うい。
ボールオタクカレッジは選手に「ワーキャー」言うだけの純粋無垢なバスケファンを聞いてもいない蘊蓄を垂れ流す立派なオタクに改造するためのサイトだ。
俺達は「歴史」「文化」「ビジネス」「NBA以外」など他の奴らでは手が出せないトピックの紹介&解説をしている。
と言うことで、今回はNetflixのオリジナルドキュメンタリー「バスケが全て(原題: Basketball of Nothing)」のQ&A形式の解説だ。
あらすじ

「バスケが全て」は保留地ナバホネイション(Navajo Nation)に暮らすネイティブアメリカンの高校生バスケ部員達の生活を描いたネットフリックスオリジナルのドキュメンタリー作品だ。
Q&A
Q1: レズ・ボールの「レズ」って何?
レズ(Rez)とは保留地(Reservation)の俗称だ。
保留地とはアメリカ各地に点在しているネイティブ・アメリカン(Native American)の人々が暮らしている自治領のことである。ネイティブアメリカンとはヨーロッパから人々が移住して来る前から北米大陸で生活していた先住民(インディアン)のことだ。
現在、ネイティブアメリカンの人口は凡そ450万人でアメリカ合衆国全体の1.5%程とされている。保留地は大小合わせて300以上の保留地が存在している。作品に登場するナバホネイションはアリゾナ州、ユタ州、ニューメキシコ州に跨る最大の保留地だ。
一方、ボールはバスケットボールの略称である。日本ではバスケやバスケット、ヨーロッパでもEuro Basketという言われるように”バスケット”側を取って略す訳だが、アメリカ人はボールの方を取ってしまった(笑)例えば、日本で言うストリートバスケはアメリカではStreetballと呼ばれたりしている。だから、居留地スタイルのバスケットボールはレズ・ボール(Rez Ball)と名付けられているのだ。
Q2: アジア人ぽい見た目をしているのは何故?
人種は大きく3種類「白人のコーカソイド」、「黒人のネグロイド」、「黄色人種のモンゴロイド」に分けられるのだが、ネイティブアメリカンの人々はアジア人と同じモンゴロイドなのだ。故に、彼らとアジア人は似たような見た目をしている。ネイティブアメリカンの人々は元々はアジアからベーリング海峡を渡って北米大陸に移りすんだとされているからだ。だから、ネイティブアメリカンもアジア人もルーツは同じだ。
Q3: 皆、肌が荒れているのは何故?
ナバホネイションは砂漠の真ん中の非常に乾燥した地域にあるからだと思われる。
Q4: 何故あんなに大きなアリーナがあるの?
アメリカ政府はネイティブ・アメリカンに対して凄惨な行為を働いた過去があり、その贖罪として政府は彼らに対して補助金を出している。ちなみに、チンリー高校のアリーナは高校のアリーナとして全米でも指折りの大きさを誇っているので、アメリカとは言えども、あれが当たり前では無い。
Q5: レベルが低い気がするんだけど?
アリゾナ州の高校バスケは6部制となっている。レベルは上から6A~1Aとなっていて、チンリー高校は3A、つまりアリゾナ州の4部リーグに所属している。だから、作中、彼らは「州大会の優勝を目指している」となっているが、厳密には4部(3A)での優勝である。YouTubeでハイライト動画が載るような高校は6Aに所属している。
ネイティブアメリカンをルーツに持つ人々
ネイティブアメリカンの血を引くジェームス・ブラウン
ネイティブ・アメリカンの血を引く人間で最も有名なのはソウルシンガーのJBことジェームス・ブラウンだ。ブラウンの父は黒人とネイティブアメリカン、母は黒人とアジア人にルーツを持っている人物だった。
ネイティブアメリカンラッパー: Rezcoast Grizz
ネイティブアメリカンのラッパーはRezcoast Grizzは自身のMCネームに居留地を意味する”rez”を入れている。
まとめ

正直に言えば、「バスケがすべて」はスポーツのドキュメンタリーというよりはネイティブアメリカンのドキュメンタリーだ。スポーツファンよりもアメリカの歴史、風俗、文化に興味がある人向けだ。
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参考
Chinle High School(aiaonline.com)
Arizona high school basketball championship games: Just two titles left to be decided(azcentral.com)
Ancestry of James Brown(thoughtco.com)
Wade Davies Discusses “Native Hoops”(universitypressblog.dept.ku.edu)