南カリフォルニア大学(USC)
基本情報
名称: University of Southern California
愛称: Trojans/USC
所属: Pac-12 Conference
2022-23: 22勝11敗NCAAトーナメント出場
2021-22: 26勝8敗NCAAトーナメント出場
2020-21: 25勝8敗エリート8
2019-20: 22勝8敗(NCAAトーナメント中止)
近年の話: トップクラスのリクルート力
- プロ転向/転校(2023)
ドリュー・プレストン(2020-23)→選手資格満了
トレイ・ホワイト(2022-23)→ルイビル大学
リース・ディクソン-ウェイターズ(2020-23)→SDSU
マリーク・トーマス(2021-23)→サンフランシスコ大学 - NBA選手輩出
チメジー・メトゥ(2015-18)
ケビン・ポーターJr(2018-19)
オニェカ・オコング(2019-20)
エバン・モーブリー(2020-21)
アイザイア・モーブリー(2019-22)
主な選手(2023-24) | 備考 |
ブギー・エリス | メンフィス大学(2019‐21) USC(2021-) |
ビンセント・イチュクウ | 元★4-5 USC(2022-) |
アイザイア・コリアー | ★5 |
ブロニー・ジェームス | ★4-5 |
アーリントン・ペイジ | ★4 |
現HCアンディー・エンフィールド(Andy Enfield)の就任以降、USCは毎年のようにNBA候補生をリクルートしてはいるものの、NCAAトーナメント出場当落線上に甘んじている。そんな中、同氏は2018年にエリック・モーブリーをスタッフに抱え、息子アイザイア・モーブリーとエバン・モーブリーのリクルートに成功し、2020-21にエリート8進出を果たした。
パック-12・カンファレンス
- 名称: Pac-12 Conference
- 設立: 1915年
- 所属校: 12校
- 放送: Pac-12 Network/ESPN/CBS
- HP: pac-12.com
所属校(大まかな所在地) |
UCLAは1967~73年の7連覇を含む合計11回のNCAAトーナメント制覇を誇る超名門だ。 |
USC(ロサンゼルス)はUCLAと双璧を成すLAの名門大学だ。最近ではUCLAよりもリクルートに強い。 |
アリゾナ大学(ツーソン)は1990年代に西海岸随一のパワーハウスとなった。現在は元ゴンザガ大学ACのがHCを務めている。 |
アリゾナステイト大学(フェニックス)はジェームス・ハーデンの母校として知られている。 |
オレゴン大学(ユージーン)は初代NCAAトーナメント王者&NIKEのお膝元だ。 |
オレゴンステイト大学(コーバリス)はゲイリー・ペイトン父子を輩出した。 |
ワシントン大学(シアトル)は地元シアトルのキッズをNBA選手に仕立て上げることで有名だ。 |
スタンフォード大学(ベイエリア)は1980年代後半~00年代前半まではNCAAトーナメント常連校だった。今でもNBA選手の輩出率は高い。 |
カリフォルニア大学バークレー校(ベイエリア)はケビン・ジョンソン、ジェイソン・キッド、アブドゥル-ラヒーム、ジェイレン・ブラウン等を輩出している。 |
コロラド大学(デンバー)はチャウンシー・ビラップスの母校だ。 |
ユタ大学(ソルトレイクシティ)は1990年代にアンドレ・ミラーやキース・バン・ホーンらを擁して最盛を迎えた。日系人初のNBA選手ワッツ・ミサカ氏も同校出身だ。 |
ワシントンステイト大学(スポーケン)は2000年代のトニー・ベネット就任時は強かった。当時のエースがクレイ・トンプソンである。 |
パック-12・カンファレンスは西海岸唯一のパワーカンファレンスだ。近年は複数の学校がリクルートだけとの下馬評を覆してスウィート16以上に進出している。一方、UCLAとUSCのB1G移籍が決定した。両校は同カンファレンスの稼ぎ頭だ。そのため、現在はカンファレンス存続自体すら危ぶまれている。
チーム史
サム・バリー時代(1929-41): バスケをエキサイティングに!!
- トライアングル・オフェンスの考案者
- ファイナル4(1940)
- バスケットボールのルールの変更
サム・バリー(Sam Barry)は現在のバスケットボールの面白さと深みの開祖だ。同氏は走力重視の中でいち早く戦術的なバスケットボールを追求してトライアングルオフェンスの基礎概念を編み出した。そして、1939-40、USCは戦術的なスタイルで西海岸随一の強豪となって「NCAAトーナメント招待」+「全米1位評価 by エルメス財団(Helms Athletic Foundation)」を勝ち取った。一方、同氏は「センターライン導入」「10秒ルール」「得点後のジャンプボール廃止」等を数々のルール整備を発案してバスケットボールをエキサイティングなスポーツにブラッシュアップした。
ティム・フロイド時代(2005-09): ジェットコースターのような4年間
#TBT July 7th, 2006. A great piece on OJ Mayo before his senior year at the ABCD Camp, which was written by @AdamZagoria. pic.twitter.com/DyQMyg5HOX
— Dave’s Joint (@daves_joint) April 10, 2020
2005年、ティム・フロイド(Tim Floyd)がHCに就任した。当初、USCは1998年にユタ大学をNCAAトーナメント決勝に導いたリック・マジェラス(Rick Majerus)を呼ぶことに成功したのだが、健康状態を理由に本人から辞退の申し入れがあったため、急遽代役を立てなければならなかったのだ。
