オハイオステイト大学
基本情報
名称: Ohio Sate University
愛称: OSU/Buckeyes
所属: ビッグ10・カンファレンス
2022-23: 16勝19敗
2021-22: 20勝12敗NCAAトーナメント出場
2020-21: 21勝10敗NCAAトーナメント出場
2019-20: 21勝10敗(NCAAトーナメント中止)

近年の話: V字回復から一転…
- 主力選手(2022-)
ブライス・センサバー(2022-23)
Bruce Thornton(2022-)
ロディ・ゲイル(2022-)
フェリックス・オクパラ(2022-) - NBA輩出
EJ・リデル(2019-22): 2022年2巡目41位
マラキ・ブランハム(2021-22)
近年、オハイオステイト大学はV字回復の勢いから一転して再び停滞を始めてしまった。2017-18、現HCクリス・ホルトマンは就任1年目ながらビッグ・10・カンファレンスの最優秀コーチ賞獲得の働きぶりを見せてチームをNCAAトーナメントに復帰させた。そして、2020-21、同校はAP最高4位と第2シード獲得で優勝候補に挙げられるまでに至った。一方、2021年、NCAAトーナメント1回戦(vs.オーラル・ロバーツ大学)での歴史的アップセット敗退以降、勢いは一気に失われた。2022-23、成績はリクルートの成功とは裏腹に負け越しとなった。

クリス・ホルトマンはガードナー・ウェブ大学とバトラー大学時もカンファレンスのコーチ賞を貰っている。
ビッグ・10・カンファレンス
- 名称: Big 10 Conference
- 愛称: B1G
- 設立: 1896年
- 所属校: 14校
- 放送: FOX/ESPN/CBS/BIG 10 Network
- HP: www.bigten.org
所属校(大まかな所在地) |
オハイオステイト大学(コロンバス)は一昔前まではグレッグ・オデン、マイク・コンリー、エバン・ターナー、ディアンジェロ・ラッセルなどトッププロスペクトをリクルートしていた。近年はブランド力に陰りが見られる。 |
ミシガン大学(デトロイト)は2019-20から元ファブファイブのジュワン・ハワードが指揮を執っている。 |
ミシガンステイト大学(デトロイト)はマジック・ジョンソンとドレイモンド・グリーンの母校だ。 |
パデュー大学(インディアナ州)は2021-22シーズンの優勝候補の1つだ。 |
インディアナ大学は名将ボブ・ナイト(1971-2000)が率いて3度のNCAAチャンピオンに輝いた。 |
メリーランド大学(ワシントンD.C.)は同大のNBAドラフト高順位指名者はバストになる傾向がある。 |
アイオワ大学はルカ・ガルーザが在籍していた。 |
ミネソタ大学(ミネアポリス)は1980年代のボストン・セルティックスとロサンゼルス・レイカーズ時代にそれぞれにケビン・マクヘイルとマイカル・トンプソンを送り込んだ。 |
イリノイ大学は2005年にデロン・ウィリアムスらがNCAAトーナメント準優勝を果たした。 |
ウィスコンシン大学は2015年に38勝0敗のケンタッキー大学を破ってNCAAトーナメント決勝に進出した。 |
ノースウェスタン大学(シカゴ)は運動部には注力していないため初のNCAAトーナメントは2017年だった。 |
ペンシルベニアステイト大学は1954年にファイナル4に進出している。 |
ネブラスカ大学(リンカーン)は2019年にフレッド・ホイバーグがHCに就任し、2021年秋から富永選手がプレーしている。 |
ラトガース大学(ニュージャージー州)は2020‐21に1991年以来のNCAAトーナメント出場を果たした。 |
ビッグ・10・カンファレンスは北東部と中西部の各州の代表的大学計14校が所属している。近年は乱世だ。最近ではB1Gの”じゃない方”のノースウェスタン大学、ラトガース大学、ネブラスカ大学、ペンステイト大学ですら上位に食い込んでいる。最大の特徴はフィジカルさだ。そのため、各校は競うようにビッグマンをリクルートしている。放映権はFOX、ESPN、CBSとBIG 10 Networkに分割されている。
チーム史
ハロルド・オルセン時代(1922-46)
- NCAAトーナメント準優勝(1939)
- ファイナル4×3(1944-46)
フレッド・テイラー時代(1958-76)
- 優勝(1960)
- 準優勝×2(1961&62)
- ファイナル4(1968)
ジム・オブライアン時代(1997-2004)
- ファイナル4(1999)
マイケル・レッドとファイナル4(1997-99)
- マイケル・レッド(1997-2000): 2000年2巡目43位
- ケン・ジョンソン(1997-2001): 2001年2巡目41位
1997年、ジム・オブライアン(Jim O’Brien)がHCに就任した。開幕前、マイケル・レッド以外に見所の無いバックアイズは全く期待されていなかったが、1998-99、レッドがチームをビッグ10内12勝4敗に導き、NCAAトーナメント3回戦で第1シードのオーバーン大学を破り、ロン・アーテスト&St.ジョーンズ大学も撃破し、ファイナル4進出を果たした。
弱体化の一途(1999-2004)
しかし、翌1999-2000、オハイオステイト大学は主力全員残留で開幕前にAP通信で3位に評されながらNCAAトーナメント2回戦でマイアミ大学(フロリダ)にアップセットを喰らって失意のままにシーズンを終わった。その後、マイケル・レッドの離脱、2000-01と2001-02は下位ラウンド敗退、翌2シーズンはNCAAトーナメント出場すら果たせず、弱体化の一途を辿った。
不当解雇&不正発覚(2004)
無実の罪で解雇
2004年6月、運動部局長アンディ・ガイガー(Andy Geiger)のリクルート不正疑惑が浮上した。不正内容は短大生アレクサンダー・ラドヤビッチへの$6000の貸与だ。NCAAは家族以外の人間が選手に金銭の援助をすることを禁じている。そして、その際、ジム・オブライアンも黙認で解雇された。一方、結局、同県はNCAAが「当該選手はプロ経験者(=NCAAのプレー資格無し)→金銭貸与とリクルートは無関係」との主張を認めたため不正にはならなかった。
新事実の発覚
しかし、新たな不正のボバン・サボビッチ(1998-2002)への金品譲渡はNCAAの規則違反となった。その結果、オハイオステイト大学は「観察処分×3年間」「NCAAトーナメント出場報酬返金」「当該選手出場の全試合の記録抹消」の処分を受けることとなった。
大きな代償
一方、ジム・オブライアンは「無実の罪で不当解雇された」とオハイオステイト大学に訴訟を起こし、見事$2.4万の賠償金を勝ち取ったものの、ボバン・サボビッチの件でNCAAから5年間(その後に2年間に減刑)のショーコーズを科せられた。ショーコーズ間にコーチを務める場合、当該人物はNCAAに定期報告の義務が発生する。そのため、ショーコーズ中はほぼ”干された”状態になる。

