【NBA】サマーリーグ

概要

NBAサマーリーグは若手とFA選手の品評会だ。近年、数チーム出場の「カルフォルニア・クラシック・サマーリーグ」「ソルトレイクシティ・サマーリーグ」と全チーム出場の「NBAサマーリーグ＠ラスベガス」が開催されている。そして、夏のラスベガスはバスケ関係者の交流会化している。米国代表キャンプ、プライベートワークアウト、グラスルーツバスケットボール大会も開催されている。一方、近年、ファンイベント化も強化されている。サイン会も会場で行われる。NBAコンも2023年に始まった。

基本情報

コンセプト

NBAサマーリーグは6月末～7月末間のオフシーズン中の若手とFA選手の品評会だ。NBAチームはNBAサマーリーグ専用チームを若手選手やFA選手で編成する。時折、国代表や下部リーグ選抜も出場チームに名を連ねる。前哨戦のカルフォルニア・クラシック・サマーリーグとソルトレイクシティ・サマーリーグは数チーム間の総当たりとなっている。本大会のNBAサマーリーグはリーグ戦とプレーオフトーナメントの型式を採っている。

NBAサマーリーグの特徴

目玉選手の出場

目玉選手は最初の1～4日目の2試合程度にしか出場しない。中盤以降の日程はNBA無保証契約やNBAサマーリーグ限定契約の選手達のトライアウトと化す。実際、予約チケットはオープニングウィーケンド（$250/日）と中盤以降（$165/日）で販売されている。

バスケ関係者の交流会

7月のラスベガスはバスケ関係者の交流の場となっている。世界各国のバスケ関係者がNBAサマーリーグを訪れ、交流会やプライベートワークアウトに参加し、コネを作っている。加えて、米国代表キャンプが

サイン会

一方、イベント色も強い。選手のサイン会が1日中行われている。また、選手がコンコースでファンに応対している。

ファンイベント化進行中

券種増設

ジェネラルアドミッション（自由席） コートサイド（指定席）	ジェネラルアドミッション -通常版 -アップグレード版 –特典付き –優良セクション保障 コートサイド席（指定席） テーブル立見席

近年、NBAサマーリーグは観客動員数増加に注力している。チケット券種はジェネラルアドミッション（自由席）は通常版とアップグレード版に増設された。テーブル立見席も売られている。

NBAコン開催

2023年、NBAコンがサマーリーグと並行して初開催される。

NBA Con 2023

A historic lineup of NBA legends, rising stars, live music, fashion and limited-edition merch. July 7-9, 2023 • Las Vega...

www.nbacon.com

セレブリティゲーム

2024年、セレブリティゲームがクリエイターズカップとして開催された。

歴史

ラスベガス開催の由来

きっかけは現会場ネバダ大学ラスベガス校ACのティム・グーグリッチ（Tim Grgurich）のサマーキャンプだ。1990年代前半、同氏はラスベガスでサマーキャンプを開始した。最初の数年の参加者はエリック・スノウ以外はUNLV選手、若いコーチ、時に道端でスカウトした若者（真偽は不明）だったものの、次第にNBA界隈で評判が広まり、最終的にはNBAオールスター10名以上参加の大イベントにまで大化けした。その後、クリニックは「NBAキャリア4年以下の選手向け」「若手コーチが手伝いに参加」「8月開催」が恒例となった。そして、現在のサマーリーグの原型が完成した。

サマーリーグ戦国時代（2000年代）

サマーリーグ戦国時代

NBAサマーリーグ＠ラスベガスは実現までに時間を要した。当初、NBAサマーリーグはボストン、オーランド、ソルトレイクシティ、ロサンゼルスで開催されていた。そして、当時、多くの関係者はラスベガス開催に難色を示していた。誘惑とトラブルが多いからである。

第1回大会（2004）

しかし、転機が訪れた。2004年、ボストンのリーブック・プロ・サマーリーグが民主党全国大会との時期重複で開催を断念したのだ。さらに、オーランド・マジックが期待の新人ドワイト・ハワードの育成の思惑でラスベガスリーグへの参加に意欲を見せていた。その結果、第1回大会はフェニックス・サンズ、デンバー・ナゲッツ、ボストン・セルティックス、クリーブランド・キャバリアーズ、ワシントン・ウィザーズ、オーランド・マジックの6チームで開催された。

ライバルリーグの消滅

その後、他リーグが次々と廃止となった。リーボック・プロ・サマーリーグ（ボストン）は翌2005年も開催されずに消滅し、翌2006年にサマー・プロ・リーグ（LA）はNBAチームを招待できず、2008年にロッキー・マウンテン・レビュー（ソルトレイクシティ）も長い歴史に幕を閉じ、2017年にサマーリーグ（オーランド）も終わりを告げた。そして、NBAサマーリーグは都度巨大化した。

NBAサマーリーグ完成（2018～）

全チーム出場強制（2018）

2018年以降、全球団はNBAサマーリーグへの参加を強制されている。非NBAチームのGリーグ選抜、中国代表、クロアチア代表も参加している。

小規模サマーリーグ開催

ユタ・ジャズ（2015～）とサクラメント・キングス（2018～）は小規模のサマーリーグをラスベガス大会以前に開催している。

コロナ禍（2020&2021）

WE. ARE. BACK.

