【NCAA】カレッジバスケ解説: NIL（Name-Image-Likeness）稼業

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概要
基本情報
NCAAのビジネスモデル
NIL解禁の流れ
NIL解禁後
NILエリアの無法地帯化
NILルール整備の難航: 統一ルール無し
脆弱な統一ルールとリベニューシェアリング解禁（2025-）
- ハウス調停の内容
リベニューシェアリング時代開幕（2025年7月～）
マイナー問題
関連記事
参考
パトロン特典
- チアリーディング≠スポーツの恩恵
- キャビンダー双子

概要

NIL: インフルエンサー稼業
知名度/評判（Name）
イメージ（Image）
肖像（Likeness）
背景: NCAAの利益独占への批判
争点: どこまで解禁するべきか？
NCAA→Pay for Play禁止
学生側→全面解禁&保障の法案成立
現在: NIL解禁

2021年7月、学生アスリート達は自身のNILを活用してのマネタイズが可能になった。要するに、選手達は「企業のプロモーション」「私物販売」「イベント開催」「創作活動の対価」等で金を稼げるようになった。一方、「学生アスリート達の競技力への対価（Pay for Play）」は引き続き禁止だ。そんな中、NCAAは「新規のNILルール作成→学生の経済活動の阻害内容→アンチトラスト法抵触の可能性」からルールを整備しきれていない。約2年間、NILはインターリムポリシー（暫定方針）で運営されている。

基本情報

学生アスリート自身の
知名度（Name）
イメージ（Image）
肖像/印象（Likeness）
を活用したマネタイズ

主な解禁項目

エンドーサー契約: 商品やサービスのプロモーション活動
創作活動: 動画/ブログ/ポッドキャスト等の収益
オウンブランド
ファンサービス: イベント開催/サインや写真販売

2021年7月1日以降、学生アスリート達は所謂”インフルエンサー稼業”で収入を得られる。大学入学以前の活動も可能だ。NIL関連の代理人やマネジメント業者との契約も解禁されている。

@b_o_bros

一応、エージェント契約はあくまでもNIL活動のサポートに制限されている。スポーツ代理人との契約はアマチュアリズム規定に抵触する。一方、非常に多くのNIL代理人はスポーツエージェントだ。そのため、実質的にスポーツ代理人との契約は解禁されてしまっている。

競技パフォーマスへの支払い&大学からの支払いは引き続き禁止

ペイ・フォー・プレイ

競技力/パフォーマスの対価

パフォーマンスボーナス
大会賞金

最大の禁止事項は学生アスリート達の競技パフォーマスの対価（Pay for Play）だ。例えば、競技力や成果に対してのインセンティブやNIL契約のリクルート材料化は禁止されている。

@b_o_bros

五輪のボーナスの受給は「米国市民: 2001年以降」「留学生: 2015年以降」例外的に許されている。

大学から選手への支払い（2025年解禁見込み）

大学の選手への支払い

放映権やチケット代やグッズの売上の分配

また、大学から学生アスリートへの支払いも禁止されている。NILはあくまでも学生アスリートの競技やスポーツと無関係の活動の位置付けだからだ。そのため、大学の学生のNILの関与は強く制限されている。

@b_o_bros

NILグッズの大学のロゴの使用も大学スポーツと学生の関連付けとして禁止されている。

どれだけ稼げるのか？

On3 NIL Valuations

A ranking of top athletes based on NIL Valuation. These rankings are based on the potential influence they have as an in...

NIL解禁前の収入の予想

花形競技のスター選手: $500,000～$2M
名門校の選手: $75,000～100,000
NCAA D1ミッドメジャー校以下の選手: $15,000～20,000

NIL解禁以降、最高収入は$500万/年と見積もられている。そして、NIL解禁直後の予想は的を得ている。SNSのフォロワー単価は80セント程度とされている。一方、実際は不明だ。一部の学生は明らかに市場価値以上の生活を送っている。NCAAや大学法務部も高級車や旅行費の正確な出所を把握していない。十中八九はパトロンだ。具体的な名前は結構な割合で明かされていない。

NCAAのビジネスモデル

NCAAの利益の独占

独占

NCAAのビジネスモデルは利益の独占と搾取だ。$190億の一大産業のNCAAスポーツの収益はNCAAとカンファレンスと加盟校に分配されている。パワーカンファレンス校は煌びやかなフットボール部や男子バスケ部でTV放映権料やホームゲームの興行収益で懐を肥やし、州政府の補助金や地元民と卒業生の寄付を受け取り、学校運営を回している。

搾取

学生アスリート達は収益を一切受取っていない。学生への金銭援助限度額はNCAA規則で学生生活の必要費までとなっているからだ。しかも、些細な支払いも取締りの対象だった。そのため、学校関係者は気軽に学生アスリートに昼食や文房具すら提供できなかった。フルスカラシップの学生も家財道具、携帯料金、帰省の移動費等で自腹を切っていた。生活は貧困ラインだった。スター選手すらも時に空腹を我慢していた。

非課税

NCAAやアスレティックカンファレンスは非営利法人のため課税の対象外となっている。

NCAAの理屈: アマチュアリズム

NCAAの理屈（アマチュアリズム）

学生生活全般の重視
↓
スポーツ偏重→学生生活全体のバランス崩壊
↓
金銭: スポーツ偏重助長の可能性大
↓
金銭授受制限=妥当

学生アスリート達は収益を一切受取っていない。約100年間、NCAAと加盟校は「学生への金銭援助限度額＝学生生活の必要費」で合意していた。通称アマチュアリズムは「最大の重要事項は学生の生活全般→スポーツ＝学生生活を豊かにするための手段→スポーツ偏重＝生活全般の豊かさの喪失→多額の金銭授受→スポーツ偏重の原因→禁止」と妥当性を謳っている。

NCAAの体制の穴

NCAAへの批判

利益独占
ルールの崩壊（形骸化/一貫性の欠如）
一般学生のペイフォ―プレイ可
ゴルフとテニスの賞金獲得可
有名大学の不正黙認/制裁の不公平

カルテル: 学生への支援金額の均一化

NCAAと加盟校の金銭援助限度額の合意はカルテルに近い。競合同士の取り決めは資本主義のご法度だ。例えば、携帯通信会社A社とB社とC社が「$100/月」の統一料金で合意する。以降、三社は企業努力をせずに一定の利益を享受できる。一方、当然、料金値下げやサービス改善は不利益を被る。そして、企業間の競争の鈍化は国の経済発展を停滞させる。つまり、NCAA加盟校同士は学生アスリートへのサービス

経済活動の阻害

2010年前半時、一部の調査によれば、平均的な市場価値は「米大学アメフト部員: $120,000」「米大学バスケ部員: $265,000」と見積もられている。一方、奨学金は$23,000だ。

ルールの矛盾と不公平

ルールは矛盾と不公平で溢れている。まず、一般の学生はペイフォ―プレイを許されている。2020年2月、一般学生がノーザンアイオワ大学の試合中のシューティングコンテストで見事賞金$1万等を獲得した。つまり、運動部無所属の学生は自身の競技力で金銭を獲得できる。また、ゴルフとテニス選手は例外的に賞金の獲得を認められていた。