その後、ジム・オブライアンは2011年にNCAA D3校のHCに就任した。
サド・マッタ時代(2004-17): 4度の優勝チャンス
- 準優勝(2007)
- ファイナル4(2012)
- エリート8(2013)
マクドナルド・オール-アメリカン&1巡目指名選手トリオ(2006-07)
- グレッグ・オデン: 2007年1巡目1位
- マイク・コンリー: 2007年1巡目4位
- ディクアン・クック: 2007年1巡目21位
2006年、オハイオステイト大学は4年生主体の”カレッジ”チームから3人のマクドナルド・オール-アメリカンを擁するスーパーチームに変貌したのだ。
2006-07、上記3名がチームの中枢を担ったバックアイズは着実に白星を重ねたが、一方で優勝候補に挙げられていたノースカロライナ大学、フロリダ大学、ウィスコンシン大学とのビッグゲームは全て落としていた。
しかし、シーズンが進むに連れて自身の才能を伸ばしたバックアイズはビッグ10内で12連勝を記録し、最終的にはビッグ10を15勝1敗で終え、カンファレンストーナメントも優勝を果たし、その中でウィスコンシン大学から2回白星を奪った。
そして、本戦、バックアイズはゼイビア大学やテネシー大学との接戦を制し、ファイナル4ではジェフ・グリーンとロイ・ヒバートを擁するジョージタウン大学を撃破して決勝戦進出を果たしたのだが、アル・ホーフォード、ジョアキム・ノア、コーリー・ブリューワー等合計6名の将来のNBA選手を擁するフロリダ大学に敗れて準優勝に終わった。

