デポール大学
基本情報
名称: DePaul University
愛称: Blue Demons
所属: Big East Conference
2022-23: 10勝23敗
2021-22: 15勝16敗
近年の話: もうミッドメジャーとは言わせない!?
- 主な選手(2022-23)
ニック・オンジェンダ(2019-23)* - 新体制(2020-)
HCトニー・スタブルフィールド(Tony Stubblefield)
ADドゥウェイン・ピーヴィー(DeWayne Peevy) - 新アリーナ
近年、デポール大学はパワーハウス化を図っている。2020年夏、同大はケンタッキー大学からドゥウェイン・ピーヴィーを新アスレティックディレクターに迎え入れた。同氏は前任地でジョン・カリパリの相棒的存在(=強引な手段であっても欲しい物は手に入れるタイプの人間)だった。その後、2021年、トニー・スタブルフィールドがオレゴン大学でリクルート実績を買われて新HCに迎え入れられた。そして、シカゴはドウェイン・ウェイド、デリック・ローズ、アンソニー・デイビス等の産地である。
ビッグ・イースト・カンファレンス
- 名称: Big East Conference
- 設立: 2013年
- 所属校: 10校
- 放送: FOX/CBS/FloSports
- HP: https://www.bigeast.com/
所属校(大まかな所在地) |
St.ジョーンズ大学(NYC) は1943年と1944年にNITを連覇した古豪だ。 |
シートン・ホール大学(NYC)はニュージャージー・ネッツが使用していたアリーナを使用している。 |
ビラノバ大学(フィラデルフィア)は2016年と2018年にNCAAトーナメントを制覇した。2022年にHCジェイ・ライトが勇退した。 |
ジョージタウン大学(ワシントンD.C.) はパトリック・ユーイングやディケンベ・ムトンボ等のレジェンドセンターを数多く輩出していた。出身者にはアレン・アイバーソンもいる。 |
ゼイビア大学(シンシナティ) はデビッド・ウェストの母校だ。 |
バトラー大学(インディアナポリス) はブラッド・スティーブンスが率いて2年連続でNCAAトーナメント準優勝を果たした。 |
デポール大学(シカゴ) は元祖スタービッグマンのジョージ・マイカンの母校だ。 |
マーケット大学(ミルウォーキー)はドウェイン・ウェイドやドック・リバースを輩出した。 |
クレイトン大学(ネブラスカ州オマハ)のダグ・マクダモートの父がHCを務めている。 |
ビッグ・イースト・カンファレンスは東海岸の強豪が集まっている。2013年、同カンファレンスは元祖ビッグ・イースト・カンファレンスのメンバー校が現アメリカン・アスレティック・カンファレンスから「ビッグ・イースト・カンファレンス」の名称や元々の歴史と共に独立して誕生した。近年の勢力図はビラノバ大学が頭一つ抜けて強い。その他はNCAAトーナメントで1回勝てるかどうかだ。
チーム史
レイ・マイヤー時代(1942-84)
- NIT優勝(1945)
- ファイナル4×2(1943、79)
- エリート8(1978)
- スウィート16×6(1953、59、60、65、76、84)
ゲームチェンジャー(1942-46)
レイ・マイヤー(Ray Mayer)はジョージ・マイカンと共にバスケットボールをビッグマンのゲームに変えた伝説的なコーチだ。当時、選手がリングの上でボールを触ることは考えられていなかった。そんな中、同選手は敏捷性と208cmの長身を活かして幾度と無くシュートをブロックし、最終的には1944年にNBA等に先駆けてゴールテンディングルールが設けられることとなったものの、新ルール設立後もゲームを支配し続けた。そして、1944-45、デポール大学は当時はNCAAトーナメントよりも格式が高かったNIT優勝を果たした。その後、「長身選手は鈍重故にバスケに不向き」の定説は180度変わった。以来、ビル・ラッセル、ウィルト・チェンバレン、カリーム・アブドゥル-ジャバー、アキーム・オラジュワン、シャックと長いビッグマン時代が続いた。
ポスト-マイカン(1946-75)
カムバック(1975-78)
- デイブ・コーザイン(1974-78): 1978年1巡目18位
- ゲイリー・ガーランド(1975-79): 1979年2巡目30位
1970年代半ば、レイ・メイヤーは次々と優秀な選手を発掘してカムバックを果たした。1975-76、デポール大学は終盤に複数の強豪校から白星を挙げて10年以上振りにNCAAトーナメントに出場し、翌1976-77は失望のシーズンとなったものの、1977-78にデイブ・コーザインとゲイリー・ガーランドの躍進によってRSを24勝2敗(AP通信最終3位)で駆け抜け、最終的にエリート8進出を果たした。
勝負弱さ(1978-84)
- マーク・アギーレ(1978-81): 1981年1巡目1位
- テリー・カミングス(1979-82): 1982年1巡目2位
- タイロン・コービン(1981-85): 1985年2巡目35位
【全米No.1選手】
1978年、地元シカゴ出身で全米No.1高校生(Mr. Basketball USA)のマーク・アギーレが入学した。1978-79、デポール大学は優勝候補ノートルダム大学から大金星を挙げ、AP通信最終6位でNCAAトーナメントに臨み、準々決勝で将来のNBA選手軍団UCLAをアップセットして36年振りにファイナル4の舞台に戻った。一方、1979-80、同選手の年間最優秀選手の活躍でチームは開幕25連勝を達成して優勝最有力候補となったものの、UCLAにリベンジを喰らって早々に会場を後にし、翌1980-81は開幕前から優勝候補筆頭で27勝1敗でRSを終えたにも関わらず、St.ジョセフズ大学にアップセットされて夢は儚くも散った。
【ネクスト・アギーレ】
1981-82、テリー・カミングスがコンセンサス・オール-アメリカンのパフォーマンスでマーク・アギーレの穴を埋め、チームは26勝1敗でレギュラーシーズンを終えたものの、ボストンカレッジに敗れて再び初戦で姿を消した。その後、1983-84、デポール大学は開幕16連勝で再び優勝候補としてNCAAトーナメントに臨み、初戦こそ勝利を収めたものの、次戦でウェイク・フォレスト大学に敗れて、またもやNCAAトーナメント制覇の夢は幻に終わった。そして、1984年、レイ・マイヤーは引退を発表し、後任にはアシスタントで息子のジョーイ・マイヤーが就いた。
ジョーイ・メイアー時代(1984-97)
- スウィート16×2(1986、87)
親の七光り(1984-91)
- ダラス・カムジス(1983-87): 1987年1巡目21位
- ロッド・スティックランド(1985-88): 1988年1巡目19位
- ケビン・エドワーズ(1986-88): 1988年1巡目20位
- スタンリー・ブランディー(1985-89): 1989年2巡目32位
1984年、ジョーイ・マイアーが跡を継いだ。1984-85、デポール大学は、主力残留で開幕前には優勝候補の一角として期待されていたものの、結局はNCAAトーナメント出場するに留まった。1985-86、同大は16勝12敗ながら、NCAAトーナメント出場枠64校への拡大の恩恵によって招待を受け、運良く2回勝ってスウィート16進出を果たした。そして、翌1986-87、チームは将来のNBA選手4名を抱えて開幕16連勝で一気に優勝候補に名乗りを上げたものの、スウィート16に終わった。その後、戦国時代が始まった。もはや親の七光りだけで勝てる余地はなかった。

