【現地観戦】プロアマリーグ/サマーリーグ(ニューヨーク編)

うい。


Bro Institute of Ball&Tripは大人の野郎(通称bro)がバスケをより楽しむための知識とノウハウを提供しているサイトだ。


現在、broは完全に蚊帳の外にいる。と言うのも、broは無駄遣いをしないからである。ビジネスは金を使わない奴を対象には行われない。


しかし、言い換えれば、コンテンツはホイホイ金を出す奴らを対象に作られているということだ。実際、現在のバスケメディアも”そういった奴ら”をターゲットにしている。例えば、多くのメディアが「釣りタイトル」でPV数を稼ごうとしている訳だが、挑発的な見出しや俗物的なコンテンツで購買数を増やすのはまさにスポーツ新聞や週刊誌の手法であり、何故「スポーツ新聞や週刊誌がくだらないコンテンツを提供しているのか?」と言えば、それは彼らのターゲットも”そういった奴ら”だからである。


そして、その結果がbroが物足りなさを感じる今の状況だ。


一方、確かにこちらから合わせに行くのも1つの手ではあるだろうが、正直、大人の野郎がワーキャースタイルを続けるのは結構痛々しい。また、一部の人間は経済力で得たコレクションを見せびらかすことに走っているが、これは空港の写真をFacebookに上げるのと同様にオッサン的でダサい。(※コレクション自体は否定していない。)


と言うことで、大人の野郎に残された道はあらゆる知識を吸収して多面的且つ高い彩度でバスケを見る”bro way”しかない。


しかし、先述した通り、broを相手にしているコンテンツはない。故に、俺達が同志のために一肌脱いで始めたのがBro Institute of Ball&Tripだ。俺達はbroがバスケを楽しむための知識(情報の信頼性を担保する参考文献付き)とノウハウの提供を行っている。

と言うことで、今回はニューヨークのプロアマリーグについてだ。

プロアマリーグ(サマーリーグ)とは?

通称: Pro-Am League(Summer league)
開催期間: オフシーズン(5月下旬~8月中旬)の数週間
開催地: 全米各地
参加者: NBA選手、プロ選手、元プロ、大学生、高校生、ラッパーやユーチューバー等
形式: リーグ戦&プレーオフトーナメント
レベル: ピンキリ
観戦: 無料

概要

プロアマリーグ(Pro-Am League)はプロとアマチュア(元プロ、大学生、高校生等)が各自でチームを組んで参加するリーグ戦だ。基本的にプロアマリーグはオフシーズンの夏に行われるためサマーリーグと呼ばれることもある。

開催期間: 5月下旬~8月中旬

基本的にはオフシーズン(5月下旬~8月中旬)の内の数週間で行われている。大会の形式は、最初の数週間でリーグ戦を行った後、リーグ戦の順位に応じたトーナメント表でプレーオフトーナメントを行うことが多い。最終日には決勝戦の他に有名人を招待したオールスターゲームやダンクコンテストが開催される場合がある。

開催地: 全米各地

主な大会と開催地
  • ダイクマン(ニューヨーク)
  • グッドマンリーグ(ワシントンD.C.)
  • ケナーリーグ(ワシントンD.C.)
  • ドリューリーグ(ロサンゼルス)
  • ベニスビーチ・バスケットボール・リーグ(ロサンゼルス)

プロアマリーグやサマーリーグは全米各地に星の数ほど存在するが、大会名称や運営組織が変わるため、毎年同じ名前でないことがザラだ。ドリューリーグやグッドマンリーグは非常に珍しい。

参加者(レベル): NBA選手の参加はレア

主な参加者はGリーガー、その他ヨーロッパやアジアのプロ選手、大学生、高校生だ。実はYouTube等で見かけるNBA選手の参加はレアだ。基本的にNBA選手は1試合のゲスト参加が主で、さらには参加するのは開催地と所縁のある選手であることが多い。最近ドリューリーグではオールサマーで参加するNBA選手もいるが、地域貢献の意識が高い選手のレアケースだ。基本的には主な参加者はNBA未満のプロ選手とNCAA D1の大学生である。