NCAAの黙認

NCAAは最早公然の秘密の有名大学のリクルート不正を黙認していた。

NIL解禁の流れ

NILの解禁決定（仮）
↓
各州: 「選手のマネタイズ保障」法案の作成
↓
一部の州法: NCAAの想定以上の行為の保障
↓
NCAA: NIL連邦法制定の圧力
↓
コロナ&政権交代
→事態一転
↓
NCAAの大学&学生の経済活動制限規則
→アンチトラスト法抵触の危険性
↓
NCAA:

発端: NIL関連裁判2件+労働組合設立運動（2009年）

ケラー裁判

オバノン裁判

主張
アンチトラスト法違反: カレッジアスリートの支払い一斉禁止
アンチトラスト法違反: カレッジアスリートのNIL稼業禁止
アンチトラスト法違反: 奨学金限度額の一律化
パブリシティ権侵害: カレッジアスリートの肖像の無断商業利用
結果
賠償金$4,000万
スポーツ奨学金の定義の拡大

2009年7月、元UCLAエド・オバノンはNCAA+カリジエイト・ライセンシング・カンパニー+EA社を「NCAA発行物のカレッジアスリートの肖像無断商業利用→パブリシティ権侵害」と「NCAAのNIL稼業禁止規則→アンチトラスト法違反」で訴え、最終的に元カレッジアスリート20名の集団訴訟として司法の判断を仰いだ。その後、2014年5月、肖像の商業利用は計$4000万の支払いで和解した。現役&元バスケ&アメフト選手10万名は2003年以降発売のシリーズ登場分の最大$4,000を受け取る。また、NCAAのカレッジアスリートのNIL”無報酬利用”は2014年8月の第一審の地方裁判所と2015年9月の第二審の第9巡回区控訴裁判所の双方でアンチトラスト法違反と判断された。そして、2016年10月、同件は最高裁判所の双方の上告の棄却をもって終了した。つまり、司法がNIL権利の学生アスリートの所有を認めた。

@b_o_bros

アンチトラスト法は巨大企業の天敵だ。マイクロソフトやFacebookもアンチトラスト法で司法省（doj）とバチバチにやりあっている。そして、NCAAも1984年にオクラホマ大学に「全試合の放映権掌握→アンチトラスト法違反」と訴えられて、TV放映権をカンファレンスや大学に引き渡し、大損害を被っている。

追撃: 抵抗運動の活発化（2010年代前半）

抵抗運動

労働組合設立運動
カレッジアスリートの待遇改善
オルストン裁判（2014年3月）
NCAAとパワーカンファレンス間の提供奨学支援金制限の取り決め撤廃
フルスカラシップ奨学生の自費負担分の賠償
ジェンキンス裁判
カレッジアスリートの学業援助金以上の金銭授受禁止の撤廃

労働組合設立運動（2013年）

オルストン裁判（2014年）

2014年3月5日、ヘイゲンス・バーマン法律事務所（Hagens Berman Sobol Shapiro LLP）は元ウェストバージニア大学フットボール部員ショーン・オルストン案件と複数の類似案件を統合し、「NCAAとパワーカンファレンスの学生への奨学金限度額の取り決めの撤廃」と「NCAA規定の奨学金と実際の学生アスリートの総生活費の赤字分の賠償」を求め、カリフォルニア州北部地区地方裁判所で集団訴訟を起こした。その後、2017年11月、フルスカラシップ奨学生の自費負担分は計$2億800万の賠償で決着となった。2010年3月～2017年3月のNCAA D1アメフトor男女バスケ部在籍者4～5万名程度が対象者となる。希望者は集団訴訟メンバーとなって賠償を受けられる。4年以上在籍の場合、賠償金は平均$7,000弱と見積もられている。

ジェンキンス裁判（2014）

2014年3月17日、現役クレムソン大学フットボール部員マーティン・ジェンキンスら4名は「NCAAとパワーカンファレンスの学生への金銭授受制限の合意=カルテル＝アンチトラスト法違反」と訴え、大学運動部の収益の学生アスリートへの還元を求め、現役NCAA D1FBSフットボール部員とNCAAA D1バスケットボール部員全員の代表としてニュージャージー地区連邦地方裁判所に集団訴訟の訴状を提出した。

一応の成果: NCAAの構造改革と待遇改善

NCAAの権力分散（2010年代）

NCAAの構造改革

カンファレンスへの権利移譲
フットボールプレイオフ開催（2014）
特定ジャンルのルール作成（2014）
NCAA D1委員会の構造変更（2014）
パワーカンファレンス票の重視
現役カレッジアスリート投票者

2010年代、NCAAはアンチトラスト法対策で脱中央集権に取り掛かった。2012年、最大の収益源のフットボールの決勝大会がNCAAの手元から離れた。2014年以降、カレッジ・フットボール・プレイオフがNCAA D1のカンファレンスによって開催されている。そして、2015-16以降、特定のジャンルのルールの変更がパワーカンファレンスによって行われている。

待遇改善

複数年の奨学金提示（2012）
食事提供: 3回/日→無制限（2014）
怪我や病気起因の競技力低下時の損害保険加入（2014）
スポーツ奨学金の保証（2015）*
数千ドルの余剰金援助可（2015）*
選手のケアの充実（2015）*

また、一応、抵抗運動はカレッジアスリートの待遇改善に繋がった。2010年代、NCAAは、カレッジアスリートからの反発や世間からの批判を収束すべく、度々カレッジアスリートの待遇改善を行っている。また、2015年、パワーカンファレンスオンリーの投票の末、学校生活費用の計算方法が見直され、$500～2,000/月程度の余剰金の支給が可能になった。

【初】NILマネタイズの特別認可（2018年4月）

〇	×
番組出演ダンスの賞金受取大学の番組出演の発表	番組の宣伝活動への参加大学の番組出演の宣伝

2018年4月、NCAAはノートルダム大学女子バスケ部員アリケ・オグンボウォーレのTV番組「ダンス・ウィズ・ザ・スターズ（Dance with the Stars）」出演とダンスの賞金の受取を許可した。

NIL解禁の追い風

オルストン裁判第一審（2019年3月）

オルストン裁判とジェンキンス裁判はカリフォルニア州北部地区地方裁判所に1件に統合された。2019年3月、クラウディア・ウィルキン（Claudia Wilken）判事は原告側の主張「学業サポートの一律化＝大学間の競争阻害＝アンチトラスト法違反」を認め、NCAAの加盟校のカレッジアスリートへの教育関連の援助の制限をアンチトラスト法違反と評決し、NCAAに教育関連の金銭的支援や学業報酬の提供権限の加盟校への委任を命じた。例えば、PCや楽器が教育関連の援助として提供可能になった。

“見切り発車的”州法成立（2019年）

一方、いくつかの州はNCAAに先んじてNIL保障の州法を成立させてしまった。例えば、カリフォルニア州はレブロン・ジェームスや超敏腕スポーツ代理人リッチ・ポール等の後押しを受け、2019年9月27日にペイ・トゥ・プレイ法を承認し、2023年1月から学生アスリート達のNIL稼業の保障を予定してしまった。そのため、2019年12月、NCAAは州法統一の連邦法とアンチトラスト法違反訴訟防止の例外条項の制定を議会に求めた。専らプライオリティはPay for Playの禁止だ。

NIL容認発言（2020年4月）

2020年4月、NCAA理事会は「NIL稼業はプロとアマチュアの明確な線引きの下で行われるべき」と発言した。最早、立場はNIL解禁反対から容認に追いやられた。以降、NCAAは極力強力な制限のルール策定に舵を切った。

