うい。
Bro Institute of Ball&Tripは大人の野郎(通称bro)がバスケをより楽しむための知識とノウハウを提供しているサイトだ。
現在、broは完全に蚊帳の外にいる。と言うのも、broは無駄遣いをしないからである。ビジネスは金を使わない奴を対象には行われない。
しかし、言い換えれば、コンテンツはホイホイ金を出す奴らを対象に作られているということだ。実際、現在のバスケメディアも”そういった奴ら”をターゲットにしている。例えば、多くのメディアが「釣りタイトル」でPV数を稼ごうとしている訳だが、挑発的な見出しや俗物的なコンテンツで購買数を増やすのはまさにスポーツ新聞や週刊誌の手法であり、何故「スポーツ新聞や週刊誌がくだらないコンテンツを提供しているのか?」と言えば、それは彼らのターゲットも”そういった奴ら”だからである。
そして、その結果がbroが物足りなさを感じる今の状況だ。
一方、確かにこちらから合わせに行くのも1つの手ではあるだろうが、正直、大人の野郎がワーキャースタイルを続けるのは結構痛々しい。また、一部の人間は経済力で得たコレクションを見せびらかすことに走っているが、これは空港の写真をFacebookに上げるのと同様にオッサン的でダサい。(※コレクション自体は否定していない。)
と言うことで、大人の野郎に残された道はあらゆる知識を吸収して多面的且つ高い彩度でバスケを見る”bro way”しかない。
しかし、先述した通り、broを相手にしているコンテンツはない。故に、俺達が同志のために一肌脱いで始めたのがBro Institute of Ball&Tripだ。俺達はbroがバスケを楽しむための知識(情報の信頼性を担保する参考文献付き)とノウハウの提供を行っている。
と言うことで、今回はバスケットボールメッカのニューヨークシティーをについてだ。
ニューヨークシティー(ニューヨーク州)の基本情報
ニューヨークのバスケットボール
NBA
ニューヨーク・ニックス
ニューヨーク・ニックスはNBAで最も資産価値の高いチームだ。21世紀に入ってからはほとんど勝ち越したシーズンが無いが、弱い時期でもNBAで常にチケット代ではトップに入り、また、セレブや財界人の社交場としても機能しているため、オーナー陣はチームの強化よりもスター選手を呼ぶことにフォーカスしている。ホームアリーナは聖地マディソン・スクエア・ガーデンだ。

ブルックリン・ネッツ
一方、ブルックリン・ネッツはブランディングに成功しつつあるチームだ。ネッツは長らくニュージャージー州を拠点にしていたが、強い時期ですらも人気は低く、下町としての印象を払拭したいブルックリンと利害が一致したため本拠地をブルックリンに移し、ラッパーで実業家のJay-Z主導の下にお洒落なチームとして再起を図った。チケット代は既にNBA上位になっている。

NCAA
NCAA D1
ニューヨークエリアにはNCAA D1大学が合計13校も存在する。その中でも代表的なのは古豪St.ジョーンズ大学と現在NCAAトーナメント常連校のシートン・ホール大学だ。名将リック・ピティーノを採用したアイオナカレッジもある。その他11校はミッドメジャーと呼ばれるNCAA D1の中堅~下位の大学だ。



イベント
- アニュアルイベント(11月)
- カンファレンストーナメント(3月上旬)
- NIT(3月中~下旬)
さらに、毎年ニューヨークでは非常に多くのイベントが開催されている。特に多いのが11月の感謝祭休暇期間と3月だ。感謝祭期間は強豪4校程度を集めて数試合を行うショーケース、3月は各カンファレンスのNCAAトーナメント出場校を決めるカンファレンス、そしてNCAAトーナメント出場を逃したチームを招待したNITが行われる。
プロアマリーグ(サマーリーグ)
ニューヨークには大中小様々なサマーリーグが開催されている。最も代表的なのが元祖プロアマリーグのラッカーパークだ。元々は1950年にハルコム・ラッカーが開いたユースリーグだったが、その後プロも混じった大人版も始まり、1980年代にグレッグ・モリスがヒップホップと融合させてNBAスターが自ら参加するクールなイベントとなった。近年はNBA選手の参加は少なく、ユースリーグへの原点回帰が始まっている。次に有名なのがレッドカーペットと呼ばれているダイクマンリーグだ。ダイクマンは現在も現役&元NBA選手、カレッジスター、地元の有望な高校生が大会に参加している。近年はNIKE PRO CITYもNBA選手が続々と参加していて目が離せない。

プロアマリーグ(Pro-Am League)は夏(オフシーズン)にプロとアマチュア(元プロ、大学生、高校生等)が各自でチームを組んで参加するリーグ戦だ。サマーリーグと呼ばれることもある。リーグは全米各地に存在する。最も有名なのはロサンゼルスのDrew Leagueだ。どこのリーグも夏休み(5月下旬~8月上旬)の数週間に10チーム前後でリーグ戦とプレーオフトーナメントを行っている。NBA選手は1試合だけのゲスト参加もあればオールサマーで出場している場合もある。観戦は基本的にどこも無料だ。
