スポーツドリンク市場で勃発したコービーとジョーダンの代理戦争!!

About US

※全て参考文献付き

B.I.B.T.(Bro Institute of Ball&Trip)は「より多くの人々に本場アメリカのバスケ(現地観戦、ピックアップゲーム、留学&etc)の楽しさを体験してもらう」を目標に北米のバスケ界隈の解説&紹介を行っているサイトだ。主なコンテンツは上記の通りである。そして、今回の記事はアメリカのバスケ界隈のニュース解説になっている。もし同記事が何かしらの役に立てば幸いだ。

コカ・コーラ vs. ペプシ

コカ・コーラ社とペプシコ社は最も有名な企業間のライバル関係だ。


20世紀初め、ペプシは絶対王者コカ・コーラ以外の多勢無勢の1つに過ぎなかったが、「コカ・コーラのライバル」と謳った結果、見事に世間に「ペプシがコカ・コーラに次ぐ第2位のコーラである」と世間に印象付けることに成功した。


そして、20世紀も半ばを過ぎた頃、ペプシコ社は王座奪取を目指して今度は矛先を絶対王者コカ・コーラに向けた。これが現在にまで続くコーラウォーズの始まりである。


しかし、実はコカ・コーラ社 vs. ペプシコ社の戦いはスポーツドリンク市場でも勃発していた。スポーツドリンクは1965年にペプシコ社がゲータレードを開発して概念が誕生し、その後はマイケル・ジョーダンの起用等のペプシコ社得意のマーケティングで常に独走状態を保ってきたのだが、2010年代、コービー・ブライアントが新進気鋭のボディー・アーマーを引っ提げてゲータレードに挑戦したのだ。

ゲータレード

スポーツドリンク界の巨人

ゲータレードはスポーツドリンク市場を開拓したスポーツドリンクの始祖だ。1965年、ペプシコ社はフロリダ大学と共同でゲータレードを開発した。その際、フロリダ大学のニックネームがゲイターズだったために商品名はゲータレードと名付けられた。そして、以降、ゲータレードは常にスポーツドリンク市場で圧倒的なシェアを誇っている。

“Be Like Mike”

そして、ゲータレードがスポーツドリンク市場で圧倒的な地位を確立したのはマイケル・ジョーダンのCM起用に他ならなかった。当時、スポーツドリンクは、水、砂糖、ミネラル、ビタミンを適当に配合するだけで作れる参入障壁の低さから数多くのライバル商品が次々と登場したが、1991年のテレビCM”Be Like Mike”によってゲータレードは他を寄せ付けずに地位を不動のものにした。

両者の関係は現在も継続中

現在でもジョーダンとゲータレードの関係性は続いている。例えば、ナイキは度々ゲータレードと呼ばれるカラーのエアジョーダンシリーズを発売している。また、2020年にはジョーダンブランドと契約しているジェイソン・テイタムとザイオン・ウィリアムソンが”Be Like Mike”をオマージュしたゲータレードのコマーシャルに出演した。

ボディー・アーマーとコービーの挑戦

コービーの宣戦布告

一方、ボディー・アーマー(Body Armour)はゲータレード誕生から約半世紀後の2011年に誕生した。2013年、コービー・ブライアントはボディー・アーマー社の株式の10%を$5万で購入した。先述した通り、当時のアメリカのスポーツドリンク市場はペプシコ社のゲータレードに独占され続けていたのだが、コービーは常々市場にチャンスを感じていた。そして、コービーが対抗馬として目を付けたのが設立3年目を迎えようとしていたボディー・アーマーだったのだ。

コービーの挑戦

コービーは株主になったと同時にボディー・アーマーの商品開発やブランディングにも携わるようになった。実際、コービーとボディー・アーマー社はエンドースメント契約を結んではいなかったようだが、コービーはボディー・アーマーのプロモーション活動に積極的に参加していた。


特にコービーのプロモーション活動で有名なのは引退試合直後の”マンバアウト”スピーチだ。2015-16シーズンの選手用のタオルは無地 or ゲータレードのロゴ入りが原則のはずなのだが、コービーは何食わぬ顔でボディー・アーマーのタオルを肩にかけている。


コービーの尽力のかいあってか、ボディー・アーマーはシェアを伸ばした。2017年、ボディー・アーマーはゲータレードとパワーエイドに次ぐ全米3位の売り上げを記録した。ゲータレードの$59億に対してボディーアーマーの売り上げは$2億3500万だったが、ボディーアーマーの共同設立者のマイク・レポール(Mike Repole)曰く、2018年に$4億、2020年に$10億、そして、2025年にシェア1位の座を奪い取る予定だった。コービーもインタビューで「2025年に1位になる」と宣言している。


