概要
- NCAA: 全米最大の四年制大学体育協会
- NAIA: 第二の四年制大学体育協会
- NJCAA: 全米短大体育協会
大学体育協会は大学スポーツの運営組織だ。大学体育協会の加盟やディビジョンの所属は大学の意向(運動部の予算)で決まる。そして、大学体育協会はアメリカ国内に複数存在する。
米国の大学運動部
大学運動部の在り方
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運動部の運営方針は大学次第だ。大学体育協会の加盟やディビジョンの所属は大学の意向(運動部の予算)で決まる。例えば、NCAAは3つのディビジョンの所属条件を設けている。例えば、運営部数は「NCAA D1→男女計14部以上」「NCAA D3→10部」となっている。結論、高いレベルはより大きな予算を必要とする。そのため、四年制大学の場合、「NCAA D1: 大規模校」「NCAA D2/D3orNAIA: 小規模校」の傾向がある。
運動部
運動部(プログラム/バーシティスポーツ)
| 秋 | 冬 | 春 |
|---|---|---|
| クロスカントリー 陸上ホッケー アメフト テニス(個人) サッカー バレーボール(女) 水球 | バスケ ボーリング 競技チア 競技ダンス フェンシング 体操 アイスホッケー 射撃 スキー 水泳 陸上競技(屋内) レスリング | 野球 ビーチバレー ゴルフ ラクロス ボート ソフトボール テニス(団体) 陸上競技(屋外) バレーボール(男) |
大学対抗志向の運動部はアスレティックプログラムやバーシティチームと呼ばれる。そして、大学体育協会は20~30種目を秋冬春の3シーズン区切りで主催し、加盟校は一定数のバーシティスポーツの運営を求められる。
クラブ(サークル)
サークルや同好会はクラブと呼ばれる。チアリーディング部とラグビー部はNCAAの規則上でクラブに相当する。つまり、両部活はバーシティスポーツのカウントに含まれない。学内の自由参加のスポーツ大会は(Intramural sports)と呼ばれる。
男女平等
内訳は連邦法「タイトルⅨ」によって男女同数相当でなければならない。例えば、男子部活13/女子部活7はアウトだ。
運動部の会計(NCAA D1)
NCAA全体の収益
NCAA自体は黒字だ。2019年度の収益は$158億と報告されている。
運動部の収支
- NCAA D1 FBS(130校)
黒字: 25校
中央値: -$18.8M - NCAA D1 FCS校(125校)
中央値: -$14.3M - NCAA D1フットボール無し
中央値: -$14.4M
大学運動部の運営は基本的に赤字である。黒字校はパワーカンファレンスの大規模公立校だ。ノートルダム大学、ノースウェスタン大学、スタンフォード大学は例外的に卒業生達の寄付や巧みな経営で黒字を達成している。アラバマ大学は全米トップのフットボール部と男子バスケ部を抱えながら、例外的なフットボール部HCの勇退もあり、2024年度は収入$234.8M-支出$262.8Mで$28Mの赤字だった。一方、NCAA D1所属は広告の意味合いを持っている。大学の認知度やイメージの向上は願書提出数や学生数の増加に繋がる。また、運動部の活躍は卒業生や地元住民のサポートを誘引する。
運動部の収入: 黒字競技と赤字競技
- 黒字競技: フットボール&男子バスケ
放映権
ポストシーズン出場の分配金
試合の興行収入: チケット、飲食、グッズ、駐車場等
ライセンス収入
寄付金 - 準黒字競技: 野球、女子バスケ、女子バレー
- 赤字競技: 他
赤字の56%はフットボールと男子バスケによってカバーされている。残りの44%は政府や大学(学生の費用負担)に補填されている。一応、一部の野球部は黒字を達成している。そして、女子バスケ部と女子バレー部は黒字競技のポテンシャルを見せ始めている。
従来の支出
- 人件費(35%)
- 施設の維持管理費(20%)
- カレッジアスリートへの還元
スポーツ奨学金(19%)
トリートメント費用(1%)
最大の支出はフットボール部と男子バスケ部のコーチの人件費だ。その後、施設の維持管理費が続く。カレッジアスリートへの還元はスポーツ奨学金とトリートメント費用で20%程に留まっている。
新たな支出
- オルストンペイ: 最大$5,980/名(2021~)
- ダイレクトペイメント: ~$20.5M/校(2025~)
- スポーツ奨学金拡充分: (2025~)
近年、大学運動部局はカレッジアスリートへの支出の増加に悩まされている。2010年代後半、一部のカンファレンスは元カレッジアスリートからの訴訟で大学生活費用同額程度のスポーツ奨学金に$数十万の余剰金を加えた。その後、2021年、オルストン裁判の結果、最大$6,000/名の教育関連費用の支給が可能になった。そして、2025年、ハウス訴訟の和解