高校
St.ベネディクト高校
名称: St. Benedict Prep School
住所: 520 Dr Martin Luther King Jr Blvd, Newark, NJ 07102
St.ベネディクト高校はニュージャージー州屈指の強豪校だ。2001~10年、現コネチカット大学HCのダン・ハーレイ(Dan Hurley)がHCに就任、JR・スミス、ランス・トーマス、複数のD1プレーヤーを輩出した。卒業生にはトレボン・デュバルもいる。
高校生のイベントが盛り上がりを見せる
近年のニューヨークのストリートコートでは高校生のオールスターゲームが盛り上がっている。2010年代(2013~2016年頃)にアンダーアーマー社がUnder Amour Elite 24と銘打った高校生オールスターゲームを開催し、その後同大会は開催されなくなってしまったが、数年前からナイキとやスラム紙が高校生オールスターゲームを開催するようになった。
聖地巡礼
ラッカーパーク
名称: Rucker Park
住所: Holcombe, Rucker Park, New York, NY 10039
アクセスはマンハッタンからは地下鉄で行ける。地下鉄B、C、Dの148th Street Lenox Terminal Stationから徒歩5~10分程だ。
ダイクマン
名称: Dykman
住所: Nagle Ave & W 204th St, New York, NY 10034
HP: https://www.dyckmanbasketball.com/
ダイクマンはバスケットボールのレッドカーペットと呼ばれている。ダイクマンリーグもニューヨークを代表するサマーリーグの1つだが、ラッカーと同様に近年はNBA選手の参加は鳴りを潜め、中高生中心のイベントになりつつある。最寄り駅は地下鉄1番線の207st駅だ。
ザ・ケージ
名称: West 4th Street Courts a.k.a. The Cage
住所: 272 6th Ave, New York, NY 10012
ザ・ケージはマンハッタンの中心地にある名コートだ。但し、ザ・ケージが有名な理由は単純に人通りの多い場所にあるからだ。ラッカーパークやダイクマンのようにハイレベルなサマーリーグが開催されるからでは無い。特徴はコートは通常よりも狭いためにゲームが非常にフィジカルな点だ。
ブルックリン・ブリッジ・パーク
名称: Brooklyn Bridge Park
営業時間: 6:00~20:00
住所: 150 Furman St, Brooklyn, NY 11201
HP: https://www.brooklynbridgepark.org/activities/basketball
ブルックリン・ブリッジ・パークのピアー2のコートは世界で最もインスタ映えするコートの1つだ。最寄り駅から遠いという難点はあるが、ニューヨークシティーのビル群とイースト川の真横でプレーするその爽快感はその手間をかける価値がある。
LIFETIME ATHLETIC
名称: Life Time Athletic at Sky
営業時間: 平日5:00~23:30/土日7:00~23:30
住所: 605 W 42nd St, New York, NY 10036
HP: lifetime.life
Life Time Athletic at Skyは夏にNBAプレーヤーのSNSやメディアに頻繁に登場するジムだ。マンハッタンの端っこにある。
【#6】実は引用先(多分、ここなはず)に登場するマンハッタンのLIFE TIME ATHLETICにも行ってきた。時間が無かったので中には入らなかったが、ピックアップゲームのレベルは結構高かった。ビジターで入れるかは分からんが、プレーヤーなら訪れてみる価値はあると思う。https://t.co/4cc3AqXHby pic.twitter.com/KfVI9wDnTh
— Ball Otaku Bros (@BOIBROS) July 25, 2019
実は2019年夏にここの前までは訪れた。コートは地下一階にあって建物の外から見ることができるのだが、ピックアップゲームのレベルは一般的なYMCAのそれよりも高かった。残念ながら時間が無かったので中には入らなかったが、おそらくビジター利用もできるはずなので、プレーヤーならトライする価値はあると思う。
NBAオフィス
名称:
住所: Olympic Tower645 Fifth AvenueNew York, NY 10022USA
NBAオフィスは5番街の一等地にある。
NBA選手会事務所
名称: NBPA
住所: 1133 6th AveNew York, NY 10036
