うい。
「全米中のバスケを訪れる」が目標、乗り鉄的現地観戦愛好家のBall Otaku Bros(@b_o_bros)だ。
今回はデイトン大学とライトステイト大学を紹介する。
デイトン大学
基本情報
名称: University of Dayton
愛称: Flyers
所属: アトランティック・10・カンファレンス
2019-20: 29勝2敗
2018-19: 21勝12敗
2017-18: 14勝17敗
概要&近年の話: ハイメジャー顔負けの実力校
2017年、卒業生のアンソニー・グラント(Anthony Grant)がHCに就任した。
グラントは1994年に当時マーシャル大学で指揮を執っていたドノバンに弟子入りし、1996年にドノバンと共にフロリダ大学に移籍、2006年のNCAAトーナメント制覇に貢献し、2015年にオクラホマシティー・サンダーで再びアシスタントとなったドノバンの愛弟子だ。
2019-20、オビ・トッピンの開花とチームの躍進でデイトン大学は常に話題の中心となった。残念ながらNCAAトーナメントこそ開催されなかったが、フライヤーズは最終成績は29勝2敗でAP通信で最終週3位の高評価を得た。
アトランティック・10・カンファレンス
チーム史
トム・ブラックバーン時代(1947-64): ポストシーズン常連校に
- NCAAトーナメント出場(1952)
- NITトーナメント出場×5(1951、52、55、56、58)
1947年、トム・ブラックバーンがHCに就任し、1951-52にフライヤーズは初のNCAAトーナメント出場を果たした。
さらに、1950年代だけでもフライヤーズはNITから5回もの招待を受けた。当時、NITは既にNCAAトーナメントに評価も人気でも上回られていたが、それでも今よりも数少ない出場枠を貰って、その全てでフライヤーズは準優勝に輝いた。
一方、1952年にその1年後に初代新人賞を獲得することになるドン・マイネケが全体12位でNBA入りを果たし、1956年にはジム・パクソンSrが全体3位でミネアポリス・レイカーズに入団した。
ちなみに、ブラックバーンは1962年に念願のNIT初優勝を果たした。
ドン・ドノハー時代(1964-89): NCAAトーナメント準優勝
- NCAAトーナメント出場(2016、18、19)
1964年、ブラックバーンが1963-64シーズン終了の僅か8日後にガンでこの世を去った。そのため、ドン・ドノハー(Don Donoher)がHCに就任した。
そして、1964-65と1965-66にブラックバーンがリクルートした選手達は2年連続でNCAAトーナメント出場を果たし、1966-67、再びNCAAトーナメントの舞台に戻ってきたフライヤーズは優勝候補のウェスタンケンタッキー大学、テネシー大学、ノースカロライナ大学をアップセットしてジョン・ウッデンとカリーム・アブドゥル-ジャバ―のUCLAとの優勝決定戦に臨むまでに至った。
しかし、以降、フライヤーズは毎年20勝近くは挙げられるものの、ポストシーズントーナメントで勝ち上がることはできず、1975年に将来のNBAオールスターのジム・パクソンJrが入学したが、それでも成績の下降は止まらなかった。
その後、1984年にフライヤーズは奇跡的にエリート8進出を果たしたが、短髪に終わり、さらには3シーズン連続での負け越しが続いたため、ドノハーはコーチングキャリアに終止符を打った。
アーチイ・ミラー時代(2011-17)
2011年、アーチイ・ミラー(Archie Miller)がHCに就任した。ミラーは当時まだ33歳と若かったが、ノースカロライナステイト大学、アリゾナステイト大学、オハイオステイト大学、アリゾナ大学でACを歴任した経歴を持っていた。2013-14、デイトン大学はA10内で5位と非常に微妙なポジションだったが、奇跡的にNCAAトーナメントから招待を受けてエリート8まで勝ち上がり、以降、4年連続でNCAAトーナメント出場を果たした。
ホームアリーナ
名称: UD Arena
住所: 1801 Edwin C. Moses Blvd Dayton, OH 45417-4666
デイトン大学のホームアリーナはキャンパス内にあるUDアリーナだ。デイトンのダウンタウンからはローカルバスでアクセスできる。
ライトステイト大学
基本情報
名称: Wright State University
愛称: Raiders
所属: Horizon League
2019-20: 25勝7敗
2018-19: 21勝14敗
2017-18: 25勝10敗NCAAトーナメント出場
2016-17: 20勝12敗

概要&近年の話: 実力校
2016年に現HCスコット・ネイギー(Scott Nagy)がHCに就任して以降、ライトステイト大学は毎年20勝を挙げている。
ホライゾン・リーグ
チーム史
ラルフ・アンダーヒル時代(1978-96)
ラルフ・アンダーヒル(Ralph Underhill)はライトステイト大学の礎を築いた人物だ。
1978年にHCに就任したアンダーヒルは就任初年度にレイダースをエリート8(NCAA D2)に導き、1980-81にはAPで第1週から最終週まで常に1位に輝き、翌1982年にはNCAAトーナメント制覇を成し遂げ、ライトステイト大学はNCAA D2屈指の強豪校となった。
その後、1987年に大学は運動部をNCAA D1に昇格させた。
D1昇格後、レイダースは好調を維持していた。そして、1992-93、同大史上初のNBA選手となるビル・エドワーズの25.2点9.6リバウンドの活躍でライトステイト大学は当時所属していたミッド-コンチネント・カンファレンスを制覇し、NCAA D1のNCAAトーナメント初出場を果たした。
さらに、1994年、ウクライナ人ビッグマンのビタリー・ポタペンコが加入した。ポタペンコは平均20点前後の成績でエースとして活躍し、1996年のNBAドラフト全体12位で地元オハイオ州のクリーブランド・キャバリアーズに指名された。
しかし、同大史上ベストプレーヤーの活躍も虚しく、チームの成績は振るわず、1996年にアンダーヒルも大学を去った。
ホームアリーナ
名称: Nutter Center
住所: 3640 Colonel Glenn Hwy, Fairborn, OH 45324
ライトステイト大学のホームアリーナはキャンパス内にあるナッターセンターだ。デイトンのダウンタウンからキャンパスへはローカルバスでアクセスできる。
その他
NCAAトーナメントファースト4
デイトン大学はNCAAトーナメントのファースト4(NCAAトーナメント1回戦出場のためのプレーインラウンド)の会場になっている。
現地観戦
まとめ
デイトンは現地観戦中級者なら検討の余地は十分にある。理由は2つある。1つはデイトンはオハイオステイト大学、インディアナポリス、シンシナティの調度間にあるために行きやすいから、もう1つは実質的にはハイメジャー校のデイトン大学と実力校のライトステイト大学があるからだ。
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カレッジフープスの記事
NCAA基礎講座の使い方
ステップ1: カレッジフープス全体(大学体育協会)を学ぶ
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ステップ2: NCAA(D1、D2、D3)を学ぶ
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ステップ3: NCAA D1のスケジュールを学ぶ
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ステップ4: NCAA D1のカンファレンスを学ぶ
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ステップ5: エリジビリティを学ぶ





参考
デイトンにおける平均的な気候(jp.wetherspark.com)
Dayton Flyers School History(sports-reference.com)
Dayton Players In The NBA(basketball.realgm.com)
Wright State Raiders School History(sports-reference.com)
WSU Coaching Great Passes Away(wsuraiders.com)
Wright State Players In The NBA(basketball.realgm.com)