAA→Pay for Play禁止
    学生側→全面解禁&保障の法案成立
  • 問題: 各州の州法で解禁度合いが違う→大学間の不公平さ
  • 今後: 今夏一部解禁

NILとは知名度(Name)、イメージ(Image)、好感度(Likeness)の頭文字だ。NCAAは約100年間アマチュアリズムを大義名分として大学が学生アスリートに必要以上の金銭を渡すことを固く禁じてきたのだが、NCAAの利益独占に対する批判が高まった結果、2021年夏にも学生アスリート達は自身のNILを活用したマネタイズが部分的に解禁になった。要するに、選手達はインフルエンサーになって金を稼ぐことができるようになるのだ。


しかし、NIL解禁こそ決定したのだが、新たに「どこまで解禁すべきなのか?」という問題が浮上している。NCAAは建前上は「学生生活がスポーツ偏重によってバランスを崩してはならない」として学生アスリート達の競技のパフォーマスへの対価(Pay for Play)等は引き続き禁止する意向なのだが、一方でカリフォルニア州やフロリダ州では競技力への支払い(Pay for Play)をも保障する州法を成立させてしまったため、各州のNILの解禁度合いによる大学間の不公平さが生じている。


そのため、2019年12月、NCAAは各州の州法をPay for Play禁止で統一させる連邦法の制定を議会に求めたのだが、直後のコロナ直撃で先送りになり、そうこうしている内に政権が保守派の共和党からリベラルな民主党へと移り変わってしまったため、NCAAの学生アスリート達への経済活動制限がアンチトラスト法違反になる可能性が高まり、最終的にはNCAAは2021年1月に予定していたNILに関する投票(結果次第ではアンチトラスト法に抵触する恐れがある)を延期する事態となった。


そして、2021年7月から学生アスリート達の一部のNIL行為が解禁となる。それに伴って一部の大学は学生アスリート達のサポートを開始している。但し、NCAAはアンチトラスト法違反の恐れから下手にルールや制限を設けることができないため、現在、具体的な枠組みが曖昧な状態で解禁されることが濃厚だ。つまり、選手個人の自由な判断でマネタイズが可能になる。

NIL

NIL稼業=インフルエンサー稼業

学生アスリート自身の
知名度(Name)
イメージ(Image)
好感度(Likeness)
を活用したマネタイズ

NILとは知名度(Name)、イメージ(Image)、好感度(Likeness)の頭文字だ。NCAAは約100年間アマチュアリズムを大義名分として大学が学生アスリートに必要以上の金銭を渡すことを固く禁じてきたのだが、早ければ2021年夏に学生アスリート達は自身のNILを活用したマネタイズが可能になる。一言で言えば、選手達はインフルエンサーになって金を稼ぐことができるようになるのだ。

主な解禁項目

インフルエンサー稼業

  • CM出演
  • シューズ契約
  • SNSで商品のプロモーション活動
  • クリニックやイベントの開催
  • サイン、グッズ、私物の販売
  • YouTubeやブログの広告収益

NIL解禁によって学生アスリート達は上記の様な方法で金を稼ぐことができる。主な方法はナイキやアディダスといったスポーツブランドとの契約、企業のコマーシャルへの出演、そして、自身のインスタグラムやYouTubeのアカウント上で商品のプロモーションが挙げられる。つまり、NBA選手の本業以外の稼ぎと同じだ。一方、ユーチューバーやブロガーになって広告収益を得ることもできる。

私物やサインの販売

学生アスリートが自身の私物やサインの販売もOKとなる。NCAAはカレッジアスリートが私物を売ることも禁じている。実際、カレッジアスリート達がチームメンバーにのみ支給された非売品のシューズやウェア、あるいは贈呈されたトロフィーやメダルを友人等を通してインターネット上で横流しする事件が度々起こっているが、今後は解禁具合にもよるが、こういったことが可能になる。

代理人と契約

NCAAは代理人との契約も解禁する意向だ。代理人とは学生アスリートのマネタイズのサポートを生業にする人間のことである。バスケットボールの場合は代理人の解禁は大きい。現在、学生アスリートは代理人と契約を結んだ時点でエリジビリティ(プレー資格)を失うため、NBAドラフトのエントリーの際、指名される望みが薄い選手は再びカレッジでプレーできる可能性を残すために代理人と契約を結ばないのだが、今後、代理人との契約がOKになった場合、選手は気軽に代理人と契約を交わすことが可能になる。