2006年、オハイオステイト大学はリクルートランキングでは第2位だった。第1位はタイ・ローソン、ウェイン・エリントン、ブランドン・ライト+フォースター2名のノースカロライナ大学だ。第3位にはケビン・デュラントとDJ・オーガスティンのテキサス大学がついていた。
エバン・ターナーと転換期(2007-10)
- コスタス・クーファス(2007-08): 2008年1巡目23位
- エバン・ターナー(2007-10): 2010年1巡目12位
- ジョン・ディエブラ―(2007-11):2011年2巡目51位
- バイロン・ミュレンズ(2008-12): マクドナルド・オール-アメリカン
- ウィリアム・ブフォード(2008-09): 2009年1巡目24位
高評価の選手の獲得は必ずしも勝利に結びつく訳ではなかった。オハイオステイト大学は「不出場(2007-08)」「アップセット1回戦敗退(2008-09)」に終わった。一方、2009-10、同校はエバン・ターナーの最優秀選手獲得の孤軍奮闘振りでビッグ・10・カンファレンスをRSとCTの両方で制覇してスウィート16にまで勝ち進んだ。
不運な優勝候補(2010-13)
9 years ago today, Brandon Knight hit a game winner to send Kentucky (+190) to the elite 8 and beat the #1 seed, Ohio State, 62-60.
— Bet The Hoops (@betthehoops) March 25, 2020
pic.twitter.com/9NpwkmS4lY
優勝候補(2010-11)
2010年、オハイオステイト大学は、経験豊富な上級生にトップリクルートのジャレッド・サリンジャーとディショーン・トーマスが加わり、開幕前から優勝候補に挙げられ、開幕24連勝を記録し、堂々の第1シードでNCAAトーナメントに臨んだのだものの、3回戦で不調のケンタッキー大学に粘られた末にブランドン・ナイトに決勝点を決められ、優勝は幻に終わった。
ファイナル4
翌2011-12、オハイオステイト大学は、4年生離脱とリクルート不振で戦力ダウンは否めなかったものの、ジャレッド・サリンジャーとディショーン・トーマスの力でB1G内を1位で切り抜け、第2シードから順調に勝ち上がり、準々決勝で将来のNBA選手6名のシラキュース大学を突破し、ファイナル4進出を果たした。その後、準決勝では両エースがカンザス大学にFG8/33に完ぺきに抑えられてしまった。
再びの優勝候補
2012-13、オハイオステイト大学は、ジャレッド・サリンジャー以外が残ったことで優勝候補の一角ではあったものの、準々決勝で絶頂期のウィチタステイト大学に接戦の末に敗れてエリート8に終わった。
リロード(2014-17)
- ディアンジェロ・ラッセル(2014-15)
- ジェンシー・テイト(2014-18)
- キエイタ・バイテス・ジョップ(2014-18)
2014年、オハイオステイト大学は全米トップレベルのリクルートに成功したものの優勝候補とは言えない状態だった。2014-15、同校はジャレッド・サリンジャー学年+フレッシュマントリオでそこそこの成績を残したものの、NCAAトーナメント2回戦でアリゾナ大学にディアンジェロ・ラッセルを9得点に抑えられて敗退した。そして、大半の戦力がエリジビリティ消費やプロ転向で消えた。その結果、2015-16と2016-17、平均得点はNCAA D1下位に沈んだ。そして、サッド・マッタは健康状態を理由に解任となった。
現地観戦
コロンバス(オハイオ州)
基本情報
コロンバスはオハイオ州の真ん中にある。標準時間は東部標準時、日本との時差は-14時間だ。
アクセス: ★★★
飛行機 | 空港 | 長距離バス 鉄道 |
直行便無し | ポートコロンバス国際空港 | Greyhound |
日本からコロンバスへの直通便は無い。日本から行く場合、国内線に乗り継いでポート・コロンバス国際空港に飛ぶか、あるいは陸路で行くことになる。
快適度: ★★★
規模 | 公共交通機関 | 気候 (11~3月) |
地方都市 | ローカルバス | 最高気温: 10℃ 最低気温: -5℃ (詳細) |
オハイオ州の州都コロンバスは地方都市とカレッジタウンが合わさった町だ。 故に、衣食住には困らない。公共交通機関は申し訳程度にローカルバスが走っている。気候は日本と同じ位だ。
ホームアリーナ
名称: The Schottenstein Center
住所: 555 Borror Dr, Columbus, OH 43210
バックアイズのホームアリーナはキャンパス内にあるThe Schottenstein Centerだ。ダウンタウンから会場へはローカルバス1番で行けるが、徒歩でも行けなくはない。