オルストン裁判第二審（2020年5月）

2020年5月、第9巡回区控訴裁判所は第一審のクラウディア・ウィルキン（Claudia Wilken）判事の判決を支持した。その後、最高裁判所はNCAAの不服申し立てを受理した。

ハウス裁判（2020年6月）

2020年6月、ハウス訴訟が始まった。

NAIAのNIL解禁（2020年10月）

別の大学体育協会NAIAは2020年10月に一足早く学生アスリート達のNILを解禁した。例えば、クロエ・ミッチェルは、260万人のフォロワーの人気TikTokerの立場も活用し、自身のNILプラットフォーム”PLAYBOOKED”でゴルフメーカーと提携し、「父親へのプレゼント向けパター」を宣伝している。

コロナ直撃+政権交代（2020年末）

NCAAのPay for Play禁止連邦法制定計画は新型コロナウィルスの流行によって後回しとなった。そんな中、政権が親NCAAの共和党から反NCAAの民主党へと移った。つまり、NCAA都合の法案は通りにくくなった。むしろ、2020年12月、正反対の法案がコーリー・ブッカー（ニュージャージ州/民主党）らによって議会に提出されてしまった。同法案「カレッジ・アスリート・ビル・オブ・ライツ」は「NIL」「大学運動局の組織改革」「奨学金の延長」「スポーツ関係の医療費の保証」等を盛り込んでいる。その後、複数のNIL関連法案が提出されている。

司法省からの警告（2021年1月）

2021年1月11日、NCAA委員会はアメリカ司法省から「新ルールは学生アスリートの行為の制限は自由競争の阻害の可能性からアンチトラスト法違反になる」と警告を受けてNILルールの投票を延期させた。

#NotNCAAProperty運動（2021年3月）

It’s time we student-athletes deserve the chance to create our own money from name, image, and likeness. We are calling for:👇🏽👇🏽#NotNCAAProperty pic.twitter.com/ZIixWgVqMH
— Isaiah (@isaiah__02) March 18, 2021

2021年3月、一部の選手達が「#NotNCAAProperty（俺達はNCAAの奴隷じゃねえ）」のハッシュタグで抗議活動を行った。そして、NCAAトーナメントはNIL解禁不確定のまま始まった。ミシガン大学のアイザイア・リバースは、幸か不幸か、怪我起因の欠場によって「#NotNCAAProperty」Tシャツの着用を続けられ、何度も主張をTVに映し出した。

@b_o_bros

米国史上、奴隷は奴隷主の所有物（プロパティ）として登記されていた。彼らの主張の「主人のためにただ働きする人間」という意味を汲み取る限りは奴隷が適訳だろう。

オルストン裁判最高裁敗訴（2021年6月）

NCAAの法律関連費用

訴訟費用
弁護士費用
相談料
ロビー活動費

2021年6月、連邦最高裁判所は全会一致で下級審の判決を支持した。以降、NCAA加盟校は独自の判断で学生アスリートに教育関連の金銭的支援や報酬を提供できる。そして、NCAAのアマチュアリズムのアンチトラスト法抵触の可能性が明示された。新たな制限は新たな訴訟を生むだけである。訴訟は膨大な手間と金と時間を奪う。2015～2020年会計年度（会計年度9/1～8/31）の法律関連費用は$2億5,210万以上（$6,910万保険適用）と発表されている。つまり、NCAAはしばらくは大人しくしていなければならなくなった。NIL解禁が確実となった。

ハウス裁判の続行（2021年6月）

2021年6月、NCAAはハウス裁判の訴訟の取り下げ請求をクラウディア・ウィルキン判事に却下された。曰く、訴訟内容がオバノン裁判とオルストン裁判の判決と重複している。一方、実際はルールの緩和等でかなり違った。

NIL解禁直前（2021年5～6月）

NILルール作成頓挫

A draft of NCAA’s temporary NIL solution has been obtained by @SInow. Much of it is as we reported earlier – athletes can follow state law or school’s policy – but with several guidelines, primarily prohibiting any pay for play.

The NCAA is waiving Bylaw 12, basically. pic.twitter.com/CFZeU0ecOv
— Ross Dellenger (@RossDellenger) June 26, 2021

結局、当初の厳格なルールの策定は破棄された。先述の通り、NCAAのアマチュアリズムはアンチトラスト法に抵触している。些細な制限は訴訟の格好の標的だ。そのため、NCAAは既存のNCAA規則の競技力無関係のマネタイズ禁止項目の削除に終わっている。ペイ・フォー・プレイや大学からカレッジアスリートへの直接的な支払いは禁止項目に残っている。NIL関連事項はインターリムポリシーとガイドラインとしてNCAAの考えの案内に留まっている。

@b_o_bros

パワーカンファレンスもカレッジコーチ達も規制派だ。前者は単純にカレッジアスリートへの支出を極力減らしたい。後者は今まで以上の金満校有利な状況を望んでいない。

州法の差異

基本的な州法成立の流れ

法案作成
一定数の下院議員と上院議員の賛同
議会の可決
州知事の認可

NIL解禁確定以降、半数以上の州はNIL保障の州法に動き出していた。6州の州法は2021年7月1日に施行される。NIL保障法は学生アスリートへのマネタイズ妨害行為の盾として必要不可欠だ。例えば、NCAAはNILに積極的な大学運動部に対してチャンピオンシップ大会出場資格剝奪の脅迫を行えてしまう。そんな中、州法の差異が新たな課題として浮上してきた。しかも、いくつかの州は「競技力への支払い（Pay for Play）」「NCAAのNILルール自体の違法化」「大学と学生アスリートの協力」等のNCAAの許容範囲以上を保障してしまった。当然、NCAA規則は州法を超越できない。

ロビー活動

2021年6月、NCAA会長のマーク・エメットはNIL連邦法とアンチトラスト例外条項のための意見書を米国議会の公聴会で提出した。

NIL解禁

2021年7月、NILはルール不確定のまま解禁日を迎えた。一応、NCAAのガイドラインはNIL保障州法未施行州の大学の独自のNILポリシー作成に多少の影響を与えるかもしれない。一方、NIL保障州法施行州の大学は州法に従う。しかも、一部はNILポリシーやNCAA規則以上を保障している。そのため、マネタイズ方法は大学と選手個人の判断に委ねられた。

@b_o_bros

全米短期大学体育協会（NJCAA）も2021年7月1日付でNILを解禁した。NIL関連項目はガイドラインとしてNJCAA規則に記載されている。学校関係者やブースターからの金銭授受や学校からのリクルートやパフォーマンスの対価としての支払いは禁止されている。

NIL解禁後

NILの内枠

Where does NIL money ACTUALLY come from?