MGM Resorts NBA Summer League 2021 will take place August 8-17 in Las Vegas.
#NBASummer pic.twitter.com/e66gOZNBJ1

— NBA Summer League (@NBASummerLeague) May 19, 2021

2020年大会は中止となった。2021年大会は変則的に8月に開催された。

ファンイベント強化

2023年、NBAコンがサマーリーグと並行して初開催され、翌2024年にセレブリティゲームも開催された。

NBA Con 2023

A historic lineup of NBA legends, rising stars, live music, fashion and limited-edition merch. July 7-9, 2023 • Las Vega...

www.nbacon.com

現地観戦

アクセス

カリフォルニア・クラシック・サマーリーグ①

​カリフォルニア・クラシック・サマーリーグは2024年までゴールデン・ワン・センターで行われていた。最良のアクセス方法は長距離バス「サンフランシスコ→サクラメント」だろう。所要時間は3時間程度だ。本数も多い。深夜便もある。運賃は$10～だ。長距離バスのバス停は会場の徒歩圏内にある。

カリフォルニア・クラシック・サマーリーグ②

2025年、カリフォルニア・クラシック・サマーリーグはチェイス・センターに会場を移している。

ソルトレイクシティ・サマーリーグ①

ソルトレイクシティ・サマーリーグ②

2025年、ソルトレイクシティ・サマーリーグはユタ大学に会場を移している。

トーマス&マック・センター

NBAサマーリーグはネバダ大学ラスベガス校のトーマス&マック・センターとコックス・パビリオンで行われている。両施設は自由にコンコース経由で往来可能だ。主なアクセス方法は「飛行機 or 長距離バス→路線バス」だろう。路線バスはマカラン国際空港-UNLV-ダウンタウン-ストリップを24時間循環している。

チケット

NBAサマーリーグのチケットは一部の指定席を除いてデイパスの自由席だ。観客は好きなタイミングでメインコートとサブコートを往来できる。会場の出入りも自由だ。そして、目玉ルーキー達は往々にして最初の2、3試合しか出場しない。そのため、初日～3日目が最も人気だ。4～5日以降はガラガラになる。また、夕方以降、徐々に観客数が減る。結論、1～3日目のチケットは事前購入推奨だ。4～5日目以降は手数料&送料の約$10程度の節約のために会場購入で良いだろう。

グッズ

グッズはTシャツがコンコースで売られている。

サイン

サイン会

もちろん、フォールのサイン会には長蛇の列ができていた。そんなフォール人気にあやかりたいのか、大人しく知らん爺さんを表彰していれば良いものの、それでは商売上がったりなのだろうか、バスケットボール殿堂には既にフォールのジャージーとシューズが展示されていた。 pic.twitter.com/OZhTmBbHPr

— Ball Otaku Bros (@b_o_bros) July 19, 2019

各試合の終了時に選手1～2名のサイン会が行われる。無名選手の場合は10分程で自分の番になる。タッコ・フォールは例外的に長蛇の列になっていた。

コンコース

何よりヤバいのがコンコースで普通に選手とすれ違うことですね。撮ったのはクックとエドワーズだけですが、他にもヒローにも会いました。ヒローは試合中は声援が飛んでいたのですが、この時は全然気づかれていませんでしたね（笑）因みに、3枚目みたく選手とスタッフがコンコースで話してたりします。 pic.twitter.com/MdpZdbPWAM

— Ball Otaku Bros (@b_o_bros) July 10, 2019

次に、コンコースも選手や元選手との交流のチャンスがある。サマーリーグはNBA関係者が一堂に会している。一部の選手はファン対応に応じてくれる。運が良ければサインや写真ゲットも可能だ。

選手退場時

そして、多くの選手は試合直後の選手退場時にトンネル（コートとロッカールームを繋ぐ出入口）付近でファン対応をしてくれる。

まとめ

NBAサマーリーグは若手とFA選手の品評会だ。近年、数チーム出場の「カルフォルニア・クラシック・サマーリーグ」「ソルトレイクシティ・サマーリーグ」と全チーム出場の「NBAサマーリーグ＠ラスベガス」が開催されている。そして、夏のラスベガスはバスケ関係者の交流会化している。米国代表キャンプ、プライベートワークアウト、グラスルーツバスケットボール大会も開催されている。一方、近年、ファンイベント化も強化されている。サイン会も会場で行われる。NBAコンも2023年に始まった。

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参考

Ex-UNLV aide Tim Grgurich undergoes heart surgery（reviewjournal.com）
The ‘Yoda’ of the NBA（theathletic.com）
How NBA’s inaugural Vegas Summer League was kick-started by the Democratic National Convention（usatoday.com）
Whatever Happened To The LB Summer Pro League?（web.archive.org）
Utah’s Rocky Mountain Revue NBA summer league may return（usatoday.com）
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