2020年11月、東海大学1年生の河村勇輝選手が楽天とマネジメント契約を結んだ。つまり、現在のルールで河村選手はNCAA D1とD2でプレーする道は断たれた訳だが、もし仮に今後NCAAで代理人との契約が解禁された場合、河村選手はNCAAでプレーすることが再び可能になるかもしれない。

競技パフォーマスへの支払いは引き続き禁止

  • 大学からの支払い
    金銭で勧誘
    チケット代等の売り上げを受け取る
  • 競技力への支払い(Pay For Play)
    得点やリバウンド数等に応じたボーナス
    大会賞金
  • 大学のロゴの使用

しかし、NCAAは全てのマネタイズを許可する方針では無い。学生アスリート達の競技のパフォーマスへの対価(Pay for Play)を許可するつもりない。例えば、学生アスリートの得点やリバウンド数に応じたボーナスの支給は禁止だ。

どれだけ稼げるのか?

アスリートの収益は人気スポーツのオール-アメリカンの選手は$500,000~$2M、名門校のアスリートは$75,000~100,000程度、普通の学生アスリート(NCAA D1のミッドメジャー校以下)は$15,000~20,000の収益が見込めると言われている。

将来像: チアリ―ディングとNAIAの事例

チアリーディング

チアリーディング界では学生のインフルエンサー稼業が既に行われている。


理由は実はアメリカの法律的にチアリーディングはスポーツとしてみなされていないからだ。タイトルⅨと呼ばれる教育に関する連公民権法はチアリーディングをスポーツとして認めていないため、チアリーディング部はNCAAがのアマチュアリズムに干渉されず、結果的にチアリーダー達は一般の学生と同様に自由にビジネスを行うことができるのだ。


実際、元オクラホマ大学チアリーディング部のジェイミー・アドリーズは在学中に化粧品メーカーやファッションブランド数社とスポンサーシップを結び、2016年のファイナル4に進出したバディー・フィールドらを応援する傍ら、金銭を受け取ることができない彼らを横目に数千ドルを稼いでいた。


チアブリティ(チアリーダーとセレブリティの造語)と呼ばれる売れっ子チアリーダー達はフィナンシャルアドバイザーやマネージャー等を雇っている。

NAIA

NAIA(NCAAとは別の大学体育協会)は2020年に一足早く学生アスリート達のNILを許可した。例えば、NAIA校でバレーボールをプレーしているクロエ・ミッチェルは、260万人のフォロワーを抱える人気TikTokerという立場も利用し、自身が協同で立ち上げたNILのプラットフォーム”PLAYBOOKED”で提携しているゴルフメーカーの「父親へのプレゼント向けパター」を宣伝した。

その他: 大学入学以前のマネタイズ

現在
NCAAが過去に金銭を稼いだ学生のプレーを禁止
=大学入学以前もマネタイズできない

将来
インフルエンサー稼業解禁
=大学入学以前も同様の行為が可能に

そして、同時に注目されているのが大学入学以前のインフルエンサー稼業だ。現在、NCAAは原則的にはアマチュアリズムの観点から過去に競技力の対価を得た選手(=プロ)のプレーを禁じている。つまり、実質的にNCAAは中高生達のインフルエンサー稼業も禁じられている状態だ。


しかし、もし今後結果的にあらゆるマネタイズが解禁された場合、学生アスリート達は中学や高校生の時から収益を得られるようになる。実際、チアリーダー達の中には大学入学前の高校生の時からインフルエンサー稼業をしている者もいる。


そして、2021年、遂に高校生プロリーグのオーバータイム・エリートが誕生した。オーバータイム・エリートは具体的なスケジュール等は明らかになっていないが、合計30名の高校4年生と3年生は基本給の他にNILのマネタイズでも金銭を受け取ることができる契約を保障しているのだ。

【高校生プロリーグ】オーバータイム・エリートとは?
2021年始動予定のオーバータイム・エリートについて解説&紹介!!