(📚NIL 101) pic.twitter.com/yxHOWAOeb0
— Blake Lawrence 🚪 (@Blake_Lawrence) June 5, 2024

コレクティブス活動（ファンサービス）

Top 10 NIL Collectives per @PeteNakos_💰https://t.co/ydXmWfsWSx pic.twitter.com/oBfZBS4wTE
— On3 (@On3sports) August 29, 2024

コレクティブス収益の割合

フットボール: 72.2%
男子バスケ: 21.1%
野球: 3.6%
女子バスケ: 2.3%
女子バレーボール: 0.8%

2024年、NIL収益はNIL解禁3年経過時点においてファンサービスに依存している。2021年のNIL解禁直後、全米各地の大規模大学のファンベースは自発的に地元の有力者、大学所縁の成功者、ファン、ビジネスオーナーで通称「コレクティブス（Collectives）」を結成し、寄付を募り、集金をサインやツーショット写真等の対価として選手に支払っている。NILプラットフォーム・オープンドーズ（Opendose）の報告書によれば、2023-24、コレクティブス収益はNIL収益全体の81.6%に及ぶ。そのため、2021～25年はコレクティブス時代と呼ばれている。

コレクティブス一覧

NIL Collectives Database | College Sports Directory

Search and explore active NIL collectives by school, sport, or state. NILNewsstand???s database tracks key organizations...

広告活動

North Carolina A&T golf's JR Smith has officially signed an NIL deal as a brand ambassador with Lululemon ⛳️

(h/t @NickDePaula) pic.twitter.com/01nrWrvM7F
— Front Office Sports (@FOS) April 18, 2022

広告活動は20%未満に留まっている。しかも、76.6%はフットボールだ。そんな中、女子バスケは、ケイトリン・クラーク、エンジェル・リース、ペイジ・ブッカーズ、キャメロン・ブリンク等の豊作世代の甲斐あってか、男子バスケを抜いて2位につけている。

@b_o_bros

ノースカロライナ・A&T・ステイト大学ゴルフ部のJR・スミスも2022年にルルレモンのアンバサダーに就任している。

創作活動

極々少数の選手は自らの動画、ポッドキャスト、音楽等の創作活動で収益を得ている。

応用系

優勝パレードのチケット収益
プレーの命名権競売

アイデアNILも誕生している。2022年、カンザス大学はNCAAトーナメント優勝記念イベントを開催した。競技イベントの収益の選手への分配は禁止されている。一方、食事会や質疑応答は選手のプレーやパフォーマスの見せ場ではない。そのため、チケット収益の70％が選手達に還元された。また、ノースカロライナステイト大学のコレクティブスはフットボールのプレーの命名権を競売に掛けた。実際、選手とコーチ達は試合や練習中にファンの名前のプレーをフィールドでコールした。

不遇な選手の待遇改善

女性アスリート

女子バスケ×大手ブランド契約

アリーシャ&ジゼル・トンプソン双子: 初のNIKE契約高校生
Kiki Rice（UCLA）: 初ジョーダンブランドNIL契約者
セドナ・プリンス（オレゴン大学）: 計$50万/契約数18（2021-22）
エンジェル・リース（LSU）: リーボックNIL契約者

NILは女性アスリートのゲームチェンジャーとなっている。プロアスリートの男女の給料は雲泥の差だ。一方、今日、インフルエンサー稼業は女性の活躍の場となっている。そんな中、一部の女性アスリートは自身のカリスマ性×運動競技の露出×フェミニズム的世論で$100万以上を稼ぎ始めた。大手スポーツブランドは軒並み女性アスリートにフォースしている。そして、オフコートの活躍は競技人気を向上させている。女子バスケはおそらく黒字競技になるだろう。そして、女子バレーも2023年頃から大化けの可能性を見せ始めている。

非花形競技選手

主な契約

オリビア・ダン（体操）: フォロワー数1位

非花形競技の選手もNILで金銭的な余裕を持てるようになった。学生アスリートの待遇はメジャー競技とマイナー競技で完全に平等ではない。NCAA D1のスポーツ奨学金受給者はカレッジアスリートの60%に満たない。しかも、フルスカラシップはフットボール、男女バスケ、野球、アイスホッケー等で占められている。つまり、大半はパーシャルスカラシップ～無支給だ。

ローメジャー校の選手: 突発的なNIL契約成立

NCAAトーナメントは突発的なNIL契約を生んでいる。2022年、セントピーターズ大学のダグ・エダートはドラマチックなエリート8進出中にバッファローウィング等の複数のNIL契約を結んだ。また、2024年、オークランド大学のジャック・ゴーキー（Jack Gohlke）はNCAAトーナメント1回戦でケンタッキー大学をアップセット直後に複数のNIL契約を結んだ。記念グッズは24時間以内にオンラインストアに並んでいる。そして、インディアナ大学のチアリーダーすらも偶然のアクシデントで一躍話題となってグッズ販売契約を結んだ。

ウォークオン（奨学金無し）

ウォークオンのNIL利益

ウォークオン専門案件
飲食店”Walk-On’s Sports Bistreaux”: ウォークオンとNIL契約（週替わり）
チーム単位契約
おこぼれ
ペイジ・ブッカーズ（StockX契約）: チームメイトにスニーカー配布
インフルエンサー活動
YouTuber等

ウォークオン選手も「ウォークオン専門案件」「チーム全体契約」「チームメイトのおこぼれ」「インフルエンサー活動」でNILの恩恵を受けている。

大学の変化

サポートプログラム

LEVERAGE（テキサス大学）
Apex（フロリダステイト大学）
The Advantage（アラバマ大学）

一部の大学はNILルール確定に先んじて学生アスリートのNILサポートプログラムを起ち上げ始めた。そんな中、2021年7月、NCAAのNIL暫定方針は大学のサポートの制限を記載していた。また、以降、度々のNCAA加盟校への通達文も常に大学のサポートに対して圧力をかけていた。一方、一部の州法は大学のサポートを保障していた。そのため、実際のサポート範囲は大学次第だった。その後、2024年8月、大学の学生のNILの手助けが解禁された。

NIL専門担当役職増設

NIL専門担当役職（役職名: GM等）

レイチェル・ベイカー（元ナイキ&NBA職員）
→デューク大学（2022年5月～）
エイドリアン・ウォジナスキー（ESPNインサイダー）
→母校セントボナベンチャー大学（2024年～）
ジム・ターナー（ベテラン代理人）
→ノースカロライナ大学（2025年2月～）
シャキール・オニール
→息子の編入先サクラメントステイト大学（2025年4月～）
パティ・ミルズ
→ハワイ大学（2025年6月～）

バスケットボール部専門NIL担当役職もぽつぽつと増設されている。役職名は定まっていない。一部の州法は大学のNIL専門職員の雇用を制限or禁止している。そのため、NIL業務は別業務担当の兼任or隠語的肩書の担当になっている。一応、デューク大学の元ナイキ&NBAのレイチェル・ベイカーGM就任以降、最もメジャーな呼称はジェネラルマネージャーとなっている。2024年以降、仕事の範囲は資金調達やリクルートに拡大している。

偉大な出身者の母校への資金提供

NBA選手の援助

2025年2月
ジェームス・ハーデン（アリゾナステイト大学）: $1万弱寄付
2025年3月
ステフィン・カリー（デビッドソン大学）: $1M以上の寄付+GM補佐
トレイ・ヤング（オクラホマ大学）: $1M寄付+GM補佐

偉大な出身者が母校のサポートを始めている。先述の通り、NIL資金力の差が露骨に成績に影響を及ぼし始めた。そして、2025年、リベニューシェアリングも始まる。ステフィン・カリーとトレイ・ヤングは自ら資金援助も行いながらアシスタントGMとしてリクルートや資金調達を手助けも行う。