1980年代後半以降はコーチK(デューク大学)、ファブファイブ(ミシガン大学)、UNLV、リック・ピティーノ(ケンタッキー大学)、ジョン・カリパリ(マサチューセッツ大学)、シャック(LSU)が鎬を削り合っていた。
インディペンデント脱却(1991-97)
1991年、デポール大学は遂にインディペンデント(カンファレンス無所属)を辞めて新設のグレート・ミッドウェスト・カンファレンスへの加入を決意した。当時、NCAAがインディペンデント校を冷遇し始めたためである。その後、同大は初年度こそGMWC内1位とNCAAトーナメント出場を果たしたものの、次第にシンシナティ大学やメンフィス大学が本領を発揮し始め、2シーズン目からは勝てなくなってしまった。そんな中、1995年、GMWCがメトロ・カンファレンスと合併してカンファレンス-USAとなった。その結果、成績は「2勝12敗(1995-96)」「1勝13敗(1996-97)」と大きく低迷した。そして、1997年、ジョーイ・マイヤーは解任となった。
第一期デイブ・レイタオ(2002-05)
- NCAAトーナメント出場(2004)
2002年、デイブ・レイタオ(Dave Leitao)がHCに就任した。
オリバー・パーネル時代(2010-2015)
- ビリー・ギャレット
- マイク・ヘンリー
2010年、デポール大学はオリバー・パーネル(Oriver Purnell)をクレムソン大学から引き抜くことに成功した。同氏は前任地でトレバー・ブッカーを見出してチームを3年連続のNCAAトーナメント出場に導いた。リクルートはやや改善されたものの、期待していたNCAAトーナメント復帰はおろか勝率は4割を超えることは無かった。
第二期デイブ・レイタオ時代(2015-21)
- マックス・ストラス(2016-19)
- ポール・リード(2017-20)
- ロミオ・ウィームス(2019-21)
2015年、デポール大学は栄転先のバージニア大学でしくじったことでHC職にありつけていなかったデイブ・レイタオにセカンドチャンスを与えた。
そして、 レイタオは2016年にマックス・ストラス、2017年にフォースターリクルートのJustin Robertsとポール・リード、2019年にロミオ・ウィームス(USA代表候補)とMarkese Jacobs(イリノイ州第2位リクルート)と次々と有望選手の勧誘に成功し、2018-19はビッグイースト内でも7勝11敗と善戦し、2019-20はオールアメリカン1stチームのルカ・ガルーザ率いるアイオワ大学、前年度NCAAトーナメント準優勝のテキサス工科大学、バトラー大学を破る等の成長を見せた。
しかし、2021年、レイタオは新GMのドゥウェイン・ピーヴィー(DeWayne Peevy)との相性や2020-21の不調等が重なって解雇となった。
その他
ビリー・ギャレットJr(2013-17)
ビリー・ギャレットJrは偉大な祖父の遺伝子を色濃く受け継いだ選手だ。まず、最初に受け継いだのは高い運動能力だ。ギャレットJrは2013年高卒組の有望PGとしてデポール大学に入学した大学史上でも指折りのハイリクルート選手なのだが一方、もう1つが鎌状赤血球症だ。鎌状赤血球症は赤血球が鎌状(アルファベットのCの形)に変化し、それらが血管内で絡み合ってしまうことで血液の流れを悪くし、結果的に身体全体に酸素が運搬されなくなる貧血症の一種だ。アスリートの場合、常に水分補給に気を配る必要があり、症状の痛みから競技を諦めざるを得ないこともある。そして、実はこの病気は遺伝によって発症することが多く、父ビル・ギャレットも子どもの頃に貧血で倒れて病院に搬送された経験を持っていた。その後、2018-19、ギャレットはシーズン終盤にニューヨーク・ニックスと10日間契約を結んでNBAデビューを果たし、初の鎌状赤血球症患者のNBA選手となった。

