ゴンザガ大学
基本情報
名称: Gonzaga University
愛称: Bulldogs
所属: West Coast Conference
2020-21: 31勝1敗準優勝
2019-20: 31勝2敗(NCAAトーナメント中止)
2018-19: 33勝4敗エリート8
近年の話: 新生ゴンザガ大学誕生
- ジョン・ストックトンの出禁(2021-22)
- ディフェンスの強化(2021-22)
- リクルートの変化
右腕トミー・ロイドの去就(2021年)
米国内のトップリクルートの加入(2020年~) - 主な選手
チェット・ホルムグレン(フォワード/213cm/1年/#34)
ドリュー・ティミー(ビッグ/208㎝/3年/#2)
アンドリュー・ネムハード(ガード/196cm/RS4年/#3)
現在、ゴンザガ大学は新たな姿へと変貌を遂げつつある。ゴンザガ大学はこれまで北米の選手達にそっぽを向かれていたチームから国内トップ選手が選ぶチームになった。一方、2021年に海外リクルート担当のトミー・ロイド(Tommy Lloyd)がアリゾナ大学に移ってしまった。今後、選手の毛色が変わるのは必至だ。そして、2021-22、HCマイク・ヒュー(Mark Few)は、直近のNCAAトーナメントで守備型のテキサス工科大学とベイラー大学に全米制覇を阻まれた反省からか、ディフェンスの改善に着手している。今後、ゴンザガ大学が新たな姿で悲願の初優勝を目指す。
ウェスト・コースト・カンファレンス
名称: West Coast Conference
愛称: WCC
設立: 1952年
本部: カリフォルニア州サンブルーノ
放送: CBS/ESPN
HP: wccsports.com
所属校(大まかな所在地) |
ゴンザガ大学(ワシントン州スポーケン)は世界中から選手をリクルートして毎年全米トップレベルのチームを築いている。 |
St.メアリーズ大学(ベイエリア)はゴンザガ大学のライバルだ。オセアニアとのコネクションがある。 |
サンタ・クララ大学(ベイエリア)はスティーブ・ナッシュの母校だ。 |
サンフランシスコ大学(ベイエリア)はビル・ラッセル時代にNCAAトーナメント連覇を達成した。 |
パシフィック大学(カリフォルニア州ストックトン)は現在デイモン・スタウダマイヤーがHCを務めている。出身者にはジョン・バリーや1998年1巡目1位のマイケル・オロウォカンディーがいる。 |
ブリガム・ヤング大学(ソルトレイクシティ)はモルモン教徒が通う大学だ。最盛期はジマー・フレデッテが在籍していた。 |
ポートランド大学は伊藤大司選手、渡辺飛勇選手、帝京長岡高校卒タヒロウ・ディアバテ選手が在籍していた日本に馴染み深い。 |
ロヨラ・メリーマウント大学(LA)は試合中にNBAプロスペクトのハンク・ギャザーズが亡くなった過去がある。 |
ペッパーダイン大学(LA)は超敏腕リクルーターのロレンゾ・ラマーがHCに戻ってきた。 |
サンディエゴ大学はしばしば米国代表やNBA球団のキャンプ地として利用される。 |
WCCは西海岸の小規模校で組織されたカンファレンスだ。近年はゴンザガ大学が圧倒的だ。St.メアリーズ大学、BYU、サンフランシスコ大学も強い。サンタ・クララ大学も実力をつけてきている。
チーム史
ダン・フィッツジェラルド時代(1978-81&85-97)
ジョン・ストックトンのリクルート
1978年、ダン・フィッツジェラルド(Dan Fitzgerald)がHCに昇格した。実はジェラルドこそが今日に続くゴンザガ大学の礎を築いた張本人である。1980年、フィッツジェラルドは地元スポーケンのスター選手ジョン・ストックトンをリクルートした。高校時代、ストックトンは地元近辺ではそこそこ知られてはいたものの、田舎でバスケットボールが盛んでもないワシントン州東部ということもあってか、全米的には全くの無名だったため、強豪校からのオファーはなかった。その後、フィッツジェラルドは1981年にゴンザガ大学を離れたが、ストックトンは徐々に頭角を現し、4年次(1983-84)には20.9点、7.8アシスト、3.9スティールの成績を残し、ユタ・ジャズから1巡目16位で指名を受けた。
第二次ダン・フィッツジェラルド時代(1985-97)
- ジェフ・ブラウン(1991-94): アカデミック・オール-アメリカン(1994)
- ジョン・ライリー(1992-95)
- ポール・ロジャース(1994-97): 1997年2巡目53位
1985年、フィッツジェラルドはHCに復帰した。フィッツジェラルドはダン・モリソン(Dan Morison)とマーク・フュー(Mark Few)と共に”バスケットボール不毛の地”北西部から原石の発掘に着手した。その結果、ザグスは良質な選手の確保に成功し、1991~97年間に「毎年勝率55%以上」「4シーズンで20勝以上」「初のNCAAトーナメント初出場(1994-95)」を果たし、無名校から実力校へと出世した。その後、1997年、フィッツジェラルドは体調不良でHC職を部下のモリソンに受け渡し、自身は最前線から一歩身を引いたアスレティックディレクターに着任した。
ダン・モンソン時代(1997-99): NCAAトーナメントで結果を残す
- エリート8(1999)
1997-98、ザグスは序盤に当時AP5位だったクレムソン大学を破り、強豪ミシガンステイト大学とも接戦を演じ、WCCのレギュラーシーズン1位にも輝いたのだが、惜しくもカンファレンストーナメントで負けてしまったため、NCAAトーナメント出場はお預けとなった。
1998-99、ゴンザガ大学の自信は開幕3試合にカンザス大学、メンフィス大学、パデュー大学をスケジュールしたことからも表れていた。残念ながら勝ち星はメンフィス大学だけだったが、ザグスは残りの名門2校と渡り合い、その後、同州ライバルでPac-12の強豪ワシントン大学から勝利を挙げ、その後のカンファレンスゲームでは他を寄せ付けず、NCAAトーナメント出場権を獲得した。
