【高校生プロリーグ】オーバータイム・エリートとは?

うい。


Bro Institute of Ball&Tripはbroに向けてバスケ界隈の解説&紹介を行っているサイトだ。

主なコンテンツ

※全て参考文献付き

そして、ニュースはバスケットボール界隈で社会問題とビジネスの話題についてのカテゴリーである。

と言うことで、今回は高校生プロリーグとして着々と準備が進んでいるオーバータイム・エリートについてだ。

概要

オーバータイム・エリート

オーバータイム・エリート(OTE)は2021年秋冬から開幕予定の高校生プロリーグだ。オーバータイム・エリートは合計30名の高校4年生と3年生と契約し、選手達は1都市に移り住んで、試合、トレーニング、高校卒業資格の勉強やプロとしての心得の習得に励む予定となっている。

オーバータイム: バスケメディア

主催者のオーバータイムは中高生選手を中心としたバスケメディアだ。オーバータイムは選手のハイライトはもちろんのことだが、選手や家族に密着したドキュメンタリー等も好評を得ている。

オーバータイムエリートの魅力

収入面

オーバータイムの魅力は選手のサポート体制だ。選手達は収入として基本給$10万、ボーナス、オーバータイムの株式を給与として受け取ることができるが、その他にも自身のNIL(Name-Image-Likeness)を活用したマネタイズも可能だ。さらにはスポーツブランドとシューズ契約は選手の各個人に選択権がある。

教育

オーバータイムは選手に金融知識やメディア露出等のプロとしてのライフスキルも教育するつもりだ。

トレーニング

主なスタッフ

  • ケビン・オーリー: 元コネチカット大学HC
  • ジェイ・ウィリアムス: 元全体2位指名選手&ESPN解説者
  • エイブリー・ジョンソン: 元ダラス・マーベリックス&アラバマ大学HC
  • マルコム・ターナー: 元Dリーグ社長

オーバータイムは最新の科学技術、理論、設備、スタッフを準備して選手の育成に力を入れるつもりである。

サポート

もし選手がオーバータイムエリートでプレーしたことが原因(怪我等)で将来プロキャリアを断念せざるを得ない場合、オーバータイムは最大$10万の大学費用を保証するとしている。加えて、保険も充実させるとのことだ。

現在: 準備中

今後の予定

  • 資金調達
  • 選手の契約
  • 詳細の決定

現在、オーバータイムエリートは資金調達、選手の契約、具体的な運営計画の調整等を行っている最中だ。


資金調達は順調のようである。これまでオーバータイムは多くの現役&元NBA選手から出資を受けていたが、現在はシリーズ3と呼ばれる黒字化の見込みが高い投資ステージに入り、2021年4月にはジェフ・べゾス(アマゾンCEO)、ドレイク(ラッパー)、パウ・ガソルやデビン・ブッカーといった現役&元NBA選手、その他の投資家達の合計25名も出資者に加わって同社の資産価値は$250万に達した。ちなみに、日本からは電通も出資に加わっている。


一方、選手の契約は未だに発表されていない。噂によれば、2023年高卒組(Class of 2023)のマイキー・ウィリアムス(Mikey Williams)がターゲットの一人とされている。


また、具体的な運営については未公表だ。もしかしたら情報を小出しにすることで定期的に世間の注目を維持する目的があるのかもしれない。

背景: 何故、このタイミングなのか?

NCAAのルールの大幅な緩和…(見込み)

1つ目の理由はNCAAの学生アスリートのエリジビリティ(プレー資格)が緩和されているからだ。


近年、NCAAは学生アスリートのマネタイズに寛容になっている。


実はNCAAは約100年間アマチュアリズムを大義名分として学生アスリートが必要以上の金銭を手にすることを固く禁じてきたのだが、近年はNCAAの利益の独占に対する批判の声が高まり、その結果、2021年夏から学生アスリート達は自身の知名度(Name)、イメージ(Image)、好感度(Likeness)を活用したマネタイズができるようになった。要するに、選手達はインフルエンサーになって金を稼ぐことができるようになった


しかも、NCAAは近年はプロ経験者にも寛容になっている。先述した通り、NCAAはアマチュアリズムを建前として利用しているため、一応ルールには大学入学以前にプロ契約や大会の賞金といった競技力を活用して支払いを受けていた者(=プロ)のプレーの禁止が明記されているのだが、近年は15、16歳の頃からヨーロッパクラブでプロとしてプレーしていた留学生が増加しているためか、今ではほとんどの元プロ選手はプレー資格が認められている。


つまり、これまでは高校生でプロになってしまった選手はNCAAでプレーする道が閉ざされてしまっていたのだが、近年は高校生でプロになったとしても大学で文武両道の道を選ぶことが可能になったのだ。これによって今の中高生達はプロになることを躊躇わずに済むのだ。


但し、オーバータイム・エリートの選手達が必ずしもNCAAでプレーできる保証はない。カリフォルニア州やフロリダ州はPay for Playも保障する州法の法案を通過させてしまっているが、NCAAは学生アスリート達の競技のパフォーマスへの対価(Pay for Play)を許可するつもりはないからだ。現在も各州の学生のマネタイズに関する州法を統制する連邦法が話し合われているが、コロナと政権交代で後回しになってしまっているのが実情だ。つまり、オーバータイム・エリートは若干の見切り発車感は否めない。

【NCAA】カレッジバスケ解説: ルールと制限-エリジビリティ(プレー資格)編
今回はエリジビリティー(プレー資格)について紹介する。
【NCAA】カレッジバスケ解説: NIL(Name-Image-Likeness)稼業
学生アスリートの知名度(Name)、イメージ(Image)、好感度(Likeness)を活用したマネタイズ解禁について解説!!