NIL解禁仮決定までの流れ

背景

NCAAや大学の利益の独占

最大の理由がNCAAによる利益の独占だ。まず、NCAAと加盟校は学生に学生生活の費用以上の金銭的な援助はしないことで合意しているのだが、この取り決めが大学間の競争を回避しているとして、アンチトラスト法に抵触しているのとの指摘がある。しかも、毎年NCAA全体で約140億ドルの利益が上がっており、NCAAはその内の約10億ドルを吸い上げているのだが、この莫大な利益がそれらに貢献した学生アスリート達に一切還元されていない状況も批判されている。

ルールの形骸化

もう1つがルールの形骸化だ。現在、NCAAは大学が裏で選手達に金品等を渡していることを黙認している。例えば、NCAAは2020年の男子バスケ部だけでもアラバマ大学、マサチューセッツ大学、オーバーン大学、オクラホマステイト大学に対して制裁を下したのだが、同様の処罰は毎年のように行われており、NCAAがメンツを保つために毎年数校だけを対象にアピール目的でやっていることが傍から見ていて明らかなのだ。

ルールの一貫性の乏しさ

加えて、ルールの一貫性の乏しさも理由の1つだ。実はテニスプレーヤーは大会賞金の受け取りを許可されているのだが、何故テニスだけが許されているのかを納得させられる理由は無く、こういったルールの不合理な点も原因とされている。

時代錯誤

そして、最後の理由が時代錯誤だからだ。昨今のユーチューバーやインスタグラマーといったインフルエンサー稼業の台頭によってNCAAがインフルエンサーのポテンシャルを秘めている学生アスリート達を締め付けていることに対して世間の目が厳しくなってきていた。

結果

2019年付近から解禁の声が高まる

近年、こういった背景から「カレッジアスリート達に利益を還元するべき」との声が高くなっていたため、NCAAも重い腰を上げざるを得なくなり、さらには各州がNCAAに先んじてインフルエンサー稼業解禁を許可する法律を成立させてしまったため、話し合いが進められている状況だ。

2021年夏から”一部”解禁

NCAAは2021-22年度から一部の行為を解禁するつもりだ。具体的には学生アスリートが商品のPRに参加することである。例えば、カレッジアスリート達は自身のインスタグラムで商品を宣伝したり、あるいはコマーシャルに出演したり、自身のサインを入れた商品を売ったりすることができる。

新たな問題: どこまで解禁するべきか?

そしてNIL稼業の解禁自体は解禁する方向でほぼほぼ決定した後、「学生アスリート達のマネタイズをどこまで解禁するのか?」が新たに問題になりはじめた。

NCAAの主張

NCAAの考え: 利権を守りたい

利権を守りたい

NCAAの考えは至ってシンプルだ。NCAAはこれまでに受けていた利権を守りたいだけである。故に、NCAAは自分達の利益が減るような行為は引き続き禁じたいと考えている。


これはNCAAの考えるOKとNG行為からも明白だ。NCAAが解禁するつもりなのはNCAAの減益にならない or 少ない行為に限られている。例えば、学生アスリートがナイキとシューズ契約を結んだとしても、NCAAはこれまでに選手達にナイキのシューズを無理矢理履かせてナイキからその収益を受け取っていた訳ではないので、シューズ契約はNCAAの収益を損ねてはいないのだ。


一方、NCAAは減収になる行為は禁止にする意向だ。例えば、大学が学生アスリートに直接金銭を支払うことは禁止だ。つまり、大学は試合の放映権、チケット、グッズといった収益の一部を学生アスリート達に還元することができないのだが、先述した通り、試合に関係する収益の一部はその後NCAAに吸い上げられるため、大学が興行収益を選手達に渡す行為はNCAAの減益に繋がるのだ。

大義名分: アマチュアリズム

NCAAのロジック
重要視しているのは学生の生活全般

スポーツは生活を豊かにする手段の1つ
スポーツ偏重で生活全体の豊かさが失われてはならない

NCAAが目的達成のために阻害要因を学生達から遠ざけるのは仕方ない
※阻害要因=金銭

そして、NCAAが学生に利益を渡さないための大義名分として利用しているのがアマチュアリズムだ。


アマチュアリズムは定義することは難しいのだが、NCAAは「NCAAが最も大事にしていることは学生の生活全般であり、スポーツは学生生活を豊かにうするための手段の1つに過ぎず、もし仮にスポーツ偏重によって生活全般の豊かさが失われるようなことがある場合、それらを学生達から遠ざけるが、それは目的を達成する上では仕方ない」という理屈を通すためにアマチュアリズムを利用している。