NCAA: 全米最大の大学体育協会
基本情報
- 名称: National Collegiate Athletic Association
- 加盟校: 約1,200校
※バスケ部有り: 約1,100校 - ディビジョン: 3部制
- 主催競技: 男女計21種目
- 本部: インディアナ州インディアナポリス
- HP: https://www.ncaa.com/
NCAAは全米最大の大学体育協会だ。加盟校は常に1200校程度で推移している。ディビジョンは3部制だ。競技は合計21種類(王者決定戦90種目)となる。
構造
ディビジョン
| ディビジョン | 所属校 (大学規模) | 条件 (予算) | 男子バスケ部 奨学生枠 |
|---|---|---|---|
| DivisonⅠ D1 | 360校 (大~小) | 難 (多) | 最大13名 |
| DivisonⅡ D2 | 300校 (中~小) | 中 (中) | 10名 |
| DivisonⅢ D3 | 300校 (中~小) | 易 (少) | 0名 |
現在、NCAAは3部制を敷いている。そして、所属ディビジョンは大学の意向(運動部の予算)で決まる。NCAAは各ディビジョンの所属条件を設けている。例えば、最低運営部数は「NCAA D1→男女計14部以上」「NCAA D3→10部」だ。結論、上位ディビジョンはより大きな予算を必要とする。その結果、「上位ディビジョン: 大規模校」「下位ディビジョン: 小規模校」の傾向がある。
主催競技
| NCAAの競技 | 性別 | ディビジョン |
|---|---|---|
| バスケットボール | 男女 | D1-3 |
| クロスカントリー | 男女 | D1-3 |
| ゴルフ | 男女 | D1-3 |
| 体操 | 男女 | D1&2 |
| アイスホッケー | 男女 | D1-2統合&D3 |
| ラクロス | 男女 | D1-3 |
| ライフル | 男女 | D1-3統合 |
| スキー | 男女 | D1-3統合 |
| サッカー | 男女 | D1-3 |
| 水泳 | 男女 | D1-3 |
| テニス | 男女 | D1-3 |
| 陸上 | 男女 | D1-3 |
| バレーボール | 男女 | 男D1-2統合&D3 女D1-3 |
| 水球 | 男女 | D1-3統合 |
| 野球 | 男 | D1-3 |
| アメリカンフットボール | 男 | D1-3 |
| レスリング | 男 | D1-3 |
| ビーチバレー | 女 | D1-3統合 |
| 陸上ホッケー | 女 | D1-3 |
| ボート | 女 | D1-3 |
| ソフトボール | 女 | D1-3 |
NCAAは計21競技をバーシティスポーツとして認めている。NCAA D1~3加盟校は所属ディビジョンに応じて最低数以上のバーシティスポーツの運営を求められる。
カンファレンス
- カンファレンス: 運動競技用大学連盟
- カンファレンス数(男女バスケ部)
NCAA D1: 32→31(2024-)*
NCAA D2: 23
NCAA D3: 43 - 所属校数: 8~16校
- インディペンデント: 無所属
※NCAA D1男子バスケ: カンファレンス所属必須
カンファレンスは大学間のスポーツ競技用の大学連盟だ。通常、大学の全運動部が共通のカンファレンスに所属して試合や競技大会を戦う。一方、いくつかの部活は様々な事情で別カンファレンス所属やインディペンデントとなる。例えば、ノートルダム大学は「大半の部活→ACC」「男子アイスホッケー→B1G」「アメフト→インディペンデント」で活動している。

所属カンファレンスは「競技力」「収益」「ブランディング」等で重要になる。例えば、NCAA D1フットボールはFBSとFCSのサブディビジョン制で序列を明確化している。バスケットボールも非公式的にハイメジャー、ミッドメジャー、ローメジャーと大別されて語られている。
スケジュール(男女バスケ部)
| レギュラーシーズン (ノンカンファレンス期) | レギュラーシーズン (カンファレンス期) | ポストシーズン | |
| D1 | 11試合前後 (10~12月下) | 18試合前後 (1~3月中) | 2月下~4月上 |
| D2 | 8試合前後 (11~12月中) | 18試合前後 (1~2月中) | 2月下~3月中 |
| D3 | 5試合前後 (11~12月上) | 18試合前後 (1~2月中) | 2月下~3月中 |