その後、2018年にコカ・コーラ社が小株主となった。以降、ボディーアーマーはコカ・コーラ社のラインナップの位置商品として販売されるようになったが、その後も順調に売り上げを伸ばし、2019年には$700万を売り上げてパワーレードを超えて第2位となった。コービーも引き続きボディー・アーマーに携わっていた。実際、2020年1月、コービーが不慮の事故で命を落とす2週間程前、ボディー・アーマーがメジャー・リーグ・サッカーのオフィシャルサプライヤーになった際にコービーもその場に居合わせていた。

コカ・コーラ社とコービーの関係は紆余曲折があった。コカ・コーラ社のスプライト部門はコービーと早くから契約を結んでいたが、婦女暴行疑惑が浮上したため、契約は解消された。2008年、コカ・コーラ社のグラソー部門が独自にコービーをビタミンウォーターのイメージキャラクターとして契約した。

投資家としても成功していた

結果的にコービーは存命中にゲータレード(ジョーダン)討伐こそ果たせなかったが、コービーのボディー・アーマーへの投資は大成功に終わった。2018年にボディー・アーマー社がコカ・コーラ社に買収されたことでコービーの株は$200万程に跳ね上がったのだ。現在、コービーの持ち株は妻のベネッサ・ブライアントに引き継がれている。

現在: アスリートを積極的に起用

近年、ボディー・アーマーは広告にNBAとWNBAのスタープレーヤーを多く起用している。特にジェームス・ハーデンの起用はコービーの提案だ。その他、ケンバ・ウォーカー、ドノバン・ミッチェル、トレイ・ヤング、ジャ・モラント、WNBAは2020年1巡目1位指名のサブリナ・イオネスキューらがボディー・アーマーと契約を結んでいる。

現在のコカ・コーラとペプシ

NBAの公式清涼飲料水の交代

2015年、コカ・コーラ社はNBAの公式清涼飲料水の冠をペプシコ社に譲った


コカ・コーラ社は1986年からNBAの公式清涼飲料水を務め、近年ではスプライトをスポーツファンに売り込むべく、スラムダンクコンテストの名を冠す等の尽力をしていたのだが、CEOムター・ケント(Muhtar Kent)がコカ・コーラに絞る戦略を打ち出し、NBAとのパートナーシップ継続は見送られる運びとなった。


一方、ペプシ社もペプシ以外の商品を売り込む狙いだ。同社は1984年からゲータレードを公式スポーツドリンクとして長らくNBAと提携を結んでいたが、今回の契約更新によって新たにマウンテン・デュ―(炭酸飲料)、アクアフィーナ(水)、ブリスク(水)、ドリートス(スナック)、ラッフル(スナック)といった商品をスポーツファンに親しんでもらうつもりのようである。


そして、2021年、ペプシコ社とNBAはパートナーシップの契約を延長した。近年ではアンソニー・デイビスやジェイソン・テイタムがラッフルのCMに出演し、オールスターウィーケンドのスリーポイントコンテストではマウンテン・デュ―・ゾーンが設置された。

レブロン・ジェームスのペプシ移籍

レブロン・ジェームスの移籍

2020年、実はひっそりとレブロン・ジェームスはルーキー時代から約17年間契約していたコカ・コーラ社からライバルのペプシ社へと乗り換えていた。レブロン・ジェームスはコカ・コーラ社のスプライトのイメージキャラクターとして季節限定風味のCMにも出演していた。

コカ・コーラ社がレブロン・ジェームスとの契約を解消した理由

両者の契約解消の理由はコカ・コーラ社の縮小戦略だ。実は同社はコロナの打撃をモロに受けた。清涼飲料水は保存の容易さからオンライン販売の障壁が無く、また、コロナ中でもスーパーマーケットやドラッグストアはオープンしていたことから、一見、コロナの影響を受けていないように見えるが、実は売り上げの片棒はレストラン、イベント会場、映画館への商品提供が担っているため、それらの営業停止や開催中止によって売り上げが大きく落ち込んでしまっていた。そのため、コカ・コーラ社は規模の縮小を図り、400以上のブランドを半分以下の200に減らし、多くの従業員を解雇し、そして、レブロン・ジェームスとの契約も解消した。