つまり、NCAAが学生アスリート達のマネタイズを禁止しているのは「学生の生活がスポーツ偏重によって豊かさを失わないようにするため」というのがNCAAの建前だ。

NCAAの弱点: アンチトラスト法

一方、NCAAの弱点はアンチトラスト法だ。


NIL自体は知的財産権の問題なのだが、NCAAが学生アスリート達の経済活動を制限が自由競争の阻害になってしまうことでアンチトラスト法違反になる可能性がある。


実際、過去にNCAAは最高裁判所にアンチトラスト法違反の判決を言い渡されたことがある。1984年、NCAAは全ての試合の放映権を握っていたのだが、オクラホマ大学がNCAAをアンチトラスト法違反として訴訟し、その結果、TV放映権は各カンファレンスや大学に委ねられるようになった。


そして、現在、NCAAはオルストンケースと呼ばれる裁判で絶賛係争中だ。NCAAとNCAA加盟校は学生アスリート達に学生生活の費用以上の支払いをしないことで合意しているのだが、2020年5月、第9巡回区控訴裁判所は「この取り決めは大学間の競争を生み出さないようにしている点で自由競争を阻害しているためアンチトラスト法違反の可能性がある」というシェーン・オルストンの訴えを認めたのだ。その後、NCAAは不服申し立てを行った結果、最高裁判所は2021年3月31日からオルストンケースを審理を始めたため、現在は結果待ちの状態となっている。


しかし、一見、NCAAがアンチトラスト法に屈するのは時間の問題のようにも見えるが、アンチトラスト法は自由競争を阻害する行為に妥当性が認められる場合は適用外となる。NCAAはこれまで通り彼らのルールが理に適っていると判断を下されることを期待しているのだ。

現在の争点

どこまで解禁するのか?

NILの解禁決定(仮)

各州で選手のマネタイズを保障する法案が作成される

一部の州法がNCAAの想定以上の行為を許可

NCAAが州法を統一させる連邦法を議会に求める

コロナと政権交代で事態が一転

大学や学生の経済活動を制限
=アンチトラスト法違反

NCAAが動けない

現在、「学生アスリート達のマネタイズをどこまで解禁するのか?」が争われている。


NIL解禁の機運が高まった直後、各州では学生のマネタイズを保障する法案が作られはじめたのだが、カリフォルニア州やフロリダ州では競技力への支払い(Pay for Play)をも許可する内容になっていたため、NCAAは州法を統一させる連邦法の制定を議会に求めた。


しかし、NCAAが大学や学生の経済活動を制限することがアンチトラスト法に違反している可能性があり、今後、もしかしたら競技力への支払い(Pay For Play)も解禁されるかもしれないのだ。

新たな問題: 州法間の差異

NIL解禁の仮決定後、各州では学生のマネタイズを保障する州法が作成されているのだが、ここで新たに浮上したのが各州の州法に差異だ。


まず、各州の州法は学生アスリート達の経済活動を保障するために作られている。理由はNCAA、大学、運動部が学生アスリート達のマネタイズを禁止、あるいは妨害する可能性があるからだ。


しかし、上記のツイートの通り、各州によって法整備の進捗具合がまちまちだ。しかも、保障内容も異なる。例えば、コロラド州はNCAAの意向に沿った内容だが、カリフォルニア州やフロリダ州では競技力への支払い(Pay for Play)も許可する内容になっているため、この解禁度合いの違いによってリクルートに有利な州と不利な州が生まれてしまっている


無論、NCAAとしは競技力への支払い(Pay for Play)は阻止したい考えだ。故に、2019年12月、NCAAは、カリフォルニア州やフロリダ州のようなリベラルな法律を改定すべく、州法を統一させる連邦法の成立を議会に求めた