男女バスケットボールのスケジュールは3ディビジョン共に概ね同じだ。NCAAトーナメントはディビジョンごとに行われる。NCAA D2とD3の場合、冬休み期間(12月中旬~1月上旬)は「施設開場費節約」と「クリスマス文化尊重」でしばしばブレイク期間となる。
NAIA: 第二の大学体育協会
基本情報
- 名称: National Association of Intercollegiate Athletics
- 加盟校: 約250校
- ディビジョン: 2→1部制(2020-21)
- 主催競技: 男女計26種目
- 本部: ミズーリ州カンザスシティ
- HP: http://www.naia.org/
NAIAは小規模校中心の大学体育協会だ。源流はジェームス・ネイスミス博士等の1937年の全米初の大学No.1決定戦NAIBの大会組織委員会となっている。
構造
ディビジョン
ディビジョンは2020-21から1部に統合された。
カンファレンス
現在、カンファレンス数は21だ。
スケジュール
- プレシーズン
- レギュラーシーズン
ノンカンファレンス期
カンファレンス期 - ポストシーズン
カンファレンストーナメント
NAIAトーナメント
NAIAのスケジュールは典型的なレギュラーシーズン+ポストシーズンとなっている。NAIA王者決定戦のNAIAトーナメントの開催地は起源のミズーリ州カンザスシティだ。
競技レベル
NAIAのレベル
競技レベルは「NAIA=NCAA D2」と言われている。NAIA校のNCAA D1校戦勝利も毎年1~2回程起こっている。一部の選手は「学業」「コーチやチームとの相性」「費用」「宗教や思想」等の理由でNCAA D1校を蹴ってNAIA校へ進学している。そして、トップの選手はNCAA D1強豪校に編入している。
過去のNAIA to NBA選手
| 選手 | 大学 | プロ |
|---|---|---|
| ロイド・フリー | グリフォードカレッジ(1972-75) | 1975年2巡目23位指名 NBAオールスター×1 NBA2ndチーム(1979) |
| ジャック・シクマ* | イリノイ・ウェズリアン大学(1973-77) ※NAIA&NCAA D3ダブル加盟 | 1977年1巡目8位指名 NBAオールスター×7 永久欠番#44(SEA) |
| リック・マホーン | ハンプトン大学(1976-80) ※NCAA D1(1995年以降) | 1980年2巡目35位指名 NBA守備2ndチーム(1990) NBA1117試合/18季 |
| テリー・ポーター | ウィスコンシン大学スティーブンスポイント校(1981-85) | 1985年1巡目24位指名 NBAオールスター×2 永久欠番#30(POR) |
| スコッティ・ピッペン* | セントラルアーカンソー大学(1983-85) | 1987年1巡目5位指名 NBAオールスター×7 ドリームチームⅠ(1992) ドリームチームⅢ(1996) 永久欠番#33(CHI) |
| デニス・ロッドマン* | ノースセントラルテキサス短大(1982途中-83) サウスイースタンオクラホマステイト大学(1983-86) | 1986年2巡目27位指名 NBAオールスター×2 最優秀守備選手賞×2 永久欠番#10(DET) |
| ヘンリー・ジェームス | NJCAAサウスプレーンズ短大(1984-86) セントメアリーズ大学(テキサス)(1986-88) | 1988年ドラフト外 NBA212試合出場/7季 |
| エトリック・ボハノン | NCAA D1アリゾナ大学(1992-93) NCAA D1テネシー大学(1993-95) -レッドシャツ(1193-94) NAIAオーバン大学モンゴメリー校(1995-97) | 1997年ドラフト外 NBA26試合出場/4季 |
| マイク・ペンバーシー | ザ・マスターズ大学(1993-97) | 1997年ドラフト外 NBA56試合出場/2季 |
| ダニエル・サンティアゴ | NJCAAニューメキシコステイト軍事学校(1994-95) NCAA D1ニューメキシコ大学(1995-97) NAIAセントビンセント大学(1997-98) | 1998年ドラフト外 NBA122試合出場/4季 プエルトリコ代表 |
NAIA to NBAは1980年代前半頃までは然程珍しくなかった。当時、NAIA校は現在のNCAA D1ミッドメジャー校的立ち位置だった。実際、現NCAA D1校の相当数はNAIA加盟の過去を持っている。そのため、NBA数試合出場やNBAドラフトの下位指名者はぼちぼち存在する。
NAIA to NBA選手の可能性
| NAIA to NBAの可能性 |
