デイトン大学
基本情報
名称: University of Dayton
愛称: Flyers
所属: アトランティック・10・カンファレンス
2020-21: 14勝10敗
2019-20: 29勝2敗(NCAAトーナメント中止)
2018-19: 21勝12敗
2017-18: 14勝17敗
概要&近年の話: 実質的なハイメジャー校
デイトン大学はハイメジャー級の実力と歴史を持つ古豪だ。現在は卒業生のアンソニー・グラント(Anthony Grant)がHCを務めている。グラントは1994年のマーシャル大学時代にビリー・ドノバンに弟子入りし、1996年のフロリダ大学栄転にも付き添って2006年のNCAAトーナメント制覇を経験し、そして、2015年にはオクラホマシティ・サンダーでもアシスタントを務めた愛弟子だ。2019-20、デイトン大学はオビ・トッピンの開花と共に躍進し、残念ながらNCAAトーナメントこそ開催されなかったものの、最終成績は29勝2敗でAP通信で最終週3位の高評価を得て常に話題の中心にいた。
アトランティック・10・カンファレンス
- 名称: Atlantic 10 Conference
- 愛称: A10
- 設立: 1976年
- 本部: バージニア州ニューポートニューズ
- 放送: ESPN/CBS
- HP: atlantic10.com
大学(大まかな所在地) |
マサチューセッツ大学(アマースト)は名将ジョン・カリパリが名を挙げた場所だ。出身者にはDr. Jがいる。 |
ロードアイランド大学(キングストン)は1998年にUCLAから都落ちしたジム・ハリックに率いられてカンザス大学を破りエリート8に進出した。出身者にはラマー・オドムがいる。 |
St.ボナベンチャー大学(バッファロー)はボブ・レイニアーが率いて1970年にファイナル4に進出した。 |
フォーダム大学(NY)はスマッシュ・パーカーの母校だ。1925年開館のローズ・ヒル・ジムはNCAA D1校が現在使用している中で最も古い。 |
St.ジョセフズ大学(ペンシルベニア州フィラデルフィア)はジャミーア・ネルソンの母校だ。 |
ラセール大学(ペンシルベニア州フィラデルフィア)は1950年代に全米No.1に輝いた古豪だ。 |
ジョージ・ワシントン大学(ワシントンD.C.)は渡邉雄太選手の母校だ。 |
ジョージ・メイソン大学(ワシントンD.C.)は2006年にファイナル4進出で話題を集めた。 |
バージニアコモンウェルス大学(バージニア州リッチモンド) |
リッチモンド大学(バージニア州リッチモンド)はNCAAトーナメント当落線上を行き来する実力がある。 |
デビッドソン大学(ノースカロライナ州シャーロット)はステフィン・カリーの母校だ。 |
デュケイン大学(ペンシルベニア州ピッツバーグ)はレブロンの高校時代の恩師キース・ダンブロトがHCを務めている。 |
デイトン大学(オハイオ州デイトン)は実質的にはハイメジャー校だ。UDアリーナはNCAAトーナメントのファースト4の会場になっている。 |
ロヨラ大学(シカゴ)*は全米1位やファイナル4進出経験有りの古豪だ。 |
セントルイス大学 |
A10は北東部の大学を中心に組織されている。同カンファレンスは最近は全体的に弱体化傾向にあるもののハイメジャーとして見なされる場合も少なくない。多くの大学がファイナル4以上進出の歴史を持っている。2022年に実力校ロヨラ大学(シカゴ)が満を持して加入してきた。
チーム史
トム・ブラックバーン時代(1947-64): ポストシーズン常連校に
- NCAAトーナメント出場(1952)
- NITトーナメント出場×5(1951、52、55、56、58、62)
トム・ブラックバーンはデイトン大学を初期の成功に導いた人物だ。ブラックバーンは1951-52にフライヤーズを「NCAAトーナメント初出場(1952年)」「NIT準優勝×5(1950年代)」「NIT優勝(1962)」に導いた。当時、NITは既にNCAAトーナメントに評価も人気でも上回られていたが、今よりも出場枠は少なく、招待だけでも上々だった。一方、1952年にNBA初代新人王のドン・マイネケが全体12位でNBA入りを果たし、1956年にはジム・パクソンSrが全体3位でミネアポリス・レイカーズに入団した。