そして、本戦、与えられたシード順位は中西部地区第10位と低かったが、1回戦でミネソタ大学を破り、2回戦で第2シードのスタンフォード大学をアップセット、そして、3回戦でフロリダ大学を撃破して当時同大史上最高位でミッドメジャー校としては快挙となるエリート8進出を果たした。
その後、一旦は長期の契約延長に合意したモンソンだったが、結局は1回戦で破ったミネソタ大学に移り、モンソン時代は僅か2シーズンで幕を閉じた。
マーク・フュー時代(1999-現在): NCAAトーナメント常連校から全米屈指のパワーハウスへ
NCAAトーナメント常連に(1999-)
1999-2000はアップダウンの激しいシーズンとなった。開幕前、前シーズンの主力が残るザグスはAPで24位と今までの過小評価とは打って変わって高く評されていたものの、強豪校との試合をことごとく落としてしまったため、結果的に獲得したシード順位は西部地区第10位と今までと変わらなかったが、本戦で強豪ルイビル大学と第1シードのSt.ジョーンズ大学をアップセットし、スウィート16進出を果たした。
ストックトン以来の地元スター(2003-06)
2003年、スポーケン育ちのアダム・モリソンがゴンザガ大学に入学した。2005-06、才能が開花したモリソンは平均28.1点、5.5リバウンドの活躍でチームを27勝3敗、AP最終5位に導き、4年連続で下位ラウンド敗退が続いていたザグスを久しぶりのスウィート16進出に貢献した。シーズン終了後、モリソンは数々の賞を受賞、ラリー・バードの再来とも評され、全体3位指名でシャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)に入団した。
スウィート16の壁
- ジェレミー・パーゴ
- オースティン・デイ
無名のミッドメジャー校、毎年20勝チーム、NCAAトーナメント常連校、着実に力をつけてきたゴンザガ大学だったが、2010年代に彼らの前に立ちはだかったのはスウィート16以上の壁だった。2008-09、ジェレミー・パーゴ、オースティン・デイ、ジョシュ・ハイトベルト(日立でプレー)のチームは3年振りに3回戦進出を果たしたが、将来のNBA選手7名を誇るノースカロライナ大学に為す術無く敗退を喫した。
優勝候補期(2012-現在)
32勝5敗スウィート16
2016-17: 37勝2敗準優勝
2012-13: 32勝3敗スウィート16
初の第1シード獲得(2012-13)
エリート8進出(2014-15)
初の決勝進出(2016-17)
八村塁選手の成長(2018-19)
- 八村塁(2016-19)
- ブランドン・クラーク(2017-19)
- ザック・ノーベル(2017-19)
- ジョシュ・パーキンス(2014-19)
+キリアン・ティリー/コーリー・キスパート/ジョエル・アヤイ
2018-19、ゴンザガ大学は八村塁選手の成長とブランドン・クラークのレッドシャツからの解放によって新たなチームへと生まれ変わった。
スーパーチーム(2020-21)
- ジェイレン・サッグス(ガード/193cm/1年/#1)
- コーリー・キスパート(ウィング/201cm/4年/#24)
- ドリュー・ティミー(ビッグ/208㎝/2年/#2)
- アンドリュー・ネムハード(ガード/196cm/3年/#3)
- ジョエル・アヤイ(ガード/196cm/RS3年/#11)
2020‐21、ゴンザガ大学はスーパーチームを結成することに成功した。最大の理由はジェイレン・サッグスの加入だ。国内のトップリクルートの加入はゴンザガ大学が一流校として認められたことを意味している。
その他
フランク・バーゲス(1958-61)
フランク・バーゲス(Frank Burgess)はゴンザガ大学最初のスター選手だ。バーゲスは1953-54のアーカンソーAM&N大学(現アーカンソー大学パインブラフ校)とその後の4年間の空軍での軍務を経ての遅い入学だったが、アーカンソーAM&N大学と空軍時代からバスケットボールが上手いことで知られており、1960-61、噂に違わぬ得点力で平均32.4点を叩き出してNCAAの得点王に輝いた。
デビッド・ストックトン
息子デイビッド・ストックトンと娘ラウラ・ストックトンもゴンザガ大学のバスケットボール部でプレーした。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: McCarthey Athletic Center
住所: 801 N Cincinnati St, Spokane, WA 99258
ザグスのホームアリーナはキャンパス内にあるMcCarthey Athletic Centerだ。
チケット
- クラブ会員限定
- シーズンチケットで販売
- 一般販売は会場窓口のみ
- 紙チケット
ゴンザガ大学のホームゲームのチケットは非常に入手が困難だ。ゴンザガ大学のチケットは有料のファンクラブ会員にシーズンチケットとしてしか売られていない。だから、シングルゲームチケットはファンクラブ会員から売りに出された物しか無い。しかも、チケットは紙チケットだ。だから、仮に市場にチケットが出回っていたとしてもそれを日本に到着させるのが結構難しい。つまり、ゴンザガ大学のホームで試合を見るのはほぼ不可能だ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
-1024x576.webp)
ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売に携わっている企業だ。同社は自社の「Fanatics」「Fanatics International(欧州軸)」「Fanatics Big Tall(デカいサイズ)」「LIDS(子会社)」で全NCAA D1校のグッズを販売している。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