当初、フロイドは本命が決まるまでの繋ぎとして見られていたのだが、初年度2006-07に前任者のヘンリー・ビビーが残したニック・ヤング、タージ・ギブソン、ゲイブ・プリットを率いてNCAAトーナメント出場を果たし、さらには2回戦でケビン・デュラント率いるテキサス大学を下して久しぶりのスウィート16に導いた。
しかも、フロイドはトップリクルートの1人であるOJ・メイヨを含めた合計3人のトップ100プレーヤーを入学させることに成功し、翌2008年には地元LAのスーパー高校生デマー・デローザンのコミットを取り付けた。その結果、USCは一気に全米の注目の的となり、フロイドは本命となった。
しかし、それも束の間の出来事だった。2009年夏、メイヨがLAを拠点とするプロモーターから金銭等を不正に受け取っていたことが発覚し、事件に関与していたフロイドは解雇となり、僅か4年でフロイド時代は幕を閉じた。
アンディ・エンフィールド時代(2013-): 毎年NBAプロスペクトが入学!!
- 2014年: ジョーダン・マクラーリン
- 2015年: チミジー・メトゥ
- 2017年: チャールズ・オバノンJr
- 2018年: ケビン・ポーターJr
- 2019年: アイザイア・モーブリー/オニェカ・オコング(19)
その後、しばらくの低迷期を経た後、USCは2013年に現HCのアンディ・エンフィールドをHCに採用して再びリクルートに強い学校になった。
アディダスリクルート不正事件
主な人物 | 処分 |
アディダス ACトニー・ブランド ディアンソニー・メルトン +選手2名 | 観察処分(2021-23) 罰金$5,000 奨学金枠2名分削減(2018-19)* リクルート日20日削減(2018-19)* 公式訪問自粛(2018-19)* 当該ACショーコーズ3年(2018-21) |
2017年9月27日、ACトニー・ブランドはフィナンシャルアドバイザーのサービスを選手に斡旋して見返りを受け取っていた。ディアンソニー・メルトンは金品授受で選手資格停止に追い込まれた後に自主退部した。その後、USCは自罰として2018-19に2名分の奨学金枠、合計20日のリクルート活動可能日、選手の公式訪問(大学負担でのキャンパス案内)等の自粛を行った。そして、2021年4月、NCAAはUSCに「観察処分(2年間)」「罰金$5,000」の処分を下した。一方、ブランドは2018年に3年間のショーコーズ処分が下された。
その他
ハーマン・ヒル(1929-30)
ハーマン・ヒル(Herman Hill)は同大初の黒人プレーヤーだ。ハーマンは1929-30にバスケ部員になったことだけは記録されている。保守的な南部の大学では1960年代後半まで黒人学生の入学すら許可されていなかった。如何に南カリフォルニア大学が先進的だったかが伺える。ちなみに、ハーマンは1931年に大学を卒業した後にジャーナリスト兼活動家となり、1949年にはNFLのロサンゼルス・ラムスの初の黒人選手となったウッディ・ストローデとケニー・ワシントンの契約の後押しをする等、黒人の地位向上に大きく貢献した。
テックス・ウィンター(1947-48)
テックス・ウィンターは1960年代にカンザスステイト大学でトライアングルオフェンスを実戦導入して成功を収めた後、フィル・ジャクソンのメンターとしてシカゴ・ブルズとロサンゼルス・レイカーズの黄金期を陰ながら支えた。
ビル・シャーマン(1946-50)
NBA優勝(1957、59-61/ボストン・セルティックス)
NBA25周年&50周年チーム
ガス・ウィリアムス(1972-75)
NBA優勝(1979/シアトル・スーパーソニックス)
NBA1stチーム(1980)
ハロルド・マイナー(1989-92)
ハロルド・マイナーは一時はベイビージョーダンと呼ばれるまでに期待されていた。マイナーは1年次から平均20点以上を挙げる活躍を見せ、2年次(1990-91)にはトロジャンズを6シーズン振りの勝ち越しとNCAAトーナメント出場、翌1991-92にはコンセンサス・オール-アメリカンの1stチームに選ばれる活躍でPac-10内で15勝3敗、AP最終8位、NCAAトーナメント出場に導いた。その後、マイナーは1992年のNBAドラフト全体12位でマイアミ・ヒートに指名されたが、NBAでは苦しみ、1993年と1995年にスラムダンクコンテストで優勝を果たしたものの、膝の故障で僅か4シーズンで選手生命を終えた。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: Galen Center
住所: 3400 S Figueroa St, Los Angeles, CA 90089
ホームアリーナはゲイレン・センターだ。アクセスは良い。ダウンタウンからは路面電車、ローカルバス、徒歩(危険ではあるが)で行ける。
チケット
ハイメジャー校は試合によってはチケットが売り切れる。あるいは、会場購入の場合、列に並ぶ必要が出る。そのため、チケットは事前のオンライン購入が無難だ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
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ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売の裏方だ。同社は世界の複数エリア向けに自社サイトを運営している。各サイトはそれぞれのエリアの人気スポーツリーグのグッズを販売している。値段や在庫も異なる。Lidsのみ実店舗もある。そして、北米系サイトは全NCAA D1校のグッズを取り扱っている。