同市内のNCAA D3オッターべイン大学はジェフ・ギブスと殿堂入りのハロルド・アンダーソン氏の母校だ。
チケット
ハイメジャー校は試合によってはチケットが売り切れる。あるいは、会場購入の場合、列に並ぶ必要が出る。そのため、チケットは事前のオンライン購入が無難だ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
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ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売に携わっている企業だ。同社は自社の「Fanatics」「Fanatics International(欧州軸)」「Fanatics Big Tall(デカいサイズ)」「LIDS(子会社)」で全NCAA D1校のグッズを販売している。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

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五大湖エリア

五大湖エリア(北東部)
五大湖エリアは五大湖周辺を括ったエリアだ。NBA都市と各州の代表的な大規模大学が多い。
トロント(カナダ)
トロントはカナダ最大の都市だ。NBAトロント・ラプターズとGリーグチームのラプターズ905、そしてカナダ国内リーグのチームがある。一方、多民族都市で市内では様々な文化体験ができる。ナイアガラ滝も近い。
バッファロー(ニューヨーク州)
バッファローはカナダとの国境の街だ。アメリカからトロントへ向かう通過点にあるためかなり行きやすい。NCAAトーナメント常連校になりつつあるバッファロー大学を含めて合計3校のNCAA D1大学がある。
ピッツバーグ(ペンシルベニア州)
ピッツバーグは鉄鋼の町として知られているが、同時に学術都市でもある。NCAA D1はピッツバーグ大学、デュケイン大学、ロバート・モリス大学、NCAA D3は最初の大学の試合を行ったとされるジェネバカレッジがキャンパスを構えている。
ウェストバージニア大学(ウェストバージニア州)
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デトロイトは自動車産業で酸いも甘いも経験した街だ。近年はかつての賑わいを取り戻しつつある。NBAデトロイト・ピストンズが郊外からダウンタウンにホームアリーナを移転したのはその最たる例だ。
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ミシガン大学はデトロイト・ウェイン・カウンティ国際空港から長距離バスで45分程のアナーバーにある。
ミシガンステイト大学(ミシガン州)
ミシガンステイト大学はデトロイト・ウェイン・カウンティ国際空港から長距離バスで1時間半程のイーストランシングにある。
クリーブランド(オハイオ州)
クリーブランドはレブロン・ジェームスを産んだ労働者の町だ。NBAクリーブランド・キャバリアーズはそんな街の唯一の希望だったレブロンが去って以降一気に高額チームから格安チームに転落した。その他にはミッドメジャー4校がキャンパスを構えている。
オハイオステイト大学(オハイオ州)
オハイオステイト大学は全米最大規模の超マンモス大学だ。キャンパスはオハイオ州のど真ん中の州都コロンバスにある。
ニューキャッスル(インディアナ州)
ニューキャッスルはインディアナポリスとデイトンの中間に位置する田舎町だ。インディアナ・バスケットボール殿堂とニューキャッスル高校がある。
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インディアナポリスは五大湖から離れた内陸部にある地方都市だ。エリアの中で最も雰囲気が良い。NBAインディア・ペイサーズとブラッド・スティーブンス時代に2年連続でNCAAトーナメント準優勝を果たしたバトラー大学がある。
シカゴ(イリノイ州)
シカゴはアメリカ北東部と中西部のターミナルとして栄えた大都市だ。NBAはシカゴ・ブルズ、NCAAはデポール大学、ノースウェスタン大学、ロヨラ大学(シカゴ)など古い歴史を持つチームがキャンパスを構えている。
ミルウォーキー(ウィスコンシン州)
ミルウォーキ-はシカゴと一緒に周っておきたい町だ。NBAはミルウォーキー・バックス、NCAA D1はドウェイン・ウェイドの母校マーケット大学とNBAプロスペクトのパトリック・ボルドウィンJrの進学先候補のウィスコンシン大学ミルウォーキー校がある。
ウィスコンシン大学(ウィスコンシン州)
強豪ウィスコンシン大学はミルウォーキーから長距離バスで片道1、2時間程のマディソンという町にある。

NCAA基礎講座
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バスケ留学解説

NCAAの視聴方法



参考
Ohio State 2019 Basketball Commits(247sports.com)
Ohio State Buckeyes School History(sports-reference.com)
NCAA reduces O’Brien’s penalty to two years(espn.com)
Ohio State fires Thad Matta, announces search for replacement(sportingnews.com)
2006 Basketball Team Rankings(247sports.com)
2014 Basketball Team Rankings(247sports.com)
コロンバスにおける平均的な気候(jp.wetherspark.com)