【NCAA】スケジュール・スクリュウィネス

うい。Ball Otaku Bros(@b_o_bros)だ。


既に知っての通り、今シーズン(2020-21)はコロナで試合が延期や中止が相次いでいる。


と言うことで、今回はスケジュール・スクリュウィネス”Schedule Scrwiness”と題して2020-21に起きているスケジュール調整のクレイジーさを紹介&解説する。

開幕前

開催決定(開幕11月25日)!!

2020年9月18日、NCAAのバスケットボール部門役員のダン・ガビットが男女バスケットボールの公式戦の開幕日を11月25日からと発表した。それまでは開幕するかどうかすら未定だったが、無事、開幕することだけは決定した。

例年のNCAAのスケジュール
11~12月下旬: ノンカンファレンス期(10試合程度)
1~3月上旬: カンファレンス期(18試合程度)
3月中旬: カンファレンストーナメント(1~4試合程度)
3月中旬~4月上旬: NCAAトーナメント

通常、カレッジバスケットボールのシーズンは11月上旬にスタートするため、2020-21は約3週間程遅れの開幕となる。


そして、開幕後はノンカンファレンス期と呼ばれる所属するカンファレンスに関係無くどんな大学とも試合を組める時期からスタートし、例年であれば、各校はノンカンファレンス期に11、12試合程度を行うのだが、今季は開幕時期が3週間程遅くなるため、各校はNCAAの推奨する最低4試合を目安にノンカンファレンス期の対戦スケジュールを組むことになった。


一方、カンファレンス内のチームとの試合が行われるカンファレンス期のスタート時期は、各カンファレンスの判断にも拠るのだが、通常とほとんど変わらない12月下旬~1月上旬のスタートとなっている。


つまり、2020-21は25試合前後の予定となった。

必死にスケジューリング!!

開催決定後、NCAA、カンファレンス、各大学、大会主催者等は必死になって互いに試合日程の調整を行うこととなった。先述した通り、9月18日まではシーズンが開幕するかどうかすら不明だった。故に、大学もカンファレンスも大会主催者も何もスケジューリングを前に進めることができなかったのだが、9月18日にシーズンを始めることが決まったので、以降、NCAA関係者達はスケジューリングに奔走することとなった。

何故、試合をしたいのか?

では、何故、NCAA関係者は試合を必死に組もうとしているのか?


理由はシンプルに金だ。試合のチケット等の収益は両チームに分配されるのだが、ノンカンファレンスゲームはハイメジャー校にとってもミッドメジャー校にとっても稼ぎ時なのだ。


通常、ノンカンファレンスゲームはミッドメジャー校がハイメジャー校を訪れる形になる。と言うのも、ハイメジャー校の方が大きなアリーナとファンベースを持っているためである。しかも、往々にして試合はホームのハイメジャー校が力の差を見せつけて圧勝するので勝ち試合を観たい地元民が多く訪れるのだ。基本的には15,000人程度の観客がチケット、飲食、グッズ、駐車場を払うため結構な額の収益が大学に入る。


そして、収益の一部が対戦相手のミッドメジャー校にファイトマネーとして渡される。ミッドメジャー校の場合、観客は少なければ数百人、多くても5000人程度、しかも、ハイメジャー校とは違ってチケットは$15程度と安く、グッズ収入も見込めない。故に、ミッドメジャー校の財政状況は常に厳しく、ハイメジャー校にボコされに行かなければ運営は立ち行かないのだ。

しかし、ジョン・ロステインのツイートの通り、2020-21はコロナの影響による試合数の減少で多くのバスケットボール部は巨額の収入を失うことになるが、それでもやらないよりはマシなので、各校は必死になってスケジューリングに奔走していた。

開幕前: 各カンファレンス(地域)のコロナ観が浮き彫りに

概要

開幕前のスケジュール調整ではっきりとしたのが各カンファレンス(地域性)のコロナ観の違いだ。

バブルビル計画破談

アニュアルイベントの穴埋め

まず、アニュアルイベントの穴埋めが行われた。アニュアルイベントは感謝祭休暇(11月下旬)やクリスマス休暇(12月中旬~)中に全米各地や近隣諸国で開催される大会だ。アニュアルイベントは大会の勝敗こそNCAAトーナメントにほとんど影響しないため重要ではないが、放映権やスポンサード収益等で大きな金が動くので、今季は特に重要なアスペクトである。