NIL関連サービスの誕生

NILエージェント

スポーツ代理人会社やタレント事務所はNILエージェント業を始めた。一応、NIL代理人とアマチュアアスリートはNIL契約以外の話を禁じられている。

NILコンサルタント（大学向け）

大学向けのNILサービスも誕生している。将来未知数のNILの取扱いは難しい。そのため、多くの大学運動部はNIL業務を外部に委託している。特に人気のサービスが大学とNIL供給源の仲介だ。NCAAは大学と学生とNIL提供源の直接的な接触に睨みを利かせている。また、先述の通り、一部の州法は大学のNIL専門職の雇用を禁じている。そのため、NILコンサルタントが大学と選手とNIL提供源の間を取り持ってNCAA規則の網目を掻い潜っている。

NILプラットフォーム

プラットフォーム

NCAA NIL Assist
Opendose
NBC Sports Athlete Direct
アシスタントプログラム
NCAA×NFL

プラットフォームは企業や団体と学生アスリートを繋いでいる。学生アスリートはプロフィールアカウントを作成してNIL案件に応募できる。2021年6月、OpendoseとTwitterは学生アスリート向けに投稿動画の広告の収益分配サービスを起ち上げた。2022年、アディダスはNCAA D1のスポンサード校の学生アスリート対象に応募参加型案件を開始している。2024年8月、NCAA公式サービスも遅ればせながら始まった。

カレッジスポーツゲームの復活

EA社はNIL解禁に伴ってカレッジスポーツゲームのシリーズ再開を発表した。ケラー裁判とオバノン裁判以降、最新シリーズは「NCAAバスケットボール10（2009年発売）」と「NCAAフットボール14（2013年発売）」で止まっていた。現在、同社はカレッジフットボールシリーズ販売に向けて交渉を重ねている。各大学は強さによって$1～10万の支払いを受けられるようだ。

NILエリアの無法地帯化

NILの形骸化

NILの契約金化（リクルートへの影響）

NILのリクルートへの影響

ブースター/第三者団体の暗躍
NIL契約の交渉材料利用

NILは実質的なサラリーと化している。強豪大学のブースターやコレクティブスはNILを餌にリクルートをサポートしている。2021～25年、NCAA規則はコーチのリクルート時のNIL活用と第三者のリクルート関与を禁じていた。一方、後者はNIL解禁後に実質的に効力を失った。全てのコンタクトはNIL商談を称せるからだ。例えば、2022年、億万長者ジョン・ルイス（John Ruiz）はNo.1編入生のナイジェル・パック（Nijel Pack）を自身の二社の$80万/2年のNIL契約で贔屓のマイアミ大学（フロリダ）に編入させてしまった。また、2022年、アイザイア・ウォング（Isaiah Wong）は自身のNIL契約金額の上昇次第での転校の有無を公言した。2023年、ハンター・ディキンソンはミシガン大学転校の理由にNIL金額の不満を挙げている。つまり、学生アスリート達は特定の大学のブースター達にNIL契約を提示されて進路決定を行っている。

@b_o_bros

NBAドラフト1巡目下位指名級の選手がNILとルーキー契約を天秤にかけてカレッジキャリアを選んでいる。大学トップレベルのNIL契約金は$3M程度で大抵の2巡目指名選手より高額だからだ。一部の州はカレッジアスリート対象の税制優遇制度も設けている。

NILの賞金化

2024年、NIL契約の優勝賞と参加賞付きのトーナメントが開催された。プレイヤーエラ（Palyer Era）は「$1万分のNIL契約: 優勝校の選手全員」と「$1万分のNIL契約: 全参加8校の選手全員」を謳っている。学生アスリート達の競技パフォーマスの対価（Pay for Play）は禁止されている。例えば、競技力や成果に対してのインセンティブやNIL契約のリクルート材料化はアウトだ。一方、先述の通り、金品の授受はNILを称せる。その結果、NILは賞金化してしまった。

NILの不透明性

誰もNILの実際を知らない。NIL契約は報告や公開不要だ。そして、先述の通り、NIL契約は実質的なサラリーや契約金として運用されている。一方、名目上はNIL契約でなければならない。その結果、$1万がプライベート短尺動画やサインの代金として支払われている。見返り無しのNIL契約も存在する。

NIL格差の拡大

2025年の男子バスケ部のNIL資金（推定）

金満校: $5M～10M
ハイメジャー下位校: $3.5M
ミッドメジャー上位校: $1～2M
ミッドメジャー校: $1M未満
ローメジャー校: 無し

2024年、NIL資金の差が浮き彫りになった。コレクティブスが急成長を遂げているためだ。例えば、サンディエゴステイト大学のMESAファンデーションの資金は2022年に$35万、翌2023年に$70万、2024年に$140万と倍増している。そして、金満校のコーチ達は$10万弱程度のNIL資金をコレクティブスや億万長者パトロン等からリクルートへの約束を許されている。一方、大半の普通のミッドメジャー校はファンベースを持っていない。そのため、差はどんどん拡大している。

就労者ステータス問題

就労ステータスの係争

NCAAと就労者ステータスの係争

ジョンソン裁判（2019年11月～）
全米労働関係委員会（2023年5月）
ダートマス大学バスケ部裁判（2023年9月～）

最大の争点がカレッジアスリートのステータスだ。現在、類似3件の訴訟が現役や元カレッジアスリート達から起こされている。目標は最低賃金の支給、労災保険、労働組合の組織等の獲得だ。全米労働関係法（NLRA）の定義上、大学と運動部所属学生の関係は雇用者と被雇用者の関係になり得る。例えば、典型的な学生アスリートは週数十時間の練習や試合や移動を強要される。また、専攻や履修科目も運動部活動への優先から制限される。NCAAは予てよりカレッジアスリートの就業者扱いを恐れていた。現に学生アスリート（Student-Athlete）は”学生”性の強調のための造語だ。2024年6月、学生アスリートの就労者扱い否認法案が下院の委員会の審査を通過した。一方、2024年7月、第3巡回区控訴裁判所は元ビラノバ大学フットボール部員ラルフ・ジョンソンらの訴えを認めた。

NIL契約&リベニューシェアリング契約≠雇用契約

現在、NILもリベニューシェアリング契約のいびつな形態は契約反故を容易にさせてしまっている。雇用契約はカレッジアスリートの競技力やパフォーマンスに基づいている。そのため、契約反故の場合、損害額がバイアウト金額として契約に盛り込まれる。一方、NIL契約はカレッジアスリートのサインや食事会の見返りとなっている。リベニューシェアリングも配当の扱いだ。そのため、契約反故の場合の損害は見込まれない。その結果、バイアウトは盛り込まれない。そして、2025年、安易な心変わりがフットボールでちょいちょい発生している。

エリジビリティルールの法的妥当性

近年、エリジビリティがターゲットにされている。NIL解禁以前、エリジビリティは教育的性質に留まっていた。一方、現在、カレッジスポーツはカレッジアスリートにとってビジネスになっている。つまり、商業的性質が生まれた。そのため、数十名のカレッジアスリートが選手資格の制限を経済活動の阻害として訴訟を起こしている。大半の狙いはルールの抜本的な変更ではなく、特定の制限に対しての暫定的差し止め命令（Temporary Restraining Order）や仮差し止め命令（Preliminary Injunction）であり、原告本人のみ対象の数シーズンのエリジビリティ追加となっている。