ユーススポーツの育成力不足

2つ目の理由がアメリカの育成力の問題だ。


現在、アメリカのユーススポーツ界は高校の部活(11~3月)とAAUクラブ(4~8月)の両方でプレーするのが当たり前になっているのだが、特にAAUは子ども達がバスケットボールを学ぶ場として機能していないとして問題視されている。


まず、AAUは中高生達がカレッジコーチに自身をアピールする場となっている。強豪AAUクラブの中にはほとんど練習がないチームもある。だから、選手は試合中に勝利に繋がるプレーではなくアピールに繋がるプレーをしがちだし、そもそも即席チームでは組織の一員として与えられた役割をこなす動きを学ぶことはできない。その結果、選手達はいびつなバスケットボールをプレーすることになっている。


さらには、AAUクラブ(特に強豪)は金儲けのために運営されている。AAUクラブのコーチ達は良い選手を加入させてシューズメーカーから見返りを受け取る。見返りは数十万ドル(日本円で数千万円)に及ぶ場合もある。シューズメーカーはAAUクラブが獲得した選手を自社がスポンサードしている大学に送り込み、あわよくばNBA入り後のシューズ契約も結び、その選手の効果で商品が売れることで利益を回収している。大会やキャンプの開催も全ては利益のためだ。


そして、それ故にAAUコーチ達は指導力を問われない。AAUコーチに求められるのは「資金調達」と「選手の収集」だ。言い換えるならば、AAUコーチはビジネスマンである。実際、彼らの中にはコーチングやバスケットボールのバックグラウンドを持ち合わせていない者も大勢いる。


コービー・ブライアントは「AAUに携わってる奴らはAAUの環境をドル箱にしか思っていない」と痛烈に批判している。ブライアントは選手時代から夏に自身でクリニックを開催するなどして子ども達にバスケットボールを教え、AAU文化を変えようとしていた。マンバ・アカデミーもこういったコービーの意思の表れだった。


オーバータイムが素晴らしい経歴を持つコーチをスタッフに囲い込んでいるのはそういった事情がある。

【NCAA】カレッジバスケ解説: AAU
高校生達のアピールの場AAUサーキットを紹介!!

NFT: 新たな金融商品

3つ目の理由がNFT(Non-Fungible Token)の登場だ。


NFTはブロックチェーン技術を応用した新たな金融商品である。ざっくり言えば、データAにブロックチェーンを応用した場合、Aの生産者や取引回数が一目でわかるようになる。つまり、Aが本物か偽物かがブロックチェーンによってハッキリわかるのだ。


実際、NBAではトップショット(Top Shot)と呼ばれるNFTが高値で取引されている。トップショットは豪快なダンクやブロックといった1プレーを収めた数秒程度の動画だ。但し、購入者はそのプレーの権利を有する訳ではないため、その動画を独占公開したり、他人には見させないようにすることが出来る訳ではない。NBAが公式に発行している動を所有している意味しかない。つまり、インターネットで探せばいくらでも無料で見られるプレー動画が高値で取引されているのである。


理屈はトレーディングカードだ。トレーディングカードは、ネットで同じ写真を拾って印刷することができるにも関わらず、コレクターやマニア間で高額で取引されている。逆に言えば、ネットで同じ写真を印刷した物がトレーディングカードと同じ価値にはならない。つまり、本物か偽物かに価値があるのだ。NFTは「ブロックチェーンで発行元をはっきりさせられることができれば、データにもトレーディングカードゲームの理屈が通じるのでは?」という仮説の下に成立している。


そして、現在、NFTはマニアやコレクターよりも投資家達の投機対象として注目されている。オーバータイムの出資者達はオーバータイムのNFTの価値をも鑑みた上で身銭を投じている。

過去の失敗例: JBA

Throwback: LaMelo Ball JBA Full Season Montage

実はオーバータイム・エリートは初の高校生プロリーグではない


2018年にジュニア・バスケットボール・アソシエーション(JBA)と呼ばれる大学生と高校生を集めたプロリーグが数カ月だけ開催されていた。主催者はロンゾ・ボールとラメロ・ボールの2人のNBA選手の父ラバー・ボールだ。2018年夏、ラバーは16~24歳の選手達で構成された全8チームを引き連れて全米中をツアーして周った。