約20個の大会を1か所に集める計画が破談に

しかし、大規模な移動を伴うため各イベントを例年通りに全米各地で行うことは不可能だった。故に、ESPNはフロリダ州オーランドにバブルを作って約20個の大会を一か所で開催するバブルビル(bubbleville)を計画したのだが、一部の強豪校がNCAAのCOVID-19のガイドラインに沿うESPNの意向に拒否反応を示したため、中々開催決定には至らず、結果的にESPNが「各校が自由に試合を組んだ方が良い」と言い放って計画全てが白紙になった。

後日談

ジェイ・ライトがビッグ12とSECを批判

ビラノバ大学HCのジェイ・ライトはESPNの要求を飲まなかったチーム(厳密には彼らが所属するカンファレンス)を批判した。と言うのも、バブルビル計画は一気に多くのチームのスケジュール問題を解決する画期的な案だったのだが、一部の非協力的なチームのせいで再び地獄のスケジュール調整に追われなければならなかったからだ。ちなみに、同じくビッグ・イースト・カンファレンスに所属しているシートン・ホール大学HCのケビン・ウィラードも愚痴をこぼしていた。

別の放送局の試合に参戦&ガイドライン無視

破談後、カンザス大学、ゴンザガ大学、オーバーン大学等はESPNが放映権を持たないフォート・マイヤーズ・インビテーショナルに参加することになった。NCAAのガイドラインでは陽性者が出たチームには2週間の活動休止を推奨しているのだが、同大会を放送するFOXは参加校にNCAAのガイドラインに従うことを強要していないため、現地11月27日、ゴンザガ大学から陽性者が出たにも関わらず、試合が決行された。

独自にミニバブルを主催

一方、ルイビル大学やケンタッキー大学は独自に複数校を招いた大会(Multi-Team Event)の主催を決定した。ルイビル大学に至ってはアリーナにホテルが隣接されているため独自のミニバブルを作っての開催となった。

バブルビル

しかし、その後、いくつかの大会主催者とESPNの尽力によって11/25~12/5の11日間にモヒーガンサン社が所有するカジノリゾート地(コネチカット州)に男女合わせて45チームを招待して各大会を行うことが決まった。バブルビルではネイスミス財団、ガゼルグループ、ESPNが主催する大会と出場校同士が独自に調整した試合が行われる。

アイビーリーグがシーズン中止を発表

アイビー・リーグは2020-21シーズン開催を断念した。アイビーはハーバード大学、イェール大学、松井啓十郎選手の母校コロンビア大学等が所属するカンファレンスだ。


同カンファレンスは昨季にCOVID-19を懸念していち早くシーズン中止を発表し、その後、2020-21シーズンの開催を2021年1月まで中止としていたが、2020年11月にパンデミックの終息状況を鑑みてシーズン開催を断念した。


その結果、アイビーリーガー達がこぞって転校を表明した。NCAAは昨2019-20シーズンの中止を考慮して現4年生にもう1シーズン(2021-22)プレーできる資格を付与するつもりなのだが、アイビーリーグは大学院生のプレーを許可していないため、現4年生達は仮に来年に現在通う大学の大学院に進学しても結局はプレーができないからだ。

ミッドメジャーカンファレンスのBリーグフォーマット採用

一方、予算の少ないミッドメジャーカンファレンスはバブルという選択肢は無く、一方で中止にした場合は大赤字になってしまうため、結果的には開催以外の選択肢はなかった。その結果、いくつかのミッドメジャーカンファレンスは週末にどちらかのホームで2試合を行う”Bリーグ式”を採用することとなった。NCAAの各カンファレンスが移動を減そうとしている理由はコロナ対策としてなのだが、移動が抑えられればその分だけ経費が削減されるため、予算の少ないミッドメジャーカンファレンスにとっては財政面でもBリーグフォーマットは有効なのだ。

その他

リゾート地から田舎へ

話し合いの結果、各大会は例年とは全然違った様相になってしまった。基本的には時期、期間、規模、会場等が縮小された。例えば、マウイインビテーショナルはハワイ諸島のマウイ島で行われるのだが、今回はノースカロライナ州に会場が変更されることになった。

近所のチームと試合を組むことに

その他、各校はいつも通りにどちらかのキャンパスでの試合を組んでいるが、できるだけ移動を減らすために近くのNCAA D2やD3、NAIA校と試合を組んでいるチームも多い。