NILルール整備の難航: 統一ルール無し

レギュレーションの解決方法

連邦法の制定

大学-カレッジアスリート=雇用契約化（理想）

無秩序な状況の解決法はカレッジアスリートのエンプロイメント化だ。大学（運動部）とカレッジアスリートはパフォーマンスや競技力準拠の雇用契約を結ぶ。つまりはペイフォ―プレイ解禁&プロ化だ。雇用関連の法整備は既に整っている。被雇用者側のカレッジアスリートは賃金や保険等を保障され、雇用主側の大学はバウアウトや違約金を契約に盛り込め、NCAAやアスレティックカンファレンスは厳格なレギュレーションで堂々と取り締まれる。

2021-22: 統一ルール無し

NCAA規則

NIL暫定方針の変遷

暫定方針発表（2021年7月）

NCAAはNILルールをほぼ全く規定できていない。些細な制限がアンチトラスト法抵触の可能性を孕んでいるからだ。NILも学生アスリートの競技やスポーツと無関係の活動に位置付けられ、NILの解禁は既存の学生アスリートの報酬制限の条項の削除によって達成され、NIL関連事項はインターリムポリシー（暫定”方針”）としてNCAAの考えの紹介に留まっている。NILの制限は州法や学校のルールに委ねられた。つまり、統一のルールは存在しない。

州法

結局、2021年7月以降、NILは州法によって規定されている。NIL保障法は学生アスリートのマネタイズ行為への妨害の抑制として制定されている。例えば、NCAAはNILに積極的な大学運動部をチャンピオンシップ大会出場資格剝奪等で脅迫できてしまう。一方、州法の有無や内容の差異が新たな問題として浮上した。NILの許容範囲はリクルートの有利不利を生み出す。しかも、いくつかの州は「競技力への支払い」「NCAAのNILルール自体の違法化」「大学と学生アスリートの協力」等のNCAAの許容範囲以上を保障している。

学校のルール

禁止事項

ギャンブル
嗜好品: アルコール類、煙草、マリファナ関連
ポルノ
ロゴ
競合アパレル

学校のポリシーはNIL州法の代わりに機能している。一部の大学は大学運動部公式アパレルのライセンス契約で競合ブランドとの契約や大学ロゴの使用を禁止している。

連邦法: 50州統一ルール

NCAAの目標

全州共通のNILモデル構築
州法への優先性
タイトルⅨ支持（カレッジスポーツの位置付け強化）
「学生アスリート≠従業員」確定
アンチトラスト法の例外措置
セーフハーバー

2021年6月のNIL解禁確定以降、NCAAやカンファレンス代表達は連邦法成立のためにワシントンDCでロビー活動を行っている。一方、リベラル派と保守派の法案も通っていない。妥協案も失敗に終わった。

@b_o_bros

コーチや大学運動部局員も統一法に賛成している。リクルートがNILの不透明さとブースターの暗躍でカオス化しているためだ。

中央集権化の脱却

統一ルール整備と真逆の動きも同時進行している。先述の通り、最大の壁はアンチトラスト法の訴訟だ。一方、連邦法の成立は先行き不透明である。そのため、一元管理体制の解体がディビジョンの独立化やカンファレンスの自治権の拡大等の形で検討されている。

見切り発車

イリノイ大学のコーフィ・コーバーンが2021年7月以前にチーム支給品の売買で2021-22に3試合の出場停止処分を受けた。当時、同選手は2021-22のプロ転向を目指していた。プロ転向の場合、問題はなかった。一方、結局はイリノイ大学残留となった。そのため、支給品売却がNIL解禁前のルールに抵触してしまった。

2022-23:

NIL暫定方針の明確化（2022年10月）

可	不可
NIL情報の提供宣材写真の提供キャンパスの部屋提供 NIL活動の宣伝学校関係者のNIL提供者との対面 NIL財団へのチケット	NILの確保 NILの交渉 NILサービスの提供（契約内容精査～税務～制作）道具の提供（カメラ等） NIL契約内容の精査競技中のNIL活動の宣伝学校関係者のNIL提供者への投資や金銭譲渡学校関係者とNIL提供者の協働

2022年10月、NIL暫定方針の学校関係者の選手やNIL提供者への関わり方が明確化された。2022年7月以降、学校の関与はNIL州法or学校独自の判断に委ねられていた。一方、NCAAの弱腰の態度が見受けられた。ガイドライン違反の処分対象は学校に限定された。選手はNIL関連の行動で選手資格を失わない。学校が倫理規定違反等で罰則を受ける。

【初】NILとブースターのリクルート関与の処分（2023年2月）

マイアミ大学（フロリダ）の処分内容

観察処分: 1年間
罰金: $5,000+女子バスケ部予算1%
出場停止: HC3試合
リクルート
リクルート可能日: 7日間削減
公式訪問数: 7％削減
コミュニケーション監査: 3週間（3/13～）

2023年2月、最初のNIL規則違反の処分が下された。2022年4月、億万長者ブースターのジョン・ルイスはフロリダ州マイアミの自宅に当時編入先検討中の女子バスケ選手ハナ・キャビンダーとヘイリー・キャビンダーを招いて会食を行った。元来、NCAAはリクルート規則違反に厳しい。そんな中、本件は交渉の末にマイアミ大学（フロリダ）女子バスケ部とHCへの軽い処分で決着した。当該選手とブースターへの処分は一切無かった。

2023-24: エンフォースメントから窮地に

NIL規則

In a memo obtained by @SINow, the NCAA strongly clarifies its NIL policy by warning schools that (1) they must follow NCAA rules even if they conflict with state laws and (2) entities such as school foundations are prohibited from NIL & offering donor incentives for NIL giving. pic.twitter.com/OK0kID7nuW
— Ross Dellenger (@RossDellenger) June 27, 2023

NILの取締り強化（2024年1月）

NCAAのエンフォースメント

次年度のNILルールの厳格化
NIL契約書の雛形の設定
NIL代理人の認定制度
NIL規則違反時のコーチの処分
NILのリクルート利用禁止継続
フロリダステイト大学の処分
テネシー大学とフロリダ大学のリクルート違反調査

2024年1月、NCAAはエンフォースメントに積極的になった。初のNILルールの強化がNCAAの委員会で可決された。ようやくNILの報告義務がルールに加えられた。一方、内容は大学のサポート利用時の$600以上の契約と限定的だ。つまり、大学のサポート無しの契約は報告不要だ。

NILのリクルート利用裁判の敗訴（2024年2月）

2024年1月、テネシー州とバージニア州の司法長官はNILのリクルート時の交渉材料利用禁止の規則を経済活動の阻害としてNCAAを訴訟し、翌2月に仮差し止め命令（Preliminary Injunction）がテネシー州の地方裁判所で下され、NCAAの第三者とNIL関連の調査の中断が発表され、暫定的にNILのリクルート利用が可能になった。

大学のNILサポート解禁（2024年4月）

2024年4月、大学のNILサポートが解禁された。

2024-25: ハウス裁判の和解

ハウス裁判の和解の成立（2024年5月～2025年6月）

ハウス和解の流れ

2024年5月: 類似3件の和解の交渉開始
ハウス裁判（2020年7月～）+ハバード裁判（2023年4月～） +カーター裁判（2023年12月～）
2024年7月: ハウス和解の提出
2024年10月: 仮承認
2025年4月: 最終承認の審理開始
2025年6月: 最終承認