|---|
| EJ・オヌー(EJ Onu) NAIA D1シャウニーステイト大学(2017-21) GLテキサス・レジェンズ&メンフィス・ハッスル(2021-22) GLメンフィス・ハッスル&サンタクルーズ・ウォリアーズ(2022-23) |
| カイル・マンゴス(Kyle Mangas) NAIA D2インディアナ・ウェズリアン大学(2017-21) GLインディアナ・マッドアンツ(2023-) |
| マイルズ・バーンズ(Miles Burns) NAIA D1ロヨラ大学(ニューオーリンズ)(2018-22) NCAA D1ミシシッピ大学(2022-23) GLラプターズ905(2023-) |
| ライリー・ミニックス NAIAサウスイースタン大学(2019-23) NCAA D1モアヘッドステイト大学(2023-24) NBAサンアントニオ・スパーズ2ウェイ契約(2024-25) |
一方、中小規模校のNCAA D1加盟増加以降、NAIA to NBAは絶滅危惧種級にレアとなってしまった。そんな中、近年、NAIA校出身のNBA選手誕生の兆しが現れている。EJ・オヌーは2020-21にシャウニーステイト大学をNAIA優勝に導き、自身は2年連続のNAIAのオールアメリカンに選出され、2021-22にGリーグでプレーした。カイル・マンゴスは2023-24にGリーグでプレーする。そして、2024-25、ライリー・ミニックスがNBAデビューを果たした。
日本人/日系人選手
| NAIA経験者 |
|---|
| 大橋大空選手 NAIAフロリダ・ナショナル大学(2019-21) NCAA D2ブルーフィールドステイト大学(2021-23) |
| 田中力選手 べセル大学(2022-23途中) |
| ウォレス・アングウィルク(Wallece Ungwiluk)* ムルトノマ大学(2018-23) |
| キショーン・マクニール選手(Keshawn McNeill) NCAA D1セントフランシス大学(ペンシルベニア)(2022-24) -レッドシャツ(2022-23) NAIAセントフランシス大学(インディアナ)(2024-) |
今までに何人もの日本人プレーヤーがNAIAでプレーしている。おそらく現役プレーヤーもいるはずだ。
NJCAA: 最大の短大体育協会
基本情報
- 名称: National Junior College Athletic Association
- 所属校: JUCO
- 所属校数: 約500校
- ディビジョン: 3部制
- 本部: ノースカロライナ州シャーロット
- HP: http://www.njcaa.org/landing/index
NJCAAは米国内の短期大学のスポーツを三部制で統括している。一部の州はNJCAA管轄外となっている。例えば、カリフォルニア州の短大は独自にCCCAA(California Community College Athletic Association)を組織している。ハワイ州、アラスカ州、メイン州、バーモント州、ニューハンプシャー州の短大は独自の大学体育協会やスケジュールを組んでいる。
ディビジョン-ディストリクト-リージョン-カンファレンス
ディビジョン
NJCAAは大学体育協会の判断で所属校をディビジョンⅠ、ディビジョンⅡ、ディビジョンⅢに分類している。
リージョン

NJCAAはカンファレンス制の代わりに地理的区分のリージョン制を採用している。加盟校はキャンパスの立地で計24区分のいずれかのリージョンに強制的に振り分けられる。例えば、アリゾナ州の短大はいずれのディビジョンでもリージョン1の所属になる。また、一部のリージョンはディビジョン1を持っていない。例えば、リージョン3はD2とD3だけだ。つまり、ディビジョンも地理的理由で勝手に決められてしまう。

一応、カンファレンスもNJCAAのシーズン構造改革前の名残で形骸的に存在する。
ディストリクト
- 独自ディストリクト
13リージョン - 合同ディストリクト
リージョン10、19、20→アトランティック・ディストリクト
リージョン4&16→ミッドウェスト・ディストリクト
リージョン11&13→ノースセントラル・ディストリクト - ディストリクト無し(=D1無し)
リージョン3、12、15、21
さらに、NJCAAは「ディストリクト」区分を設けている。NJCAA D1男子バスケットボールは「大規模リージョン→単独ディストリクト」「中規模リージョン→合同ディストリクト」「小規模/例外的リージョン→ディストリクト無し」の計16区分となっている。一方、NJCAA D2男子バスケットボールは「リージョン12のA、B、Cの3分割分」や「リージョン16と24の『16Aと24A』『16Bと24B』の混合」で計15区分となっている。
