※2020-21シーズン=イレギュラースケジュール(コロナ禍)
基本情報
- 名称: University of Minnesota, Twin Cities
- 愛称: Gophers/U of M/UMN
- 所属: Big 10 Conference
- 成績
2023-24: 19勝15敗
2022‐23: 9勝22敗
2021-22: 13勝17敗
近年の話: 心機一転
- HC交代(2021)
ベン・ジョンソンHC就任
リチャード・ピティーノHC退任 - 新部員14名(2021)
- NBA選手輩出
キャム・クリスティ(2023-24): 2024年2巡目46位
退部(2024) |
キャム・クリスティ(Cam Christie)→NBAドラフトアーリーエントリー |
退部(2023) |
ジェイミソン・バトル(Jamison Battle)→オハイオステイト大学 |
2021年、新HCに元ACベン・ジョンソンが就任した。そして、2021-22、部員の14名が新規メンバーの布陣で同校史上2度目のファイナル4進出を狙っている。
新規部員が多い理由はNCAAの「コロナ特例措置」と「編入ルール緩和」の影響も大きい。まず、NCAAは2019-20のコロナ主因のシーズン中止を配慮して最大4シーズンの選手資格に+1シーズンの措置を講じた。また、1度目の編入直後はレッドシャツ(公式戦出場不可)が不要になった。その結果、多くの選手が気軽に他大学へ編入できるようになった。
ビッグ・10・カンファレンス
- 名称: Big 10 Conference
- 愛称: B1G
- 設立: 1896年
- 所属校: 18校
- 放送: CBS/FOX/NBC
- HP: www.bigten.org
所属校(大まかな所在地) |
ラトガース大学(ニュージャージー州)は2020‐21に1991年以来のNCAAトーナメント出場を果たした。 |
メリーランド大学(ワシントンD.C.)は同大のNBAドラフト高順位指名者はバストになる傾向がある。 |
ペンシルベニアステイト大学は1954年にファイナル4に進出している。 |
オハイオステイト大学(コロンバス)は一昔前まではグレッグ・オデン、マイク・コンリー、エバン・ターナー、ディアンジェロ・ラッセルなどトッププロスペクトをリクルートしていた。近年はブランド力に陰りが見られる。 |
ミシガン大学(デトロイト)は元ファブファイブのジュワン・ハワードが指揮を執っている。 |
ミシガンステイト大学(デトロイト)はマジック・ジョンソンとドレイモンド・グリーンの母校だ。 |
パデュー大学(インディアナ州)は近年は3年連続でアップセットを喰らっている。 |
インディアナ大学は名将ボブ・ナイト(1971-2000)が率いて3度のNCAAチャンピオンに輝いた。 |
ウィスコンシン大学は2015年に38勝0敗のケンタッキー大学を破ってNCAAトーナメント決勝に進出した。 |
ノースウェスタン大学(シカゴ)は現HCクリス・コリンズの就任でNCAAトーナメント初出場&初勝利を果たして”じゃない方”の脱却に成功した。 |
イリノイ大学は2005年にデロン・ウィリアムスらがNCAAトーナメント準優勝を果たした。 |
ミネソタ大学(ミネアポリス)は1980年代のボストン・セルティックスとロサンゼルス・レイカーズ時代にそれぞれにケビン・マクヘイルとマイカル・トンプソンを送り込んだ。 |
アイオワ大学はルカ・ガルーザが在籍していた。 |
ネブラスカ大学(リンカーン)は2019年にフレッド・ホイバーグがHCに就任し、2021年秋から富永選手がプレーしている。 |
ワシントン大学(シアトル)は多数の地元のキッズをNBAに送り込んでいる。 |
オレゴン大学(ユージーン)は初代NCAAトーナメント王者&NIKEのお膝元だ。 |
UCLAは計11回のNCAAトーナメント制覇を誇る。 |
USC(ロサンゼルス)はリクルートに優れている。 |
ビッグ・10・カンファレンスは北東部と中西部の大規模大学計14校が所属している。近年は乱世だ。最近ではB1Gの”じゃない方”のノースウェスタン大学、ラトガース大学、ネブラスカ大学、ペンステイト大学ですら上位に食い込んでいる。最大の特徴はフィジカル強度だ。そのため、各校は競うようにビッグマンをリクルートしている。そして、2024年、パック-12・カンファレンスの4校が加盟してきた。
チーム史
前トーナメント時代
初の大学同士の試合