HP: https://nbpa.com/
マンハッタンにはNBA選手会(National Basketball Players Association)のオフィスがある。オフィスにはバスケットボールコートやウェイトルームが完備されている。HPによれば、子ども向けのクリニックやイベントを開催している他、スペースを企業や団体に貸し出しているとのことだ。個人利用ができるかは不明だが、頼めば見学位はさせてもらえるかもしれない。
買い物
NBAストア
名称: Life Time Athletic at Sky
営業時間: 10:00~20:00
住所: 545 5th Ave, New York, NY 10017
HP: https://www.nbastore.jp/stores/nba/ja
NBAストアはマンハッタンの中心にある。付近には42 St – Bryant StationやGrand Centaral – 42 St Stationがあるため、ほとんどどすべての地下鉄ラインでアクセスできる。
品揃えはスウィングマンジャージー、Tシャツ、キャップ、日用品(コップやペンなど)といった定番アイテムは全チームの物が置いてあるが、過度な期待は禁物だ。Tシャツは各チームの人気の選手しかない。例えば、ナゲッツであればおそらくヨキッチしかない。加えて、人気チームと不人気チームで露骨に品揃えに差があるので、ホーネッツやキングスファンなどはここには期待せずに現地のチームストアに足を運ぶしかない。
だから、正直に言えば、アパレルは新宿のSELECTIONの方が品揃えは良いかもしれない。
ただ、スウィングマンジャージーはチーム、番号、首元の名前を好きにカスタマイズして作ることができるので、どんな選手のジャージーも手に入れることができる。
😃✌️ Man of the people 😃✌️@Original_Turner of the @Pacers signing autographs at the @NBASTORE in Manhattan! pic.twitter.com/amxv22bXUv
— NBA (@NBA) October 29, 2019
NBAストアでは定期的に選手のサイン会などを行っている。もしかしたら旅程とそういったイベントが重なる可能性もあるので、NBAストアのHPやSNSをフォローすることをお勧めする。
チームストア
ニューヨーク・ニックス
名称: MSG Store
営業: 毎日(10:00~17:00)
住所: MSG 1F
HP: https://www.nba.com/knicks/msg-store
ニックスのチームストアは試合の無い日も営業しているが、ニックスグッズは1.5㎞ちょい離れているNBAストアにも置いてある。
ブルックリン・ネッツ
名称: SWAG STORE
営業: 月~木(10:00~19:00)土日(10:00~20:00)
HP: https://netsstore.com/
バークレイズ・センターにはブルックリン・ネッツのオフィシャルチームストアがある。アリーナ開場までは当日のチケットを持っていなくても入店可能だ。さらに、バークレイズ・センターの目の前のスポーツ用品店Modell’s Sporting Goodsでもネッツのグッズがある。オフィシャルストアには無いグッズ(古いモデル等)やセール品が置いてある可能性が大いにあるので行って損は無い。
NBAの各アリーナにはメインのチームストアに加えてサブストアと出店がある。重要なのはそこらはメインのチームストアとは微妙に品揃えが異なる点だ。例えば、過去に在籍していた選手のジャージーやアディダス時代のTシャツなどがセールになって置いてある。だから、もし興味があって時間が許すのであれば、早めに入場してメインのストア以外も行ってみると良い。思わぬ出会いがあるかもしれない。
Flight Club(本店)
名称: Flight Club
住所: 812 Broadway, New York, NY 10003
HP: https://www.flightclub.com/
フライトクラブは「レアスニーカーが手に入る場所」というコンセプトで始まった名スニーカーショップだ。マイアミとロサンゼルスにも店舗がある。ネットで注文して店舗で受け取ることも可能だ。

昨今のフリマサービスの台頭で世界中のどこからでもレアスニーカーを購入できるようになった。しかも、往々にしてネットで買う方が少しばかり安い。だから、わざわざフライトクラブで買う理由は偽物を掴まされるリスクの回避位にしかならない。ただ、冷やかしに行く分には損はないが。
ブックストア(カレッジストア)
カレッジグッズの購入は各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)がオススメだ。場所はグーグルマップで「大学名 bookstore」で検索すれば出てくる。
ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。と言うのも、アメリカの大学生は基本的に寮やキャンパス付近での生活を強いられるため彼らの生活に必要となるアイテムが置いてあるのである。
ちなみに、カレッジのアイテムはアリーナでも買える。が、品揃えは良くない。時間があれば是非ともキャンパス内or付近のブックストアに立ち寄ることを俄然オススメする。
まとめ(現地観戦プラン案)
スタンダード(NBAオンリー)型
ニューヨークはボストン、フィラデルフィア、ワシントンD.C.も一緒に周るのを強く推す。これらの都市はNYCから長距離バスや鉄道で数時間程で行ける。特に長距離バスなら片道$30程と運賃も安い。
オタク(カテゴリー不問)型
オタク型の場合、NYCだけでも十分に楽しめるはずだ。が、スタンダード型と同様にボスウォッシュエリアを陸路で周るのが良い。プロビデンス大学、ロードアイランド大学、コネチカット大学、マサチューセッツ大学辺りを攻めるのも渋い。
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ボスウォッシュエリア

ボスウォッシュエリア(北東部)
ボスウォッシュエリアは「ボストン~ワシントンD.C.」間の東海岸のメガロポリスのエリアだ。北にニューイングランドエリア、南にアトランティックエリア、西に五大湖エリアがある。
ボストン(マサチューセッツ州)
ボストンはアメリカ最古の都市だ。名門ボストン・セルティックスがある。同時にボストンは東海岸随一の学生街だ。ACC所属のボストン・カレッジ、実はバスケも強いハーバード大学、小川春太選手が通うマサチューセッツ工科大学(NCAA D3)等がキャンパスを構えている。
プロビデンス(ロードアイランド州)
プロビデンスはボストンの隣町だ。強豪プロビデンス大学と実力校ロードアイランド大学に加え、アイビー・リーグのブラウン大学、台湾人プレーヤーのBenson Linがプレーしているブライアント大学の計4校のNCAA D1大学がキャンパスを構えている。
バスケットボール殿堂(マサチューセッツ州)
マサチューセッツ州スプリングフィールドはバスケットボールが誕生した町だ。バスケットボール殿堂とスプリングフィールドカレッジがある。
コネチカット大学(コネチカット州)
名門コネチカット大学はボストンとニューヨークの間にある。
ニューヨーク(ニューヨーク州)
ニューヨークはバスケットボールのメッカだ。NBAはニックスとネッツ、NCAAはSt.ジョーンズ大学、シートン・ホール大学、その他ミッドメジャー11校がある。さらには大学や高校のイベントが年中開催されている。ラッカーパークやダイクマン等のストリートボールの聖地も多い。
トレントン(ニュージャージー州)
トレントンは世界で初めてプロバスケットボールの試合が行われた町だ。1896年、興行団体のトレントンズはメイソニック・テンプル・ホールで試合を開催して試合後に売り上げを選手に還元した。
フィラデルフィア(ペンシルベニア州)
フィラデルフィアはチェンバレンとコービーを育てたタフな街だ。シクサーズと2016年と2018年にNCAAトーナメントを制覇したビラノバ大学がある。NYCとワシントンD.C.の間にあるためアクセスが良い。
ボルチモア(メリーランド州)
メリーランド州ボルチモアは首都ワシントンD.C.の隣にある学生街だ。2018年にNCAAトーナメント史上最大のアップセットをかましたUMBC等計5校のミッドメジャー校がキャンパスを構えている。コロナ関連のニュースでお馴染みのジョンズ・ホップキンス大学(NCAA D3)も実はボルチモアにある。
ワシントンD.C.
首都ワシントンD.C.は実はバスケが盛んなエリアだ。八村塁選手が所属するワシントン・ウィザーズはもちろん、ユーイングがHCを務めるジョージタウン大学、強豪メリーランド大学、渡邉雄太選手の母校ジョージ・ワシントン大学があり、夏には複数のPro-Amリーグが開催されている。
参考
マンハッタンにおける平均的な気候(jp.weatherspark.com)
Boogie Down! The 10 Greatest Basketball Players From The Bronx(complex)
Inside Nike Basketball’s NY vs. NY Tournament(nicekicks.com)
UConn coach Dan Hurley has come a long way from his days at St. Benedict’s Prep(zagsblog.com)
A HISTORY OF RUCKER PARK: THE TRUE MECCA OF BASKETBALL(complex.com)