スケジュール
- プレシーズン
- レギュラーシーズン(11~2月)
ノンカンファレンスシーズン(11~12月): 自由スケジュール
カンファレンスシーズン(1~2月): リージョンのリーグ戦 - ポストシーズン(2~3月)
リージョナルトーナメント
ディストリクトトーナメント
NJCAAトーナメント
NJCAAのシーズンは典型だ。レギュラーシーズンはノンカンファレンス期とカンファレンス期からなっている。ポストシーズンはリージョントーナメントとディストリクトトーナメントからスタートする。そして、NJCAAのチャンピオンシップ大会がNJCAAトーナメントだ。ディストリクト王者16校と大会組織委員会推薦8校の計24校がNJCAA校王者を争う。出場校は1~24位のシード順位に振り分けられる。上位1~8位は1回戦を免除される。1回戦は「9位 vs 24位、8位 vs 23位…」の組み合わせとなる。
最大の特徴: リクルートの場
短大の競技レベル
Excellent start to the day with several high-level games early on at the All-American JUCO Showcase Invitational in Atlanta. Over 200 college coaches have already been in the building today. pic.twitter.com/RV1O3Ozheu
— JUCO Showcase (@JUCOShowcase) July 10, 2021
短大の競技レベルはNCAA D1-2級だ。多くの選手は競技力不足以外の理由で短大に通っている。毎年100~200名の短大生がNCAA D1校に編入し、逆に相当数のNCAA D1生が色々な事情でJUCOにやってくる。しかも、将来のNBA選手も紛れている。JUCO to NBAもあり得る。2020年、ジェイ・スクラブがジョン・エー・ローガン短大から直接NBAドラフト指名を受けた。そのため、短大はリクルートの場として機能している。現に短大生のリクルートランキングが存在する。また、短大生選抜キャンプがカレッジコーチの前で行われている。しかも、多くのカレッジコーチ達は「カレッジバスケットボールの強さ=部員の年齢」と定説から高校生よりも短大生を好んでリクルートしている。20歳前後の1歳差の成長度合いは大きい。17~18歳は「心身の未熟さ」「バスケットボールの理解度」「大学生活の順応性」等の懸念事項を抱えている。一方、20歳前後は数年間のカレッジアスリート生活の経験と心身の成熟度で即戦力の可能性を秘めている。実際、短大編入生軍団の成功例は1960年代のジェリー・ターケニアンのロングビーチステイト大学にまでさかのぼる。
NCAA D1級選手の短大入学理由
学業不振
最大の理由が学力不足だ。NCAA D1~3は一定の学力基準を選手資格の条件に盛り込んでいる。一方、短大の学力基準は実質的に存在しない。一部はNCAA D1校進の内定を得ながら学力向上のために短大に通っている。留学生の場合、そもそも学力判定自体が「自国の高校の成績表無し」「NCAA指定のテスト未受験」等で不能になる。そのため、相当数はNCAAの判定基準の学業成績獲得のために短大に進学している。
学費
次が学費だ。米国の大学費用は社会問題レベルに高額になっている。四年制大卒の平均的な学資ローン額は600万円だ。一方、概して短大の費用は少なくとも四年制大学よりは安い。そのため、多くの学生アスリートは少額の奨学金やウォークオンのオファーを蹴って自宅通学範囲の短大を選んでいる。
素行不良
そして、素行不良も多い。
プレータイム
プレータイムも理由の1つだ。NCAA D1とD2選手は原則的に在学5年間で4シーズンしかプレーできない。計1分の出場も1シーズン分の選手資格として扱われる。つまり、1シーズンは貴重だ。そのため、多くの選手がNCAA D1のローテ外よりも短大のスターターを選んでいる。
短大→四年制大学編入の難易度
NCAA D1男子バスケットボールのスポーツ奨学生は最大13名/チームで米国高校バスケ部員の1%程だ。加えて、近年、留学生が世界中から山ほどやってくる。しかも、2021年以降、競争率はNCAAのコロナ救済措置の追加エリジビリティで上昇している。2020年10月、NCAAは「2019‐20の新型コロナウィルス起因のシーズン中止+先行き不透明」の配慮から四年制大学&短大アスリートに「1シーズン/在学1年」の選手資格追加を発表した。2020年秋時点の大学生はNCAA D1&D2で「5シーズン/在学6年間」プレーできる。本来は「4シーズン/在学5年」だ。要するに、四年生は退部せずにもう1シーズンプレーできる。そして、裏を返せば、奨学金枠が空かずにニューカマーにまわってこない。つまり、奨学金枠が通常の4~5学年から5~6学年間で争われるようになったのだ。