基本的な州法成立の流れ
1. 法案を作る
2. 一定数の下院議員と上院議員の賛同を得る
3. 議会で可決される
4. 州知事が認める

連邦法: 各州の州法を統一させる法律

主な内容
  • NIL
  • 大学運動局の組織改革
  • 奨学金の延長
  • スポーツ関係の医療費の保証

2019年12月、NCAAは議会に各州の州法を統一させる連邦法の成立を呼び掛けた。


しかし、直後にコロナによって議会は学生の権利の話をしている暇はなかった。しかも、そうこうしている内に大統領選が始まり、保守派の共和党からリベラルな民主党へと政権が移り変わってしまった。


そして、2020年12月、遂にコーリー・ブッカー(ニュージャージ州/民主党)ら上院議員が議会に法案を提出したのだが、法案の内容がNCAAが望みとは正反対のものだった。カレッジ・アスリート・ビル・オブ・ライツと名付けられた法案はNIL以上にカレッジアスリート達の権利を広く保障するといった内容だったのである。現在、複数のNILに関する法案が提出されている。その中には「一定の制限を設けるべき」といった旨のNCAA好みの物もある。

最近の話

#NotNCAAProperty運動


現在、NCAAは正式にNIL解禁を決まった訳では無い。


2021年1月11日、NCAA委員会はNIL解禁の投票を行う予定だったのだが、アメリカ司法省が「もし可決したルールが学生アスリートの行為を制限(=自由競争を阻害)している場合、アンチトラスト法違反になる」とNCAAに注意を促したため、投票自体が延期になったのだ。


そして、投票は延期されたままNCAAトーナメントを迎えたため、一部の選手達が「#NotNCAAProperty(俺達はNCAAの奴隷じゃねえ)」のハッシュタグで抗議活動を行った。ミシガン大学のアイザイア・リバース(Isaiah Livers)は怪我で大会自体には出場できなかったが、ベンチで「#NotNCAAProperty」のTシャツを着用している姿が度々TV画面に映ったため、Twitter上のみならずTV中継でも主張を届かせることに成功した。

プロパティは財産や所有物という意味だが、実はアメリカでは奴隷は奴隷主の所有物として登記されていた歴史がある。彼らの主張の「主人のためにただ働きする人間」という意味を汲み取る限りは奴隷という方が適訳だろう。

一部の大学が学生のサポートプログラムを開始

一部の大学は学生アスリート達のブランディングのサポートをするプログラムを開始した。

まとめ

  • NIL=インフルエンサー稼業
  • 背景: NCAAの利益独占への批判
  • 争点: どこまで解禁するべきか?
    NCAA→Pay for Play禁止
    学生側→全面解禁&保障の法案成立
  • 問題: 各州の州法で解禁度合いが違う→大学間の不公平さ
  • 今後: 今夏一部解禁

NCAAは約100年間大学が学生アスリートに必要以上の金銭を渡すことを固く禁じてきたのだが、NCAAの利益独占に対する批判が高まった結果、2021年夏にも学生アスリート達は自身のNILを活用したマネタイズが可能になった。


しかし、NIL解禁こそ決定したのだが、新たに「どこまで解禁すべきなのか?」という問題が浮上している。NCAAは学生アスリート達の競技のパフォーマスへの対価(Pay for Play)は引き続き禁止する意向だが、一方で一部の州は競技力への支払い(Pay for Play)をも許可する州法を成立させてしまったため、各州のNILの解禁度合いによる大学間の不公平さが生じている。


そのため、2019年12月、NCAAは各州の州法をPay for Play禁止で統一させる連邦法の制定を議会に求めたのだが、コロナ直撃と政権交代の結果、NCAAは立場が悪くなった。


そして、2021年夏から学生アスリート達の一部のNIL行為が解禁となるが、フロリダ州では学生アスリート達のマネタイズが全面解禁されることになる。但し、もしNCAAが何か制限を加えるような行動を取れば、それがアンチトラスト法や学生アスリート達の権利を保障している州法の違反になりかねないため、NCAAは黙って見るしかない状態となっている。

お得情報

今日5月5日(ぞろ目の日)はマイプロテインのセール日!!