観戦: 無料

プロアマリーグやサマーリーグの観戦は基本的には無料だ。と言うのも、こういった大会は地域貢献の意味合いが強く、普段チケットを購入する余裕が無い貧困地域で暮らす子ども達がNBA選手を間近で見られる機会として開催されているからだ。

ラッカーパーク

概要

Dr. J at Harlem's famed Rucker Park

ラッカーパークはプロアマリーグの元祖だ。元々は1950年にハルコム・ラッカーがスタートさせたユースリーグだったが、その後プロも参加する大人版も始まり、1980年代にグレッグ・モリスがヒップホップと融合させてNBAスターも自ら参加するクールなイベントとなった。近年はNBA選手の参加は減っている。代わりにユースリーグへの原点回帰が始まっている。

ラッカーパークの歴史

子ども達としてスタート(1950~60年代前半)

ラッカーパークのバスケットボールイベントはホルコム・ラッカー(Holcombe Rcuker)が主催していたラッカーリーグに由来している。


1950年、ラッカーはハーレム地区のプレーグラウンドでバスケットボールのイベントを開催していた。目的は「子ども達のアピールの場の創出」だ。より多くの子ども達がスポーツ奨学金で大学に通えることがラッカーの願いだった。彼はカレッジコーチ達を招待して子ども達に大学進学のチャンスの場を用意したのだ。


一方、当時は公民権運動が非常に盛んだった。1960年代、マーティン・ルーサー・キングJrやマルコムXに代表されるように黒人の地位向上を訴える活動が全米各地で行われていたのだが、そんな中、最も影響力があったのがアスリートであり、ラッカーは子ども達にアスリートのプレーを見せる事で夢と希望を与えられると考え、新たにラッカープロトーナメントを開催し、ウィルト・チェンバレン等がこぞって大会に参加した。


以降、子ども達のユースリーグとは別に大人(高校生以上)のカテゴリーの大会も開催されるようになった。試合会場が現在のラッカーパークになったのもこの時期である。

ラッカー元年(1965年)

しかし、実はラッカーのイベントはラッカー元年を1965年としている。1965年はラッカーがガンのために38歳の若さでこの世を去った年だからである。死後から数えるのはキリスト教的な考え方から来ているのかもしれない。

サマーリーグという概念の誕生(1970年代)

ラッカーの死後以降、ラッカーのイベントはさらなる盛り上がりを見せた。


NBAからはジュリアス・アービングやタイニー・アーチボルトらスーパースターが積極的に参加し、ウィルト・チェンバレンも自身がチームをスポンサードする形で大会に関わっていた。さらには、ジョージ”デストロイヤー”ハモンドやフライ・ウィリアムスといったストリートレジェンドと呼ばれる選手も登場した。その結果、噂が噂を呼んでハイレベルの選手が続々と参加するようになり、1974年、ニューヨーク市はラッカーに敬意を表して同公園をラッカーパークに改称した。


一方、ラッカーを模倣した大会が全米各地で開催されるようになった。フィラデルフィアの老舗リーグのベイカーリーグや同じニューヨークのダイクマンはまさにその1つだ。そして、プロアマリーグ(プロが参加するサマーリーグ)の概念が誕生した。

エンターテインメント化(1980~2000年代)

そして、グレッグ・モリスがラッカーのエンターテインメント性を強化した。現代のラッカーの原型はモリスによって構成された物に他ならない。


1982年、モリスはエンターテイナーズ・バスケットボール・クラシック(EBC)と称した大会を開催したのだが、その際にヒップホップの要素を追加してラッカーを「ヒップホップパーティー」と「バスケットボール大会」のどちらにも捉えることができるイベントにした。


実はMCはヒップホップの誕生以前からラッカーリーグに存在していた。厳密にはバスケットボールに限らず口達者な奴の役割が存在していた。と言うのも、アメリカには面白いこと(ジョークや押韻したフレーズ)を言って観客を楽しませる文化があるからだ。実際、プレゼンの導入のジョークや映画の会話内の冗談もまさにこれに該当する。


さらにはEBC以前にもラッカーにはヒップホップは導入されいたに違いない。ヒップホップは1970年代にハーレムの隣のサウスブロンクスで誕生した。初期のヒップホップはDJがブレイクビーツを流して観客が躍ることが中心だったが、EBC以前からDJがブレイクビーツを流して観客がダンスをするようなことはあったはずだ。


