うい。
「全米中のバスケを訪れる」が目標、乗り鉄的現地観戦愛好家のBall Otaku Bros(@b_o_bros)だ。
今回は南カリフォルニア大学(USC)を紹介する。
南カリフォルニア大学(USC)
基本情報
名称: University of Southern California
愛称: Trojans/USC
所属: Pac-12 Conference
18-19: 16勝17敗
17-18: 24勝12敗NIT2回戦
16-17: 26勝10敗NCAAトーナメント出場
15-16: 21勝13敗NCAAトーナメント出場
近年の話: トップクラスのリクルート力
USCは実力こそイマイチだがリクルートはかなり強い。現HCアンディー・エンフィールド(Andy Enfield)が就任して以降、毎年のようにNBA候補生が入学してくるようになった。実際、2018年はチメジー・メトゥが、2019年はケビン・ポーターJrがアーリーエントリーでNBA入りを果たし、2020年はオニェカ・オコングがその予定だ。
そして、2018年、USCはエリック・モーブリーをACとして雇った。モーブリーは2人のファイブスターリクルートの息子をも持つ元プロバスケットボール選手だ。これによって2019年に兄アイザイア・モーブリー(Isaiah Mobley)、2020年に2020年高卒組(Class of 2020)のNo.1プレーヤーと評されるエバン・モーブリー(Evan Mobley)がUSCに加入した。
しかし、リクルートこそ強いがUSCはNCAAトーナメント出場が出来の山のB級ハイメジャーだ。決して強くは無い。
パック-12・カンファレンス
チーム史
サム・バリー時代(1929-41): バスケをエキサイティングに!!
- トライアングル・オフェンスの考案者
- ファイナルフォー(1940)
- バスケットボールのルールの変更
USCが最初に大きく発展したのは1929年にサム・バリー(Sam Barry)がHCに就任してからだ。
当時、バスケットボールは走力が重視しされていたが、バリーは戦術的なバスケットボールを追求していた。そんな中で編み出されたのがトライアングルオフェンスである。
トライアングルオフェンスは教え子のテックス・ウィンター(1947-48)によって1960年代にカンザスステイト大学で実践化され、その後、ウィンターに手解きを受けたフィル・ジャクソンがシカゴ・ブルズで採用し、起草から50年以上の時を経て、一般にも認知されるようになった。
1940年、バリーの先駆的なスタイルで西海岸で随一の強豪となったUSCはNCAAトーナメントに招待されることとなった。残念ながら本大会準決勝でUSCはフォグ・アレン率いるカンザス大学に敗れてしまったが、後にエルメス財団(Helms Athletic Foundation)によって1939-40シーズンのチームは全米1位と評価された。
しかし、1950年、バリーは対戦相手のカリフォルニア大学バークレー校をスカウト中に心臓発作で倒れて57歳という若さで帰らぬ人となってしまった。
バリーはセンターライン、10秒ルール、得点後のジャンプボールなどのルール整備を行ってバスケットボールをよりエキサイティングなスポーツにブラッシュアップしたことでも知られている。
ティム・フロイド時代(2005-09): ジェットコースターのような4年間
#TBT July 7th, 2006. A great piece on OJ Mayo before his senior year at the ABCD Camp, which was written by @AdamZagoria. pic.twitter.com/DyQMyg5HOX
— Dave’s Joint (@daves_joint) April 10, 2020
2005年、UCLAのレジェンドで元NBA選手マイク・ビビーの父ヘンリー・ビビーがチームを去った。その後、USCは1998年にユタ大学をNCAAトーナメント決勝に導いたリック・マジェラス(Rick Majerus)を呼ぶことに成功したのだが、健康状態を理由に本人から辞退の申し入れがあったため、急遽ティム・フロイド(Tim Floyd)がHCに就任した。
当初、フロイドは本命が決まるまでの繋ぎとして見られていたのだが、初年度(2006-07)にビビーが残したニック・ヤング、タージ・ギブソン、ゲイブ・プリットを率いて久しぶりのNCAAトーナメント出場を果たし、さらには2回戦でケビン・デュラント率いるテキサス大学を下してトロジャンズを久しぶりのスウィート16に導いた。
一方、フロイドはトップリクルートの1人であるOJ・メイヨを含めた合計3人のトップ100プレーヤーを入学させることに成功し、翌2008年には地元LAのスーパー高校生デマー・デローザンのコミットを取り付け、USCは一気に全米の注目の的となり、フロイドの評価は上昇の一途をたどった。
しかし、2009年夏、メイヨがLAを拠点とするプロモーターから金銭等を不正に受け取っていたことが発覚、その後、事件に関与していたフロイドは解雇となった。
アンディ・エンフィールド時代(2013-): 毎年NBAプロスペクトが入学!!