ミネソタ大学は最も古い歴史を持つチームの1つだ。1895年2月のミネソタ農業大学(ミネソタ大学ツインシティ校の前身の1校)と隣町St.ポールのハムライン大学(Hamline University)の試合は初の大学同士の試合と認知されている。また、1896年1月、ミネソタ大学ミネアポリス校(ミネソタ大学ツインシティ校の母体)は近隣の学校、YMCA、キャンパス内の陸軍とリーグを組織し、同月にミネソタ大学ミネアポリス校のチームも初の試合を敢行した。
全米No.1評
ミネソタ大学はPremo-Porretta Power PollとHelmes foundationによって合計3度(1902年、1903年、1917年)の全米No.1と評された。
ジョン・クンドラ時代(1959-68)
ジョン・クンドラ時代、同大初の黒人選手2名が後々にNBAスターに成長した。ルー・ハドソンは13年間のNBAキャリアで平均20得点を記録した。一方、アーチー・クラークはNBAドラフト下位指名からNBA 2ndチームに選ばれるまでに至った。
ジム・ダッチャー時代(1975-86途中): レジェンド3名を輩出
フリップ・サンダース(1973-77)
- NBAヘッドコーチ歴17年
フリップ・サンダースは1995-96途中のミネソタ・ティンバーウルブスHC昇格し、当時GMケビン・マクヘイルと共にケビン・ガーネット中心のチーム作りに成功し、8年連続プレーオフ進出を果たした。
マイカル・トンプソン(1974-78)
- 同大初の全体1位指名選手(1978)
- NBAチャンピオン(1987&88)
- クレイ・トンプソンの父
- 永久欠番(#43-ミネソタ大学)
マイカル・トンプソンは1978年のNBAドラフト1巡目1位でポートランド・トレイルブレイザーズに入団し、その後は3年目の平均20+点をピークに伸び悩み始めたものの、9年目(1986-87)にロサンゼルス・レイカーズでカリーム・アブドゥル・ジャバーのバックアップとして真価を発揮し、NBA連覇に貢献した。
ケビン・マクヘイル(1976-80)
- NBAチャンピオン(1981、1984、1986)
- NBAオールスター×6回
- NBA1stチーム(1987)
ケビン・マクヘイルは1980年代にポストムーブとディフェンスでボストン・セルティックス黄金期を支えた後、2011-15にヒューストン・ロケッツのHCを務め、現在は解説者をしている。
クレム・ハスキンズ時代(1986-99)
- ボビー・ジャクソン(1997年1巡目23位)
- ジョン・トーマス(1997年1巡目25位)
- サム・ジェイコブソン(1998年1巡目26位)
- クインシー・ルイス(1999年1巡目19位)
1996-97、ミネソタ大学は将来のNBAドラフト1巡目指名選手4名と共にビッグ・10・カンファレンスのリーグ戦を1位で通過し、中西部地区1位シードでNCAAトーナメントに臨み、ファイナル4へと進出した。一方、その後、選手の学業成績の改ざんが地元紙にすっぱ抜かれた。HCクレム・ハスキズが大学職員や教授に部員の成績の便宜を図るように計らっていたのだ。そのため、現在、同成績はNCAAの公式記録から抹消されている。
ダン・モンソン時代(1999-2006)
ダン・モンソン(Dan Monson)は2003年高卒組No.2 PFのクリス・ハンフリーズをリクルートした。当初、同選手は当初はデューク大学にコミットしたものの、後日、ワン&ダン否定派のコーチKとの考え方の違いが発覚したため、入学直前の5月に地元のミネソタ大学に進路を変更した。
トゥビー・スミス時代(2007-13)
リチャード・ピティーノ(2013-21)
- アミーア・コフィー(2016-19)
- ダニエル・オトゥール(2018-20)
現地観戦
【1日目】インディアナ大@ミネソタ大: バブルチーム同士の好ゲーム目的で行ったつもりが、Trayce Jackson-Davisが一気に世界に知れ渡った日に出会してしまった。座席は2列目。チケットは当日StubHubで購入。約$50。超安い。3枚目は100年前の栄光。4枚目はレジェンド達。#現地観戦兄弟 pic.twitter.com/9fTQwznwFR
— Ball Otaku Bros (@BOIBROS) February 20, 2020
ホームアリーナ
ホームアリーナはキャンパス内のWilliams Arena and Sports Pavilionだ。ダウンタウンからアリーナへは路面電車(Green Line)とローカルバスがある。