2024年5月、NCAAは類似訴訟3件のハウス裁判とハバード裁判とカーター裁判の原告側と和解の交渉を始めた。その後、通称「ハウス和解（House Settlement）」が合意に達し、7月に和解内容が裁判所に提出され、10月に仮承認の判決が下された。以降、大学運動部は翌年度のレベニューシェアリングの準備を始めている。翌年2025年4月、最終承認の審理が始まった。そして、2025年6月6日、最終承認が発表された。2025年7月1日以降、新レギュレーションが始まる。150項以上のルールが削除されている。

ハウス訴訟の和解反対派

アンチトラスト関連訴訟

ファンテノ訴訟
アレン訴訟

ハウス訴訟の和解反対派も存在する。最大の理由がロスター枠制の導入だ。スポーツ奨学金枠の使用率は70%程度だ。特に赤字競技のスポーツ奨学金はシビアである。そして、スポーツ奨学金の節約傾向は変わらないだろう。そんな中、非花形競技の学生は部員数制限によって大学トップレベルの競技参加の機会を損ねる。実際、クラウディア・ウィルケン判事も和解の犠牲者への懸念から最終承認を約2カ月間保留していた。カレッジアスリートが権利拡大の訴訟によって機会損失を被るべきではない。ロスター無制限の案すら勘案されていた。

QRコード禁止

2024年8月、NCAAはオクラホマステイト大学フットボール部のヘルメットのQRコードを禁止した。理由はユニフォームへの広告添付禁止だ。

NCAAの敗北: NILのリクルート利用解禁（2025年3月）

2025年3月、NCAAとテネシー州等の和解が成立した。NILのリクルート利用禁止の関連項目がルールブックとガイドラインから削除された。

脆弱な統一ルールとリベニューシェアリング解禁（2025-）

ハウス調停の内容

NCAA D1校: ハウス調停の参加or不参加の選択

オプトイン新ルール	オプトアウト従来ルール
・大学→運動部員への支払い可・新たな部員数&スポーツ奨学生枠	・大学→運動部員への直接的な支払い不可・従来の部員数&スポーツ奨学生枠

ハウス調停はNCAA D1運動部のみを対象としている。NCAA D2とD3運動部は対象外だ。そして、NCAA D1校とNCAA D1運動部有りのNCAA D2&D3校は新レギュレーションと従来レギュレーションのいずれかを選択できる。つまり、2025-26以降、別々のレギュレーションの運動部が混在する。

大学から運動部員への直接的な支払い解禁

大学→運動部員への直接的な支払い

ダイレクトペイメント契約（リベニューシェアリング契約）
大学のカレッジアスリートのNILの使用権の買取
=NIL使用料扱い≠雇用契約
サビリース可能
大学のNIL関与解禁: NILエージェント活動全般
限度額: $20.5M/校（2025）→$33M/校（3035）
※リベシェア+スポーツ奨学金+オルストンペイ合算
※スポーツ奨学金拡充分$2.5M控除

2025年7月1日以降、大学はカレッジアスリートに直接的に金銭を支払える。ダイレクトペイメント契約は大学のカレッジアスリートのNIL使用の契約だ。支払いは選手のNIL使用料の形を取る。限度額は初年度の$20.5M/校から年々向上する。そして、大学のNIL関与も解禁される。今後、大学はカレッジアスリートのタレント的側面で商いを行う。つまり、大学とカレッジアスリートは雇用契約を結ばない。当然、分配金はサラリーに該当しない。むしろ、NILエージェントも大学に内包化した。結論、NCAAは防衛圏の「大学とカレッジアスリートの雇用関係化」を守り切り、なお且つNILビジネスを一般企業から奪取した。

スポーツ奨学金枠→ロスター枠制

旧レギュレーション	新レギュレーション（2025-26～）
部員数制限無し	部員数制限有り男子バスケ部: 15名女子バスケ部: 15名
スポーツ奨学金人数制限有り男子バスケ部: 13名女子バスケ部: 15名	スポーツ奨学金人数制限無し

全競技のロスター枠

競技	従来スポーツ奨学金枠	平均部員数	新ロスター枠
Rifle (M&W)	3.6	6	12
Stunt (M&W)	14	38.5	65
Baseball (M)	11.7	40.9	34
Basketball (M)	13	17	15
Cross Country (M)	5	13.9	17
Fencing (M)	4.5	17.4	24
Football (M)	85	124.3	105
Golf (M)	4.5	10	9
Gymnastics (M)	6.3	20.5	20
Ice Hockey (M)	18	28.6	26
Lacrosse (M)	12.6	38.8	48
Skiing (M)	6.3	12.1	16
Soccer (M)	9.9	29.7	28
Swimming & Diving (M)	9.9	20.9	30
Tennis (M)	4.5	10	10
Track and Field (M)	12.6	34.7	45
Volleyball (M)	4.5	15.3	18
Water Polo (M)	4.5	21.1	24
Wrestling (M)	9.9	29.4	30
Basketball (W)	15	14.8	15
Beach Volleyball (W)	6	18.1	19
Bowling (W)	5	8.7	11
Cross Country (W)	6	13.5	17
Equestrian (W)	15	28.3	50
Fencing (W)	5	15.2	24
Field Hockey (W)	12	21.6	27
Golf (W)	6	7.9	9
Gymnastics (W)	12	19.6	20
Ice Hockey (W)	18	23.3	26
Lacrosse (W)	12	24.8	38
Rowing (W)	20	42.4	68
Skiing (W)	7	11.7	16
Soccer (W)	14	27.3	28
Softball (W)	12	21.8	25
Swimming & Diving (W)	14	23	30
Tennis (W)	8	9.4	10
Track and Field (W)	18	32.5	45
Triathlon (W)	6.5	7.6	14
Tumbling (W)	14	25.9	55
Volleyball (W)	12	16.7	18
Water Polo (W)	8	19	24
Wrestling (W)	10	14.2	30

結局、最大の争点のスポーツ奨学金枠からロスター枠制へ変更も生き残った。NCAA D1男子バスケ部の場合は「従来の最大スポーツ奨学生13名/部員数制限無し（平均部員数17名）」から「最大スポーツ奨学生15名/最大部員数15名」に変更される。一応、スポーツ奨学金枠は約800名分の増加となる。奨学金の割合は連邦法「タイトルⅨ」で男女同数と定められている。

第三者（大学外）のNIL契約

NIL契約のチェック

NILポータル「NIL Go」誕生
NIL清算機関「カレッジ・スポーツ・コミッション」設立
$600以上の契約の承認制
妥当な商業的目的&適正価格の確認
※非承認→①契約内容変更②キャンセル③仲裁人判断

第三者からの支払いはキャップの対象外だ。カレッジアスリートは無制限に有名ブランドや大企業と契約できる。コレクティブスも締め出されなかった。一方、2025年6月半ば以降、新規の$600以上のNIL契約は中身をチェックされる。カレッジアスリート達は$600以上のNIL契約をデロイト社運営の「NILゴー（NIL Go）」を通じてNIL清算機関のカレッジ・スポーツ・コミッションの承認を得なければならない。つまり、空っぽのペーパー契約や$1万のサイン色紙は潰える。

過去のNILの賠償金$280億

賠償内容

賠償総額: $280億
対象者: 2016～24年の運動部在籍者約85,000名（希望者）
見積り
アメフト部: 75%
男子バスケ部: 15%
女子バスケ部: 5%
残り: 5%