祖父ビル・ギャレットは「ビッグ・10・カンファレンス初の黒人選手」&「NBA史上3人目の黒人指名選手」の黒人アスリートの先駆けだった。
ベンチリアクションが話題に!!
😤 @Bball_paul with the putback SLAM for @DePaulHoops and the bench absolutely loves it 🙌 pic.twitter.com/Bvpf4oD2ZQ
— FOX College Hoops (@CBBonFOX) January 15, 2020
2019-20シーズン、デポール大学はベンチリアクションの良さでも話題となった。
現地観戦
ホームアリーナ
名称: Wintrust Arena
住所: 200 E Cermak Rd, Chicago, IL 60616
キャンパスとアリーナが別々の場所にあるので注意だ。最寄り駅は地下鉄RED LINEのCermak-Chinatown駅である。
チケット
ハイメジャー校は試合によってはチケットが売り切れる。あるいは、会場購入の場合、列に並ぶ必要が出る。そのため、チケットは事前のオンライン購入が無難だ。
グッズ
公式ストア(ブックストア/チームストア)
カレッジグッズは各大学キャンパス内のブックストア(カレッジストア)が最も品揃えが豊富だ。ブックストアは書店では無い。ブックストアはアパレルと日用品が売られている雑貨屋だ。場所は「大学名 bookstore」で検索で出てくる。
ファナティクス
-1024x576.webp)
ファナティクス社は世界中のスポーツチームのグッズ販売に携わっている企業だ。同社は自社の「Fanatics」「Fanatics International(欧州軸)」「Fanatics Big Tall(デカいサイズ)」「LIDS(子会社)」で全NCAA D1校のグッズを販売している。
NILグッズ
- 選手関連品
名前&番号入りジャージー/写真やイラスト入りTシャツ等 - 選手のプライベートブランド商品
- 選手のサインや実用品
NILグッズは公式の選手関連商品だ。2021年、NCAAは学生アスリートが自身のName-Image-Likenessを活用してのマネタイズを解禁した。現在、「選手名&番号入りジャージー」「選手のイラストや写真のTシャツ」等の販売が超メジャー校から徐々に始まっている。販路は各大学の実店舗やオンラインストア or サードパーティーマーケットプレイスとなっている。