まとめ: 各カンファレンスの地域性が浮き彫りに

慎重派

リベラルな東海岸と西海岸のは開催に慎重だ。例えば、ビッグイーストとパック-12は12月の試合しかスケジューリング確定させておらず、それ以降は状況次第で中止も辞さないという構えだ。コネチカット大学に至ってはシーズン中の無観客試合も決めてしまった。

強行派

一方、保守的な南部や中西部のカンファレンスはコロナ下でもシーズンを強行する姿勢が表れている。SECは各校が18試合ずつを行う日程を全て確定し、ビッグ12も全日程を発表している。

混同

そして、リベラルと保守が混同するカンファレンスは発表時期が遅れた。北東部と南部の大学が入り乱れているアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)とビッグ・10・カンファレンスは一応は全日程が決まっているが、リベラルのデューク大学やミシガンステイト大学は慎重な姿勢を見せている。

開幕直前~現在

活動休止&試合中止が続出

開幕直前~現在に至るまで活動を一時的に休止するチームが後を絶たない。


NCAAのガイドラインはチーム関係者への定期的な検査、及び、陽性者が出た場合は2週間のチーム活動休止を推奨している。NCAAのガイドラインは決して従う義務は無いのだが、先週に引き続き、活動休止を発表するチームは増加の一途を辿っている。


また、それに伴ってシーズン序盤の試合のキャンセル、延期、対戦相手の変更も出始めた。しかも、テネシー大学、フロリダ大学、ベイラー大学といった南部の強行派の大学も、NCAAのガイドラインと比べれば短いが、チーム内に陽性者が出た場合は活動休止をしている。

開幕後の事件簿

事件簿1: ミシガン大学内のいざこざ

2020年12月9日、ミシガン大学のアイザイア・リバースがクリスマスに試合が組み込まれていることに対して不満を公言した。これに対してHCのジュワン・ハワードはリバースには賛同しない旨の発言をしている。ちなみに、リバースとハワードは11月29日のオークランド大学戦のタイムアウト中に口論になっていた。リバースは前任者ジョン・ベイリンがリクルートした選手である。

事件簿2: 説得力不足のコーチK

2020年12月、コーチKはシーズン継続に疑問を呈した。


しかし、この意見は賛否を呼んだ。コーチKのリーダーシップを称賛する声が上がる一方、否定的な意見も続出している。特に指摘されているのがコーチK自身が試合中に度々マスクを外して叫んでいることだ。つまり、コロナを心配する姿勢を取りながら行動が伴っていないのである。


加えて、現在のデューク大学の成績不振が説得力を不足させている。今季、デューク大学はミシガンステイト大学とイリノイ大学にホームで敗退しており、ロスターのタレント不足を露呈しているため、「コーチKは恥ずかしいシーズンを避けるためにコロナを利用してシーズンをストップさせたいのではないか?」と勘繰られている。


実際、アラバマ大学HCのネイト・オーツ(Nate Oats)はコーチKに賛同しないとの意見を発表し、それに対してシラキュース大学のジム・ベイハアイム(Jim Boeheim)がコーチKを擁護する”やり合い”も勃発した。後日、オーツは謝罪した。


そして、その後、デューク大学はノンカンファレンスゲームを全てキャンセルした。

事件簿4: ジェイ・ライトが自己都合で試合を延期

12月19日、遂に自己都合の試合延期が登場した。


NCAAのガイドラインは「チーム内にコロナ陽性者が出る」or「陽性者と接触した可能性がある」場合は試合の延期や中止を推奨しているが、ジェイ・ライト(ビラノバ大学)は「選手達は休息が必要だ」とのコロナに関係無い理由で12月30日に予定されていたSt.ジョーンズ大学戦を延期したのだ。


この延期は対戦相手とビッグ・イースト・カンファレンスとの合意の上での決定ではあるが、NCAAトーナメントの出場にはレギュラーシーズン中の成績が加味されるため、もしこのように自由に試合を延期(中止)することがまかり通ってしまうのであれば、各大学は都合の悪い試合を恣意的に回避することが可能になり、都合の悪い試合だけ回避してNCAAトーナメントに出場する”ハック”ができるようになってしまう。

まとめ

ESPNの識者達は各校が実施できるのは16試合程度だと予想している。

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参考

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