概要
「モア・ザン・ア・ゲーム」はレブロン・ジェームスの中学高校時代を振り返るドキュメンタリー作品だ。
主な疑問点の解説
AAU
AAUはアメリカのクラブチームバスケットボールの通称だ。北米の育成年代のバスケットボールは「学校の部活シーズン(11~3月)」と「クラブチームシーズン(4~7月)」の二期制になっている。そして、クラブチームのキャンプや大会は非営利組織のアマチュア・アスレティック・ユニオン(Amature Athletic Union)の協賛の下で行われている。故に、AAUバスケットボールが育成年代のクラブチームバスケットボールの通称として浸透した。
AAUクラブ
AAUクラブは誰もが簡単に創設できる。作中ではバスケットボールの素人のコーチ・ドリューが「オハイオ・シューティングスター創設」→「レブロン・ジェームスを含めた後のSt.ビンセント-St.メアリーズ高校の主要メンバーのリクルート」→「選手達とコーチ達で運営資金集め」→「AAU大会出場」のシーンが描かれているが、実際の現場でも素人コーチがクラブを率いている場合は多く、むしろバスケットボールの精通度よりも地元の有望選手とスポンサーを集める能力に長けたビジネスマンがAAU界隈では成功していることもあり、AAUクラブの育成力不足はAAUの課題の1つとされている。

アメリカの高校は4年制
作中の「シニア=三年生」は誤訳だ。アメリカの高校は「フレッシュマン(1年生)」「ソフォモア(2年生)」「ジュニア(3年生)」「シニア(4年生)」の4年制が採られていることが多い。レブロン・ジェームスとチームメイトはSt.ビンセント-St.メアリーズ高校に合計4年間通った。
アメリカの部活動の仕組み
現在、ほとんどの州ではそれぞれの州の体育協会が高校を「学校の生徒数や立地等」でいくつかのディビジョンに振り分けてリーグやトーナメントを運営している。そして、ほとんどの州では各ディビジョンの優勝校の決定をもってしてシーズンは終了となる。つまり、今では州1位の決定戦すら行われていない。毎年、「○○州D1優勝→××高校/D2優勝→△△高校/D3…」といった具合でシーズンは幕を閉じる。オハイオ州の男子バスケットボールの場合、当時の2000年前後が現在と同じだったことは定かではないが、2020-21は生徒数を基準にディビジョンⅠ~Ⅳへの振り分けがなされている。St.ビンセント-St.メアリーズ高校はレブロン・ジェームスが2年次から3年次に進級する間にディビジョンⅢからディビジョンⅡへと移った。
全米1位の評価
当時の全米1位はUSAトゥデイ紙の評価によって決定されていた。同紙は毎週の対戦結果を基に上位25校を発表していた。そして、最終週のランキングで1位の高校が全米1位として世間一般では認知されていた。つまり、全米1位は日本のインターハイやウィンターカップのような全米各地の予選を勝ち上がった高校が競い合ってなれるものではなかった。SVSM高校は2001-02シーズンからは州内の高校との対戦をほどほどにこなしつつ、全米1位の評価を獲得するために全米各地の強豪校との対戦を積極的にスケジュールに組み込んでいた。作中の西海岸や東海岸への遠征はまさにランキングを上げるための試合である。
ESPN
ESPNは全米最大のスポーツ専門チャンネルだ。通常、高校の試合はポストシーズントーナメントが地方局で放送されることはあっても全米中継されることはほとんどない。作中の「ディックやウォルトンの前でプレーする」はESPNの名解説者のディック・バイテール(Dick Vitale)とビル・ウォルトン(Bill Walton)のことである。
まとめ
「モア・ザン・ア・ゲーム」はアマゾンプライム会員特権で無料で視聴する分には悪くない作品だ。
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映像作品解説




ニュース
参考
Divisional Breakdowns – 2020-21 School Year(ohsaa.org)
High School Rankings History(grassrootshoops.net)