ドン・ドノハー時代(1964-89): NCAAトーナメント準優勝
教え子達が亡き恩師のために奮起(1964-66)
1964年、ブラックバーンが1963-64シーズン終了の僅か8日後にガンでこの世を去った。そのため、ドン・ドノハー(Don Donoher)が急遽HCに就任した。そして、1964-65と1965-66にブラックバーンがリクルートした選手達は2年連続でNCAAトーナメント出場を果たし、1966-67、再びNCAAトーナメントの舞台に戻ってきたフライヤーズは優勝候補のウェスタンケンタッキー大学、テネシー大学、ノースカロライナ大学をアップセットしてジョン・ウッデンとカリーム・アブドゥル-ジャバ―のUCLAとの優勝決定戦に臨むまでに至った。
NCAAトーナメントの壁(中期)
しかし、以降、フライヤーズは毎年20勝近くは挙げられるものの、ポストシーズントーナメントで勝ち上がることはできず、1975年には将来のNBAオールスターのジム・パクソンJrが入学したが、それでも成績の下降は止まらなかった。
エリート8(後期)
その後、1984年、フライヤーズは奇跡的にエリート8に進出したが、その後は3シーズン連続での負け越しが続いたため、ドノハーはコーチングキャリアに終止符を打った。
アーチイ・ミラー時代(2011-17)
2011年、アーチイ・ミラー(Archie Miller)がHCに就任した。ミラーは当時33歳にも関わらずノースカロライナステイト大学、アリゾナステイト大学、オハイオステイト大学、アリゾナ大学でACを歴任した経歴の持ち主だった。2013-14、デイトン大学はA10内で5位と非常に微妙なポジションだったが、奇跡的にNCAAトーナメントから招待を受けてエリート8まで勝ち上がり、以降、4年連続でNCAAトーナメント出場を果たした。
その他
ブライアン・ロバーツ(2004-08)
ブライアン・ロバーツは燻っていた時代の数少ない輝きの1つだ。ロバーツは4年次にアトランティック・10・カンファレンスのファーストチームに選出された後、イスラエルとドイツでの武者修行を経て2012-13にNBAデビューを果たし、2016-17シーズン途中までの間に約350試合の出場を果たした。
ライトステイト大学
基本情報
名称: Wright State University
愛称: Raiders
所属: Horizon League
2020‐21: 18勝6敗
2019-20: 25勝7敗
2018-19: 21勝14敗
2017-18: 25勝10敗NCAAトーナメント出場
2016-17: 20勝12敗
概要&近年の話: 実力校
2016年に現HCスコット・ネイギー(Scott Nagy)がHCに就任して以降、ライトステイト大学は毎年20勝 or 勝率8割以上を挙げている。
ホライゾン・リーグ
- 名称: Horizon League
- 愛称: Horizon
- 設立: 1979年
- 本部: インディアナ州インディアナポリス
- 放送: ESPN
- HP: horizonleague.org
所属校(大まかな所在地) |
ノーザンケンタッキー大学(オハイオ州シンシナティ)はNCAA D2から昇格後間も無くしてホライゾンリーグのトップに躍り出た新進気鋭のチームだ。 |
デトロイト・マーシー大学はスペンサー・ヘイウッドを輩出した。 |
ウィスコンシン大学グリーンベイ校 |
ウィスコンシン大学ミルウォーキー校は2021-22にパトリック・ボルドウィンJrがプレーしていた。 |
ライトステイト大学(オハイオ州デイトン)は2016年に現HCスコット・ネイギーがHCに就任してから毎年20勝/勝率8割以上を挙げている。 |
クリーブランドステイト大学はノリス・コールを輩出した。 |
ヤングスタウンステイト大学(オハイオ州クリーブランド) |
オークランド大学(ミシガン州デトロイト)は勤続35年以上のHCグレッグ・ケンピの下でキー・フィールダーとケンドリック・ナンを輩出している。 |
インディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校はジョージ・ヒルの母校だ。 |
パデュー大学フォートウェイン校*は近年ジョン・コンチャーを輩出した。 |
ロバート・モリス大学*(ペンシルベニア州ピッツバーグ)は2013年にNITでケンタッキー大学を破った。 |
ホライゾン・リーグは五大湖周辺の大学が集まっている。レベルはそこそこ高い。毎年リーグ全体から1人はNBA選手が出ている。稀にアットラージ枠を貰るチームも出る。バトラー大学もNCAAトーナメント準優勝×2(2010&2011)の際にHLに所属していた。現在はライトステイト大学とノーザンケンタッキー大学の二強時代に突入している。
チーム史
ラルフ・アンダーヒル時代(1978-96)
【NCAA D2時代(1978-87)】
ラルフ・アンダーヒル(Ralph Underhill)はHC就任初年度にライトステイト大学をNCAAトーナメントでエリート8(NCAA D2)に導き、1980-81には全週AP1位に輝き、翌1981-82にはNCAAトーナメント制覇を成し遂げ、NCAA D2屈指の強豪校へと導いた。
【NCAA D1昇格後も快調(1987-96)】
1987年、ライトステイト大学は運動部をNCAA D1に昇格させた。そして、1992-93、同校は同大史上初のNBA選手ビル・エドワーズの25.2P9.6Rの活躍でミッド-コンチネント・カンファレンスを制覇し、初のNCAAトーナメント出場を果たした。さらに、1994年、ウクライナ人ビッグマンのビタリー・ポタペンコが加入した。ポタペンコは平均20点前後の成績でエースとして活躍し、1996年のNBAドラフト全体12位で地元オハイオ州のクリーブランド・キャバリアーズに指名された。一方、同大史上ベストプレーヤーの活躍も虚しく、チームの成績は振るわず、1996年にアンダーヒルも大学を去った。
現地観戦
デイトン(オハイオ州)
基本情報
デイトンはオハイオ州の州都コロンバスとインディアナポリスの中間にある。シンシナティも近い。標準時間は東部標準時、日本との時差は-14時間だ。
快適度: ★★★
規模 | 公共交通機関 | 気候 (11~3月) |
地方都市 | ローカルバス | 最高気温: 15℃ 最低気温: -5℃ (詳細) |
デイトンはデイトン大学とライトステイト大学がキャンパスを構える地方都市だ。故に、衣食住には困らない。加えて、公共交通機関も悪くは無い。市内にはローカルバスが走っている。気候は東京よりもやや寒い程度だ。
アクセス: ★★★
日本からデイトンへの直行便は無い。ダウンタウンからデイトン国際空港へはローカルバスで40分程だ。一方、長距離バスでもアクセス可能である。
観光: ★★
デイトンは飛行機を発明したライト兄弟が幼少期を過ごした場所として有名だ。アメリカ空軍の博物館がある。
ホームアリーナ
チケット
ミッドメジャー/ローメジャー校のチケットは会場で買うのがオススメだ。理由は公式サイトや二次売買サイト経由の場合の手数料約$10(約1100円)程度を節約できるからである。ミッドメジャーやローメジャー校のチケットは売り切れる心配がほとんど無い。だから、$10を余計に払う必要は無い。ミッドメジャーのチケットは会場での購入一択だ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
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ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売に携わっている企業だ。同社は自社の「Fanatics」「Fanatics International(欧州軸)」「Fanatics Big Tall(デカいサイズ)」「LIDS(子会社)」で全NCAA D1校のグッズを販売している。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

関連記事
五大湖エリア

五大湖エリア(北東部)