過去のNILの賠償金は$280億で決着した。大半の訴訟はNCAAとパワーカンファレンスに向けられている。そんな中、2024年5月のNCAA D1加盟校への賠償金支払計画通達文によれば、約$90～100億は無関係のミッドメジャーカンファレンスへの分配金から充填される。NCAA D2とD3の分配金はノータッチだ。そのため、22のノンフットボールカンファレンスは不平不満を漏らしている。

連邦法成立への動き

最終的なゴールは連邦法だ。一部の州法はハウス訴訟の内容以上を保障してしまっている。一応、グラント・ハウス側はNCAAのNIL連邦法成立のロビー活動の支援を行う。

リベニューシェアリング時代開幕（2025年7月～）

オプトインorオプトアウト校

一応、NCAA D1の319校（全365校）が2025-26度のオプトインを表明している。アイビー・リーグはオプトアウトを早々に発表している。

リベニューシェアリングの予想

リベニューシェアリングの割当（相場）

フットボール部: 7割
男子バスケ部: 2割
指定部: 1割
女子バスケ部
女子バレー部
野球部
等

結局、中規模以上の大学の花形競技者しかリベニューシェアリングの恩恵を受けられないだろう。リベニューシェアリングの割当は大学の自由だ。そして、リベニューシェアリング契約対象運動部は往々にしてフットボール部+男子バスケ部+指定部と発表されている。また、大半の大学は分配金の余裕を持ち合わせていない。

ロスター&スポーツ奨学金拡充

大学運動部は様々な方法でリベニューシェアリング分の節約を行うだろう。スポーツ奨学金の支給はタイトルⅨによって男女平等と定められている。そのため、黒字競技への露骨な贔屓は不可能だ。大半のスポーツ奨学金の増設分は使われない。むしろ、マイナー競技は露骨な予算カットや廃部になるだろう。

政府の動き

連邦政府: 連邦法

州法強化

NIL関連州法の内容（法案提出含む）

大学→学生アスリートへの支払い可能の保障
カレッジアスリートの収入の税控除（定番）
大学へのリベニューシャアリング用助成金
NM州: UNM&NMSUに$2.5M（2026年度～）
大学体育協会規則の違法化（AZやOR州等）
カレッジアスリートのエンプロイメント化（NY州）

現在、いくつかの州はNIL関連州法の強化を始めている。カレッジスポーツに熱狂的な州はこぞって州内の大学のリクルートアドバンテージ向上のための州法を作っている。

NIL Legislation Tracker

大学の動き

NIL部門の設置

NILエージェント業務

営業業務
売込み/資金調達等
マネジメント業務
NIL契約の交渉/NIL契約内容の精査/データ解析&提供等
プロデュース業務
コンテンツ作り/キャラ設定等
会計業務
資産管理や税金のアドバイス等

2025年、本格的にNIL部門の設置が始まっている。先述の通り、ダイレクトペイメント契約はカレッジアスリートのNILの使用契約だ。つまり、大学はカレッジアスリートのタレント事務所やNILエージェントの業務を担う。当然、仕事量は数名のNIL担当職員の許容量を上回る。2025年6月、オハイオステイト大学はNIL関連業務全般のサポート体制を強化すべく、リアフィード・インパクト社と提携し、NIL部門「バックアイ・スポーツ・グループ（Buckey Sports Gropu）」を内設した。

運動部の法人化

法人化のメリット

資金繰り
ビジネス活動
出資の募集（株式等）
個人の資産の投入
決断の簡略化
カレッジアスリートの契約の代替

2025年4月、ケンタッキー大学はリベニューシェアリング解禁に先立って運動部の法人化案を発表した。最大のメリットはカレッジアスリートへの分配金集めだ。より多くの資金がビジネスや出資等で集まる。また、決断が早まる。例えば、人材採用も大学の承認抜きに可能だ。そして、カレッジアスリートの契約が大学から運動部法人に代わる。

第三者の動き

コレクティブス

コレクティブスはマーケティング会社に移行するだろう。NIL契約は適正な内容を求められるためだ。

大学運動部投資会社

カレッジスポーツ投資会社の勃興

Collegiate Investment Initiative社: 計$500M
Elevate社&Velocity Capital Management社
Collegiate Athletic Solutions社: $50～200/運動部
RedBird Capital Partners社&Weatherford Capital社

リベニューシェアリング時代の影の主役は投資会社かもしれない。リベニューシェアリング資金の捻出は既に大学運動部の悩みの種になっている。当然、外部からの出資は選択肢の1つだ。現在、いくつもの投資会社が$数十万～の話を大学運動部やアスレティックカンファレンスに持ち掛けている。

マイナー問題

大学費用の増額

U.S. Rep Tim Walberg is requesting the Government Accountability Office examine how school "spending on athletics programs & facilities impacts the cost of tuition and fees."

Many athletic departments are planning to use university funds to assist with the cost of rev-share. pic.twitter.com/fs1mlADK58
— Ross Dellenger (@RossDellenger) February 3, 2025

いくつかの大学はリベニューシェアリング資金のために入学金や授業料の増額を始めた。

法的脆弱性

男女平等不要: タイトルⅨ違反
キャップ制度: アンチトラスト法違反
リベニューシェアリング契約書: 雇用契約？

そして、法的脆弱性が多方面に見られる。男女平等不要はタイトルⅨに抵触し、キャップ制度はアンチトラスト法に触れ、一部のリベニューシェアリング契約書は支給の条件等の雇用契約書の様な内容を含んでいる。つまり、新たな訴訟が現時点で有識者に予想されている。

過去のNIL補償訴訟

NIL関連訴訟

ヒル訴訟
1983年NCステイト大学10名のNIL利用補償

過去のNIL利用の訴訟も起こされている。2024年、1983年のNCAAトーナメント優勝のノースカロライナステイト大学男子バスケ員10名は自分達のプレーのNCAAトーナメントのプロモーション利用の補償を求めて訴訟を起こした。

Current College Sports Legal Challenges

These are the legal cases currently pending that have the potential to alter the landscape of college athletics, includi...

留学生ビザ問題: 留学生NIL契約不可

Oscar Tshiebwe grew up in Africa.

Because of his student visa, the Kentucky hoops star can't profit off NIL in the U.S.

But this week, while the team is in the Bahamas, he can.

Tshiebwe stands to earn ~$500K in 7 days, per @TheAthletic, from autographs, ads, and other promos. pic.twitter.com/NH38OSoO8A
— Front Office Sports (@FOS) August 11, 2022

留学生は学生ビザの制限で米国内でNIL収入を得られない。一方、夏休みのチームトリップや感謝祭やクリスマス休暇中の近隣諸国のショーケース大会は例外だ。チーム関係者達は現地での活動で興行ビザで入国する。そのため、ケンタッキー大学のオスカー・シブエ（コンゴ民主共和国出身）はバハマ訪問時に滞在7日間で$50万弱を稼いだ。

@b_o_bros

アパレルはNBAグッズに限ず基本的に初回生産のみだ。アパレル業界は商品の売れ残りを恐れている。そのため、新商品は初回生産（少）&追加生産（無）のリスク回避全振りで作られる。しかも、工場の製造ラインは常に予約で埋まっている。そのため、急な確保が難しい。その結果、人気品すらも滅多に追加生産されない。つまり、河村勇輝選手のグッズはほぼほぼ現品限りだ。