例えば、ファナティクスでは大谷翔平選手(MLB)と八村塁選手(NBA)と角田裕毅(F1)のグッズのまとめ買いが可能だ。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

関連記事
カリフォルニアエリア

ベイエリア(カリフォルニア州)
NBA: ゴールデン・ステイト・ウォリアーズ
NCAA D1(強豪): カリフォルニア大学バークレー校、
NCAA D1(強豪): スタンフォード大学
NCAA D1(中堅): St.メアリーズ大学
NCAA D1(中堅): サンタクララ大学
NCAA D1(中堅): サンノゼステイト大学
サクラメント(カリフォルニア州)
NBA: サクラメント・キングス
NCAA D1(中堅): UCデイビス
NCAA D1(中堅): サクラメントステイト大学
ストックトン(カリフォルニア州)
Gリーグ: ストックトン・キングス
NCAA D1(中堅): パシフィック大学
リノ(ネバダ州)
NCAA D1(中堅): ネバダ大学リノ校
観光: カジノタウン
サンホアキンバレー(カリフォルニア州)
NCAA D1(中堅): フレズノステイト大学
NCAA D1(中堅): CSUベイカーズフィールド校
セントラルコースト(カリフォルニア州)
NCAA D1(中堅): カリフォルニア大学サンタバーバラ校
NCAA D1(中堅): カリフォルニア・ポリテクニック・ステイト大学
ロサンゼルス(カリフォルニア州)
NBA: ロサンゼルス・レイカーズと
NBA: ロサンゼルス・クリッパーズ
NCAA D1(名門): UCLA
NCAA D1(名門): 南カリフォルニア大学
NCAA D1(中堅): ミッドメジャー8校
プロアマリーグ: Drew League
プロアマリーグ: VBL
サンディエゴ(カリフォルニア州)
NCAA D1(実力校): サンディエゴステイト大学
NCAA D1(中堅): サンディエゴ大学
NCAA D1(中堅): カリフォルニアステイト大学サンディエゴ校
NCAA D1(中堅): カリフォルニア大学サンディエゴ校
ラスベガス(ネバダ州)
NBA: NBAサマーリーグ
Gリーグ: Gリーグ・イグナイト
NCAA D1(古豪): ネバダ大学ラスベガス校(UNLV)
NCAA D1: 小規模大会(11月)
NCAA D1: カンファレンストーナメント(3月)
その他: アメリカ代表戦、AAUキャンプ、高校大会等
リザベーションエリア(ユタ州)
NCAA D1(中堅): サザンユタ大学
NCAA D1(中堅): ユタ工科大学
ノーザンアリゾナ大学
フェニックス(アリゾナ州)
NBA: フェニックス・サンズ
NCAA D1(強豪): アリゾナステイト大学
NCAA D1(中堅): グランドキャニオン大学
高校: ヒルクレストプレップ高校
アリゾナ大学(トゥーソン)
NCAA基礎講座
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大学一覧

バスケ留学解説

NCAAの視聴方法



参考
2019 ESPN 100(espn.com)
Eric Mobley(usctrojans.com)
NBA & ABA Players Who Attended USC(basketball-reference.com)
Justin M. “Sam” Barry(hoophall.com)
Sam Barry (1892-1950)(coachesdatabase.com)
Sam Barry Dies, Returned to LA(news.google.com)
Southern California Trojans School History(sports-reference.com)
Majerus cites health as reason for USC exit(Seattletimes.com)
DEMAR DEROZAN(rivals.com)
2007 Rivals150 Prospect Ranking(rivals.com)
Mayo denies ex-confidant’s claims of gifts, including TV, cash(espn.com)
Herman Hill; USC’s First Black Basketball Player Was Activist(latimes.com)
Bill Sharman(hoophall.com)
Retracing the Histories of “The Next Michael Jordans”(theringer.com)
NCAA Hits USC With Two-Year Probation After Ethical Conduct Violation(si.com)