チケット
強豪校のチケットは事前のオンライン購入で良いだろう。満席率は概ね60~70%程度だ。チケット自体は強豪校同士の試合でも基本的には定価で購入可能である。一方、チケット売り場は結構混み合う。そして、伝統の一戦やスーパースター選手出場試合は例外的に高騰or売切れとなる。例えば、デューク大学-ノースカロライナ大学戦は毎年高い。また、ザイオン・ウィリアムソンやケイトリン・クラークはアウェイゲームでも普段の倍以上の集客をしてしまう。
グッズ
カレッジグッズの種類
- 一般ファングッズ
ジャージー(選手名+番号無し)/Tシャツ/ショーツ/スウェット/日用雑貨等 - NIL
選手名+番号入りジャージー/Tシャツ/実着品/サイン/写真/NFT/トレーディングカード/プレーヤーオウンブランド品/ビデオメッセージ等
公式サプライヤー品(アパレル)
公式サプライヤー品は当該大学運動部の実用品提供メーカーの製品だ。NCAA D1校の運動部はナイキ(ジョーダン)、アディダス、アンダーアーマー、ニューバランスのいずれかと公式サプライヤー契約を結んでいる。2010年代後半まではラッセル(Russell Athletic)もいくつかのサプライヤーを務めていた。一般的に契約は数年単位だ。鞍替えも起こる。各校のサプライヤーの確認はユニフォームのロゴで可能だ。
公式ライセンス品(アパレル/日用雑貨)
数多のメーカーが大学からロゴ等の商業利用許可を貰って商品を販売している。最たる例が日本でも定番のカレッジトレーナーだろう。そして、競合メーカーのライセンス品も当たり前だ。例えば、デューク大学(ナイキ校)のアディダスやアンダーアーマー社製品がキャンパス内で売られている。
NIL商品
NILは選手関連商品だ。2021年7月、NCAAは学生アスリート達のNIL(Name-Image-Likeness)のマネタイズを解禁した。主要メーカー製の選手名+番号のジャージー販売は「2022‐23: 超人気校のフットボール」「2023-24: 人気校のバスケットボール」と始まったばかりである。販路は「大学公式店(実店舗/オンラインストア)」「選手個人サイト/SNS」「サードパーティーマーケットプレイス」と多岐に渡る。
コレクターズアイテム(流通品)
コレクターズアイテムは読んで字のごとく収集目的の製品だ。特に人気の収集対象はイヤーブック(雑誌)だろう。
スニーカー
特に地方限定販売/支給オンリーのカレッジカラー版は高い人気を誇っている。
レプリカ
現存のカレッジジャージーはカスタム品(大学名のみのジャージーに自身で番号と選手名を追加) or 非公式レプリカ品だ。NCAAは2021年7月まで現役選手の名前&番号記載商品の販売を禁止していた。そのため、NIL解禁以前、ファンは大学名のみのジャージ(番号&名前無し)に専門業者やDIYで番号と選手名を張り付けるか、あるいは非公式レプリカジャージを購入していた。過去の選手のジャージは販売されている。例えば、ナイキはアンソニー・デイビス(ケンタッキー大学)のジャージやベン・シモンズ(LSU)のTシャツを販売している。
NCAAグッズ販売店
- 直営店
NCAAショップ*: NCAA D1全校
カンファレンスストア*: カンファレンス所属校
ブックストア(カレッジストア)
チームストア - ECサイト
- 一般小売店
スポーツ用品店
-DICK’S SPORTING GOODS
デパート
-Macy’s/JCPenny/Kohl’s/Nordstrom
ファンショップ
-Locker Room By Lids/Fanzz/Just Sports/Rally House
直営店
NCAAはNCAAショップを運営している。品揃えはNCAA D1全校だ。また、多くのカンファレンスストアもカンファレンスストアを申し訳程度で構えている。モチベーションは軒並み低い。そして、ブックストア(カレッジストア)は教科書+アパレル+日用品+土産の雑貨屋だ。米国の大学生は基本的に寮やキャンパス付近で生活している。そのため、品揃えはカレッジロゴや名前入りの生活必需品だ。場所はキャンパス内or付近にある。一部の強豪校はアリーナやスタジアムにチームストアも持っている。品揃えはブックストア(カレッジストア)に劣る。
ファナティクス
ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売の裏方企業だ。実際、NCAAショップ+カンファレンスストア+チームストアはファナティクス式の設計になっている。一方、同社は世界各エリア向けの自社サイトでそれぞれのエリアの人気スポーツリーグのグッズを販売している。そして、北米系サイトは全NCAA D1校のグッズを取り扱っている。
例えば、ファナティクスでは大谷翔平選手(MLB)と八村塁選手(NBA)と角田裕毅(F1)のグッズのまとめ買いが可能だ。
選手個人サイト/SNSアカウント
NILグッズは選手個人のホームページやSNSアカウント等でも売られている。
一般小売店
最大手ディックズ・スポーティンググッズは「地元プロチーム」「同州の代表的な大学」「最寄り大学」のアパレルを置いている。狙い目は型落ち品のセールだ。大手デパートチェーン4社はそれぞれのファングッズ/アスレティックアパレルコーナーでカレッジグッズを売っている。ファンショップは全米の人気校のグッズを置いている。
関連記事
ミッドウェストエリア
ミネアポリス(ミネソタ州)
- NBA: ミネソタ・ティンバーウルブス
- NCAA D1(強豪): ミネソタ大学
- NCAA D1(中堅): St.トーマス大学
- 高校: ミネハハアカデミー
- プロアマリーグ: Twin Cities Pro-Am
- 聖地: ハムライン大学
グランドフォークス-ファーゴ(ノースダコタ州)
- NCAA D1(中堅): ノースダコタ大学
- NCAA D1(中堅): ノースダコタステイト大学
スーフォールズ(ノースダコタ州)
- Gリーグ: スーフォールズ・スカイフォース
- NCAA D1(中堅): サウスダコタ大学
- NCAA D1(中堅): サウスダコタステイト大学
シーダーラピッズ(アイオワ州)
- NCAA D1(強豪): アイオワ大学
- NCAA D1(中堅): ノーザンアイオワ大学
デモイン(アイオワ州)
- Gリーグ: アイオワ・ウルブス
- NCAA D1(強豪): アイオワステイト大学
- NCAA D1(中堅): ドレイク大学
オマハ-リンカーン(ネブラスカ州)
- NCAA D1(強豪): ネブラスカ大学
- NCAA D1(強豪): クレイトン大学
- NCAA D1(中堅): ネブラスカ大学オマハ校
イリノイ大学(シャンペーン)
スプリングフィールド(イリノイ州)
- NCAA D1(中堅): ブラッドリー大学
- NCAA D1(中堅): ウェスタンイリノイ大学
- NCAA D1(中堅): イリノイステイト大学
- NCAA D1(中堅): イースタンイリノイ大学
セントルイス(ミズーリ州)
- NCAA D1(中堅): セントルイス大学
- NCAA D1(中堅): リンダウッド大学
- NCAA D1(中堅): サザンイリノイ大学エバンスビル校
ミズーリ大学(コロンビア)
カンザスシティ(ミズーリ州)
- NCAA D1(中堅): ミズーリ大学カンザスシティ校(UMKC)
- イベント: NAIAトーナメント開催地
- 聖地: 全米初の大学No.1決定戦開催地(NAIA前身)byジェームス・ネイスミス博士
- 聖地: NAIA本部
- 聖地: カレッジフープスの博物館
スプリングフィールド(ミズーリ州)
- NCAA D1(中堅): ミズーリステイト大学
- 高校: リンクアカデミー
ローレンス(カンザス州)
マンハッタン(カンザス州)
ウィチタ(カンザス州)
- NCAA D1(中堅): ウィチタステイト大学
- 高校: サンライズ・クリスチャン・アカデミー
NCAA基礎講座
大学一覧
バスケ留学解説
NCAAの視聴方法
参考
BEN JOHNSON(gophersports.com)
Gopher glory : 100 years of University of Minnesota basketball(archive.org)
A Brief History of Men’s College Basketball(ncaa.org)
U basketball program accused of academic fraud(web.archive.org)
Minnesota Golden Gophers School History(sports-reference.com)
Duke releases McDonald’s recruit Kris Humphries(usatoday30.usadotady.com)