入学年 | 選手名(リクルート順位) |
2014 | ジョーダン・マクラーリン(41) Elijah Stweart(71) Malik Marquette(100) |
2015 | チミジー・メトゥ(35) Bennie Boatwright(55) |
2017 | チャールズ・オバノンJr(36) |
2018 | ケビン・ポーターJr(28) Elijah Weaver(43) |
2019 | アイザイア・モーブリー(18) Onyeka Okongwu(19) Max Agbonkpolo(54) |
その後、しばらくの低迷期を経た後、USCは2013年に現HCのアンディ・エンフィールド(Andy E)をHCに採用して再びリクルートに強い学校になった。今の所、黒い話は出ていない。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: Galen Center
住所: 3400 S Figueroa St, Los Angeles, CA 90089
ホームアリーナはゲイレン・センターだ。USCはダウンタウンの少し外れにあってアクセスは良い。ダウンタウンからは路面電車、ローカルバス、徒歩(危険ではあるが)で行ける。
チケット
同大はパワーカンファレンスに所属しているため、試合によってはチケットが売り切れる可能性もある。だから、チケットの購入は会場では無く、 Ticketmaster、StubHub、VIVIDSETAS、公式サイト等で事前に購入するのがオススメだ。
カレッジギア
大学のグッズの購入はキャンパス内のブックストア(カレッジストア)がオススメだ。場所はグーグルマップで「大学名 bookstore」で検索すれば出てくる。
ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。と言うのも、アメリカの大学生は基本的に寮やキャンパス付近での生活を強いられるため彼らの生活に必要となるアイテムが置いてあるのである。
ちなみに、カレッジのアイテムはアリーナでも買える。が、品揃えは良くない。時間があれば是非ともキャンパス内or付近のブックストアに立ち寄ることを俄然オススメする。
まとめ
USCはあまり強くは無いが毎年NBAプロスペクトが入学してくる大学だ。だから、ブラケットロジー(NCAAトーナメントの勝ち上がり予想)を重視した場合は注力して観る必要は無い。が、NBA候補生に注目している場合は高頻度で見るに値する。一方、現地観戦はロサンゼルスのダウンタウンから路面電車で行けるためUCLAよりも行きやすい。
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カリフォルニアエリア

ベイエリア(カリフォルニア州)
ベイエリアとはサンフランシスコ、オークランド、サンノゼの総称だ。最近ではIT企業の本社が軒を連ねるシリコンバレーがサンノゼからベイエリア全体に拡大している。NBAゴールデン・ステイト・ウォリアーズ、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、ゴンザガ大学のライバルStメアリーズ大学、スティーブ・ナッシュの母校サンタクララ大学などがある。
サクラメント(カリフォルニア州)
サクラメントはサクラメント・キングスと渡辺飛勇選手が編入するUCデイビスがある。街全体が落ち着いて日本人に合うと思う。同市はベイエリアに近く、ベイエリアに行くのであれば是非とも一緒に寄りたい。
リノ(ネバダ州)
ネバダ州リノはラスベガスに次ぐ同州第二位のカジノの街だ。町自体は小さいのだが華やかなためThe Biggest Little Cityという愛称で呼ばれている。ニック・ファジーカスの母校ネバダ大学リノ校がある。
ロサンゼルス(カリフォルニア州)
ロサンゼルスは西海岸最大のバスケ都市だ。NBAはロサンゼルス・レイカーズとクリッパーズがある。NCAA D1は名門UCLAと南カリフォルニア大学の他、個性的なミッドメジャー8校がキャンパスを構えている。夏にはDrew Leagueが開催されている他、AAUキャンプ、BIG3、高校生オールスターゲームなど様々なイベントや大会の開催地となっている。
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軍港サンディエゴはサンディエゴ・ステイト大学、サンディエゴ大学、カリフォルニアステイト大学サンディエゴ校、カリフォルニア大学サンディエゴ校の4校がある。
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ラスベガスは1970年代後半~90年代に一世を風靡したネバダ大学ラスベガス校(UNLV)がある。前半夏はNBAサマーリーグ、アメリカ代表戦、AAUキャンプ、サンクスギビング期間(11月末)はカレッジのカップ戦、年末年始は高校生の大会、3月はカンファレンストーナメントと1年中何かしらのイベントが開催されている。
フェニックス(アリゾナ州)
フェニックスは地味にバスケ資源に恵まれている。NBAフェニックス・サンズだけでは無く、ハーデンの母校アリゾナ・ステイト大学、全米屈指のパワーハウスHillcrest高校があり、夏にはPro-Amリーグも開催されている。
アリゾナ大学(アリゾナ州)
アリゾナ大学はアリゾナ州南部のトゥーソンにある。
カレッジフープスの記事

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参考
2019 ESPN 100(espn.com)
Eric Mobley(usctrojans.com)
NBA & ABA Players Who Attended USC(basketball-reference.com)
Justin M. “Sam” Barry(hoophall.com)
Sam Barry (1892-1950)(coachesdatabase.com)
Sam Barry Dies, Returned to LA(news.google.com)
Southern California Trojans School History(sports-reference.com)
Majerus cites health as reason for USC exit(Seattletimes.com)
DEMAR DEROZAN(rivals.com)
2007 Rivals150 Prospect Ranking(rivals.com)
Mayo denies ex-confidant’s claims of gifts, including TV, cash(espn.com)