関連記事
五大湖エリア

五大湖エリア(北東部)
五大湖エリアは五大湖周辺を括ったエリアだ。NBA都市と各州の代表的な大規模大学が多い。
トロント(カナダ)
トロントはカナダ最大の都市だ。NBAトロント・ラプターズとGリーグチームのラプターズ905、そしてカナダ国内リーグのチームがある。一方、多民族都市で市内では様々な文化体験ができる。ナイアガラ滝も近い。
バッファロー(ニューヨーク州)
バッファローはカナダとの国境の街だ。アメリカからトロントへ向かう通過点にあるためかなり行きやすい。NCAAトーナメント常連校になりつつあるバッファロー大学を含めて合計3校のNCAA D1大学がある。
ピッツバーグ(ペンシルベニア州)
ピッツバーグは鉄鋼の町として知られているが、同時に学術都市でもある。NCAA D1はピッツバーグ大学、デュケイン大学、ロバート・モリス大学、NCAA D3は最初の大学の試合を行ったとされるジェネバカレッジがキャンパスを構えている。
ウェストバージニア大学(ウェストバージニア州)
デトロイト(ミシガン州)
デトロイトは自動車産業で酸いも甘いも経験した街だ。近年はかつての賑わいを取り戻しつつある。NBAデトロイト・ピストンズが郊外からダウンタウンにホームアリーナを移転したのはその最たる例だ。
ミシガン大学(ミシガン州)
ミシガン大学はデトロイト・ウェイン・カウンティ国際空港から長距離バスで45分程のアナーバーにある。
ミシガンステイト大学(ミシガン州)
ミシガンステイト大学はデトロイト・ウェイン・カウンティ国際空港から長距離バスで1時間半程のイーストランシングにある。
クリーブランド(オハイオ州)
クリーブランドはレブロン・ジェームスを産んだ労働者の町だ。NBAクリーブランド・キャバリアーズはそんな街の唯一の希望だったレブロンが去って以降一気に高額チームから格安チームに転落した。その他にはミッドメジャー4校がキャンパスを構えている。
オハイオステイト大学(オハイオ州)
オハイオステイト大学は全米最大規模の超マンモス大学だ。キャンパスはオハイオ州のど真ん中の州都コロンバスにある。
ニューキャッスル(インディアナ州)
ニューキャッスルはインディアナポリスとデイトンの中間に位置する田舎町だ。インディアナ・バスケットボール殿堂とニューキャッスル高校がある。
インディアナポリス(インディアナ州)
インディアナポリスは五大湖から離れた内陸部にある地方都市だ。エリアの中で最も雰囲気が良い。NBAインディア・ペイサーズとブラッド・スティーブンス時代に2年連続でNCAAトーナメント準優勝を果たしたバトラー大学がある。
シカゴ(イリノイ州)
シカゴはアメリカ北東部と中西部のターミナルとして栄えた大都市だ。NBAはシカゴ・ブルズ、NCAAはデポール大学、ノースウェスタン大学、ロヨラ大学(シカゴ)など古い歴史を持つチームがキャンパスを構えている。
ミルウォーキー(ウィスコンシン州)
ミルウォーキ-はシカゴと一緒に周っておきたい町だ。NBAはミルウォーキー・バックス、NCAA D1はドウェイン・ウェイドの母校マーケット大学とNBAプロスペクトのパトリック・ボルドウィンJrの進学先候補のウィスコンシン大学ミルウォーキー校がある。
ウィスコンシン大学(ウィスコンシン州)
強豪ウィスコンシン大学はミルウォーキーから長距離バスで片道1、2時間程のマディソンという町にある。

NCAA基礎講座
←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



←スワイプ→



大学一覧

バスケ留学解説

NCAAの視聴方法



参考
DePaul 2019 Basketball Commits(247sports.com)
Romeo Weems(depaulbluedemonds.com)
Hamilton: DeWayne Peevy must be ruthless to resuscitate DePaul basketball(theathletic.com)
Kentucky’s DeWayne Peevy Named Director of Athletics at DePaul University(depaulbluedemons.com)
DePaul Blue Demons School History(sports-reference.com)
DePaul Players In The NBA(basketball.realgm.com)
The M and M Boys(web.archive.org)
George Mikan(hoophall.com)
Raymond J. “Ray” Meyer(hoophall.com)
Ex-DePaul coach Ray Meyer dies at 92(espn.com)
Ray Meyer, Former DePaul Coach, Dies at 92(nytimes.com)
Billy Garrett Jr. follows family’s example in fight against sickle cell(si.com)
DAVE LEITAO(depaulbluedevils.com)