NJCAA短大出身者
NBAプレーヤー
- ジョン・スタークス
- スティーブ・フランシス
- ラリー・ジョンソン
- ショーン・マリオン
- ジミー・バトラー
短大出身のNBAプレーヤーは星の数程存在する。多くは短大からNCAA D1校を経てNBA入りする。その中にはNBAでオールスターに選ばれた選手も数多く存在している。現役選手の代表格はジミー・バトラーだ。
日本人短大出身選手
- 谷口大智選手(アリゾナウェスタン大学)
- 早川ジミー選手(アリゾナウェスタン大学)
- 富永啓生選手(レンジャーカレッジ)
JUCOでプレーした日本人はぼちぼちいる。
その他の大学体育協会
- NCCAA: キリスト教系
- CCCAA: カリフォルニア州短大
- USCAA
- ACCA: キリスト教系
NCCAA(National Christian Collegiate Athletic Associtation)
NCCAAはキリスト教系大学向けの大学体育協会だ。また、現NCAA D1ガードナーウェブ大学は2000-01&2001-02に一時的にNCAA D2からNCCAAに移籍していた。
CCCAA(California Community College Athletic Association)
- オローニ短大: 田渡凌選手
- イーストロサンゼルス短大: 「ラスト・チャンス(バスケ編)」舞台
CCCAAはカリフォルニア州の短大の大学体育協会だ。実力はNJCAAと同程度である。

USCAA(United State Collegiate Athletic Association)
USCAAは75校程度の大学体育協会だ。四年制大学、コミュニティカレッジ、ジュニアカレッジが混在している。
補足情報
大学体育協会間の交流
- 別大学体育協会所属校同士の試合
- 大学体育協会の移籍
- 複数の大学協会加盟
ネブラスカ・ウェズリアン大学(~2016): NCAA D3&NAIA加盟
ニューヨークステイト大学デルハイ校(2016~17): NAIAとUSCAA - 合同のカンファレンス
NEIC
セントジョセフカレッジ(USCAA)
メイン大学フォートケント校(USCAA)
NYステイト大学デルハイ校(NAIA&USCAA)
ビラマリア大学(USCAA)
フィッシャー大学(NAIA)
大学体育協会同士の仲は良好だ。NCAA校 vs NAIA校の試合も行われる。2021年にはスモール・カレッジ・バスケットボール・チャンピオンズ・クラシック(NCAA D2、NCAA D3、NAIAから4校ずつ招待)も開催された。その他に「大学体育協会の移籍」「複数の大学体育協会所属」「合同カンファレンス」の事例も存在する。
大学体育協会無所属
一部の大学は運動部を持っていない。例えば、故スティーブ・ジョブスのリードカレッジ(Reed College)の場合、バスケ部はどこの大学体育協会にも所属しておらず、在学生全員が練習に気軽に参加でき、試合の対戦相手は近所の大学や社会人チームとなっている。
NCAA解体論
- NCAA DivisionⅠ
Football Bowl Subdivision(FBS)
→Power 4(ACC/B1G/BIG12/Pac-12/SEC)
→Group of Five
Football Championship Subdivision(FCS) - NCAA DivisionⅡ
- NCAA DivisionⅢ
近年、NCAA D1フットボールの独立論が高まっている。2020年12月、ザ・ナイト・コミッションは会長マーク・エマート(Mark Emmert)にFBS or パワーカンファレンス独立案を直談判している。理由は全競技の一元管理の限界だ。現在、NCAA競技は教育法に基づいて平等に管理されている。一方、カレッジスポーツの収支は黒字競技のフットボール8割と男子バスケ2割の利益で残りの競技の損失を補填している。一応、野球はトントンだ。女子バスケと女子バレーは黒字競技のポテンシャルを秘めている。つまり、巨大な競技間格差が共通のレギュレーションを「帯に短し襷に長し」にしてしまっている。そして、最早、1300校加盟の巨大組織の存在自体がグレーな存在となっている。近年、NCAAはアンチトラスト法で司法省に目を付けられ、実際に別の組織の実質的No.1決定戦「カレッジ・フットボール・プレイオフ(CFP)」開催を許可し、2010年代からカンファレンスへの管理権委譲等の中央集権化脱却に積極的に動いている。