新ブランドのイメージキャラクター就任

2021年5月、レブロン・ジェームスはマウンテン・デュー・ライズ(Mtn Dew RISE)のイメージキャラクターとしてペプシデビューを果たした。マウンテン・デュー・ライズは炭酸飲料マウンテン・デューのエナジードリンク版だ。ペプシ社は既にロックスターで成功を収めているが、昨今のエナジードリンクブームにあやかり、マウンテン・デュ―・ライズでは「コーヒー2杯分のカフェイン」「豊富なビタミン」「砂糖無し」を売りに「健康志向」を新ターゲットとして新規顧客の獲得を狙っているようだ。

コカ・コーラ社 vs. ペプシコ社

そして、実はコーラ戦争は第一次世界大戦並みの泥沼にはまり込んでいた。ペプシコ社は大々的なキャンペーンとしてペプシチャレンジを全米各地で開催した。ペプシチャレンジはラベルを剝がしたコカ・コーラとペプシを人々に飲ませて「どちらが美味しいのか?」を問う”利きコーラ”だ。その結果、ペプシコ社は見事により多くの人々から「ペプシの方が美味しい」との評価を得るのだが、何故かコカ・コーラの方が売り上げでも世間的なイメージでも第1位のコーラだった。一方、コカ・コーラ社も自社のコーラが不味いことに危機感を覚えて遂には悪魔に魂を売るのだが、これが世間から非難を浴びた。そして、互いが自滅し合う中、ペプシコ社は新たなマーケティング手段を打ち出す。

31日間無料体験実施中!!
月額2,189円(税込)

まとめ

  • ゲータレード(ペプシコ社)→マイケル・ジョーダン
  • ボディーアーマー(コカ・コーラ社)→コービー・ブライアント

コカ・コーラ社 vs. ペプシコ社の戦いはスポーツドリンク市場でも勃発していた。スポーツドリンクは1965年にペプシコ社がゲータレードを開発して概念が誕生し、その後はマイケル・ジョーダンの起用等のペプシコ社得意のマーケティングで常に独走状態を保ってきたのだが、2010年代、コービー・ブライアントが新進気鋭のボディー・アーマーを引っ提げてゲータレードに挑戦したのだ。

関連記事

映像作品解説

【Netflix】「バスケが全て(Basketball or Nothing)」解説
Netflixのオリジナルドキュメンタリー「バスケが全て(Basketball or Nothing)」を解説!!
【Netflix】「ラスト・チャンス(バスケ編)」解説(ネタバレ無し)
Netflixのオリジナルドキュメンタリー「ラスト・チャンス(バスケ編)」を解説!!
【Netflix】「ラスト・チャンス: バスケ編」解説(ネタバレ有り)
登場人物の過去&その後や作中の出来事や発言の解説
【Prime Video】「モア・ザン・ア・ゲーム」解説
レブロン・ジェームスの中学高校時代を振り返るドキュメンタリー作品「モア・ザン・ア・ゲーム」を解説!!

ニュース

参考

TEAM BODYARMOR(drinkbodyarmour.com)
Kobe Bryant’s wife Vanessa inherited BodyArmor stake, company founder says(foxbuisiness.com)
Be Like Mike: Gatorade remakes classic Michael Jordan ad with Zion Williamson, Jayson Tatum, Elena Delle Donne(cbssports.com)
Kobe Bryant Wants to Sell You a Sports Drink(bloomberg.com)
Kobe Bryant, MLS players unveil league’s new partnership with BODYARMOR(mlssoccer.com)
A History of Kobe Bryant’s Endorsement Deals(thebalanceeveryday.com)
PepsiCo partners with NBA, has deals with four major sports leagues(espn.com)
Pepsi’s NBA Partnership Makes It The Beverage King Of Sports(forbes.com)
NBA, PepsiCo Renew Marketing Partnership As Brand Reveals Anthony Davis Commercial, Jayson Tatum Chip Flavor(forbes.com)
LeBron James talks about his new Pepsi deal as he unveils first campaign with Mtn Dew Rise(cnbc.com)

全コンテンツは以下の見地に基づいている。

1. Bro
批判的思考
(×好き嫌いや感情論)
2. Investigator
徹底的な調査
(×妄想や思い込み)
3. Nerd
幅広い知識と視点
(×薄っぺらい受け売り)

俺達はこれをもってしてバスケに対するロイヤリティを示す。

Ball Otaku Brosをフォローする

カテゴリー

タイトルとURLをコピーしました