  • セール1
    日時: 5/5(水)21:00~翌2:00
    割引コード(57%オフ)【TEAMJP】
  • セール2
    日時: 5/6(木)早朝2:00~不明
    割引コード1(対象商品65%)【GOLD65】
    割引コード2(全商品46%)【TEAMJP】

Bro's Knowledge
Bro’s Knowledge

マイプロテインは普段から安いがセールを上手く利用しないと結局は損だぜ!

有料会員「フラタニティ」
  • 月額300円(税込)
  • 有料限定記事
    ダイハードオタク話、限定記事、先行公開記事、俺達の考え等
  • 毎月3~5万字追加
  • 意見や要望可

俺達は「フラタニティ」と題したサブスクリプションサービスも提供している。フラタニティメンバーは毎月3~5万字の限定コンテンツが月額300円で読める。主なコンテンツには「ダイハードオタク話(本筋とはズレてしまったがために削ったエピソード集)」「限定記事」「先行公開記事」「俺達の意見や考え」がある。追加情報はトップページで確認可能だ。

関連記事

NCAA基礎講座

大学一覧

大学一覧
当ブログで紹介しているNCAAディビジョン1の大学一覧

バスケ留学解説

【バスケ留学解説】富永啓生選手編(完全版)
富永啓生選手、レンジャーカレッジ、NJCAA、ネブラスカ大学について解説!!
【バスケ留学解説】ゲイ・ドゥドゥ(八王子学園高校卒)
今回は日本の4年制大学(拓殖大学)からNCAA D1へのルートを開拓したゲイ・ドゥドゥの留学を解説する。
【バスケ留学解説】田渡凌
田渡凌選手のバスケ留学の解説!!

NCAAの視聴方法

NCAAの視聴方法
日本からカレッジバスケを視聴する方法を紹介!!

参考

N.C.A.A. Outlines Plan to Let Athletes Make Endorsement Deals(nytimes.com)
The College Athletes Who Are Allowed to Make Big Bucks: Cheerleaders(nytimes.com)
Cheering On NIL(frontofficesports.com)
How Much Money College Athletes make NIL Rights(espn.com)
Thanks To NAIA NIL Rules, Aquinas College Volleyball Player Becomes First To Monetize Her Personal Brand(forbes.com)
What could college athletes’ social media brands be worth?(theathltic.com)
楽天、バスケットボールの河村 勇輝選手とマネジメント契約を締結(corp.rakuten.co.jp)
WHERE DOES THE MONEY GO?(ncaa.org)
DI Council introduces name, image and likeness concepts into legislative cycle(ncaa.org)
WHAT IS THE NCAA?(ncaa.org)
NCAA HEADS TO SUPREME COURT WITH AMATEURISM AT STAKE IN ALSTON CASE(sportico.com)
Supreme Court agrees to hear NCAA athlete compensation case(espn.com)
TOP SPORTS LAW TRENDS TO FOLLOW IN 2021(sportico.com)
Supreme Court to hear case challenging limits on college athlete compensation after NCAA’s petition(sports.yahoo.com)
Colorado governor signs college athlete name, image and likeness bill(usatoday.com)
NCAA Reform, Congress and the Most Consequential Election in U.S. College Sports History(si.com)
As Congressional Power Shifts, NCAA Reform and Athletes’ Rights Are Firmly in the Crosshairs(si.com)
Democratic senators introduce ‘College Athletes Bill of Rights’ that could reshape NCAA(uasatoday.com)
Federal bill pushes for unrestricted NIL endorsements for NCAA athletes(espn.com)
Landmark College Athletes Bill of Rights to be introduced in Congress(yahoo.sports.com)
NCAA preparing to delay vote on athlete compensation rules(espn.com)
Justice Department warns NCAA over transfer and name, image, likeness rules(usatoday.com)
NCAA Delays Vote on Name, Image and Likeness Proposal(si.com)
Why The Department Of Justice Should Bring Immediate Antitrust Charges Against The NCAA(forbes.com)
Tournament Players Tweet #NotNCAAProperty Amid NIL Battle(si.com)
Alabama becomes latest school to launch program assisting student-athletes with personal branding(cbssports.com)

ダイハードオタク話(有料)

カテゴリー

タイトルとURLをコピーしました