まとめ
ゴンザガのホームゲームチケットを発見&購入!!!
— Ball Otaku Bros (@BOIBROS) October 28, 2018
予算を軽くオーバーしているがやむなし。
日本が渡邊雄太選手のデビューとハロウィーンに沸く中違う理由でテンション爆上がり!!
ただ紙チケットなので、これがちゃんと弟の寮に届くまでは安心できない。UPS、今回はマジで頼む。#現地観戦兄弟 pic.twitter.com/tbSDNPWalq
ゴンザガ大学のホームゲームのチケットを日本まで持ってくるのは難しい。
しかし、一方、アウェイゲームの試合は簡単だ。ゴンザガ大学の所属するウェスト・コースト・カンファレンスは、ゴンザガ大学が強いので勘違いされがちだが、その他の所属校は普通のミッドメジャー校である。つまり、毎試合の観客数はキャパ5000に対して2、3000人程である。チケットも$15程度だ。だから、ゴンザガ大学はアウェイで観るのがオススメである。
とは言え、そんな入手困難な道をも切り開くのが俺達だ。昨年、奇跡的にワンペアだけ売っていたチケットを購入して観戦してきた。

関連記事
カスカディアエリア

カスカディアエリア(西海岸)
カスカディアエリアは太平洋沿いのバンクーバー(カナダ)、ワシントン州、オレゴン州を括ったエリアだ。
バンクーバー(カナダ)
バンクーバーはカナダ西部最大の都市だ。かつてはNBAバンクーバー・グリズリーズがあった。近い将来、ポートランド・トレイルブレイザーズ傘下のGリーグチームができる予定だ。
シアトル(ワシントン州)
ワシントン州シアトルはNBAチームこそ無いが、高校バスケが盛んで、ブランドン・ロイ、アイザイア・トーマス、ネイト・ロビンソンなどがワシントン大学を経由してスターになった。WNBAのシアトル・ストームもある。
ゴンザガ大学(ワシントン州)
ゴンザガ大学はワシントン州東端のスポーケンという町にある。ポートランドやシアトルからは車で6時間以上、飛行機で1時間程だ。近くにはワシントンステイト大学とイースタンワシントン大学もある。
ポートランド(オレゴン州)
ポートランドはポートランド・トレイルブレイザーズが本拠地を構える北西部唯一のNBA都市だ。ポートランド大学とポートランドステイト大学もある。また、同市はNIKEの城下町でもあるためNIKE関連のイベントの開催地になることも多い。
オレゴンステイト大学(オレゴン州)
オレゴンステイト大学はポートランドからは車やバスで2時間ほどの場所にある。同校は他のPac-12校に比べれば、やや地味だがゲイリー・ペイトン父子の出身校として知られている。
オレゴン大学(オレゴン州ユージーン)
オレゴン大学はポートランドから長距離バスで3時間程のユージーンにある。同大はNIKE共同創業者のフィル・ナイト氏の母校だ。近年はUCLAやアリゾナ大学に代わるパック12の顔になりつつある。

NCAA基礎講座
←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



大学一覧

バスケ留学解説

NCAAの視聴方法

参考
John Stockton Says Gonzaga Suspended His Season Tickets Over Refusal to Wear Mask(si.com)
Gonzaga freshman center Oumar Ballo ruled academic redshirt for 2019-20 season(spokenman.com)
Gonzaga Bulldogs School History(sports-reference.com)
2009-10 Gonzaga Men’s Basketball Guide(issuu.com)
Stockton to enroll at Gonzaga(news.google.com)
John Stockton’s Son & Daughter Have the Gonzaga Basketball Gene(heavy.com)
Fitzgerald will pass off to Monson in 1997(news.google.com)
Few can replace Monson(news.google.com)
TWENTIETH WORLD UNIVERSITY GAMES — 1999(usab.com)
FRANK BURGESS(gozags.com)
Creativity comes in handy when locating tickets to Gonzaga men’s basketball home games(spokenman.com)