しかし、ラップのレコードが発売され始めたのが1980年代だったため現在のように試合中にラップミュージックが常に流れている状況になったのはEBCからだ。


さらに、EBCはJAY-Z等のヒップホップスターにチームのスポンサードを務めさせた。これによってEBCは自らNBA選手に土下座をしなくてもラッパーが勝手に彼らを連れてくるようになった。


その結果、バスケットボール選手からラッカーパークは「カッコいいイベント」として認識されるようになり、1990年代には一度はプレーしたい「憧れの場所」となり、遂には何もしなくてもスタープレーヤー達が参拝に訪れる「聖地」と化した。

原点回帰(2010年代)

NIKE NY VS NY CHAMPIONSHIP GAME OF THE SUMMER!!! DYCKMAN vs WEST 4TH!

2010年代以降は再び子ども達への教育に原点回帰が始まっている。NIKE NY VS NYは2017年から始まったニューヨーク市内の高校生選抜大会だ。毎夏、ニューヨーク市の多くのプレイグラウンドでサマーリーグが開催されている訳だが、市内の有望な高校生達が各リーグ(ダイクマン、トライ-ステイト、ウェスト4番街、ガーシュ、ワトソン、リンカーン)の代表という形でチームとなり、1位を決める大会だ。試合は主に市内のプレイグラウンドで行われる。決勝戦はラッカーパークで行われた。

アクセス

基本情報

名称: Rucker Park
住所: Holcombe, Rucker Park, New York, NY 10039

ラッカーパークはマンハッタンの北のハーレム地区にある。アクセスはマンハッタンからは地下鉄で行ける。地下鉄B、C、Dの148th Street Lenox Terminal Stationから徒歩5~10分程だ。

ダイクマン

概要

次に有名なのがレッドカーペットと呼ばれているダイクマンリーグだ。ダイクマンは現在も現役&元NBA選手、カレッジスター、地元の有望な高校生が大会に参加している。

SLAM SUMMER CLASSIC

基本情報

名称: SLAM SUMMER CLASSIC
時期: 8月
会場: ダイクマン
HP: https://www.slamonline.com/

スラム・サマー・クラシックは2018年からスラム紙がダイクマンで開催しているイベントだ。初開催の2018年大会はThe City vs. The Statesと題してニューヨーク市内の有望な高校生達とジェームス・ワイズマン等の全米中から集めたオールスターチームが対戦したが、2019年は全米中からトップ高校生(主に高校最終学年に進級した選手)だけを集めたオールスターゲームとなった。

アクセス

基本情報

名称: Dykman
住所: Nagle Ave & W 204th St, New York, NY 10034
HP: https://www.dyckmanbasketball.com/

ダイクマンはバスケットボールのレッドカーペットと呼ばれている。ここのサマーリーグもニューヨークを代表するリーグの1つである。最寄り駅は地下鉄1番線の207st駅だ。ニューヨークにはラッカーパークとダイクマン以外にも様々なサマーリーグがある。

NIKE PRO CITY

概要

Tobias Harris – Pro City – Summer 2018

ナイキ・プロ・シティ・ニューヨーク(NIKE PRO CITY NYC)と呼ばれるリーグもある。2018年にはトバイアス・ハリスが参加した。過去にはカイリー・アービングやケンバ・ウォーカーも参加している。

まとめ

ストリートボールのシーズンは夏だ。と言うのも、サマーリーグやイベントは基本的にバスケットボールのオフシーズンに開催されるからである。さらに言えば、単純に冬は寒いからだ。だから、ストリートボール巡りのオススメは俄然夏だ。

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参考

#ラッカー50(netflix.com)
ヒップホップ・エボリューション(netflix.com)
The Entertainers Basketball Classic(allthingshoops.com)
SLAM ANNOUNCES INITIAL GROUP OF PLAYERS FOR FIRST SUMMER CLASSIC GAME(slamonline.com)
ORIGINAL OLD SCHOOL: STREET MOVES(slamonline.com)
The 25 Greatest Streetball Players of All Time(complex.com)
When Fly Got Swatted(si.com)
James Fly Williams(sports-reference.com)
Playground legends no more(espn.com)

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