まとめ
- NCAA: 全米最大の四年制大学体育協会
- NAIA: 第二の四年制大学体育協会
- NJCAA: 全米短大体育協会
大学体育協会は大学スポーツの運営組織だ。大学体育協会の加盟やディビジョンの所属は大学の意向(運動部の予算)で決まる。そして、大学体育協会はアメリカ国内に複数存在する。
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2025年10月、フォックススポーツとダゾーン(DAZN)は米国外でのアメリカンフットボールと男女バスケのサブリース契約を結んだ。2025-26、大半の試合は一定期間内に無料配信を予定されている。

アパレルはNBAグッズに限らず基本的に初回生産のみだ。アパレル業界は商品の売れ残りを恐れている。そのため、新商品は初回生産(少)&追加生産(無)のリスク回避全振りで作られる。しかも、工場の製造ラインは常に予約で埋まっている。そのため、急な確保が難しい。その結果、人気品すらも滅多に追加生産されない。つまり、河村勇輝選手のグッズはほぼほぼ現品限りだ。
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- NBA軸
- NCAA軸
- サ終
【近日公開】B1G+
【近日公開】Fox ONE
【近日公開】Peacock
参考
基本情報
Who Wins With College Sports?(econofact.org)
Wetzel: How the spoils of NCAA settlement will be divided(espn.com)
Fast Facts: Educational institutions(nces.edu.org)
Fast Facts: Back to school statistics(nces.edu.org)
Men’s Basketball(reed.edu)
NCAA MEMBER SCHOOLS(ncaa.org)
第2回奨学生の近況報告(slumdunk-sc.shueisha.co.jp)
NAIA
NAIA to Combine Basketball Divisions(naia.org)
NAIA Players in the Pros – NBA(naia.org)
Successful plan sends Sikma to Hall(d3hoops.com)
For ’73 Team, a Reunion 50 Years in the Making(guilford.edu)
Two-time NAIA All-American EJ Onu to explore transfer market(espn.com)
Wallace Ungwiluk(gomulions.com)
小規模
2012-2013 Gardner-Webb Men’s Basketball Digital Guide(issuu.com)
補足
Small College Basketball Announces the Creation of the SCB Champions Classic, Hosted by Northern State(nsuwolves.com)
NWU gives up NAIA status, will join IIAC(d3sports.com)
Unique Dual-Association Athletics Conference Established(naia.org)
Knight Commission endorses FBS split from NCAA(espn.com)
Why we may be reaching a tipping point for the Power Five to break away from the FBS(cbssports.com)
Eito Yuminami(sports-reference.com)
NCAA’s Mark Emmert says ‘this is the right time’ to consider decentralized, deregulated college sports(espn.com)
With the NCAA’s authority quickly eroding, significant change is ahead for major college sports(cbssports.com)