五大湖エリアは五大湖周辺を括ったエリアだ。NBA都市と各州の代表的な大規模大学が多い。
トロント(カナダ)
トロントはカナダ最大の都市だ。NBAトロント・ラプターズとGリーグチームのラプターズ905、そしてカナダ国内リーグのチームがある。一方、多民族都市で市内では様々な文化体験ができる。ナイアガラ滝も近い。
バッファロー(ニューヨーク州)
バッファローはカナダとの国境の街だ。アメリカからトロントへ向かう通過点にあるためかなり行きやすい。NCAAトーナメント常連校になりつつあるバッファロー大学を含めて合計3校のNCAA D1大学がある。
ピッツバーグ(ペンシルベニア州)
ピッツバーグは鉄鋼の町として知られているが、同時に学術都市でもある。NCAA D1はピッツバーグ大学、デュケイン大学、ロバート・モリス大学、NCAA D3は最初の大学の試合を行ったとされるジェネバカレッジがキャンパスを構えている。
ウェストバージニア大学(ウェストバージニア州)
デトロイト(ミシガン州)
デトロイトは自動車産業で酸いも甘いも経験した街だ。近年はかつての賑わいを取り戻しつつある。NBAデトロイト・ピストンズが郊外からダウンタウンにホームアリーナを移転したのはその最たる例だ。
ミシガン大学(ミシガン州)
ミシガン大学はデトロイト・ウェイン・カウンティ国際空港から長距離バスで45分程のアナーバーにある。
ミシガンステイト大学(ミシガン州)
ミシガンステイト大学はデトロイト・ウェイン・カウンティ国際空港から長距離バスで1時間半程のイーストランシングにある。
クリーブランド(オハイオ州)
クリーブランドはレブロン・ジェームスを産んだ労働者の町だ。NBAクリーブランド・キャバリアーズはそんな街の唯一の希望だったレブロンが去って以降一気に高額チームから格安チームに転落した。その他にはミッドメジャー4校がキャンパスを構えている。
オハイオステイト大学(オハイオ州)
オハイオステイト大学は全米最大規模の超マンモス大学だ。キャンパスはオハイオ州のど真ん中の州都コロンバスにある。
ニューキャッスル(インディアナ州)
ニューキャッスルはインディアナポリスとデイトンの中間に位置する田舎町だ。インディアナ・バスケットボール殿堂とニューキャッスル高校がある。
インディアナポリス(インディアナ州)
インディアナポリスは五大湖から離れた内陸部にある地方都市だ。エリアの中で最も雰囲気が良い。NBAインディア・ペイサーズとブラッド・スティーブンス時代に2年連続でNCAAトーナメント準優勝を果たしたバトラー大学がある。
シカゴ(イリノイ州)
シカゴはアメリカ北東部と中西部のターミナルとして栄えた大都市だ。NBAはシカゴ・ブルズ、NCAAはデポール大学、ノースウェスタン大学、ロヨラ大学(シカゴ)など古い歴史を持つチームがキャンパスを構えている。
ミルウォーキー(ウィスコンシン州)
ミルウォーキ-はシカゴと一緒に周っておきたい町だ。NBAはミルウォーキー・バックス、NCAA D1はドウェイン・ウェイドの母校マーケット大学とNBAプロスペクトのパトリック・ボルドウィンJrの進学先候補のウィスコンシン大学ミルウォーキー校がある。
ウィスコンシン大学(ウィスコンシン州)
強豪ウィスコンシン大学はミルウォーキーから長距離バスで片道1、2時間程のマディソンという町にある。

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バスケ留学解説

NCAAの視聴方法



参考
デイトンにおける平均的な気候(jp.wetherspark.com)
Dayton Flyers School History(sports-reference.com)
Dayton Players In The NBA(basketball.realgm.com)
Wright State Raiders School History(sports-reference.com)
WSU Coaching Great Passes Away(wsuraiders.com)
Wright State Players In The NBA(basketball.realgm.com)