しかし、財政状況は相当厳しかったようだ。専らラメロ・ボール以外はNCAA D1でプレーすることすらままならない選手ばかりだったにも関わらず、チケットの最低価格は$40と強気な価格設定だったため、客入りが非常に悪かったのだ。しかも、コーチやスタッフの胡散臭さも否めなかった。そして、11月末、父ラバーがラメロとリアンジェロ(ボール兄弟次男)の離脱で完全にやる気を無くし、中国ツアーはキャンセルになり、約1カ月後の年明けに公式にリーグ消滅が発表された。


その後、選手達から給料の未払い等の内部崩壊の様子が暴露されているが、ラバーは白を切り通すつもりらしい。

まとめ

  • 概要: 高校生プロリーグ
  • 背景
    NCAAのマネタイズ緩和
    ユーススポーツの育成問題
    NFTの可能性
  • 出資者: ジェフ・べゾス、電通、多数の現役と元NBA選手等

オーバータイム・エリートはバスケメディアのオーバータイムが今秋に開催予定の高校生プロリーグだ。背景には「NCAAのマネタイズの緩和」「ユーススポーツの育成問題」「NFTの可能性」がある。現在は現役&元NBA選手を中心にジェフ・べゾス、ドレイク、電通といった様々投資家から注目を集めている。

お得情報

今日5月5日(ぞろ目の日)はマイプロテインのセール日!!

  • セール1
    日時: 5/5(水)21:00~翌2:00
    割引コード(57%オフ)【TEAMJP】
  • セール2
    日時: 5/6(木)早朝2:00~不明
    割引コード1(対象商品65%)【GOLD65】
    割引コード2(全商品46%)【TEAMJP】

Bro's Knowledge
Bro’s Knowledge

マイプロテインは普段から安いがセールを上手く利用しないと結局は損だぜ!

現地観戦の各種支払いはクレジットカード支払いがオススメだ。と言うのも、マイルやポイントが貯まるからである。陸マイラー(飛行機の搭乗以外でマイルを貯める人種)は賢くクレジットカードを使って得をしている。ちなみに、俺達は、現地観戦にはクレジットカードは必須ということもあって、クレジットカードについて仕組みからオススメのカードまで解説と紹介を行っている。

【現地観戦術】仕組みを理解して賢く使う: クレジットカード
現地観戦に必須のクレジットカードの仕組み解説&オススメ紹介!!

関連記事

高校/AAU

【高校生プロリーグ】オーバータイム・エリートとは?
2021年始動予定のオーバータイム・エリートについて解説&紹介!!
【NCAA】カレッジバスケ解説: AAU
高校生達のアピールの場AAUサーキットを紹介!!

プロアマリーグ

【プロアマリーグ】ラッカー、ダイクマン&NIKE Pro City(ニューヨーク編)
ラッカーパークやダイクマン等ニューヨークのプロアマリーグを紹介!!
【徹底解説】「元NBA選手多数参戦!!」TBT(The Basketball Tournament)
毎年夏に開催される一発勝負の大会TBT(The Basketball Tournament)を紹介!!

バスケIQ

【先行公開】"試合の文字起こし"のすゝめ
ということで、今回は試合の文字起こしについてだ。概要選手では無くバスケットボールを見るバスケットボールを見る=両チームの狙いを見抜く両チームの狙いを見抜くポイント「各ポゼッションの意図」「ポゼッション同士の関係性」「...

サービス

ESPN PLAYERの視聴方法
ESPN PLAYERの視聴方法について紹介&解説!!
「ESPN+」を使ってみた感想
今回はESPN+を1カ月間利用した感想を語る。

ニュース

参考

Overtime Elite(overtimeelite.com)
A New League’s Shot at the N.C.A.A.: $100,000 Salaries for High School Players(nytimes.com)
Overtime Launches A Basketball League That Will Pay High School Players Six-Figure Salaries(forbes.com)
Overtime announces launch of professional league ‘Overtime Elite’(finance.yahoo.com)
Overtime Raises $80 Million From Jeff Bezos, Drake, NBA Stars and Others(wsj.com)
電通ベンチャーズ、米国で若年層ファン向けスポーツプラットフォーム・コミュニティを運営する「オーバータイム社」に出資(kyodonewsprwire.com)
DI Council introduces name, image and likeness concepts into legislative cycle(ncaa.org)
Landmark College Athletes Bill of Rights to be introduced in Congress(yahoo.sports.com)
Under the knife: Exposing America’s youth basketball crisis(espn.com)
Kobe: Europe’s players more skillful(espn.com)
Rui Hachimura’s unique NBA journey and the problem with AAU(sports.yahoo.com)
Play Their Hearts Out: A Coach, His Star Recruit, and the Youth Basketball Machine(George Dohrmann/2010)
‘This is the future’: NBA Top Shot and the dizzying world of digital collectibles(espn.com)
The broken dreams and promises of LaVar Ball’s failed basketball league(nypost.com)

カテゴリー

タイトルとURLをコピーしました